概要
本編から20年前にじーさんが大好きだったテレビゲーム。英語表記は『ADVENTURE HORIZON』。
内容自体は普通に王道なRPGであり、じーさんはこのゲームの世界観、モンスター、イベントが大好きで、毎日何時間もプレイしていたという。その一方で、このゲームの主人公はじーさんすら困惑するほどかなり個性的な顔をしており……。
因みに2人プレイも可能。
ゲーム機の名称は最後まで不明だが、ゲームカードの外観や形状がスイッチのものに似ている。
関連タグ
でんぢゃらすじーさん なんと!でんぢゃらすじーさん あほう 大長編
じーさんはとある理由でゲームを辞めたらしいが、その後はと言うと…
大長編の後編にて、呪いのゲーム『JA・HOU2』をクリアする(脱出する)方法を考えていた際、孫からラスボスの死の魔王を倒した後に出てきたメッセージウィンドに表記された
『20年前のあの日のコトを‼︎』
という言葉から、「あの場にいたのは自分たちパーティの4人。4人のうち、ゲベと校長はゲーム内のキャラで、20年前はオレ自身は生まれていない。だからあのメッセージはおじいちゃんに向けられたモノだと思う」と推測し、じーさんに尋ねた際にこのゲームの事が語られた。
祖父が当時ゲームにハマっていたということに孫は少し驚きつつも、なぜ今になって20年前のゲームの話をするのか、じーさんに質問した途端、
『とちゅうでやめちゃったんでしょ?』ピッ
『最後までプレイせずにとちゅうでやめちゃったんだよね?』
『やめちゃったんだよね?』
突然じーさん達のもとに現れ、まるでその事を知っているかのようなことを表記し始めるメッセージウィンド。
『・・・だけど・・・・・・やっと思い出してくれたんだね・・・?』
次の瞬間、ゲべと校長が消滅すると同時に、景色が変わりはじめ……
『ボクのことを』
『「アドベンチャー・ホライゾン」を‼︎』
ネタバレ注意
なんとかつてじーさんが遊んでいた「アドベンチャー・ホライゾン」こそが、呪いのゲーム「JA・HOU2」の正体だった。
正体を現すとともに景色が規則正しく並んだ山や木など昔のレトロなゲームの世界に変化。じーさんは懐かしみつつも、何故自分達を閉じ込めたのか孫に聞かれるとメッセージウィンドウを通して、復讐するためであることを明かした。
上記の通り、じーさんが自分で沢山遊んでくれたことをとても嬉しく思っていたが、もう少しでゲームクリアする直前で、突然じーさんがゲームをやめてしまっていた。
『きっと新しく発売されたゲームに乗り換えたんだろう!?』と思い込み、じーさんに裏切られたくやしさから「じーさんのアホ!」と恨みを募らせていき、そこから(そのままの名前ではバレてしまうため)「ADOVENTURE HORIZON」から「JA・HOU2」へとゲームのタイトルを変え、じーさんへの復讐を決意した。
(つまり「JA・HOU2」はJ(じーさんの)AHOU(あほう)という意味であると同時にアドベンチャー・ホライゾンの続編でもあり、既にタイトルに「2」がつけられていたのはそのため)
そして、自身の目的と過去を話終わると、じーさん達に止めを刺そうとした。
『これで…』
『ゲームオーバーにしてやるよ!!!』
「正体バレてんだよ。」
「あほ(アドベンチャー・ホライゾン)!」
次の瞬間、じーさんはその台詞とともに「あほう」を殴り飛ばした。
さらなるネタバレ注意!
