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もしもシリーズ(ドリフ大爆笑)
7
『ドリフ大爆笑』のコーナーのひとつ。

※2回目以降の呼称は敬称略


概要

ドリフ大爆笑の締めに登場する「もしも……〇〇な××があったら(いたら)……」という毎度お馴染みなフレーズのコントで、ストーリーとしては主人公・いかりや長介が、まともでない人物に出会ってひどい目に遭わされるのが主流。ドリフのメンバー内不和のため、消滅していた時期もあった。

初期は、伊東四朗小松政夫由紀さおりキャンディーズ時代の田中好子桜田淳子といった芸人殺しなゲストも、ドリフのメンバーと共にメインキャラクターやオチを担当したことが往々にしてある。


劇中での演者の役割

初期から中期までは、高木ブー仲本工事の時間は1分程度で終了し、その後の加藤茶志村けんの時間はたっぷりと長めに用意されていた。

しかし、後期には加藤の持ち時間が少なくなっていき、仲本の持ち時間が増えていったことにより結果的には両者の持ち時間が共に互角となったが、高木の時間だけは相変わらず短く(1984年以降は高木の分だけが省略されることも少なくなかった)、さらに大抵の場合においては志村の時間だけがかなり長く取られていた。

また、仲本の時間が長く取られ、加藤の時間が極端に短かった回もある。セールスマンの時だけは、志村の出演時間が極端に短かった。

順番でいえば、加藤で始まり志村で締める(間に仲本と高木が入る)というパターンが一般(1977年もしも決定版)的であった(例外も少なくなく、1986年5月放送分は仲本→高木→志村→加藤となり、仲本と志村で時間を割き、高木と加藤はあっという間に終わった)。


役回りとしては志村は大半がトボけた老人かオカマ役(加えて前者は酒や注射等で一瞬だけ普通になったり、後者はいかりやにビールをサービスするも、断られるとドスが急に効いたヤクザ口調で脅し、その後即座に「冗談よ。オカマは冗談が大好きなのよ」と笑ってゴマかす)が多く、加藤は落ち着きがない陽気な人間か哀愁漂う貧乏人。

仲本は一見マトモそうだが、実は一癖ある人間や、子供役。夫婦喧嘩をする夫(相手はだいたい由紀)役が主流。高木は出オチもしくは一発芸的なインパクトでオチに至ることが多いが、大抵はどんなことでもすぐに泣く泣き虫である。


最後には、呆れ果てたいかりやがカメラ目線で「だめだこりゃ」と言う締めのギャグで終わるオチが待っているが、その前にいかりやの相手役がどこかへ行ってしまった時は「だめだありゃ」で締めるケースもある。

加藤もしくは志村がいかりやより先に「だめだこりゃ」と言い、彼に「それはオレの台詞だよ!」(「あたくしが言う台詞だよ!」)と突っ込まれる場合もある。このコントから生まれた「だめだこりゃ」は流行語にもなり、いかりやの自書伝の題名にもなった。

また、このコーナーが一時休止していた1989年9月放送分でも1回だけいかりやが「だめだこりゃ」と発し、本人も懐かしんで思わず笑いころげるオチがあった(居酒屋のコントにて)。


このコーナーの手本となったのは、アメリカのバラエティー番組『ラフ・イン』の「if」のコーナーである。なお、『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』(日本テレビ系)にも同様のコーナーがあった。


BGMは出演者に関係なく、たかしまあきひこの作曲による同じ曲が使われた。ただし、初期は別のコントでもこの曲が使用されていた。


加藤・志村といかりや・高木・仲本に分かれてコントが収録されるようになっていった1987年からコーナーが制作されなくなったが、その間も「もしもシリーズ」と関係ないコントとしてリメイクされることがあった。

全員参加のコントが復活した1994年以降もコーナーは再開されず「リクエストコント」で「サービス過剰な銭湯」がリメイクされるに留まっていたが、1997年にファンの要望に応える形でようやく復活した。しかし、翌1998年に新作コント制作が全面的に終了したため、復活から僅か1年で再度終了してしまった。年末総集編の最後には「もしも決定版」として放送された。


後年のテレビドラマ『踊る大捜査線』では、いかりや演じる和久平八郎が「だめだこりゃ」を言うシーンがある。


同じ大御所でも自身の身体を全く張らず、後輩や部下に専らパワハラ紛いに張らせるばかりなご時世で、後述の『サービス過剰なお風呂屋さん』を筆頭とするコントで身体を誰よりも張って笑いを取ってくれた大御所は、いかりやだけだった。


主な実例集

健康コンサルタント

  • オカマの健康コンサルタント

志村がコンサルタント役に扮し、すわをアシスタント役に据えている。美容のためにと称して上半身に泥パックを塗ったり、顔にホイップクリームを息ができなくなるほど塗りたくる。


  • ショック療法の健康コンサルタント

加藤がコンサルタント役。ストレスを抱えてやってきたいかりやのストレス解消法と題して、大声を出す、風船を割る、水槽を被らせて鰻や蛙を投入するなどしていかりやに大声を出させる。最後は、サウナに入ったいかりやの頭に特大のお灸を沿え、それが爆発して終了。あまりのひどさにいかりやは「完っ全にだめだこりゃ」と激怒。(1984年もしも決定版)


  • 亡者の健康コンサルタント

高木がコンサルタント役。いかりやがとある健康コンサルタント事務所を訪れるが、そのコンサルタントはすでに死亡しており、その幽霊が応対していた。


  • 体力が資本の健康コンサルタント

仲本がコンサルタント役。自分から進んで体を鍛えているコンサルタントに困惑するいかりや。だが最終的にコンサルタントは建物(のセット)を破壊してしまった。


マッサージ

  • 祈祷師風のマッサージ師

巫女の格好をしている店員(すわ)の呼びかけで来た祈祷師姿の先生(志村)が現れ、いかりやが「肩と背中が突っ張る」というと、志村が「症状が判った」と言い、「治療のために服を脱ぐよう」に言う。

最初は刀を使ってお祈りをしたあと、いかりやが横向けになった上で、志村が歌にあわせて刀でいかりやの胸元を叩き、大量の灸を据え、しかも灸の周りに冷たい水を撒き、挙句の果てに蝋燭の蝋を垂らしてしまう。最後はミルガイを使って、いかりやに水を浴びせた。

後に『志村けんのだいじょうぶだぁ』・『けんちゃんのオーマイゴッド』でもこのネタが再現された。『だいじょうぶだぁ』版では田代まさしが店員・矢崎滋が患者(犠牲者)を演じ、矢崎が大量の灸を据えられた後に、爆発四散してしまうという過激なオチになってしまった。『オーマイゴッド』版では久本雅美が店員(他に巫女姿の女子が控えていた)・渡辺徹が患者(犠牲者)を演じ、刀マッサージ時に彼の妻である榊原郁恵や「とんとんとんまの天狗さん」が歌われ、灸の爆発の後水を掛けられた。


  • 超ベテランなマッサージ師

この道80年という老婆のマッサージ師(志村)が「80年やっているから、どこがこっているのかすぐわかる」と言いながら「それで、どこがこっているんですか?」と聞いたり、「どこから来たんですか?」「仕事は何やっているんですか?」などの質問を繰り返し何度も聞く。しまいには逆にいかりやがマッサージをする羽目に。

後に『志村けんのだいじょうぶだぁ』でも再現され、この時は西田敏行が客役だった。


  • ハリ専門のマッサージ師

マッサージ師は高木。「ハリ専門のマッサージ」というのでてっきり針治療だと思っていたら、何と天井のハリを外していかりやの肩に直撃させた。いかりやは「効くことは効いたけど、こりゃ一体何だ?」と問いかける(頭に直撃するパターンもあり、それでは「だめだこりゃ」で終わった)。


  • 友達の輪のマッサージ師

マッサージ師は加藤。いかりやにマッサージを始めるも加藤自身も肩こりに苦しんでおり、娘をその場に呼んで肩を揉んでもらう。ところがその娘も肩こりで、娘婿に揉んでもらう。その娘婿も肩こりで…、というのを繰り返しているうちに兄ちゃん(仲本)まで登場。その兄ちゃんも肩こりだとわかるや、加藤はいかりやに「兄ちゃんの肩を揉んでくれないか」と頼む始末。いかりやが断ると、何と仲本は刺青をいかりやに見せて揉むように脅した。こうして「みんなで作ろう、肩こりの輪」と加藤が唱えて終了する。


