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概要編集

バイオハザード』の登場人物であり、作中の舞台となったラクーンシティ郊外の洋館もといアークレイ研究所の設計を担当した建築家。

機密保持のため抹殺されており、作中時点で故人。アークレイ研究所以外にも、生前彼が設計した作品が多数存在し、シリーズ作中で彼の名を目にする機会は多い。


人物編集

建築の中でもとりわけバロック建築に造詣があり、近世ヨーロッパの城館・宮殿を彷彿とさせる豪華絢爛な内装の洋館の設計を得意分野としていた。また、からくり仕掛や隠し部屋などのギミックを実装することにも定評があった模様。


妻のジェシカと娘のリサの3人家族。


経歴編集

1967年、スペンサーの依頼によりラクーンシティ郊外に洋館を建造。しかし実際はアンブレラの研究所を偽装する目的での建造だったため、完成と同時に機密保持のため監禁される。脱出を試みるも、自身の設計した館内の仕掛けに阻まれ、失敗。飲まず食わずで彷徨い、衰弱の果てにたどり着いた地下道で彼が目にしたものは、「ジョージ・トレヴァー」の名が刻まれた墓石だった。脱走はスペンサーの想定内であり、ジョージは彼の手中で踊らされていたに過ぎなかった。結局、スペンサーの思惑通り、自身の墓前で力尽き衰弱死した。1967年11月31日没(※11月は30日までのはずだが、本人の手記、写真裏の書き込みでは「Nov.31,1967」と記載されている)

なお、彼の死は公になっておらず、表向きは失踪扱いになっている模様。


なお、妻子2人も、急病で叔母が倒れたという嘘で誘い出され、同じアークレイ研究所に監禁され、始祖ウイルスの被検体に利用された。妻ジェシカは「TYPE A」を投与されるもウイルス定着化に失敗し死亡。廃棄処分となった。娘のリサは「TYPE B」を投与され、ウイルス定着化に成功。以後20年以上、実験体として利用されることとなった。(彼女の顛末は個別記事参照)


主な作品編集

建築物

  • アークレイ研究所
  • アシュフォード邸
  • アンブレラ南極研究所一部内装(アシュフォード邸の設計図を流用)
  • 豪華客船クイーンゼノビアおよび同型船内装(遺稿を使用)

著作

  • 東ヨーロッパの城と要塞の建築の歴史的考察

なおベイカー家の改築を担当した建築事務所の名は、トレヴァー&チェンバレン建築事務所であり、彼または彼の親族と関係が示唆されている。


余談編集

PS版初代バイオハザードの体験版の没データにトレヴァーの手記が存在しているがSS版の特典とリメイク版とは、内容は、違っておりトレヴァー関連のファイルの内容は、こんな感じになっている。

また没になった理由は、二つあった、一つは、ゲームの本筋のストーリーと話が二分してしまい混乱を招くという事、もう一つは、トレヴァーの手記に説得力を持たせるだけの物理的な余裕を持たせられなかった為である。


  • トレヴァーの手記 (1)

1967年11月13日


仕事を片付け、本日夕方6時過ぎ、スペンサー卿の館に到着。

スペンサー卿と再会の祝杯をあげる。

吹き抜けのある大食堂。そしてそこに並べられた素晴しい料理の数々。

女神像が羨ましげに我々を見下ろす。

しかし彼女をここへ引きずり降ろす訳にもいくまい・・・。そんな不憫な彼女に、私はちょっとしたものを贈った。

それにしても・・・。

これだけ大きなテーブルには卿と私だけしかいないのだ。

柱時計の音だけが静かに鳴り響く。

いかにも寂しい。

先に来ていた家族は親戚の見舞いに行っていると妻の手紙で知った。手紙はここに挟んでおく。

しかたがない。ここでしばらく家族の帰りを待つことにしよう。

なに、ここのすばらしい料理と酒、そして数々の芸術品が、しばらくは私のさびしさをまぎらわしてくれるだろう。


  • トレヴァーの手記 (2)

1967年11月14日


今日、スペンサー卿に館を案内してもらう。

彼の手によって開かれる扉、そして私の目の前に広がる数々の部屋。

それは豪華かつ実に趣向が凝らされていた。

さすがは国内でも有数の企業家だけのことはある。

ある部屋では剥製の獣達が、その瞳から怪しく、そして不思議な光を放ち、またある部屋では中世の騎士達が、足並みのそろわない指揮官のもと、まるで何かを護るかのように整然と居並んでいる・・・。

「素晴しいだろう?」卿は得意そうに言葉を続けた。

「数年先に、私はこの敷地内にもう一つの建物、経営する会社の保養施設を建てる。

その時には、この館を保養施設の一部として使用するつもりだ。やがてこの館はわが社の社員だけでなく、内外の客で賑やかになる事だろう」

私はこの館でくつろぐ人々の事を想像した。

彼らはこの館の中を歩き回り、私と同じようにこの館の華麗さに目を奪われるだろう。

それに少しでもかかわる事が出来た自分を私は誇らしく思う。


  • トレヴァーの手記(3)

1967年11月15日


家族が戻らない。

そろそろ戻ってきてもよさそうなものだが。

叔母の容態がよほど悪いのか?

