解説
文字通り、南極条約に違反した状態が描かれたイラストに対して用いられるタグ。
ただ、基本的にガンダム系のネタであり、現実に存在する「南極条約」(南極地域の領土主権の凍結および軍事的利用の禁止、南極における科学的調査の自由と国際協力を定めた条約)に違反しているイラストは無い。
『機動戦士ガンダム』世界においては、一年戦争序盤で南極において地球連邦政府とジオン公国の会談により「核兵器やコロニー落としを始めとする大量殺戮兵器の使用の禁止」「捕虜の扱い」などを定めた「南極条約」が締結されており、基本的にこの内容でタグが使われている。
実際、『機動戦士ガンダム』本編にはマ・クベがオデッサ作戦の不利を挽回するため連邦軍に対して“核兵器”を使用したと言う南極条約違反を犯すシーンがある(アムロ・レイの活躍でミサイルは爆発する前に機能停止させられたが)。
また、『ポケットの中の戦争』に登場するキリングは核ミサイルで中立コロニーであるサイド6もろともNT-1を破壊しようとする南極条約を無視した行動を取ろうとした(フォン・ヘルシングの裏切りもあって失敗)。
戦後の南極条約
この条約自体は戦時条約であり、一年戦争が終戦した宇宙世紀0080年1月1日の段階で失効している。
よって、一年戦争中の1stや0080の時期はともかく、『0083』の段階では条約違反という事にはならない。
そもそも「使用」や「実行」が禁止されているだけで「製造」や「保有」に関しては禁止されていない。
実際、上述した『機動戦士ガンダム』25話でのマ・クベのセリフに「無論、核兵器を使わぬと約束をした南極条約に違反はするが」とあり、水爆ミサイルを所有し、発射態勢をしている現状を条約違反と見なしていない。
さらに発射された水爆ミサイルの設計図が即座にRX-78-2に転送される場面で「南極条約の時の公開データだ」とのブライト・ノアのセリフもあって、その核ミサイルの所有・存在・設計を地球連邦にも公表していたことも描写されている。
これらの劇中描写からも「製造や保有は南極条約には違反しない」というのが妥当とみられる。
ただ、失効後も暗黙の了解として核兵器の使用やコロニー落としは禁忌であるという認識は残っているようである。
また、デラーズフリートを肇としたジオン残党軍は「降伏したのはジオン共和国を名乗る連邦の傀儡政権であって、ジオン公国は未だ交戦中」と終戦自体を否定しており、条約は有効だと主張している。
しかし南極条約が有効だった場合は「実際に核兵器を使用、コロニー落としを実行した」デラーズフリートの方にだけ非がある事になってしまう事は無視されている(エギーユ・デラーズ自身はGP-02製造を理由に連邦軍が先に条約を破ったと言う事にしているが、前述のマ・クベやキリングの件を考えても製造・保有を禁止する条約は締結されていないと思われる)。
核兵器ばかりに注目されるので、コロニー落としも南極条約違反している事については蔑ろにされがちである。
捕虜の取り扱いについても含まれるため、こちらでもいくつか違反と思われる描写が複数作品でみられる。
こちらも同様に戦後も暗黙の了解として扱われているようだが、テロリスト扱いであるジオン残党軍の捕虜相手では虐待が行われている描写がある。
宇宙世紀0087年頃のZZの時代でも捕虜が炊事といった作業をさせている事に対して捕虜の虐待で南極条約違反だという文句を言ったのに対し、捕虜も労働しなくてはならないと書いてあるという返しもあった。(洗濯等であればよほどのことでなければ苦役にならないので虐待とはならないと思われる)
ギャグとして
pixivでは本来の意味以上に『トニーたけざきのガンダム漫画』において、ブライト・ノアとミライ・ヤシマがコズン・グラハムへの拷問として「強制的に熱いおでんを食べさせようとした事(「捕虜の扱い」の部分に該当)」から所謂ダチョウ倶楽部的な熱々おでん芸に付けられる事が多い。
なお、コズンからの「南極条約違反だろォ!!」と言う指摘に対しブライトは「これは関東炊き(おでんの関西における呼び名)であっておでんではない」という詭弁を弄して続行した。
「捕虜の顔面に火傷を負わせかねない高温の物体を押し付ける」のが違反行為にあたるため当然ながら呼び方を変えたからどうという問題ではなく、直後コズンから「いっしょだいっしょォ!!」とツッコミを受けている。
関連イラスト・漫画
※pixivでは捕虜の扱いに対して人道的なイラストを求めています。