  • 音楽療法のマッサージ師

マッサージ師は仲本。マッサージにはリラックスした状態が最適といかりやに音楽を聞かせるが、沈痛なクラシック音楽・『昭和枯れすすき』と(暗い)「悪い例」の音楽を聞かされ、その後ジャズバンド・子供コーラスによる『肩たたき』が演奏された。オチでは人件費込みで高額な代金を請求される羽目に。


  • 中国人のマッサージ師

マッサージ師は加藤。バニーガールの受付に引かれいかりやが(高額コースで)入店したが、中は武術家の控える道場になっていて、武術家たちによって技を次々掛けられ、最後は電気椅子による電気マッサージを受ける羽目に。しかしオチでは加藤自ら電気椅子マッサージで感電死してしまった。


電器店

  • 貧乏な電器店

店主(加藤)が子供を背負いふらつきながら登場(2~3日何も食べてない)。1年前に店を開いたものの、これまでに来た客はたったの2人で売れたのは電球一つ。そして女房に逃げられ、さらには近所のサラ金から借金したところ300万円にも膨れ上がってしまったという。このため、客(いかりや)が友人の結婚祝いのために電気スタンドを買おうとすると、その売り上げで借金を完済しようと300万円もの値をつけてくる。また1万2000円の扇風機を買おうとするとおまけとしてトースターをつけてくるが、こちらも代金として300万円を要求する(トースターの値段が約298万円)。呆れたいかりやが「他の店行くんですよ。(値段が)高いですよ」と店を出ようとすると、加藤は「あ~あ~、薄情者。(子供に向かって)いいか、あのおじさんの顔よーく見とくんだぞ。いいか、2人でな、お腹空いてな、死んだらこのおじさんのせいだからな!薄情者!人殺し!!」と騒ぎ出し、「うちに人殺しが来てんですよ」と警察に電話しようとする。そしていかりやが「この声です!」と突きつけられた電話に向かって「だめだこりゃ!!」と言ってオチとなる。


  • 夫婦ゲンカが絶えない電器店

店主(仲本)は風邪をこじらせて床についており、その妻(由紀)が代わりに店番をしているが、外出中に友人の結婚祝いのために電化製品を買いに来た客(いかりや)が来たため仲本が起きてきて応対。そこに由紀が帰ってきて、「この野郎、どこウロウロしているんだよー?おまえはー!?」と仲本が怒ったことから夫婦ゲンカが始まり、いかりやそっちのけで激しい取っ組み合いなケンカを繰り返す。しまいには柱に縛りつけられた仲本が暴れてその弾みで店が倒壊してしまい、仲本は落ちてきた梁の下敷きになってしまう。そしてボロボロになった由紀がそれを見ながらいかりやに「アタシをお買い上げにならない?」と言ってオチとなる。


  • 欠陥が多い電器店

店主(志村)が誰かと電話で話している状態で登場。客(いかりや)が友人の結婚祝いのために少なめの予算で買える電化製品を探しに来て、それに気づいた店主は「はいちょっと待ってね、バカが来たから」と電話を切る。応対した店主は最初にトースターを勧めてきたが、1分もすれば焼けるというものの試しにセットした食パンがすぐに勢いよく飛び出してしまい、もう1つの2000円のトースターは食パンをセットした直後に火花と煙を吹き出してバラバラに壊れてしまう。次に店主は少し高額の商品を勧めてくるが、扇風機はスイッチを入れると次々と部品が外れてバラバラに壊れる物や送風ファンの部分が離れて飛んでいってしまう物で、クーラーはスイッチを入れるとシャワーのごとく水が吹き出し、全自動洗濯機(この時志村はなぜか何度も『扇風機』と言い間違えている)はスイッチを入れるとやはり火花と煙を吹き出し、ドラム部分を残してバラバラに壊れてしまうなど欠陥品の電化製品ばかり。最後には店主は中古で2万円のカラーテレビを勧めてくるが、スイッチを入れた数秒後に突然爆発して店内はメチャクチャに大破し、2人ともボロボロになってしまう。この時志村の体には爆発によって電気が流れており、いかりやが「だめだこりゃ~」と言いつつ体に触ると頭からバチッと火花と煙が吹き上がり、驚くいかりやに志村が「触るな、電気来るから」と言ってオチとなる。


居酒屋

  • 焼けた居酒屋

暖簾をくぐると店内は火事で黒焦げになっており、やはり黒焦げの店主(加藤)がいる。しかもその店は昨日開店したばかりであった。

気丈に接客をするが火事の熱で熱々になったビールなどを出し、いかりやが「だめだこりゃ・・・」と言い、最後は加藤が「皆さん、マッチ一本火事の元・・・可哀想な加トチャン・・・、昨日開店したのに・・・」と泣き崩れる。


  • 借金取りが来る居酒屋

仲本の店を借金取り(八名信夫など悪役商会の面々である場合が多い)が荒らしていき、なぜか客のいかりやまで殴られる。「出血大サービス」というポスターが貼られていて、オチで仲本が「出血大サービスって書いてあるでしょ」と言うパターンもある。


  • 子供の居酒屋

仲本が子供に扮して店を切り盛りするコーナー。いかりやが「子供なのに偉いねえ!」と仲本を褒めると、仲本が急にキレて皿や丼を地面に叩き付けて、「おじさん!お世辞を使うならお金を使ってよ!ボクん家は商売なんだから!」と怒鳴るシーンもある。


  • 具合が悪い居酒屋

志村が店主。店主は足が動かないため、天井にベルトを吊り下げて輪を作り、それに体を引っ掛けて接客する。またこの店主はアル中でいつも手が震えているが、酒を飲むとほんの少しの間身体の状態が正常に戻り声も若返る。最初はおつまみにピーナッツを出すが手が震えてこぼしてしまい、次は湯豆腐を持ってきたがやはり手が震えてお湯をいかりやにかけてしまう。また、漬物のオーダーにきゅうりを用意したが手が震える店主が吊り下げられた身体の勢いで包丁を振り回したりする。最後は尿意までもよおし、用意した溲瓶を使おうとするも手が震えてうまくできず、手の震えを止めようと酒を飲んだら小便の勢いも増してしまい、いかりやに顔面シャワーを浴びせる始末。


  • やる気がない居酒屋(泣き虫の居酒屋)

店主(高木)に注文しても「おしぼりない~」「つまみない~」「お酒ない~」、しまいには「オチがない~」「終わらない~」「面白くない~」「お金をそんなに貰っていない~」と返される。オチは「だめだこりゃ、本当にだめだ!一世一代な力を込めて、ためだ!」。


  • 勘がやたらいい居酒屋

店主(伊東四朗)が客のやることを先読みしている。(1979年もしも決定版)


  • 脱サラして始めた居酒屋

店主は加藤だが店が電車のガード下にあって立地条件が良くない。電車が通過するたびに店が揺れ、頭上から物が落ち、さらにはトラックもよく突っ込んでくるような場所だった。それゆえに吊り革やヘルメット(揺れ・頭上対策)、さらには位牌(トラック事故死対策)をおススメの一品として注文を迫るありさまだった。


  • 夫婦ゲンカばかりしている居酒屋

いかりやが店に入るなり、店主(仲本)と妻(由紀)が夫婦ゲンカで罵倒しあい、物を投げあうなどの一触即発ぶりだった。やりとりの1つ1つが殴り合いなケンカに発展し、挙句の果てにはケンカで敗れた和服代(5万6千円)までいかりやに請求してしまう。


  • 建てつけが悪い居酒屋

いかりやが入り口のドアを開こうとすると開きにくい。居酒屋の中には店主(高木)がいる。入り口のドアを閉めると居酒屋全体が壊れてしまう。


  • 未亡人の居酒屋

店主(志村)が、自分の服や髪の毛を売って酒やつまみを買ってくる。最終的には「アタシを2000円で買って下さいませんか?」と身売りしようとする。

ちなみに、このコントに登場する未亡人の子役は当初はいかりやの弟子であったが、後に客を加藤に変え、女子ゲストが参加する形でリメイクされている。またリメイク前と比べて、女将の志村の恰好がある程度清潔になっている。


