甘栗を小石といっしょに煎り、熱が通ったらゴマ油と砂糖を加えて煎り上げたもの。
屋台などで販売され、日本では1980年代に人気商品となった。中国では麦芽糖に栗を混ぜて砂と一緒に釜で焼く「糖炒栗子」が宋代に流行し、首都・開封の名物だった。
「甘栗」はシナグリ(Castanea mollissima)の事で、天津港が主な輸出港だったことから日本では「天津甘栗」と呼ばれるようになったが、現地では「板栗」と呼ばれる。
実際の産地は河北省の万里の長城にほど近い燕山山脈周辺であり唐山市や遵化市である。そこでは特産品として、一般普及品から高級品、健康志向のオーガニック商品まで幅広い。小粒で丸く甘みの強い栗で、渋皮も取れ易いことから日本でも人気になった。
一方、渋皮のアクが手に付着しやすいことから手が汚れないように、すでに洗い落とした商品や、また剥きにくいことから、剥き栗を真空パックに詰めた「甘栗むいちゃいました」といった商品が生まれたりしている。