概要
国鉄→JR東日本が運営する、一ノ関駅(岩手県一関市)〜気仙沼駅(宮城県気仙沼市)間、62.0km(営業キロ)の鉄道路線。
かつては線名の通り岩手県大船渡市の盛駅まで運行していたが、東日本大震災の影響もあり現在は気仙沼線ともどもBRT(バス高速輸送システム)によるバス路線に転換している。
東北本線を介して仙台市と三陸南部を結ぶ路線として建設が進められたが、度重なる政治的駆け引きによるルート変更の結果、陸中門崎~千厩間は最短ルートとは程遠い「鍋弦線」と揶揄されるほど北に大回りしたルートとなってしまっている。当初は景勝地猊鼻渓や比較的人口の多い摺沢などを経由していることからそれなりの恩恵もあったものの、東北自動車道や三陸自動車道といった高速道路が整備されていくと一転して線形の悪い大船渡線の重要度は相対的に低下していくこととなった。かつては急行列車や快速「南三陸」「むろね」「スーパードラゴン」などの優等列車が走っていたものの、現在では高速バスの発展や後述の一部区間休止(のち廃止)により全列車が各駅停車となっている。
2011年3月11日の東日本大震災により、津波によって特に岩手県内で駅や橋梁の流出といった大きな被害を被ることとなった。内陸部を走る一ノ関~気仙沼間は同年4月1日より運行を再開したものの、気仙沼以北の区間については2013年3月2日にBRTによる仮復旧が行われたきり資金面の問題から鉄路での本復旧が行われず、BRT運行を行っている現状を本復旧とみなす形で2020年4月1日付で廃止されることとなった。