リサ・トレヴァー
りさとれゔぁー
初代『バイオハザード』のリメイク版に登場。
物語の舞台となる洋館をさ迷い歩く成人女性で、頭に人間の顔の皮で作ったデスマスクを被った狂気的な姿をしている。手足に枷をつけたまま館や周囲の森を徘徊し、主人公を発見すると手枷を振り回して殴りかかってくる。一見、同じく館を徘徊しているゾンビのように見えるが、それとは比較にならぬほど強靭な生命力を持ち、別の何かがその身に宿っているらしい……
その正体は、洋館を設計した建築家ジョージ・トレヴァーの一人娘リサであり、事件の黒幕「製薬会社アンブレラ」の生物兵器開発計画によって無惨なモンスターと化したもの。
1967年の冬、当時14歳だった彼女と父、母ジェシカは設計を依頼した貴族オズウェル・E・スペンサーから館の完成記念パーティーに招かれた。
しかしそこで家族全員捕らえられ、父は口封じのため幽閉され、彼女と母ジェシカは後のウイルス兵器の原型となる「始祖ウイルス」の実験体となってしまう。
父は脱出を試みるが果たせずに地下で衰弱死し、母はウィルスに適応できず破棄処分。リサだけが適応して生き延びるも、実験の影響で精神に異常をきたし、女性研究員の顔の皮を剥いで被るという奇行を繰り返すようになってしまった。
その後彼女は完全に思考能力を失い、文字通りの生ける屍と化したまま、洋館の地下に建設された「アークレイ研究所」で人体実験を受け続けるが、どんなに危険な実験を受けても彼女は死ななかった。
そして実験開始から11年後の1978年、新たに主任研究員として赴任したウィリアム・バーキン、アルバート・ウェスカーの二人と出会う。
彼女の存在は当時の研究所の最高機密であり、二人は彼女を見た時に絶句していた。
幹部養成所を出たばかりの若僧だった彼らも拘束されたリサの姿を見て、所属する組織の計画がどのようなものかを悟り、後戻りできぬ闇の道を歩むことになる。
(なお、研究所にいる間、彼女の名前や経歴を二人が知ることはなかった)
やがて生物兵器「t-ウイルス」が完成し、さらなる研究が進んでゆく中、意味のある研究成果を得られなくなったことでリサは研究員たちから「生き続けるだけのデキソコナイ」と侮蔑され、忘れられていった。
そんな折、実験開始から約21年後の1988年に新型の生物兵器の研究が行き詰まったことで、新たな研究の被験体に選ばれる。
それは、宿主の知能を支配する寄生生物を移植するというもので、プロトタイプのため不安定であり、ゆえに異常な生命力のリサが実験に耐えられる存在として目をつけられた。
ところが……彼女は寄生生物に支配されるどころか逆に吸収してしまう。
この異常な結果を目にしたウェスカーとバーキンは彼女を調査し直し、驚愕の事実を知ることになる。
一見どんな実験にも反応を示さなかった彼女だが、その体内ではあらゆる実験用ウイルスが融合共存しており、21年の時(バーキンはこれを『熟成期間』と称した)を経て新たなウイルスへと「進化」していたのである。
これを発見したバーキンはその作用をさらに強化・発展させることで、生物を別種の存在へと強制進化させる「G-ウィルス」開発計画を立案し、スペンサー会長はそれを承認。
一方のウェスカーは「兵器」としての概念からかけ離れたこの計画が承認されたことでスペンサーの考えに疑問を抱き、同時に自身の科学者としての能力に限界を感じたことで主任研究員を辞職。諜報部へと転属したのである(元々、スペンサーの動向を探る機会を窺っていたので、第三者からも転属が自然に見えるこのタイミングで実行に移した模様。また、転属後も顧問研究員として研究には携わっていた)。
この実験である程度の知性を取り戻したリサだったが、もはや正気を取り戻すなど望むべくもなく、実験開始時の女性の顔を剥ぐ行為が再発。同時にG-ウィルスの研究が軌道に乗ったことで遂に用済みとなり廃棄処分を受ける。
1995年……その生命力を考慮し、3日かけて死亡確認された後、遺体は洋館を管理する「所長」の指示でどこかへと棄てられた“らしい”。
そして3年後の1998年……
研究所の事故で漏れだしたウイルスによる汚染の影響か、またしても目覚め、ラクーンシティの猟奇殺人事件の調査で訪れた特殊部隊S.T.A.R.S.と遭遇することになる。
かくしてプレイヤーと対面する彼女だが、ゲーム内で遭遇する機会は3回。いずれも設定通り無敵に近い存在で、攻撃しても失神するだけで十数秒後には復活してしまう。
そのため基本的には逃げながらキーアイテムを拾い、仕掛けを解いて先へ進むことになる。
ただし最期の戦いは、攻撃すると足を滑らせてガケにしがみつく状態になることがあり、さらに攻撃を加えると落として倒すことが可能。
動作は遅く、よたよた近づいて手枷で殴り付けてくるだけだが威力は非常に高く、ジルを主人公に選んでいた場合、わずか2発で力尽きかねない。
