概要
「男女平等」とは、男と女、両性の権利が同等であり、性差による差別を受けないことを指し、現代では多くの国で当然の前提とされ、制度上義務づけられており、「男女同権」とも呼ばれる。
しかし言うほど単純な問題ではなく、女性の地位向上により「子を産み育てる」という女性本来の役割が希薄化し少子化するジレンマに陥るなど、新たな問題も浮き彫りになっている。
主張の相違
実際にはこの考え方には様々な主張が存在し、男女同権が近世よりも根付いたといえる現代においても性差別解消が十分ではないという考え方もあり、そのひとつの考え方がいわゆる「ジェンダーフリー」であるが、男女平等=ジェンダーフリーではない。
(そもそもジェンダーフリーの考え方は「人間を男女に二分する考え方自体に疑問を投げかける」ものであり、男女両性の存在が前提となる「男女平等」とは視点が異なる。)
フェミニズム
フェミニズムは本来「女性の解放を目標とし、女性の権利が保障されるようにする考え方および社会運動」であり、実際はこの考えに近いものであるが、一部では性別による肉体等の差を区別せずに「見た目上の平等」を追いかけたり、逆に女尊男卑と受け取れる主張をしたり、「特に男性が用いる権利を制限しようとする」ような過激派ともいえる人物や団体が存在するため、区別の必要がある。
ところでジェンダーギャップ指数絡みでしばしば聞くのが「ガラスの天井」問題である。これは「女性にはある程度まで登り詰めると、天井につかえてそこから上に行けないことがある。」という意味である。
(ちなみになぜガラスなのかと言うと、「目に見えない障壁」という意図が含まれているからである。)
これは必ずしも女性だけでなく、人種や性的マイノリティ等で障壁を感じている人が使う表現でもある。(例えば、アジア人種が欧米社会で出世しようとすると「竹の天井」に阻まれてそこから上に行けない、という似たような表現がある。)
もっとも、女性に「ガラスの天井」があるなら 男性には「ガラスの床」がある、という主張がある。一度出世コースから外れれば床を踏み抜いたかのように転落する…という意味である。
(床が抜けることがあるなら、天井が崩れることもある。いずれも快適な環境では居られなくなるだろう。)
男女共同参画
「男女共同参画」とは、機会の平等や利益の公正な配分などを前提として、男女が性別に関わらず対等な立場にあり、誰もが社会的な活動に自由に取り組むことを意味する表現。
男女共同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」と定義されている。(男女共同参画社会基本法第2条より)