概要
初登場はサイバーコネクトツー制作のニンテンドーDS用アクションRPG「ソラトロボ~それからCODA~」から。
イヌヒトとネコヒトの二種類の獣人系人類が住む浮島世界においてイレギュラーとも言える“人間”の姿を持った者達で、姿形こそ人間と同じであるがその能力は人間とは全く異なり、超人的な身体能力と再生能力、数百年以上も生きられる生命力、常人では扱えない古代兵器「ティタノマキナ」などを操る力を有している。
『ソラトロボ』の主人公であるレッド・サハランが第一部終盤で発現させた能力「トランス」で変身した時の姿はハイブリッドと同じものである。
※これ以降はソラトロボの物語、及びリトルテイルブロンクスシリーズの世界観の核心部に触れる内容が含まれます。
詳細(ネタバレ注意)
その正体は3000年前(戦場のフーガでは2000年前)の旧世界時代、オーバーテクノロジーの技術情報を内包する物体「ジュノ」を発見した旧人類たちがその超技術を用いて造り出した人造人間。
ジュノやティタノマキナ、ナノマシンなどのシステムへダイレクトにアクセスし、制御する能力を持つ。個体によってはテレパシーや未来予知、催眠術等の能力を行使できる者もいる。
彼らの細胞は一つ一つ「ジェネレータ」と呼ばれるエネルギー生成能力を持った情報構造体となっており、個体の特性によって電気、光、熱のどれかを生成できる。
旧世界時代にどのような扱われ方をしたのかなどの詳細は不明であるが、ソラトロ本のQ&Aでティタノマキナの制御目的で生み出されたと語られている事と、戦場のフーガ2に登場するジルの過去から読み取れる限り、人としてまともに扱われている様子は無い。
旧世界崩壊後はジュノによって地球再生プロジェクト「CODA」を遂行する使命を与えられ、来るべきCODA発動のその時まで、コールドスリープカプセルの中で永き眠りに着いている。ただし、ジルは終始CODAに関する発言をしておらず、CODAを遂行しようとする様子が見られなかったため、全てのハイブリッドにCODA遂行の使命が与えられているのかは疑問に思われる。
トランス
ハイブリッドが持つ標準的な能力で、この能力を使う事でジュノやティタノマキナ、ナノマシンなどのシステムへダイレクトなアクセスが可能になる他、作中の描写からは自身が持つ能力を最大限に発揮するための強化形態という側面も視られる。
トランス形態となると身体に文様が浮かび、皮膚の色が青褐色に変化する。
一方、後述の疑似ハイブリッドはトランス形態になっても皮膚の色は青褐色にならず、身体に文様が浮かぶこと以外は普通の人間と大差無い見た目となる。また、オリジナル個体に比べ能力が不完全な故か疑似ハイブリッドはトランス形態のON・OFFが自在にできないような描写や設定があり、レッドの様に感情の高まりなど特定の状況下でしかトランスできない個体や、ブランクとネロの様に常時トランス形態(人間の姿)で極度に消耗しないとトランスが解除されない個体、そもそもトランスできない個体などが存在する。
疑似ハイブリッド
オリジナルハイブリッドのバイオンが自身の目的のため当時弟子として協力していたイヌヒトの科学者メルヴェーユと共に開発したハイブリッドの能力を限定的に持った者達。
バイオンのハイブリッド因子をイヌヒト、ネコヒトの人体に組み込む、もしくはメルヴェーユが提供したイヌヒト因子を組み合わせて培養して生み出された存在で、バイオンが要求する能力を満たしたブランクとネロが完成するまで100体にも及ぶ実験体が造られた。
「2体のティタノマキナの最大出力をただ1回制御するだけ」という目的で開発されているため、その目的が達成されれば完成作であるブランクとネロはバイオンにとってもはや用済みの存在となる。
ティタノマキナの同調・制御能力を発現できなかった、もしくはバイオンが目標とする数値を出せなかった実験体は失敗作と判断さて廃棄処分となるが、中には脱走して外の世界で第二の人生を歩む者達が存在する。
セブン・チルドレン
バイオンが目標とする数値に近づいた7体の実験体達の通称。
この7体の中から最もティタノマキナと同調・制御能力が発現した2人が最終的に選ばれ、その2体にモデルとなった2体のオリジナルハイブリッドと同じ名前である「ブランク」と「ネロ」という名が与えられ、選ばれなかった残りの5体は失敗作と見なされ、失敗を意味する「赤」を冠する名前が与えられた。
該当人物(ネタバレ注意)
オリジナル個体