反面動作は大降りで、少し前後に動いてフェイントをかければ割と簡単に回避可能。
ただし最終戦では大ジャンプで距離を詰めたり、頭から触手を出して後ろに攻撃する動作も加わる。
物語も終盤にさしかかる頃、玄関ホールの地下にある祭壇の前で三たび主人公と対峙。
不死身の身体に銃弾は通じず、やり過ごして先へ進むため、棺に書かれた言葉を信じて仕掛けを解く。
扉と棺の蓋が開き、同時にリサは戦いをやめる。
そして、
「…マ…マ……」
そう叫ぶと、棺の中から人の頭蓋骨を取り出し、自ら崖下に身を投じたのである。
彼女はようやく、母に会えたのだった……
ところが、悪魔のウイルスはリサに死を許さなかった。
またもさ迷い歩き、アンブレラから離反するため死を偽装して館を脱出しようとするウェスカーの前に立ちはだかったのである。
自爆装置のアラームが鳴り響く中、館に残るクリーチャーを倒しつつ走るウェスカーと執拗に追うリサ。
最後は玄関ホールでの戦いの末、彼が撃ち落としたシャンデリアの下敷きになり、完全に動けなくなってしまう。
『もう蘇るな、この館と共に消えろ』
そう言い残し、ウェスカーは館の外に走る。
直後、すさまじい爆発が起き、リサと、地獄の具現とも言うべき呪わしい洋館は消滅した……
享年45歳。
あまりにも凄惨な人生であった。
リメイクの際にリサと共に加わったファイル。
トレヴァー一家がそれぞれどのような運命を辿ったかを示すもので、3つに分かれてリサと遭遇する場所に置かれている。
全て集めると以下のような並び順になるが、入手順はB→A→C。また、時系列はC→A→Bの順である。
以下、全文の紹介。
A-------------------------------
写真の裏に何かが書かれている。
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始祖ウィルス変異体を投与(Nov.10.1967)
・ジェシカ 「TYPE-A」投与
細胞活性時に組織断裂化
ウィルス定着化に失敗
破棄処分
・リサ 「TYPE-B」投与
細胞活性時に組織断裂化
後にウィルス定着化成功
器の改造に一定の成果
保護観察継続
※ジョージ 抹消済み(Nov.31.1967)
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誰かが書き残した手記
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Nov.14.1967
注射で頭がボーっとする。
お母さんに会えない。
どこかに連れていかれた。
二人で脱出しようって約束したのに
私だけおいていくなんて…。
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Nov.15.1967
お母さんみつけた!
今日の食事は、お母さんと一緒!
うれしかった。
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違う、偽者だった。
外は一緒だけど中が違う。
お母さんを取り返さなくっちゃ!
お母さんに返してあげなくちゃ!
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お母さんの顔は簡単に取り返せた。
お母さんの顔を取っていたおばさんの
悲鳴が聞こえたけど、
お母さんの顔をとったやつの
悲鳴なんか気にしない。
-------------------------------
お母さんは私のもの。
誰にも取られないように
私にくっつけておこう。
お母さんに会った時、
顔が無いとかわいそうだもの。
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Nov.17.19 7
石の箱の中 お母さん 匂い
ここ お母さんがホント?
石の箱 かたくてイタイ
手のジャラジャラが邪魔をする
4つの石 つてるジャラジャラせで
お母さ 会えない
B-------------------------------
19
お父さん 一つ くっつけた
お母さん 二つ くっつけた
中身はやぱり赤く ヌルヌル
白くてかたかた
ホントのお母さ 見つからない
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お父 ん分からない
また お母さ 今日見つけた
お母さ をくつけたら
お母 ん動かなくなた
母さんは悲鳴を上げていた
なぜ?
私は一緒に居たかただけ
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4
お母さん
どこ?
