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冬戦争の編集履歴

2023-02-11 00:41:31 バージョン

冬戦争

ふゆせんそう

1939年11月にソ連とフィンランドが交戦した戦争

概要

冬戦争(ふゆせんそう、フィンランド語:talvisota、ロシア語:Советско-финляндская война)は、1939年11月にソ連フィンランドが交戦した紛争で、両国の領土問題(スターリンからの一方的な領土割譲要求)に端を発した。この後に続く第2次戦争は「継続戦争」とも呼ばれる。圧倒的な物量と人命軽視のお国柄を生かして人海戦術を展開するソビエト連邦軍に対し、フィンランド軍は絶望的な兵力差がありながら、地形を利用した焦土作戦・ゲリラ戦術・他国では既に2戦級の輸入兵器・ソ連からの鹵獲兵器のレストア品を駆使して戦い抜いた事で知られている。


経緯

冬の戦争

事態は第二次世界大戦以前にまで遡る。緊張を高めるドイツとソ連の間に広がる北ヨーロッパ・東ヨーロッパ諸国には、少しでも優位に立とうとする両国が勢力を伸ばそうとしていた。フィンランドにもその手は広がり、ソ連による事実上の属国化が突き付けられる。この要求は到底受け入れがたいものであり、フィンランド政府はなんとか譲歩の道を探そうとするが、1939年11月3日に交渉が決裂した。


同年11月26日に「マイニラ砲撃事件」(ソ連による自作自演の攻撃)が発生し、11月30日にこの事件を「フィンランド側の挑発だ。」として、ソ連はフィンランドに対する侵攻を実行する。これが冬戦争の始まりであり、12月1日にソ連占領下のテリヨキ市街にて、ソ連への亡命フィンランド人であるオットー・クーシネンによる事実上の傀儡政権の「フィンランド民主共和国」が樹立され、フィンランド国内にいる共産主義者を離反させようとした。しかし「スターリンの大粛清」から逃れた者たちによってソ連の実情は知れ渡っており、画策は失敗に終わった。「危険人物たち」は全て牢屋に繋がれており、国内の活動も違法となっていたのだ。


それどころか残った社会主義・共産主義者たちは団結し、「投降してもきっとシベリアで殺される。どうせなら国の為に死ぬまで戦おう!」と覚悟を決める結果となった。こうして士気・戦意とも旺盛に団結したフィンランド軍は各所でソビエト連邦軍部隊を撃破し、銃も揃わない兵士たちは倒した同軍の兵士の銃を奪い、また更に倒していった。ついでに言うと軍服すら揃わなかったのだが、盛んなゲリラ戦術でもってソ連を追い詰めていった。対フィンランド戦を甘く見積もったソ連が準備不足のまま侵攻してきた・スターリンの大粛清によって当時のソビエト連邦軍がまともに機能していなかった事もフィンランド軍には幸いした。


この勇敢な戦いが知られるのは、外国の特派員が雪中の奇跡として報道してからである。これを受けて世界中から支援が寄せられたが、決定的な有利には至らなかった。中には援軍でもって介入しようとする動きもあったが、戦争に巻き込まれる事を嫌ったスウェーデンデンマークによって拒絶されてしまう。


1940年3月13日に消耗しきったフィンランドはモスクワ講和条約を締結し、これによって産業の一大中心地を含む国土の1割を割譲させられる事となった。独立こそ守ったものの、その代償は大きなものだった。領土を失ってナチスドイツのスカンジナビア侵攻・スウェーデンの中立の維持により、フィンランドは国際的な立場を失っていく。アメリカなど連合国との物理的距離も遠のき、枢軸国と社会主義共和国にも囲まれ、中立の維持は無意味となっていった。結局軍事援助を欲したフィンランドはナチスドイツに接近し、失地奪還を目指してソ連と敵対する道を選ぶのである。


投入戦力比

フィンランドソビエト連邦
歩兵25万100万
戦車30両6541両
航空機130機3800機

なお前述の通り、フィンランド側の車両は基本的に他国から購入した型落ち品である。


ちなみに

ソビエト連邦軍はこの冬戦争で多砲塔戦車T-28SMKT-100を実戦投入したが(T-35は冬戦争での実践記録は無い。)、これらの戦車は森林・雪溜まりにはまり込んで行動不能になる・対戦車砲や火炎瓶による待ち伏せ攻撃を受けて撃破されたりと散々な有様で、SMKとT-100は正式化は見送られる事となった。T-28に至ってはフィンランド軍に鹵獲され、貴重な戦力として運用されていたりもした。


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