  • 家庭的な居酒屋

店主(加藤)が家の茶の間でやっている。メニューは娘が描いた冷奴の絵などが貼られ、娘のカラオケサービス(童謡のみ)も実施するが、いかりやが不満を漏らしたところ、今度は妻(奥村チヨ)が歌を歌いだして、いかりやを困惑させる。


  • オカマの居酒屋

色っぽい女性語口調の店主(志村)の親切をいかりやが断ろうとすると突然ヤクザ口調で怒鳴る。店は屈まないと入れないほど極端に小さく、出されるものが何もかもミニサイズ。線路脇に5万円で建てたといい、電車が通るたびに店が地震にあったかのように揺れる。


ビアガーデン

  • いやしんぼなウエイター

いかりやの注文したビールをウエイター(加藤)が飲んでしまう。注文3回目で口にビールの泡がつき、4回目で発覚。最後にはウエイターが千鳥足になり、足を滑らしてプールに転落してズブ濡れになる。

なお、同様のネタは後に「大爆笑」で複数回行われ、TBS系『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』でも行っている。


  • ジジイのウエイター

ビアガーデンにやって来たいかりやだが、お金がなくてちゃんとしたお店が開けなかった老夫婦(志村はウエイター、厨房が婆さんという設定)は、自宅のベランダをビアガーデンにしていたのであった。客がメニューに書いてある物を注文するが、ウエイターは何かと理由をつけては注文を断り、出来たとしても、とうもろこしはベランダで飼っている鳩の餌であり、その鳩も焼き鳥にしようとする(泣きながら謝るが)等まともな品がない。何も注文できていないが、ウエイターが山口百恵のショータイムが始まるというので見てみると、ウエイターが女装(もしくはウエイターの妻?)をして音楽に合わせて踊りだすというものだった。客が「似てないよ」というと、ウエイターはサービスだといって女装のときにつけた胸を露出する。


床屋

  • 威勢が良い床屋

太鼓に合わせてシャンプーをして、洗面器に顔を突っ込まれる。小松版と仲本・高木版の2パターンがある。

小松版では太鼓は登場せず、粗かけもせず乾いた頭のままシャンプーをふりかけ、洗面器に顔を突っ込ませ、最後のゆすぎは小松がいかりやの頭を押さえこんで数秒間洗面器につけさせ続ける。やっと顔を出してもらうも、直後に上からバケツいっぱいの水を豪快にぶちまけられる。威勢が良すぎてエプロンも外れてしまう。ずぶ濡れのいかりやは「バカヤロー!どうしてくれるんだ!?これよ!!」と激怒するが、最後に小松はドライヤーと称して火のついた薪を振り回して乾かそうとする。(1977年もしも決定版)

仲本・高木版では最初、粗かけもせず乾いた頭のままシャンプーを塗りたくり、洗面器に顔を突っ込ませて数回ゆすぐ。最後のゆすぎは仲本がいかりやの頭を押さえこんで数秒間洗面器につけさせ続ける。やっと顔を出してもらうも、直後に上からバケツいっぱいの水を豪快にぶちまけられ、頭を雑に拭かれた挙句、セットは手で中途半端に角を立たせた状態で「ありがとうございましたー!」と有無を言わせず終わられてしまう。オチにいかりやは、「だめだこりゃ、目が開かねぇ、バカヤロー!」と激怒した。

このコントは後の「威勢が良い銭湯」に応用される。「威勢が良い銭湯」とは異なり、志村・加藤は参加しない。


  • やる気が全くない床屋

いかりやが店の中に入ると店内は埃だらけでクモの巣まで張っている。店主(志村)はものすごく不機嫌であり、普通のイスには座らずに待合室で顔をそる。最終的には別の床屋に来てもらって店主(仲本)に顔をそってもらう。


  • ラーメン屋になった床屋

いかりやの要求に、「いい加減にしてもらいてぇな!」と一切応じない店主(仲本)。いかりやが「おめぇのとこの商売は何なんだ!?床屋だろ!?おめぇのとこは!!」と激怒するも、仲本は「ああ、そうだよ!昨日まではな!!」と逆ギレ。実は床屋からラーメン屋に変わっており、洗面台が丼の代わりになっていた。最後にいかりやは洗面台でラーメンを食べている客に「(本気で)食うなよお前は!」と言っていた。


  • 弱気な床屋

店主(加藤)がいかりやの髭を電気シェーバーで剃ろうとする。さらに毛抜きでいかりやの髭を抜く。いかりやが「床屋なんだからカミソリ使ってよ」と促すが、店主はカミソリを持つと手が震えるらしく、風船を顔に見立て髭剃りの練習をするものの、ことごとく風船を割り続け、店主は「もう1回理容学校で勉強してきます」と言い残し店を飛び出してしまう。

このコントは後に独立した形でリメイクされ、風船のシーンでは1度だけ成功し加藤や現場のスタッフも驚いていた。


  • 経験不足な床屋

店主(加藤)がいかりやの髭を剃った後、もみあげを整えようとするが、いかりやに職業は芸能界関係でテレビに映るからと言われてあがってしまったらしく、最後は頭の前半分をM字に剃り落としてしまい、「どうするんだよこれー!明日本番があるんだよ、オレはー!」と怒るいかりやに店主は「すいません、わたし田舎帰ってサラリーマンやりますから」と言い残し店を飛び出してしまう。

このコントでは加藤がいかりやの髭を「カミソリは初めて使った」「人の顔剃るのは何年ぶりかな」と言いながら実際にカミソリで剃っている。さらに、このコントのみいかりやはカツラを被っていた。


  • トリートメント専門な床屋

店主(志村)がいかりやにシャンプーハットをかぶらせ、牛乳、納豆、練りからし、卵、タバスコ、ウォッカとテキーラのブレンドなどを頭にかけて火を付け爆発ヘアーにさせる。最後に志村はちりぢりになったいかりやの髪をとって「3年後か」と言っていた。


  • 低料金の床屋

理髪料500円という安さ(一般には1,000~2,000円が相場)にいかりやは喜んで入るが、店主(高木)が剃髪を始めようとすると突然奥さん(由紀)が登場し、涙ながらに剃髪を阻止する。いかりやはあっけらかんとしながらも「僕の頭どうしてくれんの?」と聞くと、由紀は息子2人を呼びつける。見ると息子2人は頭から血を流していた。「こうなっても構わないのであればどうぞ。あなた、これから練習はお客さんだけにしてちょうだい」という由紀の声にいかりやは身の危険を感じ、帰ろうとするが高木ととっくみあいになってしまう。


  • BarBarスー

キャンディーズ田中好子が店主の床屋。椅子にピンクのファーがあしらわれていたり、店主がチャイナドレスを着て応対してはいるが、実は満足に髭剃りもできない店主だった。


不動産屋

  • オカマの不動産屋

いかりやが入ってきた不動産屋はなぜかキャバレーの様相。オカマの店員(すわ)が無理矢理いかりやを席に座らせ、店主(志村)が登場。途端に艶めかしく迫って来て、いかりやが困惑するといきなり男ことばで怒鳴りつけてくる。店内にはなぜか舞台がしつらえてあって、店主の気まぐれで志村とすわの『矢を切るアタシ』や『白鳥の湖』などのショーを見せつけられる。最後は、自分の部屋の鍵を渡して「同居しよう」と迫ってくるので、いかりやはグロッキーになる。


  • 最新式な不動産屋

コンピューターを駆使した最新式のシステムが売りだという不動産屋。いかりやが提示した予算に合わせ白衣を着ている店主(仲本)が条件を入力すると、モニターに『親子4人では狭過ぎる』、『あなたは、田園調布に住む顔ではない』、『バカ、ドジ、マヌケ、貧乏人』などいかりやを罵倒するような文句が延々と表示される。店主が頭に来たいかりやに「ローンを組んではどうか」と勧めて機械を操作すると、『あなたはあと五年しか生きられない。バンザーイ、ハハハハハハハ』と表示されてしまう。これを見たいかりやは仲本とともに笑い出してしまうが、結局「だめだこりゃ」ともらしたあと、小声で「バカ!」と罵倒する。


