概要
2022年に7月14日にNetflixで配信されたテレビドラマバイオハザード。
本作は2022年と2036年の二つの時間軸で展開されるオリジナルストーリーであり、原作ゲームシリーズとは違い世界観は一新されパラレルになってる。
ストーリー
本作は2022年と2036年の2つの物語が交互に描写される形で物語が進行する。
2022年の物語では、アルバート・ウェスカーの娘で、異なる母親から卵子とアルバートの精子で受精、代理母出産により誕生した14歳の二卵性双生児のビリーとジェイドの葛藤を扱っている。
アルバートがかつて勤めていたアンブレラ社の重役に抜擢され、二人はアンブレラ社の企業城下町であるニューラクーンシティに移り住む。そこで2人の少女は、自分たちの出自とアンブレラ社の陰謀を目の当たりにする。一方、父親は生物兵器T-ウィルスの危険性について危惧し、新製品開発への協力を渋っている。
2036年の物語では、T-ウィルスによって文明社会が崩壊し、壁に囲まれた都市に住む1500万人の難民と、T-ウィルス感染して人食いの怪物「ゼロ」となった60億人の人間たちが地上世界を闊歩している。地球上で最も強力な組織はアンブレラ社であり、ジェイドを世界規模で執拗に追跡している。
登場人物
主要人物
ウェスカー家の長女で本作の主人公。
2022年にビリーと共にアンブレラ本社に忍び込んだ出来事が、巡り巡って世界規模のバイオハザードに繋がったことを後悔しており、2036年の世界ではT-ウィルスを根絶するため活動し続けている。しかし、功を焦って自分勝手な行動を起こし、結果として仲間を死なせてしまうなどの問題行動も多い。このことは自身でも自覚しており、夫アルジュンに心情を吐露している。
また、ビリーからもジェイドの問題行動が指摘されており、ジェイドの行動が原因で多くの人間が亡くなっていることについて、「過去の過ちを修正する事ばかり考えて、周りが巻き込まれることはお構いなし」と糾弾され、ジェイドは反論することが出来なかった。
ジェイド・ウェスカーの双子の妹。ヴィーガンであり動物由来の食事を取っておらず、アンブレラ社が行っている動物実験を嫌悪している。
少女期を演じたシエナ・アグドンは、ヨーロッパ、ハワイ、フィリピン等の多様なルーツを持つ人物だが、成人後を演じたアデライン・ルドルフは、ドイツと韓国等をルーツに持つ人物であるため、少女時代と成人後で顔立ちや印象が異なっている。
ジェイドとビリーの父親。アンブレラ社の重役かつ科学者であり、CEOのイヴリンと共に新製品開発に取り組んでいる。
母親の居ない二人の娘達を常に気にかけているが、多忙な身の上であるため、大事な時に側に居ることができず、娘達とは心がすれ違い続けている。また、定期的に娘達から血液検査と称して血液を採取するなど、不可解な行動も目立つ。
その正体はオリジナルのアルバート・ウェスカーの手によって作られたクローン人間であり、オリジナルの計画・研究遂行の駒として制作された。
オリジナルから見捨てられた後は、イヴリンによって保護され、普通の人間としての生活を与えられる見返りに、彼女の計画の協力を行っている。イヴリンや他のクローン体たちからは、区別のため「アル(Al)」と呼ばれている。
オリジナルが行った急速成長の為の遺伝子操作の影響で、近親者の血液を定期的に摂取しないと生きられない体になっている。このため、ジェイドとビリーを生み出し、定期的に血液を採取するために二人の父親としての役割を演じていた。
2022年の登場人物
ラクーン高校に通う男子学生でイヴリン・マーカスとダイアナの息子。アンブレラのCEOを母に持つという環境からか、コンピューターネットワークに強く、ハッキングを得意とする。
持ち前のハッキング技術で、ニューラクーンシティではアンブレラによってアクセスがブロックされている「デカダンス」と呼ばれる日本製アニメを閲覧できるようにし、他の学生たちに披露していた所でジェイドと出会う。ハッキング技術の腕を見込まれて、ジェイドに協力を要請され、以降、アンブレラが隠蔽している事実を暴くため、アンブレラによってブロックされているWEBサイトの解析や、ジェイド達の家に隠された秘密を暴く等、ウェスカー姉妹達と協力していく。
イヴリン・マーカスの同性のパートナーで妻。
イヴリンと一緒の時間を過ごしたいと願っていたが、彼女が多忙なため叶わず、徐々にイヴリンから心が離れていった。イヴリンが居ない日は、よく怒っていたようで、息子のサイモンも二人がそろそろ別居するだろうと感じ取っていた。
