なんとっ!?
ただでものをてにいれてしまった!
・・・ ・・・ ・・ん??
曖昧さ回避
- ニコニコ動画で活躍中の実況プレイヤー。詳しくはニコニコ大百科を参照されたし。
概要
『ゼルダの伝説 夢をみる島』でのスタート地点である「メーベ村」にはゲーム中唯一のお店「村の道具屋さん」がある。
もちろん買い物できるのだが、購入方法が少し特殊で、これまでのシリーズは商品に直に触れるか、商品を調べて購入するのに対し、陳列棚にある商品を持ち上げて店主に話しかけることで購入する形式になっている。
通常は商品を持ったまま店を出ようとしても店主に
「おおーっと! そいつは いけねえや! ちゃんと カネはらってくだせえ。」
と言われて呼び止められてしまうのだが、この店の店主はリンクのいる方向を向くのと、リンクが移動してから店主が方向転換を行うのにタイムラグがあるのを利用し、商品を持ち上げてうろつき、出口が店主の視界から外れているうちに商品を外に持ち出す、所謂「万引き」ができてしまうのだ。
なお、英語版やSwitch版ではちょっと難易度が高い。また浜辺で剣を手に入れるまではガードが堅くこの行為は絶対に出来ない。
しかし、その代償としてプレイヤーの名前が強制的に「どろぼー」となってしまうのである。
もちろん変更不可能であり、エンディングまでこの名前で呼ばれ続けることになる。
そうなるともちろん、エンディングや随所の感動シーンもこの名前の所為で全てがぶち壊しとなり、感動するどころか罪悪感しか感じなくなるのである。
更に、万引きした後に店に戻ると店主が待ち構えており、
「あれほど、ちゃんとカネはらえっていったのに・・・ しかたがない しんでもらう!」
と言った直後、ライフを0にしてしまうビームをリンクに放つ(Switch版では「しんでもらう!」で店主の表情が変わる)。
この時はリンクの操作を完全に封じているため、対処方法が何一つない。
逃げようにも十字ボタンを押しても(Switch版はLスティックを倒しても)操作不能なので避けられず、メニュー画面さえも開けない。
すなわち、ボタン操作の類は一切合切全て無効にされているのである。
脅威の威力を誇るビームを放つ店主のインパクトも強いが、ビームを撃つ前に実はリンクの動きも操作不能の意味で止めることが出来るらしい。
動けないため当然ながら剣で反撃することも不可能、オオワシ塔で入手できる強化盾「鏡の盾」を持ってきて店主のビームを跳ね返せるのでは、と盾を構えながら入店しても操作不能にされて構えが解かれてしまい、意味が無い。
とどめに、「ライフが0になった時に自動的に全回復するきまぐれトレーシーのぬりぐすり」を持ってきても、残念ながら全回復が発動しようと再びライフが0になるまで店主のおしおきは終わらない。
ゲームボーイ版ではバグを活用すれば店以外の場所でも店主のおしおきが見られるが、なんと命中してなくてもライフが減っていく。回避できても意味なかった。ちなみに命中せずライフが減らされていく場合、リンクが土下座しているのを確認できる。細かい。
当然ゲームオーバーとなる。
唯一対処方法があるとしたら途中で「電源を切る」、ただそれだけしかない。
これらの行為が無かったことになるので「どろぼー」となってはいないが、セーブしたところからやり直しになり、万引したものは手に入っていない。
Switch版の場合はホーム画面のボタンを押しXボタンでゲームを終了させれば無かったことにできる。
そしてこのゲームの真のエンディングを見るためには一度もゲームオーバーにならないことが条件なので、この時点で道は閉ざされてしまう。
一応、二度と店に入らなければ死ぬ事はないが、それすなわち二度と店を利用できないという事に繋がる。
