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イオク・クジャンの編集履歴

2022-11-01 10:27:17 バージョン

イオク・クジャン

いおくくじゃん

イオク・クジャンとは、TVアニメ「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」の登場人物である。

CV:島﨑信長

人物像

ギャラルホルンを束ねるセブンスターズの一角たるクジャン家の若き当主。

同じくセブンスターズの一人であるラスタル・エリオンの率いる月外縁軌道統合艦隊アリアンロッドに属し、一部隊の指揮権を預かる。後見人であるラスタルを慕い彼の采配に対して全幅の信頼を置く。


真面目で血気盛ん、クジャン家当主としての誇りを持ち、部下を想い彼らの上に立つ者としての責任と挟持を意識しており、その人柄の良さに加え、部下達からの信望は篤い。

ラスタルからも軍人としての戦闘能力よりもイオクの為に義務を超えて死をも厭わない部下が現れるような人を惹きつける一面を評価され、其の面を将器に昇華させるようにと期待されている。

これは彼本人だけでなく過去のクジャン家の歴史の中で育まれた人脈もあってのことで、特に先代の当主たる亡き父が名君として高く評価されていたことにもよると思われる。


一方で非常に思い込みが激しく頭に血が上りやすいという欠点があり、一度思い込むと若さも手伝って自分の正義を疑わず暴走し、他者の忠告も都合よく解釈したり全く聞き入れない状態になってしまう。

また、自分と同じくラスタルを慕うジュリエッタ・ジュリスとは反りが合わず、「猿」と見下している一方で彼自身も彼女から邪険にされている。

だが後に、対革命軍戦においてジュリエッタの奮闘に対し感銘を受けた様な素振り(ある意味器が大きいと言えるかもしれない)も見せており、罵倒されつつも彼女に命を救ってもらったことは幾度もある。


モビルスーツパイロットとして自ら戦場に出る事もあり、専用にカスタマイズされたレギンレイズを乗機とする。

如何なる敵も正面から迎え撃つクジャン家の教えを尊重する一方で、セブンスターズの当主が最前線に出る事を望まない者も多く、その為に彼の機体は部下や整備班達の意向の元、主に長距離レールガンを装備した支援機として調整され、後方からの狙撃支援と部隊指揮を担う事が望まれている。

しかし、彼自身のパイロットとしての腕前はお世辞にも良いとは言えない上に、当の本人には何故かその自覚がない。

射撃の腕も三日月・オーガスから「避けた方が当たりそう」と評されるほど低いため、レールガンも無用の長物となることが多く、積極的に前に出ようとする悪癖も重なり、作戦中はジュリエッタから邪険に扱われる他、彼を抑える為に人員が割かれる事が多い。

イオクを守ろうとする部下たちに対して、彼も「部下思いの上官」であろうとする気は強いのだが、ズレていたり空回りすることの方が多い。


セブンスターズの当主の座にありながら、なぜかギャラルホルンの歴史などの知識に疎く、厄祭戦の引き金となったとされるモビルアーマーに関する知識も全くと言っていいほど持ち合わせていなかった。

鉄華団が管理する火星のハーフメタルプラントから出土したハシュマルの視察に赴いたマクギリス・ファリドに謀反の疑いをかけて拘束しようと出動した際、レギンレイズに乗ったままハシュマルに近づき、再起動という最悪の事態を招いてしまう。

イオクの部隊は自身を残して全滅、その後も部下達の仇を討つためハシュマルに度々攻撃を仕掛けるのだが、意図せず鉄華団の作戦を妨害する結果となり、本来なら出るはずの無かった犠牲を出す事に繋がった。

なおモビルアーマーの危険性をよく知るマクギリスは制止しようとしたが、両者が政敵同士だったという事もあり、イオクには信じてもらえなかった。


鉄華団によってハシュマルが撃破後、火星での行動が他のセブンスターズの知るところとなった。

目的だったマクギリスの謀反の証拠は手に入れられず、逆にモビルアーマー討伐の手柄を取られた挙句、地球でのセブンスターズの会議にてマクギリスに非難されてしまう。イオクも反論するが、現場に混乱をもたらしたことで被害を重く見たラスタルの叱責を買う。