しかたがないので、一階入って右奥の部屋でぼんやりと本を読み時間を潰していた。

そこにはこの館について何か謎めいたことが書かれてあったが、意味はよく解らない。


1967年11月17日


深夜、スペンサー卿の書斎の前を通った時に数人の男の話し声が聞こえた。

ドアが少しだけ開いている。そっと覗いてみると、そこにスペンサー卿と三人の白衣の男がおり、ひそひそと話をしていた。

「・・・大きな市場・・・高い商品性・・基礎研究段階・・やはり単純な生・から・長い年月が必・・・」

そんな言葉が聞き取れた。

私は好奇心から思わず前のめりになり、ドアを押してしまった。

小さな音が鳴る。一人の男がそれに反応しこちらを向いた。

その男、赤毛の男は私を見、一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに何事もなかったかのように、視線をもとに戻した。


1967年11月18日


ライターがない!妻が誕生日に贈ってくれ、大切に使っていたものだ。

一度もなくした事などないのに・・・。

いやな感じがする・・・。

あのガラスケースの並んだL字型の廊下で一服したときには確かにあったはずだ。

ライターの替えはあるにはあるが、あれは特に思い出深いものだ。

明日、あそこを隈なく探してみよう。


  • トレヴァーの手記 (4)

1967年11月20日


一階にある肖像画の並ぶ大きな部屋。

そこで何気なく絵を眺めていると、不意に白衣を着た赤毛の男が近づいてきた。

何だろう?この男からは消毒液の臭いが微かに漂っている・・・。

「君に聞きたいことがある・・・」男は私に訊ねてきた。

「君の家族、あれは知っての上なのか?」「家族? 何か知っているのか?!」男は私の表情を見、そして力なげにつぶやいた。

「君は何も知らないのか・・・。あんな小さな子供が・・・」私は男の体を揺さぶり、家族の行方を大声で訊ねた。

しかしその刹那、私の背後で、何かがうごめく音がした。

「何かがいる・・・」赤毛の男はそうつぶやいた後、こちらがいくら訊ねても口を開かなくなってしまった。


  • トレヴァーの手記 (5)

1967年11月23日


朝起き一階へ行くと、使用人達が床を丹念に拭いていた。

この館で唯一何も置いていない部屋を・・・。

最初は疑問に思わなかった。この部屋を通りすぎ、次の部屋に行くまでは・・・。

無い。壁に飾ってあった猟銃が無いのだ!

「ここにあった猟銃は?」「ああ、あれか。あれは壊れてしまってね。象に踏まれたようなもんさ。一応原型はとどめてはいるがね、生き物とは違って。なに、また替えをおいておくさ」

近くにいたスペンサー卿が私の問いにさり気なく答えた。

急いで先の部屋に戻る。

床には何か黒いシミ。そして赤い髪の毛。

震えが止まらなかった・・・。

まさかあれを動か・・・。


  • トレヴァーの手記 (6)

1967年11月26日


私は閉じ込められた。

既に三日、経とうとしている。

あの何も無い部屋での出来事を見た日、私はこの館から逃げ出そうとした。

家族は叔母のところにきっと無事でいる、私はそう自分を信じこませ館をあとにした。

しかし遅かった。

館を出てすぐ、数人の白衣を着た男に取り押さえられ、ひどく殴られた。

そしてしばらくの間、意識を失っていた。

「気の毒だが、機密保持の為だ」「あの方も人が悪い。よりによって、この館の設計者を使って試すとは・・・。だが将来へのデータ収集には役に立つ」

機密保持?私がこの館を設計した事か?気がつくと私は地下室に横たわっていた。

薄暗い部屋。

体が妙に痒い。

何人かの人の手でくすぐられている、そんな感じだ。

上半身を起こす。すると私の体から何かがポタポタと落ちた。

それは・・・動いている!クモだ!無数のクモが私の体を、そして床中をうごめいているのだ。

この寒い部屋の中を、手のひら程の大きさのクモが・・・。

私は飛び退いた。思わず数匹のクモを踏み潰す。

その途端、無数のクモが私に襲いかかって来た。

ドアへ駆け寄るが鍵が掛かっている。

クモはわらわらと私の方へと寄ってくる。

私はドアの構造を思いだし何とか外に出た。

それから今日まで私はこの館の地下を歩き回っている。

そこには異常な形をした昆虫、動物が多数いた。

しかしその動きは緩慢かつ単純で私は何とか生き延びる事が出来た。


  • トレヴァーの手記(7)

