マリン(夢をみる島)
ぜるだのでんせつのまりん
概要
浜辺で島に流れ着いたリンクを見つけ、介抱してくれた心優しい少女。
コホリント島のメーベの村に住んでおり、歌を歌うのが大好きで、いつも広場で「かぜのさかな」の歌をうたっている。島民たちからも好かれるアイドル的存在。
砂浜へ出掛けては一人で海を見つめており、父親のタリンからは海の向こうには何もないと教えられているが、海の向こうから流れてくるヤシの実を見て「きっと海の向こうにも何かがある!」と固く信じている。
初めてリンクを見つけたときドキドキしたと語り、海の向こうからやってきたリンクが何かを告げに来たのかもしれないと考えていた。外の世界から来たリンクにはとても興味を抱いており、いつかリンクの生まれた国へ行ってみたいと語るシーンもある。
また、興味だけでなく仄かな想いも寄せているようだが………
コホリントの住民の中では唯一「島の外」に興味を抱き、焦がれている。
終盤のイベントではマモノたちに意地悪をされて吊り橋の上に置き去りにされてしまうが、リンクによって助けられた。その際に「何か」を告白しようとしたが、タリンが迎えに来たため答えを口にすることはなかった。このイベントの後にメーベの村にいるマリンに話しかけると、島を去っても自分たちの事を忘れないでほしいと告げる。
家族には父親のタリンがいるが、なぜか呼び捨てにしている(このため親子ではないという疑惑もあるが、GB版の説明書に「マリンの父」と紹介されている)。
歴代ヒロインの中では「歌うのが好きな村娘」と普通なように思えるがそんなことはなかった。むしろかなり異質なヒロインである。またシリーズにおいて初めて登場したゼルダ姫以外のヒロインでもある。
その他
オカリナを手に入れた後で話しかけると「かぜのさかなのうた」を教えてくれる。
これはラスボスと戦うための必須条件となっている。
ただし時期によってはマリンの居場所が変わるため注意が必要。
容姿はゼルダ姫に瓜二つ(おそらくベースは神トラ版)。「全然似てないじゃないか」と思う人もいるかもしれないが、ふしぎの木の実に出るゼルダ姫はキャラクターグラフィックに僅かに手を加えたものでほとんどマリンと同じ。ただし、イベントグラフィックでは時のオカリナ準拠。
媒体によって髪の色が異なり、ゲームボーイ版とゼルダ無双では赤茶、コミカライズ版2巻表紙では赤、Switch版ではキツネ色となっている。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のマロンの元ネタである。ただし、マロンはどちらかといえばこっちのデザインが混じっている。
ゼルダのコミカライズで有名な姫川明は、夢をみる島は担当していないがTwitterにはマリンのラフイラストが存在している。
髪色は赤茶だが、2019年のリメイク版のみキツネ色の髪になっている。
リメイク版でリンクの名前を「まりん/マリン」にすると、セーブファイル画面のBGMが「かぜのさかなの歌」のボサノバアレンジに変わる。
なんとプレイアブルキャラクターとして登場。
初登場から実に23年ぶりのゼルダシリーズに再登場である。「夢をみる島パック」のダウンロードで使用可能になり、同時にコホリントをモチーフにしたマップやリンクルの新武器などが追加される。
Switch版では、コホリントマップの最初のステージクリアで解放。キャラのレベルを1か2ほど上げればクリアできる程度の難易度なので解放自体は恐ろしく楽。だからといってそのままステージを進めると痛い目に遭うので注意。
原作よりヤンチャで明るい感じのキャラクターとなっている。しかも原作では見られなかった「怒った顔のマリン」が見られる。
ストーリーには登場しないが、アドベンチャーモードのステージでは救援として駆けつけてくれる。ただし使用キャラをマリンにしていると登場しない。