- バイオン
『ソラトロボ』のラスボスで、ソラトロボに登場する唯一のオリジナル個体。
ソラトロボ本編から350年前に発掘されて目覚めるが、記憶障害によってプロジェクトCODA遂行の使命を忘れてしまう。その後、50年間シェパルド中を放浪している間に目の当たりにした人類の愚かな姿を見てネガティブな感情を抱き、放浪の末に自身のロボである「ベリウス」と接触した事でCODA遂行の使命を思い出すが、彼は愚かな人類を粛正して地球を守るためにCODA遂行の使命を歪曲してしまう。その歪曲した使命を果たすためにシェパルド一帯の島々を管理するジュノ・アリアーヌを格納する構造物「タルタロス」を別次元から呼び戻すため行動に出る。
自身の目的達成のために障害となるエルとベルーガたち契約者の一族を彼らの住む里毎焼き払い、タルタロスを呼び戻すために必要な2体のティタノマキナを制御するための使い捨ての駒であるレッド達疑似ハイブリッドの開発を当時弟子であったメルヴェーユと共に行った。
タルタロスのコントロールオペレーターとしての能力を持つ。
- ブランク(オリジナル)
シェパルドに眠るハイブリッドの一人。名前と存在のみで本編、外伝には未登場。
ティタノマキナ・ラーレスの制御能力を持つ。
- ネロ(オリジナル)
シェパルドに眠るハイブリッドの一人。名前と存在のみで本編、外伝には未登場。
ティタノマキナ・レムレスの制御能力を持つ。
- ジル
『戦場のフーガ2(正確には『戦場のフーガ』から)』で登場。
超兵器「べレノス」を制御するために生み出され、その実験に最後まで生き残ったが、べレノス開発計画の凍結後は後にマルト達が乗る巨大戦車タラニスのソウルキャノンのエネルギー源として組み込まれ、死に等しい苦痛を受け続けた。その状況に心を痛めた彼の母親の様な存在である女性技術者の手によって眠りに着かされ、長い年月が過ぎたフーガ1本編後辺りで目覚め、フーガ2本編開始までタラニス内に潜伏する。
女性技術者の真意を知らない彼はこれまで受けた苦痛の腹いせとばかりにべレノスに乗り、世界をメチャクチャにしようと行動する。
能力として催眠術を使う事ができる。
疑似ハイブリッド
- レッド・サハラン
『ソラトロボ』の主人公。
バイオンとメルヴェーユによって生み出されたイヌヒトベースの疑似ハイブリッドで完全培養型。
ティタノマキナと同調できなかったためバイオンに失敗作の烙印を押され、廃棄されそうになったがメルヴェーユによって記憶を消されたのちダハーカと共に研究所を脱走し、孤児院に流れ着く。
そこで後に義理の妹になるショコラと出逢い、同じく疑似ハイブリッドであるカーマインとロゼの特訓を経た後、ハンターとなって本編へ至る。
能力は電気エネルギーの生成と制御。トランスしてダハーカの改修機ダハーカMk-2をアーマーとして身に纏った姿「トランス・アップ」の時に電気エネルギーの塊を放てる様になる。
- ブランク
(トランス状態)
(左側。トランス解除状態)
『ソラトロボ』にて登場。
バイオンとメルヴェーユによって生み出され、ラーレスの制御能力を最も強く発現させたイヌヒトベースの疑似ハイブリッドで完全培養型。
ワガママで好戦的であるほか好奇心も強く、バイオンに従いつつも自由気ままに行動する。
自分たち以外の存在を「虫けら」、失敗作であるレッドを「出来損ない」と呼んで見下している。
能力は熱エネルギーの生成と制御で、プラズマ火球を放てる。またティタノマキナ・ラーレスと同調し、操る能力を持つ。
- ネロ
(トランス状態)
(トランス解除状態)
『ソラトロボ』にて登場。
バイオンとメルヴェーユによって生み出され、レムレスの制御能力を最も強く発現させたイヌヒトベースの疑似ハイブリッドで完全培養型。
バイオンを父親の様に慕い、絶対的な服従を誓っている。ブラントは違い冷静で口調も丁寧であり、優等生の様に立ち振る舞うが、内心はブランクと同様自分たち以外の存在を見下しており、イヌヒトとネコヒトを「ケモノ」と呼んでいる。
能力は光子エネルギーの生成と制御で、レーザーを放てる。またティタノマキナ・レムレスと同調し、操る能力を持つ。
- カーマイン
(真ん中の男性)
ソラトロボの外伝小説『レッドデータ・チルドレン』にて登場。
イヌヒトベースの疑似ハイブリッドで他の疑似ハイブリッド達より早い段階で失敗作と見なされ、処分が決定していたため、同じく廃棄予定の実験体であったクリムゾン(クイニィ)と共に脱走する。その後は帽子やマント、付け鼻でハイブリッドの姿を隠しながらハンターとして活動し、得た報酬を世話になっている孤児院に寄付している。
