概要
フェミニズムの項目も参照のこと。
メイン画像の人物はノーベル平和賞を受賞した経験もある、人権活動家のマララ・ユスフザイである。
男女平等の概念に基づき、女性の権利を広げ、社会的・文化的・政治的な地位を高めるために活動する人、またその活動に賛同・強調する人を指す。フェミニズムに賛同し、主体的に活動を行う人のこと。
女性がイメージされることが多いが、フェミニズムを支持する男性もいる。
洋の東西を問わず女性には男性のような権利(例:選挙権、離婚権など)が長らく存在しておらず、多くの国や地域で女性は男性の所有物扱いであり、女性であるというだけで満足な勉強も受けられず、幼いうちに無理矢理結婚させられ、子供を産むため、家事をするためだけの存在として扱われ、就ける職業も限られていた(現在でも発展途上国ではこの傾向は顕著である)。
これらの不平等に対し「女性にも男性と同じ権利を」と立ち上がった者がフェミニストである。
「フェミニズム」という概念が生まれた初期はフランスの市民革命に端を喫する、女性参政権などの女性の権利拡張と差別撤廃を主張するウーマンリブ運動のような「婦人解放」に向けた活動を行う人のことを指していた。
この時代のフェミニストとして、日本では平塚らいてう(平塚雷鳥)らが知られている。
だが日本では、「フェミニスト」という用語は女性に甘い男性、女性を特に尊重する男性、女性を大切にする男性、女性をちやほやする男性といったものを意味する言葉としても用いられてきた。
1950年以降のカウンター・カルチャーの流れにおいて、米国の男性批判、女性優遇の観点を持った女権拡張主義者たちが皮肉を込めてこの用語を自分たちへの形容として用いることがあり、これが一般化して女権拡張主義者=フェミニストというカテゴリーが認知されるようになっていった。
ただし、あくまでフェミニズムの最終的な目標は「男女平等、男女同権」であり、女性の権利を広げ、権力を高めることはその手段に過ぎないので注意が必要である。
現代のフェミニストや批判
現在、フェミニズムが一定の認知を得たと同時にそれに対する反発や貶めも激しくなっている。
フェミニズム批判派、バックラッシュ派は、フェミニストに対しナチスの意味をかけ合わせて「フェミナチ」という蔑称を用いている。一方で、韓国ではゲイ・トランスジェンダーの排斥を掲げメガリアから分派したウォマドが「フェミナチ」を自称する事態も発生している。
日本では、ラディカル・フェミニズムの思想とミサンドリー(男性嫌悪)の両方の性質を持ったインターネットユーザーによる、フェミニズムの域を超えた「男叩き」「女性至上主義」とも言えるような過激な活動が一部で行われ(ツイフェミ)、これに対し激しく批判する層と論争になることがしばしば見られる。
また、非フェミニスト側からは、インターネット上において現実社会でもフェミニストとして活動してきた人物と、SNS等で感化され、近い思想を持ったもの同士で徒党を組んで(時に従来のフェミニズムからは乖離した思想を持った)ツイフェミ・ネトフェミ層が混同されているのもしばしば見受けられる。
特にラディカル・フェミニズムにおいては「反ポルノ・反売春」が掲げられており、ポルノ雑誌などのアダルトコンテンツが(子供が目につくような場所で)一般流通することに忌避感を示す者もいる。
さらに過剰な反応として、「萌え」系のコンテンツや、女性モデルの体のラインが露わになっていたりするようなメディアが広告などで一般の場に用いられることに反発する者もおり、製作側やセクシーさを仕事上の売りにしているグラビアアイドル、AV女優といったコンテンツにモデルとして関わる側、コンテンツを消費し、楽しんでいる側(いわゆるオタクなど)を批判し、これに応戦する形で論争になることも少なからずあり、主にフェミニストVSオタクという構図での論争がもっぱら多い。ただここ最近では「萌え」系のコンテンツ以外のものに対する反発やそれを巡る論争も増えておりいわゆる「非オタ」の反論者も少なくはないのだが反論勢力とオタク層を同一視している批判者もおり、これを巡っては「『自分に反論してくる人間は全員アニヲタ』って思ってそう。」という考察をしている人もいる。
無論全てのフェミニストが過激で攻撃的な思想を持っているわけではなく、過剰に反応しているのは一部に限る。しかし、非フェミニスト、特に表現規制推進派などに攻撃を受けた経歴のある者の中には「フェミニズム」、「フェミニスト」という言葉や立場だけに注視し、ミソジニーとなって理性的な批判を通り越して女性やフェミニストに対する暴言や揶揄をするような者もいる。
ピクシブ百科事典では、ツイッターレディースに過剰反応して削除厨・認定厨・通報厨を付けて「男共が悪い」と反撃を行う悪質な女性ユーザーも存在する。
関連タグ
バックラッシュ…人種やジェンダーなどの社会的弱者に対する平等の推進や地位向上などに対して反発する動き。
ミサンドリー…男性嫌悪。実際にはフェミニズムと一体ではないが、フェミニストを名乗る人物の中にはミサンドリーの思想を持つ人やミサンドリストを自称する人もいる。特に現代におけるフェミニストが該当。