コホリントマップのラスボスは、初回のみリンクとマリンのペアで戦うことになるので鍛えておいて損はない。ただしラスボスの大技が雷属性なので直撃すると物凄いダメージを喰らう。
人物
海の向こうの世界に憧れを抱く少女。明るい性格でみんなにしたわれている。
歌が大好きで、彼女の可愛らしい歌声は動物も人間もみんなを元気にしてくれる。
大きなベルを振りながら踊るように戦い、リズミカルで心地よいベルの音に乗せて、衝撃波で広範囲の敵を攻撃する。
また彼女の呼びかけに応える、かぜのさかなによる攻撃は戦場を覆い尽くす。
(公式サイトより抜粋)
性能
レベルアップによる攻撃力の伸びは普通だが、どんな相手・状況でも優位に立ち回れるチート級の性能を持った超オールラウンダーである。
攻撃の射程が長く、加えて動きにクセがなく非常に扱いやすい。弱点属性は「雷」。有効スキルは「大海原」。
- 通常攻撃
ベルを振って水の魔法弾を発射する。射程が長いので先手を取りやすく、雑魚の群れも次々倒せる。
- 特殊攻撃
強化した水の魔法弾を発射する。敵を攻撃することでゲージが増え、それに伴って魔法弾の数と威力も強化される。最大まで溜めれば必殺技並みの威力を発揮する。使用する際に一瞬のタメがあるので後の先で潰されないように注意。
- 強攻撃2
ベルを振り上げて敵を打ち上げる。出は早いが低威力。
- 強攻撃3
ベルで地面を叩くようにしながら前進する。低威力の上にモーション中は隙が大きい。敵としてのマリンがよく使用する。
- 強攻撃4
コマのようにベルをぶん回して回転攻撃を行う。威力はそれほど高くないが範囲が広く、雑魚散らしとしては最適。雑魚が多いと思ったらこれ。
- 強攻撃5
ジャンプしてベルを叩き付け、地面から水しぶきを放つ。出が早く高威力なので武将相手に最適。とりあえず武将にはこれを撃っていれば簡単に勝てる。
- 強攻撃6
ベルを頭上で鳴らしてかぜのさかなを召喚し、前方に突進させる。前方に対する範囲が広く、威力もかなり高い。モーション中は隙だらけになるが、マリン自身にも攻撃判定があるので邪魔されにくい。複数の武将相手に距離を取って使用すればまとめて大ダメージを与えられる。また巨大魔獣のWP削りにも最適。キングドドンゴなら2発撃つだけで1ダウンで削り切れる。
- 必殺技
かぜのさかなを召喚して上空から落下させる。威力は高めで範囲もそこそこ。巨大魔獣のWP削りにも向いている。特筆すべき点は通常攻撃の射程が長いので複数の敵を叩け、あっという間にゲージが溜まること。
- 魔力解放中断技
かぜのさかなのうたを唄いながら前方に巨大な水の魔法弾を生み出して炸裂させる。
- 魔力解放終了技
はるか上空に水の魔法弾を降らせ周囲の敵を一掃する。
- WPゲージ技
ベルを振って水しぶきを上げながら三連打を放つ。
- WPゲージ技(対巨大魔獣)
水の魔法弾を撃ち込んだ後、かぜのさかなに飛び乗って突進攻撃を行う。
強攻撃の2と3以外は使い勝手がよく、どれも非常に優秀。特殊攻撃も他のキャラと違って威力が高めなのもポイント。これを凌ぐのは真のミドナの特殊攻撃くらいである(ガノンドロフも特殊攻撃の威力は高めだが、ゲージを溜めるのが少々面倒で使い勝手が悪い)。
敵としてのマリン
敵として登場するマリンはもちろん手強く、コンボを決められてあっという間に体力を削り取られる(一度コンボ決められると回避連打では逃げにくい)。反面、攻撃の殆どはガードで対処可能なので隙を見てWPを突こう。ただし過信は禁物。前述の回転斬りでめくられる可能性もある。
テトラの最強武器を手に入れるためには総大将のマリンを倒す必要があるのだが、ここで戦うマリンはかなり強いのでテトラをしっかりと鍛えていないと返り討ちにされる。タフな上にコンボで体力を削られるので、勝てても低ランククリアになって武器が入手できない場合がある。
武器
マリンの最強武器「光めざめのベル」は入手が楽な方なので火力の確保も容易。属性が水と光なので敵の弱点属性を突きやすい(ただしここで戦うダークハイラル王は強いので、それなりに鍛えたキャラが必要。お勧めは無敵バリアが張れて最強武器の確保が容易なシーク)。