もちろん「万引きは犯罪」という当たり前の事を当時の子供たちに伝えているのであろう。しかもシステム上泥棒を不可能にさせるのではなく「システム上は一応可能にさせておいて、やらかしたプレイヤーに対して鉄槌を喰らわせる」のがいかにも任天堂らしい。
開発側はプレイヤーの方から何かしら抵抗してくることを想定していたのか、そこは骨の髄まで対策は万全、
操作をしっかり不可能にさせているどころか、メニュー画面までも開かせないところまで完膚なき容赦せず鉄槌を喰らわせている。ここまでやるとは開発側はもはやサイコパスレベルでは・・・
相当オーバーにやるあたりが本気で万引き防止を教える気合いめいた意志を感じられる。もっとも万引きはダメでも殺人はオッケーなのかという疑問が生じはするが…。「しんでもらう!」とまで言ってしまっているし…。
ちなみにコンティニューすると、再び買い物が出来るようになるのだが、名前は「どろぼー」のままであるところに、許されても前科は残るというリアリティがある。
この作品ではクリアにほぼ必須のアイテム「弓矢セット」が980ルピーと高価なので、知っていると(ルピーを貯めるのに比べれば断然効率が良いため)つい万引きしたくなるという罠がある。
よってRTAにおいては「どろぼー」呼ばわりされて感動がぶち壊しになっても、泥棒して時間短縮を行う。コンティニュー後は買い物できることを活用して、複数回盗みを働く事も…
ちなみに没データには「はっはっはっ 980ルピーも くれよったわい せけんしらずめ」という店主の科白もあるため、どうやら本当にぼったくり価格だったようだ。
『夢をみる島DX』では、特定の条件で特定の場所へ行くと一枚絵を見られるようになる「写真屋さん」が追加されたのだが、その写真の中にリンクが万引きをする瞬間の物があるため、コンプリートしたい場合はどろぼーをしないといけない。写真を見ると、壁に「万引防止」「万引は犯罪です」と書かれた張り紙があったりする。
ちなみに『夢をみる島DX』のバーチャルコンソールおよびオリジナル版が収録されている『ゲーム&ウォッチ カラースクリーン ゼルダの伝説』のCEROのレーティングは「B」、コンテンツアイコンは「犯罪」となっている。理由は言わずもがな(物々交換イベントのうちのひとつも一因としてあるかも)。
2019年9月20日発売のNintendo Switch版でもCEROのレーティングは引き続き「B」、コンテンツアイコンは「犯罪」になっている。更にゲームオーバー後の選択が「リトライ」と「セーブしてやめる」の2種類だけになりオートセーブ機能が搭載されたため、「商品の万引きをした瞬間」に「どろぼー呼ばわりされずに真のエンディングを見る事が出来なくなってしまう」。
無かったことにしたければ手動でセーブしたものからロードして始めるしかない。当然最後にセーブしたところからやり直しになり、万引きしたアイテムは手に入っていない。
割引?
夢をみる島(DX版含む、Switch版では不可能)においては購入時(価格分のルピーは必要)に手持ちのルピーが減っている瞬間に中断セーブ終了すると、そのセーブした瞬間の分だけのルピーで購入できた事になってしまう(注意点として購入後に店主との会話を終わらせないと中断セーブは開けないので早急に行おう)。
こちらは特段ペナルティはなく、スコップや弓を買う場合の一種のテクニックとして使えるのだが、これは今作のシステムの仕様をついた裏技である。
考えられるのは購入(アイテム入手)判定が先で、ルピー消費が後になっていたものと推測される。
逆に、ルピー入手時にこれをやってしまうと、表記よりも入手金額が少なくなるので注意しておこう。また、きまぐれトレーシーなどでは使えない。
Switch版ではできなくなったものの、所持ルピーの上限がなくなったため、どろぼーするメリットは薄れたといえよう。
ふしぎの木の実では…?