それ以降はラスタルから見放される恐怖に取り憑かれ、マクギリスと結託していると思しき鉄華団を敵視するジャスレイ・ドノミコルスと共謀。

ジャスレイに唆される形で鉄華団の兄貴分であるタービンズを罠に嵌めるべく、条約で使用が禁止されている「ダインスレイヴ」をタービンズが輸送していたように見せかけ、彼らを摘発する口実を作り上げた上で艦隊を率いてタービンズの拠点を強襲。名瀬・タービンはMSで反撃しながらではあるが停戦・降伏の意思を見せたものの、この作戦の成功が信頼の回復に繋がると信じてこれらを黙殺、母艦「ハンマーヘッド」から逃げる非戦闘員をダインスレイヴで攻撃し殲滅を図った。


タービンズの母艦「ハンマーヘッド」による特攻を受けて戦艦一隻を失いながらもタービンズの討伐に成功。情報提供を行ったジャスレイに直筆の謝状を送り、彼との協力体制を築くものの、ラスタルによって謹慎処分を言い渡されたため、肝心のジャスレイと鉄華団との戦闘に参戦する事が叶わずジャスレイは戦死。

更に謹慎から間を置かずにマクギリスによってダインスレイヴの無断使用および非戦闘員への攻撃の証拠を掴まれ、マクギリスを信奉するライザ・エンザの演説によってそれらを白日の下に晒された。


その後はしばらく蟄居の身となり写経などをしながら過ごしていたが、多くの部下がラスタルに彼の戦線への復帰を嘆願。結果、マクギリス革命軍との戦闘時は形としては復帰したもののラスタルの横で見学する形のみでの参加となった。

包囲網をかいくぐって鉄華団及びマクギリスが火星に降りた後、ラスタルに「ギャラルホルンの未来を背負う身として一連を見届けたい」と進言。結果、謹慎処分が解けた事で再びラスタルの下で戦場に身を投じる。但し指揮権は与えられずグレイズに乗る一兵士としての参加であった。

鉄華団包囲中、正当防衛であることをマスコミを通じて世界に印象付ける為に囮のマクギリスが攻撃をするまで、手を出せないという状況を認めていたが、そのために部下や僚機が命を落とす事を良しとせず、マスコミには相手をただ制止する為で攻撃の意図は無いと示す為に武装を全て棄てて単機で自らが攻撃を受ける事で開戦の口火を切ろうとマクギリスに決死の突貫を行う。

結果、バエルソードでコックピットを貫かれるもギリギリで回避しており、これを皮切りとしてマクギリスへの攻撃が始まった。もっとも、この行動自体は相手に先に撃たせるラスタルの思惑を促進させたものの待機の命に反し、若さと生真面目さ故とはいえ一介の兵士ならまだしもセブンスターズの当主としては一概に肯定しかねる行動でもあった。


最終決戦では、負傷の身でありながら通常のグレイズで出撃。

暴れまわるバルバトスとグシオンを目の前にして尻込みする部下を見て、部下達の制止を振り切り最前線に向かい、ダインスレイヴの攻撃で大破した昭弘・アルトランド駆るガンダムグシオンリベイクフルシティに挑む。

味方が怯えて出てこない中一人で突撃、グシオンのアームをナイトブレードで切り落とす。

止めの前に「このイオク・クジャンの裁きを受けろ」と名乗りを上げたが、タービンズ壊滅の原因とも言えるその名を聞いて激昂した昭弘が最期の力を振り絞りシザーシールドで捉えてイオク機を引き倒し、コクピットを潰しにかかった。部下が急いで救出に向かうも間に合わず、そのまま潰され無惨な最期を遂げる。


この時、二機のガンダム・フレーム機がダインスレイヴを受けてなお健在であり、ギャラルホルンの勝利は確定しているにも、関わらず最後の一遍まで命をかけて暴れ続け、このままでは戦線崩壊も免れないような状況であった。

そのため誰かがガンダムを撃破しない限り戦いは終わらず、ガンダムに挑むのは誰かがやらなければならない事でもあった。セブンスターズたるイオクが前線に出ることで士気を高揚させる事自体は戦略的に意味のある行動ではあったのだがイオクの思惑通りには進まず、悔やみながら死を迎えることになってしまった。

なおこの時本来であればイオクの救出も行わなければならなかったはずのジュリエッタは、致命傷を負いながらなおも勢いが衰えない三日月が繰るバルバトスを相手に苦戦しており、更にもう一機を相手取る事はできなかった。むしろイオクがグシオンの前に立ちふさがったお陰でジュリエッタは助かったとも言える。


