概要
転生ものの類型の一つ。
主人公が転生する際の死因がトラックによる交通事故であるものを指す。
略称は「トラ転」。同義語及び派生語として「転生トラック」がある。
転生ものはまず主人公が死なければ始まらない。
その際の死因として日常的に身近で扱いやすいのが交通事故であり、中でも「重量級の大型トラックに轢かれる・撥ねられる」のが「生還の余地が無いもの」としてイメージしやすくビジュアル面でのインパクトも強いためか、「転生もの導入テンプレ」として度々挙げられる。
特に近年では『無職転生』から始まった異世界転生ブームによって「異世界転生の代名詞」として扱われるようになった。
そのため「異世界転生ものの日本ではトラック事故が頻発している」というイメージが独り歩きし、パロディ色の強い作品ではトラックが存在しない時代設定や世界観にもかかわらず主人公に向かってトラックが突っ込んでくる事態まで起きる程。
「もはや異世界に人を送るために人を撥ねる『転生トラック』という怪異が発生しているのではないか」というジョークも飛ぶ。
なお、主人公がトラックに撥ねられるような描写があってもその後主人公が死亡・再誕する描写が無い場合は転移やトリップの区分に入る。
余談
日本のエンタメにおける「トラックに轢かれて死んだことによる転生」の初出は1982年の『魔法のプリンセスミンキーモモ 』と言われる(ただしモモの場合は異世界からやってきたヒロインが現代の地球で死亡した後再び現代の地球に輪廻転生するという、異世界転生の逆のような代物で、時間を巻き戻しても居ない。メタ的には、スポンサー(玩具会社)に振り回された事に対する皮肉である(モモを轢いたのは玩具会社のトラック))。
その後2000年代後半にはテンプレ化していたようである。
現実の日本の交通事故死は自家用車・普通車によるものが圧倒的に多く、トラックによるものは極めて少ない。
ただし日本以外では事情が異なる。例えば韓国では軍事独裁政権時代に反体制派の有力政治家が乗っていた車ごと交差点で横から突っ込んで来たトラックに跳ね飛ばされかけるという事件が実際に起き、この際に生還した当該政治家が大統領になって以降、韓国映画においては「死亡フラグが立っている人物が乗っている車に横からトラックが突っ込んで来て激突する」のが一種の定番と化した。