概要
Microsoftが開発しているOSで、Windows10の後継。2022年現在最新のWindowsである。
Windows10が発売された当初、「Windows10はWindowsの最後のバージョンである」と言われており、それ以降はWindows10の大型アップデートが主流となって新OSの開発は行われなくなるはずだった。だが2021年にWindows10Home/Proのサポート期限、10Xの開発中止が発表され、同時に次世代OSを匂わせる発表を行った。さらに同6月15日にWindows11β版のスクリーンショットがネット上に流出し、OSのISOファイルもアップされ、後にMicrosoftが権利削除を行ったため、その存在が確実視されるに至った。
そして2021年6月24日(日本時間では25日)に開催されたイベントにてWindows11が正式発表された。
2021年10月5日に正式リリース。
内部バージョンは10・Server2016・Server2019・Server2022と同じNT10.0となっている。
旧OSからのアップグレード
Windows10からの無料アップグレードに対応することが発表されている。
また、Windows7~10のプロダクトキーがあればライセンス認証が可能であることが判明しており、7以降のプロダクトキーを持っている人は無料で11を使用することができる。
エディション
Home(ホーム)
一般ユーザー向けのエディション。基本的な機能が備わっている。
Pro(プロ)・Enterprise(エンタープライズ)
パワーユーザーや企業向けのエディション。
Enterpriseは90日間無料で使用できる評価版として提供されている他、ボリュームライセンス契約を行うことで一般ユーザーも一般版の利用が可能である。Proのライセンス更新でアップグレードが可能となる。
Education(エデュケーション)
教育機関向けのエディション。
機能はEnterpriseとほぼ同じだが、モバイルコンパニオンがプリインストールされていないなど、細かな相違がある。
一般ユーザーは入手不可。
Pro Education(プロ エデュケーション)
教育機関向けの上位エディション。教育機関向けの管理機能が搭載。
基本はプリインストールだが、Proのライセンス更新でアップグレードが可能となる。
Pro for Workstations(プロ フォア ワークステーションズ)
サーバーグレードのワークステーション向けのエディション。高スペックをサポートする。
システム要件(x64版)
最小要件 | 備考 | |
---|---|---|
CPU | 2コア1GHz以上 | 世代によって対応が分かれる※1 |
メモリ | 4GB以上 | |
ディスク容量 | 64GB以上 | |
システム ファームウェア | UEFI、セキュアブート対応 | レガシーファームウェアは不可※2 |
TPM | バージョン 2.0 | |
グラフィックカード | Microsoft DirectX 12 グラフィックスデバイス(WDDM2.0ドライバー付き) | GeForce400Series以降の対応 |
ディスプレイ | 9インチ以上で8ビットカラーの高解像度(720p) | |
その他 | Microsoftアカウントとインターネットアクセス | ライセンス認証に必要 |
※セキュリティ機能を重視し、Intelの第8世代Core及びAMDの2000番台(APUは3000番台)以降のプロセッサがサポート対象となっている。
後に緩和が検討されたが、第7世代Coreの一部が追加された程度に留まっている。
※2近年のメーカー製PCの場合、内部構成をいじっていなければ大体は対応している。
自作PCの場合、最新のパーツを使用してもBIOSを使っていることがあるので注意が必要。
特徴
タスクバー
今までタスクバーアイコン(スタートボタンやアプリ)が左寄せだったが、今回はデフォルトで中央になっている。設定変更で今までのような左寄せにすることは可能。
なお、これは開発中止になったWindows10Xと同じ特徴である。
Androidアプリとの互換性
Android互換環境を搭載しており、Windows11からMicrosoftStoreにてAndroidアプリをダウンロードし、パソコンにインストールすることができるようになる。
Arm版Windowsとの互換性
Arm版Windows(ARM64)でもx64版アプリが動くようになった。これまでのArm版Windowsは対応アプリがほとんどなかった(アプリをARM64向けに書き換えなければならないため)ので普及が進まなかったが、ARM64とx64の共通基盤が整ったことにより、Snapdragonなどスマホ向けSoCを搭載したWindowsパソコンの普及が期待される。同一のバイナリにx64とARM64のコードを混在させることができるため、開発者は性能が求められる部分からArmのコードに書き換えを進めればよい(かつてMacintoshが68KからPowerPCへの移行時に使った手法と似ている)。
