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概要

前作までの主な敵「ゾンビ」に代わる存在で、一見普通の人間にしか見えないが、主人公レオンを発見すると銃弾にも怯まず襲いかかってくる。

ゾンビとの最大の違いは、人間としての知性を持つことにある。

そのため、言語を用いた会話や道具の使用さえ可能

作品によっては主人公が現地語でガナードとの会話を試みるが、基本的には効果がなく、4シリーズにて会話できるガナードはメインキャラクターである敵幹部格(=支配種)と武器商人くらい。

以下、ネタバレ注意

その正体は、今作の生物災害の病原体「寄生生物プラーガ」に操られる生ける屍である。

中枢神経と同化したプラーガによって宿主の意識は奪われ、人間としては死者に等しい状態となってしまう。

しかし脳の機能はそのまま残っており、プラーガが読み取った記憶から生前の生活を模倣して、生きた人間のように身体を動かす。

外敵が近くにいない時は宿主の生前の生活を模倣し続けるのみだが、精神状態は寄生生物のそれであるため衛生観念や倫理観がなく、居住している家屋は非常に不潔で、食事も腐ったものを平気で口にしている他、最初に訪れる村ではプラーガの投与を拒んだ村人や、村の状況を知らぬまま訪れて殺された者たちの死体が打ち捨てられているなど凄惨な有り様。

なお、子供は一人もいない。これはプラーガの肉体支配の過程と上述の劣悪になった環境や飢餓に耐えられず死亡してしまったためである。

能力

詳細は不明だが身体能力を増大させる力もあるようで、人ひとりを片手で投げ飛ばすほどの怪力を持つうえ、銃弾を受けたりナイフで斬りつけられても多少痛がる程度で、まるで怯むことなく立ち向かってくる。

また、未感染の人間や外敵を発見すると即座に凶暴化し、武器や罠を使い、仲間と連携して標的を追い詰める。

さらに、ゾンビでは致命傷となった頭部の欠損も、プラーガ自体が代わりの感覚器官となって補い、武器が使えなくなった代わりに刃の付いた触手や口から吐き出す酸液などで攻撃してくる(ただし、プラーガは光に弱いため、活動できるのは夜のみである)。

発生した経緯

本作の事件の舞台となるスペインの辺境地方では、古くから活動する宗教団体「ロス・イルミナドス(スペイン語で“教え導く者たち”の意)」が存在し、プラーガを利用して信者を増やしていた。

しかし、教祖が信者を意志も信心も無視して完全に支配してしまうその有り様から、同地を治める貴族サラザール家から邪教として厳しく弾圧され、プラーガも封印された。

だが、現教祖のオズムンド・サドラーが当代の領主ラモンを懐柔してプラーガを開放した結果、住民全てが怪物化する大惨事となってしまった。

物語が始まる時点で、地域は実質「サドラーの支配する王国」と化しており、村人や教団の信者たちは名前通り「家畜(Ganado)」として、教団の幹部に使役され続けている。

感染経路

作中で確認できるのは二通り。

ひとつは物語の序盤で、囚われたレオンがサドラーの手で大型の注射器で直接体内に卵を投与されていた。

もうひとつはプラーガの復活経緯に当たるのだが、そのサドラーや教団にすら予想外のもので、「仮死状態のまま乾燥し、微細な粒子となって空気中を漂っていた幼体が、開放されたプラーガの発掘作業に駆り出されていた村人が吸い込んだことで体内で蘇生された」というものだった(成体は完全にミイラ化しており全滅していた)。

プラーガの研究をしていた科学者ルイス・セラのメモによれば「復活の準備をしていた」とのことで、まるでプラーガのほうがロス・イルミナドス教団を利用しているようにさえ感じられる内容となっている。