ぶっちゃけその一歩手前のLv4武器の方が難易度が高い。
総評
マリンで勝てない相手はいない。
余程の低レベルだったり武器が弱かったりすればこの限りではないが、ステージクリアに行き詰まったらとりあえずマリンを出せばO.K。
小ネタ
ベルの説明文には「目覚めをもたらす」とある(初期使用武器がセイレーンの楽器と同名)。目覚めさせていいんかいってツッコミたくなる説明文である。原作での彼女を知っているとなんともモヤモヤしてしまう。
敵として登場するマリンを倒すと「ゼルダのティアラ」「ゼルダの髪飾り」をドロップする。
あとグラフィックがすごい美人。ちなみにスカートの中は暗黒空間のため見えない。
マリンの武器だけ「特殊攻撃強化」「強攻撃強化」の効果が適用されないという致命的なバグがあったが、Switchでは修正されている。
アドベンチャーモードの「コホリントマップ」にいる20匹の黄金のスタルチュラを倒すと、ごほうびマップに「少女にせまる悪夢」が解放される。内容は、魔獣島を侵略しに来たウィズロにマリンが襲われるというもの。プレイヤーはマリンから「この島を守って」と助けを求められる。
……のだが、肝心のマリンが巨大魔獣を見てワクワクしたり、魔力泥棒が現れるとあの言葉を口にしたりといちいち緊張感がない。しかしピンチなのは本当なので助けてあげよう。
スピリットとして登場。効果は「操作の左右反転無効化」。常時使うものではないが特定のステージでは必須とも言える性能になっている。
入手の際に戦う相手はゼルダ姫で、敵護衛には緑カラーのリンクが登場する。ステージにはねむり床が設置されているので、夢を見ている間にスマッシュされないように注意しよう。
漫画媒体*
ゲーム同様にヒロインであるが、後述のぶっ飛んだ面はなく、明るく優しい普通の女の子として描かれている。一人称は「あたし(ゲーム内ではわたし)」。
詳細は後述のネタバレの項を参照。
4コマまんが王国
後述のネタバレに記載されている「マリンの本性?」の項のようなキャラ設定がされているものが多め。リンクがツッコミ役になることもあれば逆の立場になることもある。
当時では数少ない美少女キャラと言うこともあってかちょっぴりエッチな被害に遭うことも。
関連タグ
ゼルダの伝説 夢をみる島 ゼルダ無双 リンク(ゼルダの伝説)
マロン(ゼルダの伝説):マリンのリデザインキャラクター。
ヒルダ姫:同じくゼルダ姫のそっくりさん。
ゼルダ(ブレスオブザワイルド):設定が一部共通。
リンマリ:カップリングタグ。
※ここから先は、夢をみる島のネタバレにつき注意!
ネタバレ
※以下は夢をみる島の重大なネタバレがあります!
真実
「かぜのさかな」のうた
ぜったい わすれないでね!
それから、わたしのことも・・・
コホリント島は「かぜのさかな」が見ている夢の世界。
マリンを始めとする島の人々も夢の中の存在。
神の目覚めはコホリントに存在するすべての終わりを意味する。
コホリントが泡となるとき、マリンもまた泡となって消える。
マリンはこのことを知らなかったようだが、終盤では密かに聖なるタマゴの前で「かぜのさかなのうた」を唄っていたことが判明する。つまり彼女は目覚めることを望んでいたのだ。このためマモノたちに目をつけられ吊り橋に置き去りにされたのである。
ただし、一度もゲームオーバーにならなければエンディングの後、翼を生やしたマリンが飛んでいく姿が見られる。マリンがカモメに生まれ変わったという表現らしいが、わかりにくかったのかDX版以降は表現が変えられた。
DX版以降の作品では、見上げた空にマリンの顔が浮かび、以前マリンが語っていたカモメが一羽飛んでいく。
あのカモメは「ずっと遠くへ飛んで行き、いろんなところでいろんな人たちと歌いたい」と語ったマリンの生まれ変わりだったのか、その答えは誰も知らない。
