概要
男女もしくは雌雄の違いのこと。
生物学的な違いだけでなく、文化的・社会的な違いも含まれる。
生物学的な性差としては、陰茎(オチンチン)などの性器の違い、乳房(おっぱい)などの体型の違い、出産する能力の有無、声の高低、筋力や柔軟性といった身体能力の差などがある。
文化的な性差としては、服装や髪型の違いや、化粧の普及度の違い、プライベートゾーン(水着で必ず隠れる大事な部分)の違いなどがある。
社会的な性差としては、「男らしさ」や「女らしさ」といった固定観念や、「女は内、男は外」という伝統的な役割分担などが挙げられる。
これらの性差は階層構造となっており、生物学的な性差の上に文化的な性差が構築され、文化的な性差の上に社会的な性差が構築される。
具体的にいうと、生まれたばかりの赤ちゃんの性別は、単純にオチンチンの有無で判定され戸籍に登録されている(生物学的な性差)。もちろん、オチンチンがついているかどうかは服を着てしまえばわからなくなるが、実際にはこの生物学的な性別に基づいて、女の子は女性的な服装や髪型、男の子は男性的な服装や髪型をするようになる(文化的な性差)。学校や職場では、こうした服装や髪型に基づいて男女の違いが意識され、女性には女性的な役割、男性には男性的な役割が期待されるようになる(社会的な性差)。
しかし現代では、男女公正の理念のもと、文化的・社会的な性差の押し付けをやめることが求められている。また、そもそも性別を男女に二分し、別々に扱うことの正当性や必要性が問い直されるようになった。
そのため、性別の基準は時代とともに変化していること、そしてどの性差も絶対的なものではないことに注意する必要がある。