歳の若さゆえか後継者を用意しないままの死であったようで、クジャン家は断絶。

セブンスターズを担っていた三家の断絶によって、ラスタル・エリオンはセブンスターズによる合議制を廃止したため、イオクの死も戦後ギャラルホルンの民主化を進めるきっかけとなったのは皮肉である。


キャラクター造形について

2017年4月2日に中野サンプラザホールで開催された「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ THE LAST FLAG」のイベント記念パンフレットにてシリーズ構成の岡田麿里氏が「イオクさんに関しては、元々はハシュマル戦の時に「ヘイトを溜められる役」で出したいと監督が言っていたキャラクターだったんですね(笑)」とインタビューで語っている。

もっとも、このキャラクターを造形するに当たって、「何故このような無能な男が、周囲を引っ掻き回せるような立場につき、認められるにまで至ったのか?」といった疑問が浮かぶようになったらしく、これが上述したような「やる気だけは一人前の男」という塩梅に繋がったとのこと。


ただし、DVDに収録された第36話のオーディオコメンタリーにて、小川Pが「無能ではないんです。ただMSの操縦が苦手なだけで」と語っており、キャラクター造形において製作陣内で齟齬が生じていた事も窺える。

さらに同コメンタリーにて、イオクが視聴者に嫌われすぎた為に彼の最後は改変する予定である事が語られた。つまり本編における彼の最後は元々用意されたものではないと予想される。


劇中では散々な扱いをされた憎まれ役のイオクであるが、父親を早くに亡くして、孤児になった後、ラスタルやクジャン家家臣たちからは「先代当主の代用品」とされた上、中途半端な対応で成長できず、ハシュマル戦での行動から同じセブンスターズだったカルタ・イシューが考察されて、彼女が株が上がったり、「イオクは他のアリアンロッド陣営へのヘイトを遠ざけるスケープゴート」という考察から同情される意見も多い。ある意味、イオクも大人に振り回されたオルフェンズの1人であった(一応、ラスタルの場合は彼を最後まで見捨てたりはせず、成長を促すべく直々に指導を行っている為、味方が誰一人いなかった訳では無い)。


余談

上述の通り、色々と物議を醸したイオク。特にやらかす回のオルフェンズ収録現場では、イオクの中の人島﨑信長が共演者に話しかけた所「君とは今話したくない」と言われる程嫌われたエピソードがあるという。


イオク様に関する関連項目

日曜日のたわけ イオク様 イオク・ペシャン公


関連項目

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ

レギンレイズ グレイズ

ギャラルホルン 月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド


ラスタル・エリオン ジュリエッタ・ジュリス

ヴィダール

ジャスレイ・ドノミコルス


霜月美佳:責任感が薄い事で物議を醸したキャラ繋がり。彼女も登場初期から視聴者に期待されていたゆえ、最終的にネタキャラ扱いされた。


孫権ガンダム:制作会社と中の人が同じ。当初こそは頼りなさげだったが父と兄の死を乗り越え成長し、多くの者の信頼を得たのでイオクとは真逆である。


シェスタール・フォーグナー:こちらも制作会社と中の人が同じ。彼も自分の家系に誇りを持ち、プライドが高い等共通しているが、イオクとは対照的に大きな活躍を見せる事なく復活した主人公の策によりあっけない最期を迎える。尚、父親は存命しており最後まで生き残っている。


ルクスン・北条:制作会社が同じ作品のキャラクターで名門出ながらも能力が付いていっていないことも同じ。もっともあちらは置かれた環境から特別扱いが許されなかったために成長していった。


ファーリスドラゴンクエスト11に登場する中の人が同じな御曹司キャラ。但しこちらは、周囲にチヤホヤされすぎて逆に重圧を感じてしまい結果的にヘタレてしまった時期があったが本人はその現状を良しとしない、なんだかんだ言って人を見る目と責任感はある、身分が異なる相手にもきちんと筋は通す、等々指導者としての片鱗は見せており後に立派に成長している。



英雄って言うのはさ、英雄になろうとした瞬間に失格なのよ:浅慮な正義感や分不相応な使命感から自分の立場や周囲の状況を顧みない軽率な行動を繰り返した果てに、戦死という末路に至ったイオクにも該当する皮肉。

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