  • 悪質な不動産屋

不動産屋の表に貼ってあった張り紙の物件を気に入ったいかりやは、早速店に入り、契約をとろうとするも、応対した店主(加藤)に件の物件は契約者が決まってしまったと言われる。その後も店主の紹介する物件の中から気に入ったものを見つけるが、どれも「ここも手付が入ったばかり」「入居者が相次いで不幸になる曰く付き物件」等と何かと理由をつけられ、断られてしまう。これを繰り返す内に、いかりやはとうとう怒りだし、「表では調子のいい事書いておきながら、あれこれ言い訳つけて、最後にはインチキ物を高く売りつけようとする気なんだろ!」と罵倒する。これに腹を立てた加藤は『おすすめ物件』として、これまでにない最高の条件の家を紹介してくる。これを気に入ったいかりやは、再三確認した上で、この家を購入する事を決意するも、契約が完了した途端に、加藤は「家が売れたぞ!」と大喜びで店の奥から家族を呼びつけると、揚々と新居に引っ越す。実はいかりやの購入した家は不動産屋の店舗そのもの(しかも加藤曰く「築130年」)であった(加藤たちが出て行き入口の扉を閉めた直後、建物が半壊。いかりやは「だめだこりゃ」ともらした後、「130年前に不動産屋なんてあったかな?」と疑問に思う。)。


  • 悪質な不動産屋?

いかりやが不動産屋に入ると着物姿の店主(高木)がやって来る。いかりやが予算の相談をした後実物を見せてもらおうとしたら、出てきたのは何と家ではなく不動明王の像であった。高木は「だから不動さん屋なんですよ。お気に召さなかったら観音様もございますよ。」と言い、いかりやは「悪質なのかバカなのか分かんない」と呆れる。


  • 公衆便所の不動産屋

いかりやが不動産屋入ると公衆便所だった。そこに店主(志村)がやって来る。いかりやが条件を言うと途中から便器の中から電話が鳴り志村が「社長、社長」と社長のことを呼ぶが居なかったが店主1人で店をやっていただけだった。いかりやの購入した家は店主の経営している公衆便所だった。


  • ヤクザの不動産屋

店主(加藤)の応対や、異常に多い店員がヤクザ。ゆえにいかりやは困惑し続ける。店主の進める物件はいずれもいかりやの納得いく物ではなかったため、ヤケクソになった店主は、自らの背中に彫った4畳半の間取りの刺青(加藤曰く「唐獅子4畳半」)を披露してしまう。


おでん屋

  • 体を張ったおでん屋

いかりやが入店しおでんを注文するが、おでんの鍋の中に注文した具が見つからない。すると店主(高木)が水中眼鏡を取り出し、装着したのかと思うとおでんの鍋に頭から飛び込んで具を捜索する。


  • オカマのおでん屋

志村がオカマに扮するおでん屋。いかりやをオカマの仕草で誑し込めるお馴染みなパターン。


  • 出汁にこだわるおでん屋

いかりやが入店すると、店主(高木)が鍋の中に入り、自らの体で出汁をとっている。


ラーメン屋

  • 歌舞伎風のラーメン屋

店主は加藤。口調やラーメンを持ってくるときの動きが歌舞伎役者風であった。


  • 子供のラーメン屋

店主が留守なので8歳の息子(仲本)が店番をしているラーメン屋台。息子はいかりやが子供扱いすると器を無言で投げ捨て、子供扱いするなと文句を言った。その後ラーメンを出したが、ラーメンに指を入れたままいかりやに突き出し、注意されてもまた別の指を入れたあげく逃げ出した。その後店主(仲本が違う衣装で登場、ちなみに子供姿の時に外していた眼鏡をかけている)が戻ってきたが、ラーメンのドンブリの底を上からつかむ格好で出していた(手が丸ごとラーメンの中に浸かっている)。オチは「だめだこりゃ、だめだこりゃ!!」。


  • 出汁にこだわるラーメン屋

前述の「出汁にこだわるおでん屋」と同様のネタ。いかりやがラーメン屋に入ると、そこでは店主(高木)が寸胴に入り、自分の体でスープのダシを取っている。オチは「だめだこりゃ、脂っぽくてだめだ」。


  • オカマのラーメン屋

店主は志村。やはりここでもいかりやが嫌がるとヤクザ口調で怒鳴る。「松平健ラーメン」「杉良太郎ラーメン」などのメニューがあるが、材料は全部インスタントラーメン。鉄道の高架下に、それも安普請で立てたものだから、電車が高架を走行したら、店が崩壊してしまう。


  • 忍者屋敷風のラーメン屋

店主の忍者たちがどんでん返しから登場。「スープと麺です」「メンマとナルトです」という具合で一人ずつ具を盛り付けていく。「チャーシューがないよ」と客に言われると再びどんでん返しから出て来て、客の顔にチャーシューを手裏剣のごとく投げつける。


  • 流しそうめん風のラーメン屋

店主は志村&加藤。風流な店構えであり流しそうめん用の巨大な筒がある。

客の仲本が味噌ラーメンを注文するが、渡されたのは蓮華&割り箸。麺と具材どころかスープも筒に流してしまうので蓮華で救わなければならない。

筒は一つしかないので他の客の注文も一緒に流し、争奪戦が繰り広げられる。


  • 野球好きのラーメン屋

店主は仲本。店主は、野球中継に集中しながらラーメンを作るが、麺や具、スープなどの材料を落としてしまい、いかりやと店主はそれでも気づかずに野球中継に集中してしまう。その後、何も入っていない丼鉢を出し、いかりやはまだそれに気づかず、ラーメンを食べるふりをしているうちに気づき、いかりやが「何も入っていないよ!」と言うと、店主は材料を落としたことに気づき、唖然としてしまう。


  • 手打ちに拘るラーメン屋

店主は加藤。手打ちに拘りがあり、手打ちの実演を行うブースで作業に取り掛かる。麺の生地に唾を付けたり、くしゃみをするが、いかりやを席で待ってもらうように案内した後は、気づかないうちに鼻くそをほじり、生地に混ぜ込んでしまう。ラーメンの中身は、団子の状態で入っており、いかりやは「手打ちラーメン出来ないんでしょ?」とたずねると、加藤は「2時間前に覚えたんだもん。」と言う。実際には、収録が始まる2時間前のリハーサルで覚えたもので、本当の手打ちラーメンはできないと言う結果に終わった。


  • 精力ラーメン屋(志村堂)

店主は志村。店主は、「うちのラーメンを食べると元気が出る。」と言って、ヤモリや赤マムシの入ったラーメンをいかりやに出す。その後、サイの金玉が丸ごと入ったラーメンを出し、最後には志村自らが食べ、興奮して店を放り投げてしまう。

立地条件の悪い屋台ラーメン屋

店主は志村。電車のガード下にあるため、電車が通過するたびに屋台自体がグラグラ揺れてスープがこぼれたりする。


  • 前金制の屋台ラーメン屋

店主は高木だが、仲本が店主になりすましていた。前金制だが仲本はいかりやに通常の2倍の金額をふっかける。「800円?ラーメンだろ?400円書いてある」と尋ねたら「2杯食べるかと思って」と釈明する。他にも仲本はありとあらゆる手口でいかりやにぼったくりを仕掛けた。そして本当の店主(高木)が来ると仲本はそそくさとその場を立ち去ってしまう。いかりやは「泥棒ー」と叫ぶと、高木は自分が泥棒呼ばわりされたと思い、「泥棒とは何だよ!」といかりやの顔面を殴ってしまう。すると仲本が再登場し「顔面の治療代600円前金で」などと吹っかける。


  • 元ヤクザの屋台ラーメン屋

店主は高木でヤクザの従業員が背後に控えていた。いかりやがラーメンを注文すると、ヤクザの従業員は突っかかり、高木は涙ながらに「すまねえ、うちはおでん屋なんです」と打ち明ける。


  • 新装開店の屋台のラーメン屋

店主は加藤。いかりやが新装開店して最初の客ということで、店主は喜び、「カラオケのサービスをします」と言って突然おやじの海を歌いだす。その後、出前の注文が入り自転車で配達しようとするが、自転車に乗れないためどぶに落ちてしまう。