しかし、ある日を境に人が変わったように穏やかになり、サイモンは不思議に思っていたが、実はイヴリンにより「JOY」を定期的に飲み物に混ぜるなどして与えられていたことが原因だった。
ところが「JOY」を与え過ぎたためか、エピソード8では、常に興奮状態で、包丁で指を怪我しても全く痛みを感じないなど、異常な精神状態になっていることが判明する。
ラクーン高校に通う女子学生。ヴィーガンに対して偏見を持っており、ヴィーガンであるビリーと取っ組み合いの喧嘩になった。
ルポライターの男性。アンブレラの安全衛生違反について何年も前から調べており、アンブレラの違法な活動について自身のWEBサイトで公開していた。
ティファナのアンブレラ研究所で起きた事故の犠牲者の妻に取材を行った際、その女性から、夫が実験用のラットに噛まれてだんだんとおかしくなっていったことを教えてもらい、さらに夫が掴んだアンブレラの機密情報が入ったUSBメモリを貰う。その中には、かつて1998年のラクーンシティでもティファナと同様の事故が起こり、アンブレラと合衆国政府が隠蔽のために核爆弾を投下したという一般には公表されていない内容が書かれており、アンブレラが長年にわたって隠蔽してきた真実を知る。
アンヘルのWEBサイトを閲覧したジェイドが、アンヘルにコンタクトをとり、オンラインチャットを開始する。その中でジェイドがT-ウィルス感染生物に噛まれた人間を話題にしたことで、ジェイドに興味を持ち、彼女に会うためニューラクーンシティに渡る。
ニューラクーンシティでジェイドに出会った際、彼女たちにかつてのラクーンシティの真実を伝えるが、アンブレラの人間に拘束され、アンブレラ本社に移送される。そこでアンブレラについて嗅ぎまわるアンヘルを疎ましく思っていたイヴリン達から拷問を受ける。長時間拷問を受けても絶対に口を割らなかったが、最後は、彼を不憫に思ったアルから慈悲で、高濃度の「JOY」を投与されたことで死亡する。
2036年の主要登場人物
生存者たちが暮らす輸送船「ユニバーシティー」に乗船しているジェイド・ウェスカーの夫。
生存者たちが暮らす輸送船「ユニバーシティー」に乗船しているジェイド・ウェスカーの娘。ジェイドの現在の夫であるアルジュンとは血の繋がりは無く、シーズン1の時点では本当の父は明かされていない。
生存者たちが暮らす輸送船「ユニバーシティー」に乗船している科学者の女性。
ジェイドが手に入れたゼロの変異体の秘密を解き明かすため、ゼロの生体研究の協力を行っていたが、研究のためにジェイドが独断で船内に持ち込んだゼロが、研究中に暴走する事故が発生し、事故に巻き込まれて命を落とす。
アンブレラ社
アンブレラの創設者であるジェームス・マーカス博士の娘[7]で、2022年におけるアンブレラ社のCEO。ダイアナという同性のパートナー(妻)がいる。
ラクーン事件以降、凋落してしまったアンブレラ社に、かつての栄華を取り戻すべく奮闘している。特にアルバートが開発した抗うつ剤「JOY」に世界を変える可能性を見いだし、莫大な投資を行っている。
2036年の世界にも登場するが、ビリーにより脳内に電極を埋め込まれ、87種類の薬を投与することにより、タブレット端末で遠隔操作可能な操り人形となっている。
イヴリン・マーカスの直属の部下の黒人男性。イヴリンの命令に忠実に行動している。
拷問のような汚れ仕事でもイヴリンのとあらば躊躇なくこなすため、アルから嫌じゃないのかと心配されたが、「マゾヒストなので問題ない」と返した。
2036年のアンブレラ社の部隊を率いる肥満体型の男性。会社の命令でジェイドを追跡しており、執拗に追いかけ拘束しようとする。
笑顔を絶やさない人物だが、アンブレラに敵対する人間には容赦が無く、たとえアンブレラに好意的な人間であっても、利用価値が無いと判断すれば即座に切り捨てる等の冷酷さを持つ。
反面、チャーリーとカーディという飼い犬がおり、2匹を溺愛している。チャーリーとカーディを養うためにアンブレラの仕事をしていると語っている。
ブラザーフッドと呼ばれるカルト集団にジェイド共々拉致された後は、利害の一致からジェイドと協力してブラザーフッドの領地からの脱出を試みるも、最後はゼロの集団に追い詰められ、食い殺された。
登場クリーチャー
余談
今作はバイオハザードシリーズ初のテレビドラマとして展開された作品でもある。