CV:阿澄佳奈
OVA版
中学2年生に進級して、黒衣マトと同じクラスになった少女。
黒衣マトよりも小柄な身長。
特徴的な髪型から、ファンからは「クヌギダマ」と呼ばれている。
黒衣マトと急速に仲良くなったことで、それまで彼女と仲の良かった小鳥遊ヨミが次第に疎遠になってしまう。
本編の終わりで小鳥遊ヨミが現実世界に戻って黒衣マトとの関係が修復した時、理由は不明だが、ユウには逆に暗い影が落ちていた。
テレビアニメ版
OVA版とは栗色の髪は共通なものの、OVA版では外ハネのショートボブ、制服もセーラー服だったのに対し、TVアニメ版では外ハネがやや押さえられてオレンジ色の髪留めを付けており、制服もブレザーに変わっている。
身長が悩みらしい黒衣マトよりも、さらに一回り小柄。
黒衣マトとは言いたいことを気兼ねなく言い合える仲である。
小幡アラタが主将を務め、黒衣マトも所属するバスケットボール部のマネージャー。
1年生であるにもかかわらず、よく授業をサボって、スクールカウンセラーの納野サヤがいる、あさやけ相談室に入り浸っている。
コーヒーは思いっきり甘くする派で、納野サヤには砂糖を五杯入れることを覚えてもらっていた。
生徒に呼びかける際は常に名字に君付けの納野サヤに唯一人、名前に君付けで呼ばれている。
もう一つの世界では、ユウとよく似たストレングスという少女が登場している。
来歴
ネタバレ注意
入学式の日、校門で黒衣マトに声をかけて一緒に帰る際に『小鳥遊び』とはどんな遊びかと聞かれ、「鳥の足に細い鎖を巻きつけてぶらぶらと風船みたく……」と答えて引かれてしまった。
別の日、黒衣マトをあさやけ相談室に案内して納野サヤに紹介し、一緒にコーヒーを飲んだ。
また、黒衣マトと一緒にバスケットボール部に入部し、マネージャーとしてボールを磨いたり、水飲み場で黒衣マトにタオルを差し出して体調を心配したりと甲斐甲斐しく世話をしていた。
ある日、いつものように黒衣マトと談笑していたところ、校舎裏で小幡アラタがラブレターを男子生徒に渡す場面を見てしまう。
後日、そのラブレターが掲示板に張り出され晒されたことで、黒衣マトと同じタイミング、同じ泣き方でシンクロして泣き出してしまい、小鳥遊ヨミに嫉妬されてしまった。
合宿のバスでは小幡アラタに「誰だっけ?」と声をかけられ、「ジャーマネですよう」と答えていた。
宿の就寝時、部屋にユウの布団はなく、なぜか黒衣マトと同じ布団に寝ていた。
夢の出来事としてブラック★ロックシューターの戦いを見たことを黒衣マトに相談され、あさやけ相談室でユウ不在時に納野サヤが黒衣マトに語ったはずの、悩みを肩代わりしてくれる存在の話をしていた。
もう一つの世界で対応する未完成の少女がブラック★ロックシューターに殺されたことで、意識を失って休んでいた小幡アラタが復帰した際、喜び勇んで黒衣マトに報告した。
元気な様子を喜んで、本人の目の前でお祝いの言葉を言ったものの気づかれず、完全に無視されて、寂しげな諦めとも取れる表情を見せた。
Ep05にて、心を病んで休んでいた小鳥遊ヨミから黒衣マトとお揃いの手編みのブレスレットをプレゼントされるが、そこに小鳥遊ヨミの髪の毛が編みこまれていたことに気づいて、絶句した。
小鳥遊ヨミが急激に心を病む原因を作ったのは納野サヤと推測したユウは、あさやけ相談室にドアを開けずに入りこんで詰問するが、軽くかわされてしまった。
その後、放課後の部活中に本物のマネージャーと会話した黒衣マトの記憶の中でユウの存在が揺らいだことで、自分を探し回る彼女の前に姿を現して、彼女にこれまで隠していた真実を語ることになる。
もう一つの世界の、もう一人の自分が自分の悩みやぐちゃぐちゃした想いを背負って常に戦っていること、その戦いでもう一人の自分がそれらを抱えたまま死ぬことで、一番の執着から切り離されて悩みも苦しみも消滅すること……小幡アラタも出灰カガリも、そうやって苦しい想いから開放されたこと。
そして、もう一人の小鳥遊ヨミであるデッドマスターが死ねば、同じように抱えている悩みから切り離されること。
その方法に反対して小鳥遊ヨミと話し合って解決する苦しい道を選んだ黒衣マトに同意したユウは、黒衣マトに自分の身体を寄せて、彼女の心をもう一つの世界へ送り込んだ。