寿司屋

  • 陽気な寿司屋

中国人風の店主(加藤)がマジックを使って接客し、寿司を作る。なぜか店内は中華料理店風で、助手(エバもしくは松居直美)と数々のマジックを披露していく。

助手がエバのときは加藤がいかりやに対し法外な料金を請求するのに対し、助手が松居のときはマジックが失敗して店主の加藤が死ぬ、というオチになっていた。


  • 開業前の寿司屋

いかりやが寿司屋に入ると、そこは寿司屋を開業する予定の普通な民家(家主は高木)だった。


  • 自分勝手な寿司屋

いかりやが頼んだ寿司を店主(仲本)が全部食べてしまい、最後には家族総出で食べ尽くしてしまう。


  • ものすごく清潔で神経質な寿司屋

店主(仲本)はかなり神経質で、調理着ではなく手術着を着用し、注射器やピンセットを使って寿司を握る。あがりと称してうがい薬や、終いには正露丸の握り寿司をサービスといって出してくる。


  • 歌舞伎風の寿司屋

店内はカウンター越しに劇場風の幕が設置されており、幕が開くと奥は舞台。歌舞伎役者の店主(加藤)が、歌舞伎のノリで調理するものの、包丁をバチの様に叩くため、刺身が全く切れない。


  • 冗談好きな寿司屋

やけに明るく悪ふざけが好きな店主(志村)が、本来焼くものではないネタを網で焼いたり、海苔で巻くものではないネタを海苔で巻いたり(かっぱ巻き=カッパのぬいぐるみ、手巻き=自分の腕など)する。客(いかりや)がトロを注文したら、志村がネタケースを開くと、不快な顔をし鼻をつまみ手を振って腐った臭いがする仕草をし、トロをいきなりフライパンで炒め始めたりする。


  • 具合が悪い寿司屋

志村が店主。他の「具合が悪いシリーズ」同様、老体で足が動かないため、天井にベルトを吊り下げ、それに体を引っ掛けて接客する。「若い奴に看板を汚されたくない」という店主はこの道70年の大ベテランであるため大変高齢で、店には乃木希典との2ショット写真が飾られている。全く寿司が握れず、アガリ(お茶)の中に入れ歯が入っている始末。


  • 一見平凡に見える寿司屋

上記の寿司屋で、散々な目に遭ったいかりやは、店主(加藤)の対応に警戒しながらも、「飲めるの?」、「間にバターが入っているとかね。」、「この辺で、そろそろ笑わせるようなことをやるんじゃないかな?」、「本当に千円でいいの?」と言うと、加藤はそれぞれのシチュエーションに対して反論する。勘定が済んだ後、いかりやはほっとした気分で店を出ようとすると店が壊れてしまい、加藤は「どうして、そうやってオチをつけたがるの?」と呆れ果てるように言葉を投げ捨て、いかりやではなく加藤が「だめだこりゃ」と罵倒してコントを終わらせてしまう。


  • 回転寿司屋(仲本編)

制作された80年代前半の当時としては現在ほど定着していない回転寿司屋であり、いいアイデアだと感心するいかりやだったが、子供が悪戯で乗せた「生きたヒキガエル」「カブトムシ」「合体ロボット(おもちゃ)」がネタとして回り、店主の妻(由紀)と子供さえも皿に乗っている始末。ラストでは合体ロボットが爆発し、その衝撃でいかりやの頭にたらいが落ち、「だめだこりゃ」と締めるはずだったが、その直前に出演していた子供役の子役が素で合体ロボットのおもちゃを「あれ持って帰っていい?」と話し(その声は音声にも入っており、直後に仲本が「まだ(コント)終わってねぇんだよ」とツッコんでいたが、その声も一緒に入っていた)それを聞いたいかりやが思わず笑い出してしまい、「(ロボットのおもちゃ)やるよ!」と苦笑しながら、セット裏にいる子役に呼びかけるオチとなった。


  • 回転寿司屋(高木編)

上記の店(先程の回転寿司屋)で散々な目にあったいかりやが寄った店は、お店自体が回転する寿司屋だった。そこへ仲本が現れ「やっぱりウチの回転寿司の方がずっとマシでしょ?」との問いにいかりやは「どっちもだめだこりゃ」。


  • 精力寿司屋(志村堂)

夏バテに効く新鮮なネタを食べたいと頼むが、店主(志村)は「マムシの金玉」「牛のケツメド」「豚の子宮」などのとんでもないネタばかり握り(ただし本物を使っているわけではなく、実際にはイクラや貝類などで代用している)、最後は「サイの金玉」で「ゴールデン埼玉」とダジャレを言う始末。最後には志村自らが食べ、興奮して店から飛び出して、何処かへ行ってしまう。


  • 屋根が無い寿司屋

寿司を食べに来た客の仲本が、店主に扮したいかりやに対し、トロやカッパ巻きを注文するが、いかりやは「トロはのっけから食うものではない」、「カッパは存在しないからカッパ巻きではなくキュウリ巻きだな」等と屁理屈ばかりこねて、寿司を握ろうとしない。そんないかりやを仲本は何度も催促しようとするも、いかりやは仲本が「昔同棲した女との間にできた子供で、慰謝料を請求しに来た」と勝手に勘違いして慄くなど、話は堂々巡りになる。しまいに、堪忍袋の緒が切れた仲本は「お前寿司屋だろ、商売する気あるのか!? 寿司屋だったら、客に寿司を食わせろよ!!」と罵倒すると、いかりやは「オレは寿司屋じゃなくてコメディアンで、コントをやるのが商売だ!」と啖呵を切って返す。そして、「久しぶりに『もしも』ってのやるんだ」と言って、実はその場がコントを収録するためのセットであることが明らかになる。「本番なりまーす」という声とともに「もしも屋根のない寿司屋があったら」というタイトルが画面に出現、セットの寿司屋には雨(がわりの水)が降り出して、傘を差した客役の俳優が椅子に座る。「座がしらけるからコントをやれ」といういかりやに仲本が、ピースサインで「だめだこりゃ」というと「そりゃオレの台詞だ」とメガホンで叩き「イントネイションが違うんだ」と講釈する。また客役で蓑笠姿で座った高木に「楽な役回りばっかりやってるんじゃないよ、こんなもん着てこんなもん持って今時受けると思ってんのかよ」とダメ出しし、「何かやれおまえも」と言われた高木が「だめだこりゃ」とやると「おまえにできるわけねぇんだよ」とこれまたメガホンで叩き、「次いってみよう」でしめる。このコントは厳密には「もしも」シリーズではなく、1992年の「大爆笑'92」の「つきあい上手は商売上手」と題するコントで、「もしも」シリーズの設定を使った一種のメタフィクションともいえる異色作である。


駅そば屋・出前

  • 風邪を引いた駅そば屋

いかりやが訪れたそば屋の店主(仲本)は風邪をひいており、マスク越しで接客するがこもって何を言っているかわからない。その後、そばが出来上がると医者(高木)がやってきて「熱いそばを食べて、布団で休めばよくなるだろう」と診断する。すると店主はいかりやのそばを横取りして食べようとする。そしていかりやに対し、「布団持ってる?」と尋ねる。


  • 時間がかかるそば屋

いかりやがそば屋(志村庵)に電話をして天玉そば・ざるそばと御新香を注文をするが、店主(志村)が「あの、もうすぐ出ると思うんですけど」と言ったきりいつまで経ってもそばが来ない。その後5時間も待たされ、しびれを切らしたいかりやが志村庵に怒鳴り込んでみると、トイレで踏ん張っている志村の姿があった。前半部分は「年寄りの出前持ち」のリメイクで、耳が遠いため「いかりや」を「イタリア」「盛り屋」「マラリア」などと何度も聞き間違える。


  • 具合が悪い駅そば屋

他の「具合が悪いシリーズ」同様、店主(志村)は風邪をこじらせてしまい、ロープで体を吊り下げて接客する。いかりやの注文通りに食べ物を用意しようとするが、ゆであがったそばの熱湯がかかったり、卵が頭にぶつかったりする。


