上島竜兵
うえしまりゅうへい
概要
ダチョウ倶楽部の中で、最も体を張っているいじられキャラで有名。
怒って帽子を叩きつけるリアクションを持ちネタの一つとするため、リアクション芸人と称される。上島と同じくリアクション芸と得意とする出川哲朗とは若い頃からの盟友かつ戦友であり、同業のライバルでもある。
彼の才能を見出した人物がビートたけしであり、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』『スーパージョッキー』(熱湯風呂の元祖)では、彼の面白さが遺憾なく発揮された。彼の妻、広川ひかるが優勝したことまである。そのため、たけし軍団からも彼は「戦友」と呼ばれているし、上島がたけしを「殿」と呼ぶのも何の違和感もない。
また、志村けんからもとても可愛がられている。志村と上島が酒を呑むのは恒例らしい。ちなみに直接の弟子ではないものの、志村を「師匠」と呼んでいる。
「代表作これといってなし!!」が彼の持ちネタの一つだが、彼の代表作を知りつつ、我々は笑うことができる。
テレビで受ける印象とは裏腹に、良識人である。
竜兵会のメンバーからもダチョウ倶楽部で一番まともな人と言われている。
渡辺正行ら同様、彼も下積み時代の苦労から、後輩を本当に可愛がっている(いわゆる「竜兵会」)。その恩恵を受けた最大の人物が有吉弘行である。最近は、そのギャップがネタにされることも多くなり、また上島の意外なリーダーシップも本やDVDになっている。
近年になって目覚めた趣味は意外にもエロ漫画の購読。お気に入りのエロ漫画家は風船クラブ。抜けるだけでなくストーリーでも読ませるエロ漫画が好みとの話がある。しかし、年齢が年齢だけに固くなりにくいときがあるため、バイアグラを飲んでからエロ漫画を読み耽ることがあるらしい(情報源は『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』内のトーク及び『ゴッドタン』マジ歌選手権で劇団ひとりが歌った『This is Ryu』の歌詞より)。
主なネタ
散々な目に遭うリアクション芸人の代表格というだけあって、芸能生活40年の間に彼とダチョウ倶楽部が編み出したネタは日本社会において既にお約束として浸透している。
リアクションというハプニングを楽しむジャンルにおいて、後の結末がわかっているのに笑える定番ネタを築き上げたのは彼の功績と言え、これらのネタが残り続ける限り、上島竜平はその名を日本お笑い史に刻み続けるだろう。
テレビの枠を越えて漫画、アニメでもしばしばパロディや似た言い回しが自然に使われており、影響力の高さを実感できる。
以下例
・「いいか、お前ら押すなよ!押すな!絶対に押すなよ!」
→最後の「絶対に押すなよ」の場所で自分の背中を押せという意味である。
押されて熱湯風呂などに落っこちた後「殺す気か!」と必死の形相で叫ぶまでが芸である(本人は相当の金槌で全く泳げない)。
・溺れた後に人工呼吸(心臓マッサージ)で口から水を吹く
古来から漫画で行われてきたネタだが、現実で実践していたのは上島が代表例。
なお、明らかに水を飲んでなさそうなシチュエーションでも水を準備している。
・「聞いてないよォ」
93年の流行語大賞で銀賞にも輝いた名台詞。
半ば何をするか絶対わかっていそうな場面で使われたりしていたが、初出は『お笑いウルトラクイズ』の「リュック爆破クイズ」でリュックの火薬量が多すぎて肥後の頭がガチ燃えするという本当に聞いてないハプニングから生まれた産物だった。
・熱々おでん(食べ物)
身体を仲間や仕掛け役に羽交い締めされて熱々のおでんを食わされる(またはぶつけられる)というもの。元々は事務所の先輩である片岡鶴太郎氏が行っていたが、
彼が本格的に俳優として活動し始めた頃からダチョウ倶楽部に受け継がれ、
現在まで彼らの定番ネタとして世間に浸透している。
トニーたけざきのガンダム漫画でもパロディされ、
そのシチュエーションから南極条約違反という通称でも有名。
最近ではコロナの影響及び、
食品のコンプライアンス問題もあってか、テレビではあまり使われなくなった。
多くの人間を巻き込んだ大掛かりなネタ。ネタだけの範囲にとどまらず、譲るという意味合いから、東日本大震災直後の電力・エネルギー供給問題では一連の計画がウエシマ作戦と呼ばれ、混乱を抑えることに貢献した(?)。
・くるりんぱ
キレ芸にありがちな被っている帽子を地面に叩きつける…と見せかけて、回転させながら被り直すという仕切り直し系の定番ギャグ。
この他に顔芸やモノマネにも長けており、実は芸のレパートリーが豊富にあった。
そして今日も竜ちゃんは、カメラの前でみんなからバカにされ、
それが終わったあとに大切にされる。
こうして愛される身体を張ることも厭わない明るいリアクション芸人であったが……
突然の別れ
2022年5月11日、自宅で倒れていた所を家族に発見され、その後病院に運ばれたが、
すでに亡くなっていた事が確認された。警察の調べでは縊死した可能性が高いとの事。
享年61歳。本当に「聞いてないよォ!」
朝7~8時台にこの報道がされた際は、ネット上でも衝撃的なニュースとして拡散され「去年還暦祝ったばかりじゃないか…」「この間の番組ではいつものようにやってたのに…」「あの竜ちゃんがどうして…」「師匠が天国で『バカヤロー!!』って泣いてるぞ…」と悲しみの声が相次ぎ、スッキリ!では司会の極楽とんぼ・加藤浩次が言葉に詰まり、めざまし8では当日パーソナリティだった後輩のEXITが泣きながらコメントを返していた。自宅や事務所前にメディアが殺到した為、厚生労働省からガチギレの注意喚起が行われた。
お笑い界の第一線で走り続け、近年では役者としても高い評価を得ており、還暦を迎えた時期からは俳優業にも本腰を入れ始めるなどこれからの活躍にますます期待がかかる中、あまりにも唐突かつショッキングな内容のため、中には悪質なデマやドッキリ、フェイクニュースと信じた者までいた程である。
お茶の間の皆でさえもここまでショックを受けているのだから、相方の肥後克広・寺門ジモンに竜兵会のメンバー、同じくリアクション芸人の双璧たる出川哲朗、ブレイク前からドン底期、そして再ブレイク後も上島に面倒を見て貰っていた有吉弘行、ドラマで共演していた嵐の大野智など、彼を慕っていた後輩や友人達の悲しみと悔しさ、やり切れなさは計り知れない事だろう。
また、約1週間前の5月3日に俳優の渡辺裕之が同じく自宅で縊死し急逝したことから、
著名人の訃報が立て続いたことも世間を驚かせた。