InternetExplorerの削除
Windows10では新ブラウザのMicrosoftEdgeと旧ブラウザのIE11の両方が搭載されていたが、Windows11からはEdgeのみの搭載となっている。
IE用のサイトを表示する際は、EdgeのIEモードを使う必要がある。
大型アップデート
Windows11でも大型アップデートは実行される。
なお、これまでのWindows10は年2回だったのに対し、Windows11は年1回のリリースサイクルに変更された(10もこれに合わせて2022年から年1回に変更された)。
初期設定での落とし穴
Windows11Home搭載のパソコンは初期設定においてネットに接続できる事が必須条件であり、もしネット回線が開通していない、または「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」しかない場合、初期設定が途中で詰んでしまう事態が発生する(Windows11Proは従来通り、ネット接続無しで初期設定可能)。
「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」とは、プロバイダーから送られてきたIDとパスワードをパソコン本体に設定して、ネットに接続する方式である。
具体的には、
「光回線」→「ONU(終端装置)」→「パソコン」
という繋ぎ方となる。この場合、回線に接続可能なパソコンは1台だけになる。
「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」でWindows11Homeの初期設定が出来ないのは、「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」は初期設定が終わってOSが立ち上がっているパソコンにプロバイダーから送られて来たIDとパスワードを設定してネットに接続する方式なので、初期設定が済んでいないWindows11Home搭載の新品のパソコンでは、ネットに繋げず初期設定が出来ないのである。
この場合、プロバイダーから送られてきたIDとパスワードを設定した有線、または無線LANルータを「ONU(終端装置)」と「パソコン」の間に設置して、
「光回線」→「ONU(終端装置)」→「有線、または無線LANルータ」→「パソコン」
という繋ぎ方でWindows11Home搭載のパソコンの初期設定を行う事になる。
有線、または無線LANルータは市販のものを購入するか、NTTが貸し出している「ホームゲートウェイ」、ソフトバンクが貸し出している「光BBユニット」をレンタルするなどの方法で導入可能。
ただし、有線、または無線LANルータにプロバイダーから送られてきたIDとパスワードを設定するには、すでにネットに繋がっているパソコンが必要なので、「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」しかない人が「Windows11Home搭載のパソコン」を買うから、とルーター設定をする前に古いパソコンを処分してしまうと、「ルーターの設定にはネットに繋がったパソコンが必要」、しかし「Windows11Home搭載のパソコンはネットに繋がっていなければ初期設定不可」という八方塞がりな状態になってしまう。
なので「ブリッジ接続(PPPoE接続、広帯域接続とも)」しかない人は「Windows11Home搭載のパソコン」を買う前に、必ず今使っている古いパソコンを使って有線、または無線LANルータにプロバイダーから送られてきたIDとパスワードを設定しておく必要がある。
余談
今回からロゴマークが変更され、Microsoftのロゴを青一色にした感じのマークとなった。
前述の通り、非常にシステム要件が厳しくなっている。しかし、裏ワザを使えばサポート対象外の古いPCでもインストール可能。
しかし、Microsoftは自己責任としている。
関連タグ
Microsoft OS Windows WindowsNT
Windows10→Windows11→?
外部リンク
- Microsoft公式サイト
- Windows公式サイト
- Office公式サイト
- Windows11公式サイト
- Windows11のダウンロード←無料アップグレード及びISOダウンロードはここから。
- Windows 評価版ソフトウェア←試しに無料で使ってみたい人はここから。