『シュペル』とは英語で言う「スーパー」の意、
『エタンダール』は「軍旗」を表すフランス語である。
開発・生産はダッソー社によって行われた。
ダッソー・エタンダールⅣ(4)
1954年、NATOは加盟各国の空軍に向けた『軽戦術戦闘攻撃機計画(LWTSF:Light Weight Tactical Strike Fighter)』を開始した。
これに対してフランスが提出したのが、この「エタンダールⅣ」開発計画である。
本来はイギリス製のエンジンを使うように指定されていたが、
ダッソー社は構想中の計画を基に提出したため、フランス国産のエンジンを搭載している。
イギリスのエンジンを採用しなかったので空軍の採用には至らなかったが、
のちにフランス海軍の目に留まって、こちらは採用を勝ち取った。
1962年から実戦配備が開始された。
最高速度はマッハ1.3となっており、同じような目的で開発されたA-7よりも高速である。
(艦上機・攻撃機という共通点があり、開発時期も近い)
ただし搭載量はわずか1.3tとなっており、こちらは大幅に差を付けられている。
輸出はされず、生産機はフランス海軍で2000年まで運用された。
最後まで運用していたのは偵察機部隊だが、
攻撃機部隊は1980年代初めごろ、訓練部隊でも1991年まで使われている。
シュペルエタンダール
1970年代、フランス海軍ではエタンダールⅣ(攻撃機型)の後継機を求めていた。
当初はSEPECAT ジャギュアの艦上機を予定してはいたが、
開発にはコスト増が予想された為、1973年にダッソー社の提案した改良型エタンダールを採用した。
開発は「エグゾセ」対艦ミサイルと共に進められており、
1974年に原型機、1977年に最初の生産機が初飛行している。
翌1978年からフランス海軍への引き渡しが始まっており、1983年に生産が終了した。
主武装としては各種爆弾やマトラ社製の「マジック」対空ミサイルだが、
エグゾセ対艦ミサイルを運用することも出来る。
ただし搭載量そのものは2.1tと少なく、攻撃力そのものは低い。
1985年からは近代化改修が行われており、ASMP核巡航ミサイルを運用できるようになった。
中でもアルゼンチンはエグゾセにより艦船2隻(駆逐艦1隻・輸送艦1隻)を撃沈している。
総生産数は85機。
一応、2010年にはラファールへの交替が予定されている。