なお、作中に描写はないが、成体のプラーガも他の生物に寄生することは可能。

種類

日本版の呼称は役職だったが、4英語版の村人系はそれぞれ固有のキャラクター名がつけられている。日本語設定のRE4の村人チャームも英語名がある。

村人

レオンが最初に遭遇するガナード。

過去の生活をなぞらえるように農作業を繰り返しており、レオンを発見すると鍬や鋤、手斧、包丁など日用品の刃物を手にして襲いかかる。

加えて驚異的な肺活量で松明の火を火炎放射器のように吹きかけたり、仲間が巻き添えになるのもお構いなしに火炎ビンやダイナマイトを投げつけてくる。

邪教徒

邪教集団ロス・イルミナドスの狂信者たち。

ローブを身にまとい、フレイルや大鎌、ボウガンなどの強力な武器を手に、不気味な笑みを浮かべながら襲いかかる。

さらにロケットランチャーや固定銃座の大型ガトリング砲などの重火器も所持している他、木製の盾やドクロを模した金属製の仮面で身を守っている者もいる。

しかし、拳銃などの小型の火器はなぜか持っていない。すぐ近くに武器商人がいるのに……

また、早期に自らプラーガを受け入れたため、村人より体力が高く、体内のプラーガも成体かそれに近い状態で、使ってくる攻撃もその分危険。

ローブの色で格付けがされており、赤、青、黒の順に地位が高い。

頭に動物の頭蓋骨を被った者はリーダー格で、戦闘では陣頭指揮を執っている。

戦闘員

プラーガの研究所のある孤島を守る兵士たち。

戦闘訓練を受けているため村人や邪教徒より身体能力が高く、新たにスタンロッドを所持しているが、やはり小火器は存在しない。

また上二種とは異なり近代的な服装をしているが、中には世紀末風の金属製アーマーやハンマーを身に付けた大柄な者もいる。

寄生体が露出したガナード

ダメージで宿主の脳が欠損したため、プラーガが直接肉体を操っている状態。会話や武器の使用はできなくなったが、露出した寄生体が強力な攻撃を行う。成長段階によって3タイプに分かれる。RE:4ではリデザインされた他、それぞれ固有名前が追加された。

  • プラガ・グアダニャ:オリジナル版はタイプA。幼体→先端に鎌の付いた触手を振り回す。「グアダニャ(guadaña)」はスペイン語で「鎌」の意味。
  • プラーガ・マンディーブラ:オリジナル版はタイプB。成長途中→胴体と一体化したアゴで相手の頭部を噛み砕いて即死させる。「マンディーブラ(mandíbula)」はスペイン語で「顎」の意味。
  • プラガ・アラニャ:本来のタイプCと大幅に異なる形態。オリジナルのは成体→口から酸を吐き、蜘蛛ような脚で相手にしがみ付いて牙で噛み付く。RE4では成虫プラーガが外部から別のガナードに取り付く形態(分離可能)となってる。「アラニャ(araña)」はスペイン語で「蜘蛛」の意味。

ガナード・デスヌカド

RE4追加された昼間ステージ強化形態。一見するとただの首が折れたガナードだが、実際はプラーガ・◯◯になりかけた状態であり(断面をよく見るとプラーガそのものが露出している)、もしダウンしたガナードが痙攣するとこの形態として蘇る(その前にナイフ体術追撃で阻止可能)。イベント進行によって強制的にデスヌカド化して復活する個体も存在する(最初に遭遇する村人など)。

怯まない状態でパリィ不可の掴み攻撃を繰り出す強敵だが、こちらも閃光弾系の武器で一撃倒せる。

何気にバイオ名作劇場ふしぎの村のレオンも登場する(ガナード触手は肌色)。

「デスヌカド」はスペイン語で「首が折れた(状態)」を意味する。

特殊なガナード

ガナードの中には、チェーンソー男やガトリング男などの非常に強靭な肉体を持ち、通常のガナードでも扱いきれないような大型の武器を持つ者が存在する。

これは、宿主の肉体が元々恵まれた体格や鍛えられていた、もしくはプラーガとの適合性が高かったためである。

しかし、こうした優れた肉体や適合性の高かったガナードは凶暴性が増大する傾向にあるようで、仲間との会話がほとんどなく、ただ敵と認識した者をひたすら追跡して惨殺しようとする殺人マシンと化している(しかもご丁寧に味方まで平然と巻き込んで攻撃する上、ゲーム上では味方である他のガナードにまで攻撃が命中する)。