これらのことから既存のシリーズのように「世界を救う物語」ではなく、「夢の世界に生まれた一人の少女を現実世界へと羽ばたかせる物語」なのだろう。
漫画版でのマリンのネタバレ
リンクにどうぶつ村まで護衛されたことがきっかけとなって両想い同然の仲となる。
リンクがいずれ島から出て行くと知ると落ち込んでしまうが、その様子を見た彼から「全てが終わったら一緒に故郷に来てほしい」と告げられる。マリンは快諾した後、リンクの言葉を思い出しては照れ笑いをするなど彼への好意を強くしていくのだが……。
その後、リンクは自分の使命とコホリント島の正体を知ってしまう。目覚めの使者としての使命から逃げるべく、リンクは独自にイカダを作り、マリンを連れて島を出ようとする。しかし一日中漕いでも島はまったく遠ざからず、リンクの掌が血豆だらけになったのを見たマリンは、涙目で村に戻ることを提案する。
浜辺に戻ったマリンは、リンクから島の外に出たい理由について尋ねられる。マリンが語ったのは、幼い頃から見ているという夢の話だった。
「見たコトもない街で顔も知らない人たちと出会っては別れ…あたしはいつも笑顔に囲まれて唄っているの…。でね、夢の中のあたしはすっごく楽しいもんだから、こう思うの。『これは夢だけど覚めないで…』って。でも…いくら楽しくてもそれはしょせん夢でしかないわ。いつかは覚めなくちゃいけないよね」
この話を聞いたリンクは大きく心を揺さぶられ、直後に現れたフクロウおやじとの会話で目覚めの使者として立ち上がるのだった。フクロウによれば「マリンは己の辿る運命に薄々気づいている」とのこと。
最終決戦の朝ではリンクから肩を掴まれ、そのまま告白されそうになった。しかしリンクは何も言うことができず、「行ってきます」と告げ、マリンもまた「行ってらっしゃい」と最後の戦いに向かう彼を見送った。これが、二人が交わした最後の会話となった。最終話ではリンクのオカリナの音色に合わせて「かぜのさかなの歌」を歌い、共に夢から目覚めることとなる。
マリンたちは消えてしまったが、リンクの心の中には想い出という形で「オレのコホリント島」は確かに存在していた。
ここから先はさらなるネタバレ……?
マリンの本性?
「カギのあなぐら」をクリア後、マリンと一緒に行動できるデートイベントが発生する。その時に特定の行動をとると意外な一面が見られる。
- タンスを調べる
「リンクって いつもこんなことしてるの?」
- メーベの村の井戸に落ちるとマリンに押し潰される
「ふうっ…… びっくらこいた
ギャーーッ! ゴメンナサイ!
大丈夫? リンク?」
DX版ではこのシーンが写真になっており、リンクの苦悶の表情が見られる。
- オカリナを吹く
「イマイチ. . .
えっ!? わたし なにかいった?
きのせーよ! きのせー!」
Switch版では「笑顔で誤魔化す」演出が見られる。
- コッコを攻撃する
「ダメーーッ! ニワトリさんが かわいそうじゃない! モオッ!
普段はこう発言するが、低確率でこう言ったりもする。
「キャハ! やれー! やれー! もっとやれー!
・ ・ ・ ・
いやっ なんでもないわ. . .」
- ツボを投げる
「あーーっ!
あーあ イケナイんだあ!」
普段はこう発言するが、低確率でこう言ったりもする。
「キャーーーッ! わって! わって!
どんどん ブチこわしてっ!!
えっ? なに? どうかしたの?」
- はやりのゲーム屋に連れて行く
マリンに遊ばせるか選択肢が出るので返答する。
「いいよ」→マリンがクレーンを操作し始める。
「ダーメ」→マリン「やりたい! やりたい!」→「いいよ」or「しょうがねえな」
マリンがクレーンを操作すると店主をキャッチして激怒させてしまう。
「いいウデ してんじゃねーか。
オメーさては. . . プロだなっ!?」
この後、マリンを連れてゲーム屋に入っても彼女の姿はない。どうやら出禁にされたようだ……。
- 万引きする
「やっぱりわたしは、うたがすき!
