解説
正しくは「ばか兄弟」。
『ドリフ大爆笑』でいかりや長介と仲本工事が1987年から1993年にかけて演じていたコントシリーズである。
いかりや扮する兄が赤いつなぎ(シリーズ途中より肩に「ミスターバルーン」と言う名前のハート型の風船が付いた)を着ていて、仲本扮する弟が黄色いつなぎを着ている。
舞台はいつもどこかの工場の物置(コントの初回がニセ札作りと言う設定だった事の名残)である。
コントの主な流れとしては以下の通りである。
- 弟がいるアジトを兄が訪れ、扉をノックする。
- 本当に兄かどうかを確かめるため、弟は合言葉やクイズ(シリーズ末期は有名な曲の歌詞の一部を歌い、兄にその続きを歌わせていた)を出す。
- 兄がとんちんかんな答えを出すも、弟は正解だと思ってアジトの中へ兄を入れる。
- 弟(勉強をしていた、もしくは新聞を読んでいたパターンが多い)がおもちゃで遊んでいる兄に質問をする。
- 「2×3」に対して「兄さん元気で姉さん死んだ」といった風に、兄がメチャクチャな答えを出す。
- 最後はアジトの屋根が落ちてくるか、2人が歌を歌いながらアジトを出てどこかへ行くかのパターン(ごくまれに外出先でひどい目にあってオチとなるパターンもある)が多い。
このようにいつもはツッコミ役のいかりやがボケに回るため、ボケに更なるボケをかますツッコミ不在の展開になりやすい(実はアドリブを噛ましてボケるパターンもある)。
ボケだらけながら、時々「頭の悪いやつは学校へ行ってたくさん勉強しなきゃいけないんだ」などの哲学的な鋭いことをいうこともある。
そんなコントにも、あんちゃんのことを尊敬する弟、そんな弟をかわいがる兄という「仲のいい兄弟」というテーマがあった。
もしもシリーズ中断後の番組内では雷様と並ぶ人気コントであったが、知的障害者をバカにしているとかバカな子がいる家への配慮がないとかのクレームがついたためか1993年を最後にコントは終了し、総集編等で再放送される事もなくなってしまった。ただしファミリー劇場の『ドリフ大爆笑』の再放送では現在も当時のコントが放送されている他、2014年にポニーキャニオンより発売された番組DVDには「長介・工事の愉快な兄弟」の題で1992年に放送されたコント(この年のプロ野球について触れた回)が収録された。また、2022年末に放送された仲本の追悼番組でも同コントが2本放映されている。
上記の放映されなくなった理由の真相についての公式な発表はなかったが、仲本は後に「自分達は続けたかったが、クレームがついた為に放送をやめる事になった」と語っている(ラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』2011年10月2日放送分、雑誌『栄養と料理』9月号のインタビューより)。
コーナー終了の翌年である1994年には「ばか兄弟」の流れを汲みつつ、おでん屋の屋台を経営している父親(いかりや)とその息子(仲本)に設定を変更した「長介・工事のしあわせ父子(おやこ)」と言うコントが数回放送された。
ちなみにコーナー開始前の1984年にはいかりやと仲本によるレフト兄弟(ライト兄弟のライバルを自称しており、彼らよりも先に人力飛行を行おうとしている設定)を主役にした、「ばか兄弟」の原型とも言えるコントが放送された事がある。
ばか兄弟問答集
弟の問い | 兄の答え | 正解 |
---|---|---|
5+3は? | 4 | 8 |
(1987年当時の)新しい内閣総理大臣は誰だ? | 竹下景子 | 竹下登 |
ちびまる子ちゃんのお母さんの名前は? | でかまる子 | さくらすみれ |
犬はワン、猫はニャー、じゃあ牛は? | ギュウ | モー |
東の反対は西。じゃあ北の反対は? | 来ない | 南 |
馬鹿は死ななきゃ? | 生きている | 治らない |
(1990年当時の)イギリスの首相はサッチャー、では日本は? | カトチャー | 海部俊樹 |
しょうけんって何? | 萩原健一 | 証券 |
関連タグ
志村けんのバカ殿様:『ドリフ大爆笑』時代はいかりやが家老役、仲本が家来役で出演していた。
馬鹿松、いちご松:『おそ松さん』からつなぎの色繋がり。こちらも馬鹿な兄弟(弟のほうが馬鹿かも?)。
ムッシュール:ばか兄弟の兄をモデルにした『ONEPIECE』のキャラクター。
ルパン三世:PART5の「ルパン対天才金庫」の回でばか兄弟にそっくりなキャラクターが登場。
爆チュー問題:1つのボケに対して更なるボケをかましていく『ばか兄弟』の流れを元に作られたコント。