演:黄川田将也
概要
『ウルトラマンX』第6話「星の記憶を持つ男」から登場する、地球人そっくりなヒューマノイドタイプ型宇宙人。なお「テル」の正しい表記はtE・rUである。
地球より遥かに進んだ文明を築いており、グルマン博士が「侵略などという野蛮で下等な事を考えるとはとても信じがたい」と言っていたようにとても平和的な種族で、例え自身に危害が加えられたとしても、滅多な事では自分から危害を加える事は決してしない。
見た目は普通の地球人と全く変わらない姿をしているが、体が黄金色に輝き、母星と同じ大気の成分を放出する事が出来る他、自身や他者の傷を癒すことの出来る光線を腕から放出する能力を有している。
ゴールド星の王子として平和に暮らしていたが、ある日ルディアンに隠された何らかの秘密を狙いガーゴルゴンが母星である惑星ゴールドを襲撃、母星が滅亡の危機に瀕した為、地球に祖先が隠したルディアンを求めて地球へと亡命してきていた。しかし何らかの要因で記憶を失い、暫くの間は地球に留まっていた。その間通りかかったチンピラに集団リンチされた事で地球人に不信感を抱くも、地球人の女子高生「優希」をナンパから救っており、彼女から好意を寄せられていた。
しかしガーゴルゴンの襲来を告げるSOS信号を放ち始めた自身の救命艇から、信号をキャッチした事を切っ掛けに記憶を徐々に取り戻し始め、何かに導かれるようにルディアンの隠された祠へと向かっていたが、偶然居合わせた錯乱した警官に拳銃で撃たれてしまう。何とかルディアンの起動には成功したものの撃たれた傷が原因で気を失い、自動防衛機能が働いたルディアンを街中で暴れさせてしまった。さらにこの事が原因で、UNVERの南川支部長から「侵略者ではないか」と疑いをかけられてしまった。
その後はXioの医療施設であるXioメディカルに搬送されたが、意識を取り戻し職員を人質にしてルディアンを返せと要求。代わりの人質となった大地の真意を知り、彼がウルトラマンエックスであると見抜くと、地球に襲来したガーゴルゴンを倒す為に共闘。だがガーゴルゴンの圧倒的な実力の前に敗北し、自分を庇ったエックスと大地が石にされてしまう。その事に責任を感じ、再会した優希の手当てを受けた後、「自分一人の犠牲でこの星が救われるなら死など恐れない」と、自らガーゴルゴンの引き渡し要求に乗って囮となる。
やはり圧倒され、石化光線でルディアンもろとも石にされてしまったが、アスナ、ワタル、ハヤトの同時攻撃でガーゴルゴンが目を潰された事でエックスと共に復活。ガーゴルゴンに自ら引導を渡した。
全てが終わった後、地球と惑星ゴールドに平和の橋が架かる事を願いつつ、優希に自身のペンダントを託し宇宙船に乗って母星へと帰って行った。
余談
演じる黄川田氏は、過去に『仮面ライダー THE FIRST』『~THE NEXT』及び『仮面ライダーカブト』に出演経験があるが、ウルトラシリーズへの出演は今回が初めてとなる。
後に黄川田氏は、『ウルトラマンデッカー』で防衛組織の隊長であるムラホシ・タイジ役を演じる事になる。また、第19話にはテルが操っていたルディアンの両腕のガトリングガンが残骸として登場している。
本エピソードは『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」のオマージュが多々見られるシーンがあり(「心無い地球人から暴行を受ける」「警官の発砲により負傷する」など)、設定などにも共通点が見受けられる(「ゴールド星人=メイツ星人金山」など)。
テルが登場した第6、7話は、脚本家の小林雄次による企画案『ウルトラマンゴールド』がベースとなっており、テルは同作でウルトラマンに当たるキャラクターだった。
関連項目
スチール星人:名前に金属が入る宇宙人繋がり。「Steal」(盗む)のダジャレかもしれないが。
ピット星人ユウコ、グレゴール人グレース、ミカ親子:余談に書かれた通り、黄川田氏がムラホシ隊長を演じる『デッカー』に登場する宇宙人達。とある事情で宇宙へ帰れなくなってしまい、ムラホシ隊長から毎回保護を受ける場面があり、ある意味テルへの想いを答える形と思われる。