概要
※日本馬の年齢表記は2000年以前の旧年齢表記に従う。海外は、日本における2000年以降の表記に準じる。
1946年(昭和21年)に生まれ、1949年(昭和24年)にクラシック競走を走った競走馬の世代。
皐月賞では初戦から連続8連対、レコード3度という記録を引っ提げたトサミドリが優勝。
連対を10に伸ばしたトサミドリがダービーに乗り込んだ。しかし不運が重なり7着に敗戦。代わり19番人気のタチカゼが優勝、2着に12番人気のシラオキが入り、大波乱となった。当時の流行歌手(ディアナ・ダービン)の名をもじって「ダイ穴ダービー」と呼ばれた(配当金額は、単勝・複勝ともに未だに破られていない)。
つづく菊花賞ではトサミドリが逃げてそのまま優勝、二冠を達成した。
牝馬では、桜花賞をヤシマドオターが、秋の優駿牝馬ではキングナイトが制した。
5歳では、オーエンスが天皇賞(春)をブービー人気で圧勝、ヤシマドオターも天皇賞(秋)を制した。彼女は中山記念(秋)優勝を最後に引退。その一方、トサミドリは天皇賞(秋)での競走中止以降成績が振るわず。
6歳では、トサミドリが再度天皇賞優勝を目指すも果たせず、そのまま引退した。オーエンスは京都記念(春)を含む4連勝もあったが、酷量に苦しみ地方競馬に転出した。
イギリスでは、短距離戦線を席巻したアバーナントや彼と2歳~クラシックを戦ったスターキング、二冠馬競馬ニンバスがいる。
また、日本で種牡馬となって産駒での八大競走制覇、7度のリーディングサイアーを達成したヒンドスタンもこの世代である。
アイルランドでは英愛日で種牡馬として活躍したソロナウェーが出ている。彼もまた、キーストンをはじめとするいくつかの八大競走馬を出している。
アメリカでは、二冠馬カポットとそのライバル馬ポンダーがいる。
牝馬では、最優秀3歳牝馬に輝き牡馬とも健闘したトゥーリー、最優秀2歳牝馬となったマートルチャーム、のちに「初期牝馬三冠」数えられるウィストフルがいる。
フランスでは、主にマイル~2000mを主戦場とし、種牡馬としては'61北米リーディンとなったアンビオリクスや凱旋門賞を制した牝馬コロネーションがいる。
ちなみに、この年のクラシックでは日米英3か国で二冠馬が出ている。
主な競走馬
※日本馬は五十音順、海外馬はアルファベット順に記載。
※勝鞍や表彰は当時の名称で記載する。
日本
※勝鞍の太字は八大競走、普通は重賞、☨は現在は廃止された競走を表す。
八大競走優勝馬
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
オーエンス | 牡 | '50天皇賞(春)、'51京都記念(春) | |
キングナイト | 牝 | '49優駿牝馬 | |
タチカゼ | 牡 | '49東京優駿 | |
トサミドリ | 牡 | '49皐月賞、'49菊花賞、'49セントライト記念、'51東京盃 | '49クラシック二冠馬、'84JRA顕彰馬 |
ヤシマドオター | 牝 | '49桜花賞、'50天皇賞(秋)、'50中山記念(秋) |
現在の重賞に相当する競走の勝利馬
その他
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
シラオキ | 牝 | '49優駿競走2着 |
海外
※勝鞍の太字はクラシック競走、普通はその他の重賞を表す。
※Sはステークス、Cはカップ、Hはハンデキャップ
英
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
アバーナント | 牡 | '48英シャンペンS、'48ミドルパークS、'49キングズスタンドS、'49ジュライC、'49キングジョージS、'49ナンソープS、'50ジュライC、'50キングジョージS、'50ナンソープS | |
ヒンドスタン | 牡 | '49アイリッシュダービー | |
ニンバス | 牡 | '48ジュライS、'49 2000ギニーS、'49ダービーS | 英二冠馬 |
スターキング(のちスターキングダムに改名) | 牡 | '47リッチモンドS、'47ジムクラックスS、'48グリーナムS、'48ジャージーS、'48ハンガーフォードS |
愛
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
ソロナウェー | 牡 | '49アイリッシュ2000ギニー、'49コークアンドオラリーS(現・ダイヤモンドジュビリーS) |
米
※1:アーリントンS、アメリカンダービー、セクレタリアトSの3競走
※2:ケンタッキーオークス、ピムリコオークス、コーチングクラブアメリカンオークスの3競走。遡って定義された概念
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
カポット | 牡 | '48米シャンペンS、'48ピムリコフューチュリティ、'49プリークネスS、'49ベルモントS、'49ジェロームハンデキャップ(現・ジェロームステークス) | '49米二冠馬 |
ポンダー | 牡 | '49ケンタッキーダービー、'49アーリントンクラシックS、'49アメリカンダービー、'49ローレンスリアライゼーションS、'49ジョッキークラブゴールドC、'50サンアントニオH、'50タンフォランH、'50アーリントンH | '49中部アメリカ二冠馬※1 |
トゥーリー | 牝 | '50サンタマルガリータH(現・サンタマルガリータインビテーションH)、'52ヴァニティH(現・ビボルダーマイルステークス)、'52ラモナH(現・ジョン・C・マビーH)、'52ハリウッドゴールドC | '49最優秀3歳牝馬、'50最優秀古牝馬、'82アメリカ殿堂馬 |
ウィストフル | 牝 | '49ケンタッキーオークス、'49ピムリコオークス(現・ブラックアイドスーザンステークス)、'49コーチングクラブアメリカンオークス、'52ヴァニティH(現・ビボルダーマイルステークス)、'52ラモナH(現・ジョン・C・マビーH)、'52ハリウッドゴールドカップS | '49米「初期牝馬三冠」※2'49最優秀3歳牝馬、'50最優秀古牝馬、'82アメリカ殿堂馬 |
仏
馬名 | 性 | 主な勝鞍 | 備考(表彰など) |
---|---|---|---|
アンビオリクス | 牡 | '48ジャン・リュック・ラガルデール賞、'49グレフュール賞、'49リュパン賞 | '48最優秀2歳牡馬 |
コロネーション | 牝 | '48クイーンメアリーS、'48ロベールパパン賞、'49プール・デッセ・デ・プーリッシュ、'49凱旋門賞 |