レッドの師匠として彼にハンターとしての知識と技術を叩き込み、外伝小説終了後はロゼの過去を探すためアビシニア連邦へ旅立つ。
予測した未来を夢として視る予知夢の能力を持つ。
- ロゼ
(右側下から2番目の帽子の娘)
『レッドデータ・チルドレン』にて登場。
ネコヒトベースの疑似ハイブリッドで、元々は普通のネコヒトであったがバイオンに誘拐された後、人体改造を施されて疑似ハイブリッドにされてしまったうえに過酷な実験により過去の記憶を失ってしまう。
研究所を脱走した後はレッドとカーマインが居る孤児院へと流れ着き、保護される。外伝小説終了後は能力でレッド達や自身とカーマインを知る人物たちから自分たちに関する記憶を封印し、自身の失われた過去を求めカーマインと共にアビシニア連邦へと旅立つ。
能力はネコヒトの呪術行使能力を強化した様なモノで、防御呪術をメインに高位の呪術を使用できる。
- ルージュ
(バーミリオンの左にいる女性)
『レッドデータ・チルドレン』にて登場。
イヌヒトベースの疑似ハイブリッドでネロの劣化版とも言える存在であり、ネロのバックアップ要員という位置づけだが、優先順位を絶対とするバイオンにとっては興味の対象外であり、他の失敗作と変わりない立ち位置である。
大人びた色気を持つ女性だが、非常に感情的な性格。
バイオンに自分たちの存在を認めてもらうため奮闘している。
- バーミリオン
『レッドデータ・チルドレン』にて登場。
イヌヒトベースの疑似ハイブリッドでブランクの劣化版とも言える存在であり、ブランクのバックアップ要員という位置づけだが、優先順位を絶対とするバイオンにとっては興味の対象外であり、他の失敗作と変わりない立ち位置である。
マッシブな体格を持ち、性格は凶暴。
バイオンに自分たちの存在を認めてもらうため奮闘している。
- クイニィ(クリムゾン)
『ソラトロボ』でサブキャラとして登場。
エアデールなどで望遠鏡を覗いて「世界」を眺めている謎の人物で、とあるクエストで出会うが、その際にレッドが自身の所へ来ることを予見していたような発言をする。
本編では語られていないが彼も疑似ハイブリッドであり、早々に失敗作と評価され、廃棄予定であったがカーマインと共に研究所を脱走する。
能力は超限定的なテレパスで、同調できる人物と感覚を共有できるといった能力であり、この能力で唯一同調できたのがレッドであった。
- No.9071
ソラトロボ本編から9年前、エルが初めて行ったオハシラの儀の様子を描いた外伝小説『オハシラの朝』にて登場。
イヌヒトベースの疑似ハイブリッドで、完成形に近いレッド達7人が選出されたあとバイオンによって失敗作とされて廃棄予定となるが、メルヴェーユによって研究所から脱走する。しかし、生命維持剤を服用しなければ生きられないため、次第に衰弱していき行き倒れるが、そこでエルと出逢い、自身の生まれた意味を求めてオハシラとなり、バイオンの実験によって復活しかけたレムレスを再封印するためその命を捧げ、消滅する。
能力は接触型感覚同調で、触れた相手の感情を読み取る事ができる。
製作スタッフ曰く、名前の由来は「紅(9=く、0=れ、7=な、1=い)」。
ハイブリッドと思われる人物
※もしかしたらハイブリッドではない可能性もある。
- マエストロ
戦場のフーガのコミカライズ作品『鋼鉄のメロディ』と『戦場のフーガ2』にて登場。
ペストマスクとシルクハットで顔全体を隠しており、謎の空間にてマルト達の動向を観察している。
死んだ者の再生や時間の巻き戻しに関与する発言をしている。
- ヌーヴェルン卿
『戦場のフーガ2』にて登場。
劇中マンガ「シューカの冒険」の最新話を子供たちに配っており、その容姿はシューカの冒険に登場する同名の登場人物と同じ様に仮面とスーツを身に着けている。
仮面で素顔を隠しているが、その仮面から僅かに除く口元や隠してない耳は間違いなく人間と同じモノである。
関連タグ
人化:レッドがコレに当たる。一応イヌヒトの姿に戻れるとはいえケモノが人間化するというシチュエーションは多くのケモナー達から批判の声が寄せられた。
transfur:ブランクとネロが初めてトランス状態が解除された際の展開と本人たちの反応がそれっぽい。
ハイブリッド:現実で使われているハイブリッドについての記事。