🌰概要
栗とは、ブナ科クリ属の植物の総称。落葉樹で北半球の温暖で湿潤な地域に広く分布している。
種子を食用にする。実はイガに覆われ、1個から7個の種子が入っている。
栗拾いをする場合は頭上からいがいがに包まれた栗の落下に注意。帽子や厚手の長袖等で防御しておこう。
木材としては水や腐蝕に強い。かつては建築建材としても用いられた。丈夫な木で幹を切り倒しても切り株から蘖(ひこばえ)が生えて再生する。
英語では『Chestnut(チェスナット)』。
フランス語では『châtaigne(シャテーニュ)』という。
『marron(マロン)』という呼び方が有名だが、これはマロニエ(セイヨウトチノキ)に生る実のことも含む。
シャテーニュのうち、イガの中に2個から3個の小さな種子が入っているのがシャテーニュ、1つの大きな種子が入っているのがマロンと呼ばれる。
マロニエの実は「マロン・ダンド(インドのマロン)」で、大量のサポニンを含み食用にできない。
主なクリ属の植物
クリ
実の小さな野生のクリは「柴栗」と呼ばれる。
日本では縄文時代から栽培され、柴栗から作られた栽培品種を一般に和栗と呼んでいる。
大粒で風味が良く、渋皮が剥がれにくく果肉は割れやすい。
ヨーロッパグリ
ヨーロッパ南部と小アジアを中心に分布し、樹高は30mに達する。耐寒性が強く長寿。
ヨーロッパで古くから栽培されていた。
和栗より実はやや小さめで、渋皮は堅いが剥き易く、デンプン質。
シナグリ
中国に分布し、樹高は20mほど。
和栗より実はやや小さめで丸く、渋皮が剥き易い。
甘みが強いため日本では「甘栗」と呼ばれる(中国では「板栗」)。
堅いため料理には向かず、天津甘栗のようにそのまま食べる事が多い。
アメリカグリ
木材は耐久性が高く木目が美しい高級材で「チェスナット」と呼ばれる。
実は小さく、渋皮は剥き易く、デンプン質で甘味があり香気に優れる。