実はじーさんが召喚していたあほうこそが、メッセージウィンドウを通して喋っていたアドベンチャー・ホライゾンの存在そのものだった。
じーさんに殴られたあと、何故正体がわかったのかと聞いたが、じーさんは校長の鎧を奪って身につけたあほうの姿を見て、あることを思い出したという。
それは……
あほうの顔が「アドベンチャー・ホライゾン」の主人公にそっくりだというコトだった♨️
孫「なんちゅー主人公だーッ!!」
(尚、前編を読み返してみると、じーさんはあほうを最初に召喚した際、「どっかでみたよーなカオしやがって」と、既視感があるような発言をしていた)
正体を明かされたあほうはそのご褒美にじーさん達をゲームから脱出……させると思わせてからの両手から放った魔法による不意討ちで全滅させる。
『人の言葉をそのまま信じるから、そうなるんだ、アホウ。…もっと言葉の裏の意味をよみとれないと…、このゲームはクリアできないよ。』と嘲笑い、死ぬコトのないゲームの世界を何度も楽しませるためセーブした所からもう一度やり直すよう誘惑する。
……が、じーさんは『セーブしたところからやり直しますか?』の画面で(ヒゲで)「いいえ」を選択。
まさかの選択に驚くあほうだったが、セーブした場所から再開することを拒んだためじーさん達もろとも「タイトル画面」に引き戻されてしまう。実はじーさんは上記のあほうの言葉からこのゲームから出る方法に気づいていた。
このゲームからぬけだすたった一つの方法は「ゲームをクリアするコト」、そしてその「言葉の裏の意味」……
「「クリア」って言葉は、データを消すって意味でもあるんだぜ!」
そう言いながらじーさんはタイトル画面のオプションから「データを消す」画面を表示していた。
セーブデータを消す……それが、このゲームをクリアするたった一つの方法の実態だった。真実に気づかれ慌てて制止をかけるあほうだったが、じーさんはそのままデータを消去……
しなかった。
またしても「いいえ」を選択したじーさんはあほうの前で土下座し、20年前最後までゲームをプレイできなかった事を謝罪。
そしてその罪滅ぼしとして「このゲームの世界で一生冒険する」ことを宣言、それと同時に20年前の事とは関係ない孫だけはもとの世界へ帰してほしいと必死に頼み込む。
まさかの約束をしだしたじーさんに孫は涙するが、それを聞いたあほうは勝ち誇ったとばかりに嘲笑い、罵倒しだした。
『ガ~~~ハハハ!!アホなヤツめ!!』
『こいつはいい。20年前ゲームを勝手にやめたバツだ!!』
『…20年前…、ボクがどんなにくやしかったか…、わかるか…!?』
(--なんじゃ、このゲーム?アドベンチャー・ホライゾン?)
『アホなオマエはゲームを途中で投げだした!!まだ、クリアしていないのに。』
(主人公がアホっぽい顔しとるのー。ためしにやってみるか。)
『ボクはオマエをゆるさない。絶対にゆるさない。』
(おぉー。けっこうおもしろいじゃないか!)
『一生この世界からだしてやるものか、アホ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(アドベンチャー・ホライゾン。めちゃくちゃおもしろいゲームじゃないか~!)
その時あほうの脳裏に映ったのは、自分(アドベンチャー・ホライゾン)を楽しく遊んでいたじーさんの思い出だった。
あほうは……アドベンチャー・ホライゾンは、くやしさのあまりに忘れてしまっていた。ある時はボスと戦い、ある時はレベルアップし、ある時は新しい魔法を覚え、ある時は新しい町にたどり着き、いつも自分をとても楽しく遊んでくれていたじーさんの姿を…。
「このゲームは楽しいな。」、「神ゲーじゃ!!」、「こんなにおもしろいゲームは初めてじゃ~!!」と自分を絶賛してくれたじーさんの姿を……。
アホなのは、ボクのほうだ。
こんなカンタンなコトに、気づかなかったなんて。
ゲームで人を悲しい気持ちにさせてどうする!!!
その直後、あほう(アドベンチャー・ホライゾン)は自らの手で「データを消す」画面で「はい」を選択していた。
そうだ…。
途中までとかどうでもよかったんだ…。
そんなコトより…、少しでもゲームを楽しく遊んでくれて…、
『ありが…、』
プツッ…
自身の想いを伝えきる前に、ゲームクリア(消去)は完了された……。
じーさんと孫が目を覚ますと元の世界に帰ってきており、目の前にあったゲーム機からは禍々しさは消え、そこに入っていたソフトは当時じーさんが遊んでいた「アドベンチャー・ホライゾン」に変わっていた。
孫は、じーさんにJA・HOU2にて自身が気づいたことを話した。
「きっとそのゲームは、おじいちゃんのコトが大好きだったんだと思う。そしてなによりもこのゲームはおじいちゃんとずっと遊んでいたかったんだよ。」、と……(ゲームの中でじーさんや孫の知っている人がたくさんいたのは「おじいちゃんが寂しくないようにするためだったんじゃないか」と推測した)。
ゲームの本心を知ったじーさんは、元のゲームに戻ったソレにそっと手を置き再び謝罪した。
「すまなかった。」
「20年前…、最後まで遊んでやれなくてすまなかった。」
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20年前のあの日、
ワシは楽しくゲームを遊んでいた。
--そして、もう少しでクリアという所で、
ワシの大切な人が病気で倒れた。
それからワシは看病で忙しくなり、
ゲームができなくなってしまった。
そしてさらに9年後、
その人は亡くなってしまった。
--じゃが、ワシは大好きなゲームを、
ほんのわずかでも自分の大切な人とプレイできて、
幸せじゃった。
……あの日のことを振り返ったじーさんは、久しぶりに「アドベンチャー・ホライゾン」をプレイすることにした。
今度は孫といっしょに。
ひさしぶりにおとずれたゲームの世界は、
あの時と変わらない景色が広がっていた。
山があり、
海があり、
モンスターがいて、
アホみたいな顔の、
主人公がいた。
…あの時はゴメンな。
最後まで冒険できなくて。
だけど、
今度はだいじょうぶ。
ラストまで、
大冒険を楽しもう!
本当の
ゲームクリアをめざして!!
完