どろぼー は、なにがすき?」
主人公の名前が「どろぼー」で固定されるのでストーリーが台無しになる。
- ダンジョンに入る
「えっ? 中に 入るの? わたし、ここで待ってる……気をつけてネ リンク……」
マリンはダンジョンの外に待っているので連れて行くことはできないが、特定の条件を満たして外に出るとマリンの台詞が変化する。
※すぐにダンジョンから出る
「あっ! お帰りリンク ケガしなかった?」
※2分30秒以上滞在してから出る
「……遅かったね。もう帰って来ないかと思った……」
※瀕死状態になってから出る
「キャーーーっ!! すごいケガッ! もうっ! ムチャしちゃだめ!」
※瀕死状態の台詞を聞いた後、超低確率で以下の台詞が出る
「言わんこっちゃない…… えっ!? 何!? わたしなんにも 聞こえないわよっ! ほんとよ!」
まさかの黒い任天堂を隠し持っていたヒロインとは……。しかもゼルダ無双にも上記を意識した台詞が多数見られる。
デート中に見せる身体能力もなかなかのもの。リンクがロック鳥の羽根で穴を飛び越えればマリンも同じようにジャンプし、ペガサスの靴でダッシュすればマリンも猛ダッシュでついてくる。絶対に振り切れない。
このデートイベント中はマリンの意外過ぎる一面が披露されまくるので、イメージが変わったプレイヤーも多いはず。さすがコホリント島の住民である。
ちなみにDX版で写真撮影のイベントがあるのだが、この時にタリンがリンクとマリンの間に割って入ってくる。一見すると三人で仲良く写真を撮っているように見えるが、プリントされた写真ではタリンを睨んでいる。ちなみにリンクはジト目。
かぢばあたる版
ゲーム同様にヒロインであるが、出番が増えておりリンクとは両想い同然となる。上記のようなぶっ飛んだ面はなく、明るく優しい普通の女の子として描かれている。
一人称は「あたし(ゲーム内ではわたし)」。髪の色は原作よりも赤毛寄りにされている。外見もリンクが一目惚れするほどの美少女。
冒頭では原作通り、保護したリンクが目覚めたことで対面する。しかし彼は混乱しており、マリンの肩を掴んで色々質問をして来る。そこへ外出していたタリンが戻り「リンクが娘に言い寄っている」と誤解して殴り掛かるのだった。
誤解が解けた後、立ち去ろうとするリンクだが空腹のため上手く動けずにいた。腹の虫を聞いて察したマリンは、ご馳走を振る舞うことに。しかしリンクは無くした剣を早く探しに行きたいと焦っており、マリンも引くほどの汚い食べ方をしてしまう。
タリンはキノコを採りに森へ出かけたが戻って来る様子がない。マリンはリンクを追いかけて海岸まで現れそのことを伝える。リンクは自分が探しに行くと言うが、森は危険だからと諫めるマリン。
リンクには「じゃあマリンも一緒に来てくれる?」と意地悪なことを言われてしまい、一瞬動揺するもタリンを助けるためについて行くことを口にする。慌てたリンクは冗談だったと謝り、タリンを探しに向かってくれた。
別れる直前にマリンは「タマランチ山にあるたまごには風のさかながいて、目覚めるとよくないことが起こる」という伝承リンクに語った。
海岸でリンクと会話をした際に、どうぶつ村の皆としばらく会っていないことを口にする。そこでリンクから護衛の申し出を受け、共にどうぶつ村へと向かう。
しかし道中にて魔物の群れに追いかけられてしまう。リンクは「マリンが見ている前では誰も殺したくない」と逃げに徹していた。
リンクは崖下に落とされてしまい、残されたマリンにも魔物の手が迫る。マリンは「必ず受け止める」と言ったリンクの言葉を信じて飛び降り、無事リンクに抱き留められたのだった。
魔物たちもマリンの勇気に恐れを無し、飛び降りて来ることなく撤退して行った。
どうぶつ無から変える道中、リンクがいずれ島から出て行くと知って落ち込んでしまう。その様子を見たリンクから「全てが終わったら一緒に故郷に来てほしい」と告げられる。
マリンは快諾した後、リンクの言葉を思い出しては照れ笑いをするなど彼への好意を強くしていくのだが……。
その後、リンクは自分の使命とコホリント島の正体を知ってしまう。目覚めの使者としての使命から逃げるべく、リンクは独自にイカダを作り、マリンを連れて島を出ようとする。しかし一日中漕いでも島はまったく遠ざからず、リンクの掌が血豆だらけになったのを見たマリンは、涙目で村に戻ることを提案する。