システムがほぼ同じの『ふしぎの木の実』でも商品を持って行き店主に話し掛けて購入する仕様であるが、商品を持って出ようとするとどうやっても店主のリンクへの視線をそらさないので結局咎められて店からは出られないようになっている。残ね…いや、セキュリティは万全である。
また前述の割引にする方法は通用せず、セーブして中断し再開しても払った分の処理は行われている(手持ちが700ルピーあるとして、500ルピーの商品を買い、ルピーが減っている瞬間に中断セーブで終了し、再開してもしっかり払った後の200ルピーの状態になっている)。
しかしどろぼーは不可になったとは言え、それを彷彿とさせるような行為は今作でも存在した。詳細はこちらを参照されたし。
余談
『ゼルダ無双』に登場するマリンは、本拠地がピンチになったりすると「どろぼー」の台詞を発する(どろぼーが本拠地に侵入したという意味らしい)。また、ごほうびマップ「少女にせまる悪夢」で魔力泥棒が出現すると「どろぼー」に対して怒りを見せる。これに限らずマリンは原作ネタが豊富。
姫川明著の漫画版『時のオカリナ』では、下巻の巻末漫画で大人リンクが釣りをするシーンがある。
釣りが上手くいかないことを釣り堀の店主にからかわれたリンクは、「ちょっと借りるよ」と言って釣り竿を持ち逃げしてしまう。この時、怒った店主の台詞が「どろぼーっ!!」である。
尚、それに因んだ他作のキャラクターが窃盗を行う場面にもこのタグが使われる。
また、強制的にゲームオーバーになるのはこれとこちらの2例だけであり。
他にもゼルダシリーズではドアの修理代やツボを割ったり、釣り人の帽子を釣って捨てたりすると罰金でルピーを支払うことになるが、ルピーが足りなくても単に0になるだけで足りない分は特に何も咎めず見逃してくれたり、所持金が一文無しの場合でもセリフが変わったり追い出されて出禁程度だったりと、特にダメージを受けたり強制的にゲームオーバーになることは無い。
ある意味寛容とも言えよう。・・・むしろ寛容過ぎるレベルだと思う。
関連タグ
トワイライトプリンセス:ゲーム中で同じようなことができる。
ゼルダ無双:本拠地を敵に狙われるとマリンが「もしかして……どろぼー?」と発言する。
JING:リメイク版におけるリンクと中の人が同じ泥棒主人公。
類似例
ハッピーハッピー村でボスを倒すまでの間に村で開店している無人販売所で代金を払わず、販売所付近で監視していた村人にうっかり会話してしまうと戦う事に。『夢をみる島』の店主よりは弱いが…話さなければ戦う事はない。倒しても良心が痛むぞと煽られ、クリア後は居なくなっている。
ちなみに提示されている額以下の金額(例えば、うみたてたまごの提示されている金額は12ドルだが、わざと1ドルだけしか支払わなかったり、1ドルだけ少ない11ドルで支払う)で支払いした場合でさえも戦う羽目になり、「たかが1ドル、されど1ドル」である。
「少なく払った後多く払う」、「逆に多く払った後少なく払う」といった帳尻合わせでも払っていない扱いになり、支払った額の累積関係なく1度でも提示されている額以下で買ってしまうと戦うフラグを立ててしまうようだ。
「盗んで錬金術に使えるじゃん!」と思うだろうが、売っているものは安いアイテムなので売るにしても効率が悪く、ハイリスク・ローリターンとなる。
- 風来のシレンシリーズ
不思議のダンジョンシリーズにおける泥棒の元祖。ダンジョン内のお店で可能。泥棒するとやたら強い店主や番犬隊が出てくるのが恒例で、彼らに倒されると当然冒険は失敗となる。最もタチの悪いケースだと、店内で商品を持ったままバネの罠を踏むと、泥棒する気がなくても泥棒扱いされる。しかし、このシリーズは大部屋の巻物(壁無しのフロアにできる)、トドの壺(商品を盗める)、店内にある落とし穴(次階フロアへ落とされる)などの簡単に泥棒できる手段が多く、しかもこれらは番犬隊を呼ばれる事なくコッソリ盗めてしまうためお咎めがない。プレイヤーがある程度泥棒することを前提としたゲームバランスになっている。
- トルネコの大冒険シリーズ(2以降)
こちらもダンジョン内のお店で可能だが泥棒した瞬間、店主のガーゴイルが大量発生して猛スピードで追いかけてくる。なお主人公のトルネコは商人であり、商人がモンスターの店で盗みを働くという笑えない絵面になる。(ドラゴンクエストⅣでは、トルネコはモンスターから宝箱を盗む特技があるのだが…。)
こちらもダンジョン内のお店で可能だが、アイテムの代金を払わずに出ると複数の死神が現れて追いかけてくる。
サブイベントの1つとしてこれのパロディと思われるものが存在する。
内容はロイヤルシティの道具屋でケロロが商品を見ている際に突然店主が倒れたので、その間に泥棒をしようというもの。その際出てくる選択肢で「はい」を選ぶと予定通りケロロがアイテムを盗むルートになり、彼の名前が「どろぼう」になる。このルートになった場合、最終的に名前は戻るものの、ものを盗んだことで店主から罰を与えられることになる……という夢オチで終わる。