会いたい
C-------------------------------
誰かに宛てた手紙のようだ
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愛するリサへ
日に日に私が私で無くなっていく…。
そんな感覚が
確信に変わり始めています。
あの注射のおかげか、
体のかゆみは幾分か収まってきたみたい。
今日も「栄養剤だ」と言われ、
白衣の男達に注射を打たれました。
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注射をされると、意識がはっきりしてくる。
意識が戻ってくると、
何も考えられなくなっていた自分に
気付いて、愕然としたの。
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全てを忘れてしまう感覚に襲われ、
あなたの事やあの人の事…、
どんな性格で、
どんな顔だったかすらも
意識の闇に覆われてしまう。
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ああ、リサ、
私も今すぐでもあなたに会って、
あなたを抱きしめて確かめたい。
そうしないと、あなたも、あの人も
消えてしまいそうで、とても怖い。
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…このままではダメね!
早く逃げ出さないと!
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いい? リサ
チャンスは多分、
次に一緒にあの実験室に行く時!
二人して意識の無いフリをするの。
そしてあの白衣の男が
隙を見せた時が逃げ出すチャンスよ!
-------------------------------
外へ脱出したら、
お父さんを一緒に探しましょう!
この手紙に
あなたが気付いてくれます様に
Nov.13.1967
ジェシカ・トレヴァー
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経過観察は実験開始当時のアンブレラの研究員が書いたもので、よりにもよって「愛するリサへ」と記された家族写真の裏に“両親は死亡”と記入している。
手記はリサのもので、彼女が人の顔を剥ぐ行為に至った理由が記されている。
次第にとぎれとぎれになる文章は「飼育係の日誌」を思わせるが、その根底はただ母に会いたいという願いだけであり、その純粋な気持ちこそが深い悲しみをもたらすと同時に、顔を剥ぐという奇行のグロテスクさを強めている。
そして最後の手紙を書いた翌日、ジェシカはウイルス定着化に失敗(死亡)、破棄処分されたと思われる。
『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』で登場。
賛否両論の設定の改変があり、出番自体は少ないものの恐らく最も優遇されていたキャラクターの一人。
本作のキーパーソンで、ラクーンシティの孤児院の被験者という設定。
幼少時代のクレア・レッドフィールドとも出会っていた。
ちなみに旧実写映画版6部作にも「リサ」という名前の人物が登場していたが、アンブレラの関係者という点を除けば同名の別人である。
初登場の森の小屋では、「鎖の化け物」への警告、いかにも不吉な墓地、「ジャララ……」「ウウウウウゥ……」と足枷の鎖の音と悲しげな唸り声、「本当に人間がやったのか?」とくべられたばかりの薪が燃える暖炉……とホラー演出が立て続けに発生する。
洋館内のある場所に、彼女が人間であった頃と思われる肖像を描いたステンドグラスがある。おそらく、父親のジョージが娘を愛してるゆえに作ったのだろうか。
この肖像が彼女の容姿を忠実に再現したものであれば、かつてはかなりの美少女であった様子。
PS版初代バイオハザードの体験版の没データのトレヴァーの手記(内容がSS版の特典とリメイク版とは、異なっており)では、母のジェシカと共にジョージより先に洋館に来ておりスペンサーのご厚意で館のピアノを弾いておりその時に弾いた曲は、ベートーベンでピアノは、上手だった模様、後のリメイクとは、異なり実験に失敗してリサは、ジェシカと共に死亡(この時幽閉されていたジョージは、二人の遺体を発見した模様)した。
バイオハザード アンブレラクロニクルズ ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
ジョージ・トレヴァー(父) ジェシカ・トレヴァー(母) B.O.W. アルバート・ウェスカー ウィリアム・バーキン
追跡者…シリーズ的に彼女の後輩。
ノスフェラトゥ ガラドール モロアイカ…色々と共通点があるクリーチャー。
???…悲惨な境遇や行動理由など、こちらも色々と共通点がある。ゲームシリーズ本編の登場人物。
リサ・マーチン…シリーズにおける「リサ」繋がり。
???…ある意味実写映画版リサに近いポジションであるゲーム本編の人物。
リーチマン…「プレイヤーキャラを追い回す」「プレイヤーの手持ち武器では殺しきることができず、特定条件を満たさないと倒せない」という点が共通する中ボスクリーチャー。ただしこちらは怪物化の原因が原因であるため、「特定の一個人だけがそうなる」のではなく「複数の人間がその同類となる」危険性を秘めている。
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