概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC18巻及び、藤子・F・不二雄大全集第7巻に収録「ホームメイロ」。
抽選機に似たドラムのような外観で、正方向に回せば家の構造が変化して迷路となり、逆方向に回せば解除出来る。
『ドラえもんのひみつ道具使い方事典1』の解説によれば、家の中の空間を広げることで迷路空間を作り出しているらしい。ただし外から見ても家の外観に変化は無い。
なお、ドラムの回転数に限界が存在しない為、回し過ぎれば脱出不可能な大迷宮と化してしまう。おまけに脱出する為の装置や機能も無い。使い方を誤れば非常に危険な道具と言える。
ただしドラえもんがひみつ道具を取り出していることから「四次元ポケット」は辛うじて使用可能であることが分かる。また、上記の通り原作版では他のひみつ道具を問題無く使用することが出来る
その後、TCプラス3巻収録「お化けツヅラ」ではまさかの再登場を果たす。作中ではドラえもんとのび太が「通りぬけフープ」で迷路や壁を無視して進んでいる。このことから分かる通り、ホームメイロにより生み出された迷路内でも他のひみつ道具は問題無く使用することが可能。
ストーリー
いつものようにのび太から泣きつかれたドラえもんが取り出し、最初は野比家を簡単な迷路にして遊んでいた程度だったが、調子に乗ったのび太がドラムを沢山回転させたせいで野比家がとんでもない大迷宮と化してしまう。
ドラえもんとのび太は当然の如く家の中で遭難。加えて家の中にいたママも巻き込まれ、ドラえもん達3人は「家から出られない!」と大騒ぎする。
窓から脱出しようにも野比家の開口部全ての空間が歪曲しており、外に出ようとしても同じ部屋に入り込んでしまう。
幸いパパが帰宅早々、玄関からのび太の部屋に迷い込み、ドラムをたまたま逆回転させたことで大迷宮状態が解除され、ドラえもん達は事なきをえた。しかし仮に解除されないままだったとしたら、野比家は探求者を際限なく吸い込む練馬の大迷宮と化していただろう…。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版では1980年9月17日に、水田版では2009年10月16日と2023年7月8日にそれぞれ放送している。
1980年版
- 原作では友達の家に遊びに来ていたのはのび太としずかだけだったが、今回はジャイアンとスネ夫も一緒に来ていた。
- のび太たちが家の中で迷っている様子は長めに描かれている。
- 原作ではパパが帰宅したのは夜になってからだったが、今回は夕暮れ時に帰宅している。
- 本編終了後のショートアニメは左右からやって来たドラえもんの顔のパーツが画面真ん中で合体し、顔をしかめるというもの。
2009年
- サブタイトルは「野比家が巨大迷路に!?」
- 今回のび太は友達とではなく、ママと一緒に豪邸を訪ねており、「トイレどこ~!」と叫び駆け込んだ時、ママはこの豪邸の女性とお茶をしていた。
- 初めにできた登り階段の行先は台所で、玄関のドアを開ける前にのび太は「階段を上がってきたので、窓から真っ逆さまに落ちるのでは?と予想していたが、そんなことはなく普通に出られた。
- 下りの階段の行先はお風呂場でそこのドアを開けても限りなくお風呂場が続き、その先には3つの道に分かれた階段があり、その先にも同様の分かれ道があった。
- 今回は間は買い物から帰ってきて迷宮化した野比家に入っている。そして玄関から入るとそこがのび太の部屋でそこにあったホームメイロを回してしまったため、ますます野比家の迷宮化が進んでしまった。
- その一方で、のび太はトイレに行きたくなりドラえもんにどこでもドアや通りぬけフープ、マジックチャックを出してもらうが、全て無効化され使用不可能となっていた。その中でママと出会い出会えたことを喜び合うが、ドラえもんとのび太が野比家が迷宮化した理由を話すと「いい加減にしなさーい!」とママは怒鳴っている。
- しかし、すぐにトイレと洗濯物の布団のことを思い出し出口を探す。その先の分かれ道でのび太とママがどちらに進むか言い争いになり、その時雷が響いたことで我に返り仲裁に入ったドラえもんが「最初にホームメイロを見つけた人が責任をもって逆に回すこと」を提案し分かれて探すごとになった。
- 今回もパパは夕暮れ時に帰宅してきていて、ママが落としていった買い物袋の中にあった卵を踏んでしまっている。
- ラストでパパは原作通り野比家を一旦もとに戻すも、これをうっかり蹴って起動させてしまい、ドラえもん達は再び迷宮と化した野比家に閉じ込められてしまうオチになっている。