  • スリルがある駅そば屋

店主は加藤。駅のホームに一番近い場所に店舗があり、列車が通過すると強風が来る。最後に「特急エイト」が激突して店を壊してしまう。


  • 上の空な駅そば屋

「そばをくれ」といういかりやに対し、店主(加藤)は常に上の空。それは自分の愛していた女に男ができたからというもの。しかし「三浦友和が憎い」と話したことから、店主は山口百恵のファンであった。その後、店中の山口のポスターを丸め捨てるといかりやに対し、「桜田淳子のポスターある?なければ榊原郁恵でも良いが、和田アキ子は嫌だ」と懇願する。


  • やる気が無い駅そば屋

いかりやが駅そば屋に入ると、ホームレス風の店主(志村)がふてぶてしく接客。そばで掃除をしたり、カウンター内で小便をしたり、そばの汁を肥柄杓で掬ったり、終いに卵をぐちゃぐちゃにして入れたそばを出す。店主がふてぶてしさを尽くした挙句に喧嘩になり、いかりやが「こんなもん喰えるか!腹減ってるんだよ!!」と怒ると、店主も逆ギレした挙句に出前のカレーを、スプーンを使わず顔を突っ込んで食べる。


  • 一見平凡に見える駅そば屋

上記のようにとんでもないそば屋に散々な目に遭ってきたいかりや、店主(加藤)の姿に警戒して「このそば、ゴムか何かで出来ているでしょ?」、「丼の下のほうにトウガラシが入ってるでしょ?」と質問するが、「うちは普通のそば屋だよ?」と応対する。何も無いので安心し、卵をかけるように注文した途端に店が爆発する。


  • 足を洗った元ヤクザの駅そば屋

ヤクザの道から足を洗った店主(仲本)のもとに3人のヤクザがやってくる。「落とし前を必ずつけますから、ちょっと待ってください。」と店主がその場から離れると、ヤクザたちがいかりやに「天ぷらそばというものはな、天ぷらから先に食わなきゃアカンがな」「そばから食わんか」「卵からすすれや」とそばの食べ方を押し付ける。


  • 便秘気味な駅そば屋

いかりやが訪れた店の 店主は(志村)不機嫌そうに応対する。聞けば、朝の6時から終電まで店主一人で店を切り盛りしているため、トイレに行けず便秘に悩んでいるという。そばを作る最中に何度もトイレへ向かうがなかなか出ない。しかし最後はなんとか出したが、同時に列車も出て(発車して)しまった。


  • 落ち着きがない駅そば屋

店主(仲本)は、いかりやが「卵を入れてくれ」ということに対し、よそ見をしてこぼしたり、割っていない卵が大量に入った器を出したりする。「唐辛子を入れてくれ」と頼むと、唐辛子の容器をそのまま器に入れるなどしたため、「あなたが急ぐことないだろう」といかりやがたまりかねて店主に文句を言う。実は、店主が次の列車に乗らなければならなかったため、「シャッター閉めて、掃除しておいてくれ」と言うと、いかりやに店を任せてとび出してしまう。


  • 逃げ腰な駅そば屋

店主(加藤)は顔中あざだらけで、いかりやが頼んでもそばを作ろうとしない。自身が作るそばが不味いために、客から丼をぶつけられたり殴られたりしたことですっかり逃げ腰になってしまった。いかりやが絶対手は出さないことを約束したことでようやく作り始める。ただ、逃げ腰の店主は暴力を恐れて卵や天ぷらをいかりやにサービスするが、それでもなお逃げ腰の店主は「私が一口問題なく食べられたら食べてくれ」と話して、先に味見をする。しかしやはり不味かったようで、厨房の鍋で自らの頭を殴り、気絶してしまう。


  • 忘れ物が多い出前持ち

いかりやが天玉そばを注文するが、出前持ち(加藤)が持ってきたそばには箸がなかった。慌てて箸を取りに行くが、肝心のそばの方を忘れてきてしまう。再度店に戻るが、薬味がないためいかりやが文句を言う。今度は箸と薬味を持ってきて、そばを持ってこなかった。ようやく全部持ってきたと思いきや、勢い良く戸に激突して壊してしまった。加藤扮する出前持ちは東北出身の設定で、訛りのきつい言葉を話していた。


  • 一見普通な…………?

高木扮する出前持ちがいかりやが注文した品を持ってくるが、品物を出さずに岡持ちごとおいて行っていく。いかりやが岡持ちを開けるとなんと高木が入っていた(岡持ちに顔だけ出していた)。


  • 岡持ちを開けられない出前持ち

同じく番組で放送されていた「仲本工事のもどかしいひと時」の流れを組むコント。出前持ち(仲本)が注文した品を持ってくるが、なかなか岡持ちが開かず、あの手この手を使って開けようとする。最後はいかりやと岡持ちを引っ張り合って開けようとするが、勢い余って窓を壊してしまう。実は岡持ちは横開きであり、オチであまりの事実にショックを受けたいかりやは「だめだこりゃ、だめだこりゃってんだろうが、この野郎!!」と半分怒りながら言っていた。


  • 年寄りの出前持ち

出前を頼みに電話をするいかりやに店主(志村)が応対。志村は耳が遠いため「いかりや」を「イタリア」「盛り屋」「マラリア」などと何度も聞き間違える。そして出前を持ってきたはいいが、腰が曲がっているため持っている岡持を横倒しにしてしまい中身をひっくり返してしまう。それをいかりやに指摘されると、中身が常に水平になるよう天秤棒で肥桶を担いでその中に蕎麦の丼を入れてくる。注文客が加藤で、加藤の娘役で西村知美と渡辺美奈代が出演しているバージョンが存在する。このバージョンでは「加藤」を「佐藤」「与党」「高木」などと聞き間違えている(「高木」と聞き間違えられた時には何故か加藤が激怒した)。


薬局

  • 焼けた薬局

いかりやが薬局に入ると店の中は丸焼け。店主(高木)は1万円をいかりやに渡し、「これで火傷の薬を買ってきてください」と頼む。いかりやが「薬局どこですか」と尋ねたが、その店以外に薬局はなくいかりやがキレて終わるというオチ。


  • 体を張った薬局

店主(加藤)が薬の効能を試そうと、饅頭の早食いをしたり、店の壁や天井などを駆け回る。


  • 必死すぎる薬局

店主(仲本)はいかりやが「胃腸薬をくれ」と言うのに対し「売り切れだ」とごまかしたが、棚の上のほうにあることがばれて取る羽目になる。しかし棚をよじ登ると棚が壊れ、カウンターを足場にするとキャスターが動いて床に叩き付けられ、はしごで登ろうとすると重さではしごが倒れ、仕舞いにはいかりやに手伝ってもらい命綱をつけてよじ登るが勢いが付きすぎて天井を突き破ってしまう…


  • 志村堂

加藤・仲本・高木が薬局なのに対し、怪しげな漢方薬屋。夏バテの薬が欲しいいかりやに対し、「マンハッタン」「バックン7」などの精力剤ばかりを勧め、最後は「もしもこんな寿司屋」のコントと同じく「サイの睾丸」(「ゴールデン埼玉」とダジャレを言いながら勧める)が出され、自分が食べて興奮して店を放り投げてしまう。


キャバレー

  • 幼稚園風のキャバレー

呼び込みの店主加藤が「若い子がいっぱいいるよ」と声をかけるが、中はまるで幼稚園そのものであり、ホステスも若すぎる幼稚園児の女の子。子供である故アルコールはご法度であり、ミルクしか出さない上、1杯につき1980円を要求する。オチでは請求も保母役の女子により算数教育の様に告げられた。


  • オカマのキャバレー

店主(志村)はまあマトモな人なのだが、客のいかりやに「日本的美女がいます」「帰国子女がいます」「清純派がいます」と誘って、自らが女装(それぞれ石川さゆり、アグネス・チャン、山口百恵に変装)していかりやの相手をする。普段は軍艦マーチが流れるキャバレー店内だが、店主が女装して現れる時は、その女装した女性の持ち歌が流れる。オチは店主が「かわいい子がいます」と誘い、いかりやを連れて二人でピンク・レディーの格好をして登場する。

オカマのキャバレー(その2)