また、基本的に未感染の人間には凶暴なガナードだが、中には武器商人のように余所者にも敵意を持たない変わり者も存在する模様。

治療方法

プラーガが体内に寄生しても、成長前かつ肉体支配が完了するまでの間ならば除去が可能。

卵の状態ならば外科手術での摘出も可能である他、成分は不明だが卵の除去用の薬もあり、孵化してしまっても同様の薬でプラーガの成長を抑えられるので、治療までの時間を稼ぐこともできる。

もう一つは光に弱い性質を突いて、成体前の段階であれば体外から特殊な紫外線を照射すればプラーガのみを死滅させることができる。だが、神経とリンクしたプラーガを傷つければ当然宿主にも痛みが伝わるため、重度の意識障害が起こる可能性がある。

そして、成体となったプラーガを取り除こうものなら、その宿主は痛覚に耐えられずに死亡してしまう。

しかしルイス曰く「その後のことを考えたら、いっそ死んでしまった方が幸せなのかもしれない」とのこと。

顛末

ラクーンシティに関わった者としての宿命か、またもバイオハザードに遭遇したレオンによってロス・イルミナドス教団は壊滅し、ガナードも駆逐された。

しかし元凶であるプラーガ自体は、生物兵器の力で世界に君臨せんと目論むアルバート・ウェスカーの手に渡ってしまい、さらに危険な怪物マジニが生まれることになる……

余談

通常のガナードから寄生体が露出する際、ゲームキューブ版は明確に頭部が吹っ飛ぶ描写があったが、PS2版以降では描写が変更されており、よく見るとガナードと化した村人の頭部は触手が飛び出した際はかろうじて頭が残っている。これによりGC版のみ現在のCERO:Z区分扱いで、それ以降はCERO:Dになった。

作中時間で何年も後の事件である「バイオハザード ダムネーション」では、プラーガに支配された人間が未感染の人間に、「バイオハザード5」に登場したプラーカ感染者「マジニ」と同じ様に寄生体の胚を植え付けていた(作中で登場するクリーチャーはマジニではなくガナードと設定されている)。

これは、「マジニ」がスワヒリ語圏の武器商人が付けた呼び名であり、寄生体そのものは「バイオハザード5」と同じく改良型であるためと思われる。

また駆除方法では、レオンが「宿主の体内のプラーガを寄生箇所の脊髄ごと銃で撃ち抜く」という荒技で宿主の人間を生かしたままプラーガの除去に成功している。

しかしこれは、処置を行なったレオンが人体以外にプラーガの前提知識を持っていた事と、宿主に寄生していたのが寄生後も元の自我を保つことができる支配種プラーガだったという特殊な状況であった上に、成功率はかなり低いらしく、助かったとしても半身不随は避けられない等、非常にハイリスクな方法と言える。

なお、バイオ4開発スタッフが監修した『バイオハザード4 解体真書:改訂版』に収録されている短編小説では、レオンが

  • 「すべてを掌握しているつもりのサドラーでさえ、気づかぬうちにプラーガという未知の寄生生物に利用されていたのかも知れない」
  • 「サドラーの肉体は、さながら羽化した虫に捨てられた蛹(さなぎ)の抜け殼のよう」

と回想している。(451ページ「EPILOGUE:Dawn of the Life」)

関連タグ

バイオハザード4 バイオハザード5 バイオハザード ダムネーション 武器商人 レオン・S・ケネディ マジニ

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ガナードの編集履歴2023/04/04 10:14:34 版