ジェシカ、リサ・・・。

こんな、暗い惨めなところで・・・。

何故、何故だ!こんな死に方・・・。

奴の特殊な注文に応じ、この館を創り出した私が悪いのか。

それとも彼女達が残っているかもしれぬのにこの館から逃げ出そうとした天罰なのか。

いや違う。ここは普通ではない。

地下に充満する消毒液の臭い、そして搬入されたばかりと思われる新しい機械・・・。

機密とはいったいなんなのか!これは本当に、保養施設として使われるのか?!


  • トレヴァーの手記 (8)

1967年12月5日


・・・そして私は思いがけず狭く暗い部屋へ降り立った。

足元が危うい。

ゆっくり、そして慎重に歩き回る。

すると部屋の中央辺りで、なにか固いものにぶつかる。

なんだろう?ライターで明かりを灯し、掲げるとそこにうっすらと文字が浮かび上がった。

それは・・・。

なんという事だ! 畜生! すべては奴の思い通りなのか!

しかし皮肉だ。

私はまだ生きている。

もし今日何も起きなければ。

だが同じ事だ。

もう上へ登り陽を見る事は出来ない。

文字通り、ここが私の死場所となるのだ。

・・・いや、違う。私は必ず生きる。

今までだってうまく切り抜けてきた。

そう、生きる・・・わたしは生き残る。


  • 最後の手記

私はしくじった。

なぜ奴は、スペンサーは知っていたのか?迫り来る巨大なもの・・・。

私だけが知る秘密の仕掛けのはずだったのに・・・。

それどころか、自分自身が・・・。

意識が時々遠くなる。

忘れていた。

あれは一つでは無いこと・・・。

もう一つのよく似た道具が必要だという事。

ああ、もう少し、もう少しで二つの名を持つ噴水に行けたのに・・・。


以下は、没になったトレヴァーの手記以外のトレヴァー関連のファイル。


  • 招待状

我が友 ジョージ=トレヴァーへ君が丹精を込めて作り上げた美しい館。

この館に移り、既に三ヶ月が過ぎようとしている。

ここは素晴しい場所だ。狩人達の喧騒と共に朝を迎え、狼の咆哮と共に夜を迎える。

・・・だがここにはまだ足りぬものがある。

そこで君にお願いしたい。一度、館を訪ねてはくれないだろうか?

もちろん君の家族も一緒にだ。

旧友に会うのだ。気軽に来てくれればいい。

趣向を凝らした宴を用意し君を待っている。


1967年10月9日 君に敬意を込めて

オズウェル=E=スペンサー


  • 礼状

親愛なるオズウェル=E=スペンサー卿新しい館への家族ともどものご招待、礼の言葉もない。

私もあの館をもう一度見たいと考えていた。

ご招待お受けしたいと思う。

あの豊かな水溢れる、美しい庭園。

そして二つの名を持つ美しい噴水。

この噴水へ行く為に、君が絶対忘れるなと念をおしていた、あの『赤い本』と『青い本』を持参しよう。

ただ、私にはまだやり残した仕事が幾らかあるので、家族を先にそちらへやりたいと考えている。

そのように、よろしくお願いしたい。


1967年11月3日 感謝を込めて


ジョージ=トレヴァー


  • トレヴァーの妻の手紙

愛するあなたへ


この楽しいはずの休暇中、悲しい知らせが入りました。エマ叔母さんが急に倒れてしまわれたのです。

叔母さんはここからそう遠くない所に住んでいらっしゃるので、リサと一緒に少し様子を見てきます。

ひさしぶりに皆で一緒に過ごせると思ったのに本当に残念。

でも2、3日したら、そちらに戻ります。


1967年11月12日

あなたの妻 ジェシカ=トレヴァー


P.S.


スペンサーさんのご厚意で、館のピアノを弾かせてもらいました。

リサったら、すごく巧くなったのよ。ベートーベンですって。

でもあの娘、大切な楽譜をどこかにやってしまって・・・。

いったいどこへやったのかしら・・・。


関連タグ編集

バイオハザード

リサ・トレヴァー 洋館事件

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