落ちていた札につられて入店したいかりや。札を引いて客寄せしていたママ(志村)に「今日初の客」と歓迎されるものの、ホステスは「なおみ」・「ひろみ」・「まゆみ」・「あきな」と名と髪型は違えど皆女装した顔の大きいボーイ(コロッケ)の歌真似(21世紀現在で言うならはるな愛の芸「エアあやや」に近い。ちなみに衣装はどのネタでも同じドレスだった)だった。オチでは口にものを詰め笑顔を作った3人が互いに互いの顔を見てうめいていた。


  • 家族経営のキャバレー

店主は加藤。いかりやが店に入るといたって普通だが、ホステスは嫁(由紀)であり、加藤はいかりやといちゃいちゃする格好になっては呼び出し、嫁と愛を確かめ合う。終いには奥さんから「こんな生活は嫌だ」と訴えられ、夫婦そろっていかりやに「出て行け~!!」。

女性がすぐ席を立つキャバレー

ボーイの仲本が呼び込みをするキャバレー。いかりやの相手として若いホステスが次々に呼ばれるものの、アラームが鳴るとすぐに他の席にいってしまう。最後はホステス全員に囲まれるものの、火事によるアラームで全員避難する羽目に。


  • 規則が多いキャバレー

店主は仲本。「女の子(ホステス)を呼んでくれ」といういかりやに対し、「この店ではお嬢様と呼べ」と言う。その後、ホステス(水前寺清子)が来たが、「相席はダメ」とか「アルコール類は一切置いてない」など言った後、いかりやがホステスと話そうとする前に、「20時ですよー」と店主が言うと店のホステスは全員帰ってしまう。聞けば、ホステスは高貴な家柄の娘で、門限が21時だと言う。いかりやの相手役のホステスも銀行の頭取の娘だった。


旅館(民宿)・ホテル

  • 借金まみれの民宿

借金の保証人になり、何もかもを失った主人(加藤)と妻(由紀さおり)。テレビを見ようとしたり、タバコを吸おうとすると泣き落としをしてくる。最後は人数が多い方が良いという理由で、いかりやも自殺に巻き込まれてしまう。


  • 被害妄想の激しい主人

客のいかりやに対し、主人(仲本)はスリッパは釘付けにしたり、家のありとあらゆるものを持ち出して触れさせないようにする。これは民宿版と旅館版の二つがあり、民宿版では布団までも釘付けにした上で「釘抜きは持っていないか?」と確認するほど。旅館版は警察へこっそり「指名手配犯に似ている」と通報する。そしてしまいには、「金庫が重くて動かせないから、他所へ行ってくれ」と懇願してくる。


  • 家庭的な民宿

主人(志村)は客を家族として扱おうと、下の名前で呼ぶ。しかし「肩を揉め」「ジャンパーをよこせ」など、図々しい態度を見せる。ちなみに主人は独り者で、熊の「ジュリー」や鶏の「モモエ」がいる。


  • 極貧の旅館

主人(伊東四朗)は三日間飲まず食わずのためフラフラ。しかも経営状態が悪く、旅館の中は真っ暗。宿帳がないため、手に名前を書かせる上に掛け布団が新聞紙という有り様。


  • 一部屋の旅館

夫に先立たれた女将(志村)は、経営不振により一部屋を除くすべての部屋を取り払う。そのため帳場と宿泊部屋を兼ねることに。最初は客(いかりやと由紀さおり)が新婚のため、気を遣って廊下へ出るが、「ここだと腰が冷えて、そのうち死ぬだろう」と大きい声でぼやく。結局居たたまれなくなった客が呼び戻すが、客が食べていた鯛をもの欲しそうに見たり、客と同じ布団で寝ようとするなど、次第に図々しくなる。


  • 集中力のない主人

主人(加藤)はどことなく上の空。聞けば妻が危篤状態にあり、何度も仕事を放り出して妻の下に駆け寄る。しまいには客(いかりやと由紀さおり)に「女房が死んだら奥さんと結婚させてくれ」と詰め寄る。

前述の「上の空な駅そば屋」に類似するコント。


  • 慌ただしい旅館(焼けた旅館)

旅館の主人(加藤)が何やら慌ただしくしている旅館。実は旅館で火事が発生し、主人は黒焦げの状態で「実はうち火事なんです・・・。ごゆっくりどうぞ!」と言い残し担架で運ばれていく。


  • ヤクザが経営する旅館

とある旅館に着いたいかりやだったが、何から何までいかにもヤクザな応対に面食らう。そこに小松率いる別のヤクザの殴りこみに巻き込まれてしまう。虫の息状態になった旅館の主人兼ヤクザの親分の加藤が助っ人を要請するがいかりやは拒否。結果、「卑怯者!死んでもらうぜ!!」と加藤に逆ギレされ、おかみ(由紀)に刺されてしまい、「だめだこりゃ…」とつぶやいて絶命するいかりやだった。


  • 忍者屋敷風の旅館

戸沢伯雲斎の末裔と言い張る「戸沢伯雲子(うんこ)」(加藤)が経営する旅館。忍者が天井からお茶を持って現れたりするため、客のいかりやは仰天する。最後は主の策略で湯船に突き落とされ「助けてくれ!」と絶叫する。その後、いかりやが「だめだこりゃ!」と言う度に落とす上げるを繰り返す。


  • 大混雑な旅館

紅葉シーズンに長くて1週間、短くて3日間だけ混雑し、後は閑古鳥が鳴くという変な旅館。通された部屋には主人(仲本)の一存で次々と相部屋にされた客が詰めかけ、ぎゅうぎゅう詰めになってしまう。挙げ句の果てには就寝時に客たちはピラミッド状に積み重なって寝て、自らの部屋も貸してしまった仲本が相部屋を希望し、一番上に寝ていたいかりやを突き落としてそこに横になる始末。


  • 家族意識が強い旅館

旅館の女将(仲本)がお客の財布で集金を払ったりする。


  • 自然的な旅館

寝床(部屋)が木の上にぶらさがっている寝袋。これを見たいかりやが主人(仲本)と言い争っていると、客の一人(高木)が「静かにしてくれよ、寝る気しねぇじゃねぇか!」と激怒する。


  • 気味が悪い旅館

気味が悪い老婆(志村)が運営する旅館。いかりやが泊まった部屋の障子には女子の幽霊が映り(嘗てこの部屋で客の女子が首を吊って自殺していた)、露天風呂に行けばゾンビと遭遇し、そのゾンビに服を盗まれてしまったので老婆を呼んだら温泉から現れ驚くなどとんでもない目に遭う。ちなみに300年の旅館ながら、部屋はたったの一つだけである。


  • 創立80年の旅館

隣のホテルにばかり客を取られ、8年間も閑古鳥が鳴いていたという旅館。主人(志村)はまともな人なのだが、建物の老朽化が進んでいるせいか、床が抜けたり壁や障子が倒れてくる。


  • 未亡人が経営する旅館

おかみ兼主人代理(志村)が、「あの人(主人)が死んで3年」と言ってはいかりやに迫る。


  • しつこいホテルのボーイ

客のいかりやがベッドで寝ようとすると突然電話が鳴る。その電話はボーイ(加藤)からで、「朝食いかがなさいましょう?」「モーニングコールは何時でしたっけ?」等としつこく何度もかけてくる。そうこうしているうちに朝が来てしまう。

もしもシリーズ以外での、志村が客のバージョンもある。また、志村が女子ゲストと旅館やホテルに宿泊した際にも同様のパターンが用いられるほか、『志村けんのだいじょうぶだぁ』でこれと似たようなコントが披露されたことがある。


  • 流しのボーイ

上記のホテル(しつこいボーイ)で散々な目に遭ったのはチップを渡さなかったためだと思い、いかりやはボーイ(仲本)にチップを渡そうとするがボーイは断固受け取りを拒む。「当ホテルはお客様に快適に過ごしていただければ結構です」との言葉にいかりやはすっかり安堵した途端、ボーイは背中に背負っていたギターを取り出し突然歌い出す。そして「わたくし、ボーイはアルバイトでございまして、本業は流しでございます」と言い、「1曲お聴きになったので3千円、もう1曲だと6千円いただきます」との要求にいかりやは「いい加減にしろ!」とボーイを押し倒し「だめだこりゃ!」と言ってオチとなる。