浜辺に戻ったマリンは、リンクから島の外に出たい理由について尋ねられる。マリンが語ったのは、幼い頃から見ているという夢の話だった。
「見たコトもない街で顔も知らない人たちと出会っては別れ…あたしはいつも笑顔に囲まれて唄っているの…。でね、夢の中のあたしはすっごく楽しいもんだから、こう思うの」
「『これは夢だけど覚めないで…』って。でも…いくら楽しくてもそれはしょせん夢でしかないわ。いつかは覚めなくちゃいけないよね」
この話を聞いたリンクは大きく心を揺さぶられ、直後に現れたフクロウおやじとの会話で目覚めの使者として立ち上がるのだった。フクロウによれば「マリンは己の辿る運命に薄々気づいている」とのこと。
最終決戦の朝ではリンクから肩を掴まれ、そのまま告白されそうになった。しかしリンクは何も言うことができず、「行ってきます」と告げ、マリンもまた「行ってらっしゃい」と最後の戦いに向かう彼を見送った。これが、二人が交わした最後の会話となった。
最終話ではリンクのオカリナの音色に合わせて「かぜのさかなの歌」を歌い、共に夢から目覚めることとなる。
マリンたちは消えてしまったが、リンクの心の中には想い出という形で「オレのコホリント島」は確かに存在していた。
悲恋要素の強い作品であり、後に夢をみる島DXにて上記を意識したと思われるイベントが追加されている(リンクとマリンガもう一度海岸で会話をする、タリンがお邪魔虫になるなど)。
藤赤正人版
「さあ、「風のさかな」を起こしにいって」
「だいじょうぶ。なにも悪いことは起こらないとわたしは信じます」
「あなたは心優しい本当の勇者なんだから」
別冊コロコロコミック1993年10月号に掲載された読み切り。ネタバレに触れない程度にオリジナルストーリーが展開される。
内容としてはゲームで言う冒頭と終盤のカメイワでの決戦に焦点が当てられており、捕まったマリンとタリンをリンクが助けに行くというもの。戦いが終わった後、リンクはマリンから風のさかなを目覚めさせるように告げられ、「心優しい本当の勇者」として見送られた。
マリンの性格や言動がお姫様を思わせるものなのも特徴。
※4コマまんが王国
ゲームと同じくぶっ飛んだキャラ付けがされているものが多め。リンクがツッコミ役になることもあれば逆の立場になることもある。
当時では数少ない美少女キャラと言うこともあってかちょっぴりエッチな被害に遭うことも。
例えば『DX』の漫画では、写真屋さんにたまたまにパンチラ(白だが描写されていない)写真を撮られてしまったのでボコボコにしたり、島を去るリンクから思い出作りと称して抱き着かれそうになったのでボコボコにしたりしている。
もっと激しいのだとメーベの村のほこら(のベッド)に無理やり連れ込まれそうになったことも(当然抵抗して逃げた)。
※更なる余談
乱丸著「ゼルダの伝説」「リンクの冒険」に登場するある人物は、リンクを助けるために二度も死亡している。しかし、いずれもその作品のエンディングにて生き返っている。
「リンクを助けた結果、命を失うことになったがエンディングにて超常の力で復活する」という点がマリンと同じである(マリンがリンクを助けなければ風のさかなは目覚めなかった=マリンは消滅しなかったため)。
また「リンクの冒険」に登場するオリジナルキャラクターのビリーナは、ワンピースを着た村娘でリンクの道案内をするために同行するなどコンセプトがマリンと似ている。しかも道案内の最中、魔物の攻撃によって命を落としてしまい、大好きだった樫の木に看取られ一体化するという後味の悪い結末となる。
「命を落とした結果、好きな生物に生まれ変わる」という点ではマリンと同じである。
しごと大介&みなづき由宇著「リンクの冒険」に登場する初代ゼルダ姫もマリン並にぶっ飛んだキャラ付けがされている。
黙っていれば清楚可憐な美少女だが口を開けば残念なキャラに成り下がる。笛を吹いたリンクに「へたくそ~」とコメントしたりなどしている。
「気鳴楽器を吹くリンクに辛辣なコメントをする」という点でも同じである。
上記の関連タグにもあるようにブレスオブザワイルドのゼルダ姫は、原作や漫画版のマリンから設定を取っているかのような部分が散見される。これはティアーズオブザキングダムでも同様であった。
どういうところが似ているのかは是非ともプレイして確かめてみほしい。