黒衣マトの心を送り込むことでブラック★ロックシューターを目覚めさせ、意識の無い身体に膝枕をして待っていたユウは、戦いが終わってもそのまま意識を取り戻さないことに驚き、おぶって納野サヤの部屋へ連れて行った。
もう一つの世界の破壊者であるブラック★ロックシューターを目覚めさせたことで、ユウは「あの子」を守る約束に支障が出ることを恐れた納野サヤに頬を叩かれ、責められる。
黒衣マトの心が、インセイン化したブラック★ロックシューターの中に取り込まれてしまうとは思わなかった……と後悔して、膝を抱えて泣き続けるユウ。
それから、マトを目覚めさせるためにもう一つの世界へ心を飛ばした納野サヤと、眠り続ける黒衣マトを見守っていたが、空が白んできた頃に戻ってきた納野サヤが「あの子に助けられた」と涙を流すのを見て、「許されたんだよ。もういいの」と優しく抱き寄せた。
そしてEp07にて、納野サヤに今度は自分がマトに呼びかけてみると告げて姿を消し、どこからかブラック★ロックシューターの中に取り込まれたマトへと声を届け、やり取りの中で自分の問題に直面して苦悩する彼女を救おうと必死に言葉をかけ続けたのだが……
納野サヤが語る過去の神足ユウ
「三丁目の神足さん」として近所でも有名な家の子のユウは、学校では給食に消しゴムのカスを入れられたりとひどいいじめを受けていて、家では両親が家事も育児も放棄しており、ゴミ屋敷と化している生活を耐えていた。
ある日、いつものように5人組の少女達にいじめられたユウは、暗い顔で表情を殺したまま、びしょ濡れのスク水姿で校門から出たところで、たまたま通りがかって事情を察した学生時代の納野サヤに捕まり、彼女の家に連れて行かれる。
食事を振舞われ、その後も何度も声をかけてくる納野サヤに、壮絶な生活に晒されながら耐えているて凄いね、尊敬すると言われるが、いじめや悲しいことがあると、自分じゃない別の子が出てきて引き受けてくれるので自分はそんなに痛くないと語った。
その後も少しずつ絆を深める二人だったが、すぐに終わりが訪れる。
神足家が火事で燃えていると聞いて駆けつけた納野サヤが自分の放火を疑ったことを察して、ユウは寂しげに微笑んで救急車の中に姿を消した。
しばらく消息不明だったユウは、後日、近所の階段に座っているところを納野サヤに発見される。
「許してくれるなら、何でもする」と言われ、「この世界より生きていくのが辛い世界なんてどこにもない。この痛みはあの子に引き受けてもらう。どんなことでもするというなら、私を守って」と願いを告げたユウは、納野サヤを抱き寄せて、もう一つの世界にいる彼女自身である、ブラックゴールドソーを目覚めさせた。
- Ep01の入学式の日、校門で黒衣マトに声をかけたときに映る足元に影が無い。
以降、過去編を除いて、ユウの足元が画面に映る場合、常に影は描かれていない。
そして、Ep7で語られた真相
ユウがマトへ必死に声をかけ続ける中で、それまでブラック★ロックシューターと激戦を続けていたストレングスが突如口を開き、圧倒的な戦闘力を発揮してブラック★ロックシューターを追い込みながら何者かを非難し始めた。
「お前は私を守る義務があるんだよ! そうだよな!? 『ストレングス』!!」と。
今までマトと友達として一緒にいた神足ユウは本物のユウではなく、彼女こそ本来もう一つの世界にいるはずのストレングスだったのである。
本来ならもう一つの世界の少女達は、現実の少女らの痛みを引き受け何の感情も持つ事もなく戦い死んでいくはずであった。
だが、その世界に突如現れたブラック★ロックシューターとの戦いの中、何故かストレングスは現実のユウとリンクしてしまい、感情に目覚めてしまう(ストレングス本人はユウのストレスが他の少女と比べて異常に大きかったのが原因ではないかと考えている)。
もう一つの世界の自分(ストレングス)に影響を与える程のストレスを抱えた状態で自分が死んだら本来のユウはどうなってしまうのか想像もつかないと考え、ブラック★ロックシューターからストレングスは身を隠す。
すると身を隠した彼女にユウは更に語りかけてきた。「こっちの世界は辛い事ばかり。それに比べてそっちの世界は簡単だ。痛みは最も分かりやすい。戦えばいい」
「ねえ、代わってよ」と。
その言葉と共に二人は入れ替わり、現実の世界には感情が目覚めたストレングスが、もうひとつの世界には神足ユウが存在するようになってしまったのである。