  • 無口なホテルのボーイ

不愛想で接客態度の悪いボーイ(高木)に客のいかりやはブチ切れ散々文句を言うが、全く相手にせず黙り込んだまま。やがて上司が現れいかりやは事の顛末を話すと「彼は日本語より英語の方が得意なんです」と聞かされ、いかりやが苦し紛れに英語で質問すると、それまで黙り込んでいたボーイが突如表情を変え「Hello,I'm Mr.Boo-Takagi」と英語で得意げに自己紹介をする。


  • 年老いたボーイ

ボーイ(志村)は酷く年を取っており、同じことを何度も聞く上に同じ説明を何度もするため、いかりやを疲れさせる。


列車

  • 研修中の車内販売員

販売員(仲本)が「○○はいかがですかー?」と言ってきて、それを聞いたいかりやが頼もうとすると、販売員は「売り切れです」と言って立ち去ってしまう。販売員は何回もしつこく現れ、押し売りのごとく様々な物を勧めてくるがいかりやが仕方なく買おうとするとことごとく「売り切れです」。しまいには「まだ売り切れていないお弁当はいかがですか?」と言ってくるがやはり買おうとすると「売り切れで~す!」。とうとうキレたいかりやが文句を言うと(この時いかりや自身も言う事が混乱している)、「わたしは研修生でございまして、今車内販売の練習中でございますんで、売ってはいけない規則になっております」。さらに正式配属は来年で同時に結婚を控えているそうで、すっかり浮かれているその販売員は最後にワゴンごと客室のドアにぶつかってしまう。


  • 乗り物酔いの車内販売員

乗り物酔いでものすごく気分が悪そうな販売員(加藤)は、口を開くたびに吐きそうになるためなかなか会話が進まない。それでも身振り手振りを駆使してやっと弁当とお茶を売ったと思ったらこらえきれず持っていた紙コップに吐いてしまう。慌てた販売員は窓から顔を出して続きを吐こうとするが、勢い余って列車から転落してしまう(いかりやの『だめだこりゃ』の後窓からひょっこり顔を出してオチになるパターンもあり)。


  • サービスがやたらいい車内販売員

出来立てのサーロインステーキ(金髪女子のキスあり)など運んでくるが、販売員(加藤)がべらぼうな値段をいかりやに告げる。「おまわりさーん!」といかりやが叫ぶと値段は億単位に膨れ上がる。

オチの「だめだこりゃ」は1200万円。


  • お強請りをする車内販売員

悲しそうな目をした販売員(高木)が「なんか買って下さい」と訴えるように言う。いかりやは仕方なくミカンを買うのだが、高木が「ミカン買ってもらっちゃった」と嬉しそうに全部食べてしまう。その後いかりやは去っていく高木を見送りつつ「あいつ本当わかってやってんのか?」と一言。


  • ベテランな車内販売員

販売員(志村)は「冷たいお弁当に生ぬるいお茶はいかがでございましょうかー、不二家のネクター、井関トラクターはいかがですかー」「小山名物ちんぽこ饅頭はいかがございましょうかー」「缶ビール、缶コーヒー、肝硬変はいかがですかー?」と無責任な売り込みをする上、高齢のためかなり耳が遠く計算が苦手。いかりやが呼び止めてもなかなか気づかず、しかもやっと気づいたと思ったら今したばかりの世間話を繰り返し、買った物の代金のおつりをごまかそうとしてそのうちいかりやと口論に。しまいにはトンネル通過中にこっそりいかりやが買った酒(ワンカップ)を飲み、おつまみを食べてしまう。最後にいかりやに見つかるとその時口に含んでいた酒をカップに戻し、「嘘つくんだー、汚いなー」などとごまかしつつ逃げていく。

なお、志村は同様のコントを『志村けんのだいじょうぶだぁ』でも行っている(乗客は柄本明)。


  • 運動好きな車掌

車内はやたら揺れが激しく、車掌(仲本)が切符を調べようとすると一段と揺れが激しくなり、車掌はその揺れに合わせて前転や側転を繰り返す。体操が得意な仲本ならではのネタである。


  • ベテランな車掌

車掌(志村)が車内放送で停車駅案内をした際、「あー高崎(宇都宮)11時40分、11時40分でございます。えー仙台2時40分、新大阪…えー?新大阪には行きません。終点青森には6時10分…、この調子で行くと6時20分…、下手すると6時30分には着くでしょう」などと地理的にもありえない車内放送をしてしまう。さらには車内販売も任せられており、『ベテランの車内販売員』と同様トンネル通過中にいかりやが買った酒(ワンカップ)を飲んでしまう。

もしもシリーズ以外では、乗客が加藤のバージョンもある他、女子ゲストが参加されている。


寝台車

  • 寝台車(高木編)

いかりやが寝台列車に乗り込み、指定された寝台のカーテンを開けるとそこには位牌を抱え白目を剥いた医師(高木)が横たわっている。唖然とするいかりやに高木が一言、「これ寝台車だから、死んだ医者!なんちゃって」。いかりやが車掌で客を指定な寝台に案内してカーテンを開けると同様の高木がいるパターンもあり(オチは同じ。「おまえ最近こういうの多いよ。もっと別のオチ考えろよ。おまえちょっと」っと突っ込みを入れる時もあった)。


  • 寝台車(その後)

さらにその直後、仲本が深夜だというのに寝台に腰かけて落ち込んでて、心配した車掌(いかりや)に「さっき高木さんがやった『死んだ医者』っていうのね、あれ、僕がやるつもりだったんです。先にやられちゃって…僕どうしたらいいんでしょう?」と泣き崩れ、いかりやに「知らねーよ!」と呆れられるネタが続くパターンもある。


  • 傍迷惑な乗客(加藤編)

加藤が酔っ払いのハゲオヤジ役で登場。自分の寝台を捜して他の乗客(仲本・高木)が寝ている寝台や女性客が着替えている寝台のカーテンを開けまくったり、ラジカセで北島三郎の「与作」を大音量で流しながら歌ったり、それを車掌(いかりや)に叱られると「皆さんのお好きな曲おかけしますから」と別の曲(函館の女子)を流しながら歌い、そのたびに他の乗客全てを起こすなど迷惑極まりない。「尺八の音色を聞くたんびに女房を思い出すんだよなー」とか「子供(ボウズ)には分かんねぇんだけども…うまいんだ♪」と言うと周りの乗客ばかりか男性スタッフの笑い声まで入ってしまった。最後には切符をチェックした車掌(いかりや)に「お客さん、この切符間違えてますよ」と言われて存在しない車両(いかりや曰く見切り、つまりセットの外)に連れて行かれるオチ。セットの外に来て困惑している加藤に対していかりやは「業界ではこれを見切りと言いましてセットはここまでなんですよ。何年テレビやってるんですか?」っと呆れ顔で言う。オチの際にはいかりやだけでなく加藤も「だめだこりゃ」と言ってピースサインをしたりする。


  • 傍迷惑な乗客(志村編)

志村がお婆さん役で登場。酔っ払ってはいないのだが上段の寝台に登る際に「よっこらしょ」などと大声を出す、持っていた梅干しを食べてこれまた大声を出して酸っぱがる、孫へのおみやげに買った毛笛(大きな音の出る笛つき風船)を試しに鳴らす、それらにキレた他の乗客(加藤・仲本)とケンカするなどしてそのたびに他の乗客全てを起こしてしまったりと加藤の時よりさらにタチが悪かったりする。車掌(いかりや)の仲裁で場を収めておとなしく就寝するが寝小便をしてしまい、下段の寝台にいた高木がびしょ濡れにされてオチとなる。オチの際にはいかりやだけでなく加藤や志村も「だめだこりゃ」と言ったりする。メインは志村だが高木・仲本・加藤も他の乗客役で出ているため、もしもシリーズでは数少ないメンバー全員が登場するパターンになっている。


タクシー

使われる車両は日産セドリック(330型)、トヨタクラウン(S110系)である。


  • 暴走族出身のタクシー運転手

スピード狂の運転手(加藤)が暴走行為を繰り返し、警察に逮捕されてしまう。


  • 自分が目的地に行ってしまうタクシー運転手

運転手(高木)に行先を告げると、高木がタクシーを降りて1人でその目的地に向かってしまう。