概要
ドイツ、メッサーシュミットが連絡機「Bf-108」を基に開発した戦闘機。
世界初の一撃離脱重視の戦闘機であり、ドイツ空軍の主力として活躍した。
急降下、ロール性能(旋回切り替えしの良さ)に優れ、もちろん一撃離脱に向いている。
しかし当時の主流はドッグファイトであり、長らく不向きな使い方をされていた事実もある。
数多くのエースパイロットが本機に搭乗しており、
中でも特徴的なのが、プロペラ回転軸の中に機銃を仕込んだ『モーターカノン』である。
これにより、火力をよく集中させることができる。
しかし初期は問題が多く、Me109Eでは仕方なく主翼に武装を搭載した。
エンジンはその名を知られたダイムラーベンツのDB601である。
非常に精密・高性能なエンジンであり、
余りに精巧なので、第二次世界大戦後期に出力向上が難しい原因になった。
本機はハインケルのHe112との競作で、パイロット達にはこちらの方が好評だった。
ところがハインケルは「反ナチ」であり、そこが嫌われて不採用になったと言われている。
対するメッサーシュミットは「親ナチ」で、戦争中は何かにつけ優遇されている。
戦歴
Bf-109VからD型まではスペイン内乱やポーランド侵攻に投入されている。
E型はイギリス侵攻作戦「バトル・オブ・ブリテン」に投入され、
ロンドンやドーバー海峡の上空でハリケーンやスピットファイアを相手に死闘を繰り広げた。
バトル・オブ・ブリテンの後期やアフリカ、ロシア侵攻にはF型が投入され、連合軍と戦っている。
シリーズ決定版がG型で、大戦後期の主力機となった。
爆撃機迎撃の為に火力を増強する改造キットがいくつも開発され、
更なる高みを目指した最終型がK型であり、燃え続けるドイツの上空を駆け巡った。
余談
当機は総生産数が約30,500機で、戦闘機史上最多である上にドイツ以外の国でも生産され、中には第二次世界大戦後も使用していた国まであった(ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、スペイン、フィンランド、チェコスロヴァキア【第二次世界大戦後も生産していた稀有な国であった】、ユーゴスラヴィア、イスラエル)。
1941年に旧日本陸軍が実験機としてBf109-E3を三機輸入した。日本到着後、岐阜県の各務原飛行場(現・航空自衛隊岐阜基地)において飛行テストが行われた。空戦テストの比較相手は中島キ44(後の二式単座戦闘機「鍾馗」」)であった。テストの結果、飛行能力全般でキ44の方が上回っておりキ44の正式採用のきっかけを作った。
Bf109-Eに搭載されたエンジンDB601とMG151/20型機関砲(マウザー砲)は三式戦闘機「飛燕」の開発に役立った。
DB601エンジンは陸軍では川崎航空機で「ハ-40」【川崎三式戦闘機「飛燕」に搭載】・海軍では愛知航空機で「アツタ21」【空技廠D4Y艦上爆撃機「彗星」に搭載】としてライセンス生産されたが、部品の材料をケチったり(特に陸軍ではクランクの重要な材料であるニッケルは使用禁止された。それに対し海軍はニッケル使用に寛大であった。それゆえに「アツタ21」の方が稼働率が良かった。)や工作精度が劣ったり整備員の不慣れのため本家より故障が多く性能も劣っていた。
ストライクウィッチーズに登場するミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ、エーリカ・ハルトマン、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン各キャラのストライカーユニットの元ネタでもある
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別名・表記ゆれ
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