概要
ケンシロウ一行が旅の途中に小屋で休もうとした際、中からとても巨大な老婆が出てきてケンシロウ達を優しく迎える。しかし実は老婆は変装した拳王の手下だった。
差し出された毒入りの水を飲もうともせず、老婆の正体を見破ったケンシロウに、手下は「なぜ自分の変装を見破ったのか!?」と問うが、ケンシロウは一言、
「おまえのようなババァがいるか!! 拳王の手下だな」
確かに、こんな巨人の如きバケモノのような婆さんなど(作中世界でも)居ない。至極当然のツッコミである。マミヤは明らかに騙されかけてたけど。
このセリフが元ネタになって、後に「おまえのような○○がいるか」のツッコミやタグが多数生まれた。
テレビアニメ版ではこのシーンは改変されており、ババアは常識的な身長だったが、ヒゲを剃り残していたため見破られてしまうという(原作からすると)至極まともな展開になっている(台詞も「お前のような婆さんがいるか」になっている)。むしろツッコミどころは一緒に待ち構えていた仲間のジジイの1人が、三丁目のタマを持っていた点である。
キャラクター自体の詳細についてはでかいババアの記事を参照。
モヒカンに学習能力はない
補足だが『北斗の拳』に登場する戦士や武闘家、悪漢達は総じて全員ものすごく体格がいい。女性キャラクターも相応に背が高くナイスバディである。このため「一般女性に比べて多少大柄である」程度であれば、ケンシロウ達も気が付かなかった可能性があり、作画上の意図としても読者がパッと見てわかるような違和感を出すため、あえてとんでもない大きさにしたと考えられる。
加えてババァは毒入りの水を出す、拳王を褒め称えるような発言をするなど明らかに不穏当な動きを見せており、仮にデカくなくても(肉体的には単なる高齢女性であっても)怪しい人物なのは違いない。
この手の騙し(女装)は南斗水鳥拳のレイも使っており、彼の場合は女性物のケープで全身を覆い、悪漢どもをおびき寄せるのに使用していた。
レイも身長180cm台の上に相当な筋肉の鎧を纏っており、体格だけならばどう見ても女性に見間違えるはずも無いのだが、モヒカンは普通に寄って来ていた。
ただし、レイについては上記の通り女性物のケープで全身を隠している上に、元々「レイ自体が女性と見紛うほどの美男子」の設定もあるので、ケープの隙間からチラリと顔が見えた程度では本当に女性に見えてもおかしくない。更には相手は女に飢えているであろうモヒカンである。
身長も180cmであっても、一応モヒカンと同じくらいの身長の範疇なので、あまり気にされなかった可能性も高い。
しかしこのでかいババアは、明らかにケンシロウ……どころか、作中に登場するキャラクターの中ではトップクラスに体格が大きく、顔つきや身体の骨格なども男性的(顔はまだしも、広い肩幅や筋肉質な腕周りなど明らかに女性のそれと異なる)等々、決定的な相違点がある。
世紀末だろうから変装道具もうまく揃わなかったのかもしれんが、どうしてこうなった。
でかい看護婦
これと似たエピソードが同作者の漫画『蒼天の拳』にも存在する。
主人公・拳志郎の親友であり青幣の頭目である潘光琳が危篤に陥った際、彼の命を狙うために送り込まれた巨漢の殺し屋が看護婦に扮して彼の命を狙うも、正体を見破った拳志郎に「そんな看護婦がいるか! ボケ!」と罵られるシーンがあり、多くの読者があのババアを連想した(はず)。
また、じつは拳志郎自身も女装をした場面がある。紅華会の幹部である張太炎の隠れ家を捜索する時、工作員の『モグラの晋』にペスト入りの麦を飲ませて連絡員をあぶり出したが、なんとそいつはおかまバーの元締めだった。
結局、男色なその元締めの楊も普との濃厚な(読者にとってうれしくない)キスで病気に感染してしまい、ワクチンを持ってる太炎の元に車で向かうが、すっかり動転していた2人は楊の指示を仰ぎながらアジトに向かう運転手が拳志郎にすり替わっていたとは思いもよらず、まんまとアジトの特定に成功され青幣に紅華会に大打撃を与える絶好の機会をもたらした。
テキーラ娘
作者は異なるが、同じくジャンプ作品である『ジョジョの奇妙な冒険 戦闘潮流』において、主人公のジョセフ・ジョースターがロバート・E・O・スピードワゴンの救出の為、ナチスドイツ軍基地に潜入せんと女装する場面が描かれた……が、当のジョセフは身長195cm・体重97kg・筋骨隆々の体格であり、尚かつ『ナヨオナヨオ』の効果音がつく程不自然に女性的な振る舞いをしており、当然ながら衛兵に一発で不審者扱いされてしまう。
この時、ジョセフとナチスドイツ兵との以下のやり取りが交わされた
…くそっ さ…さすがナチスだぜ!
よくぞオレの女装をみやぶったな!
マヌケッ!
ひと目で分かるわ────────ッ きもちわるいーッ
お前みたいにデカくて筋肉質の女がいるか!スカタン!
客観的に自分をみれねーのか バーカ
発表時期としてはこちらが後発である事情から「でかいババア」を意識していると見られる。
ちなみに見破った彼らからの「バカ」発言がトリガーとなって、激昂したジョセフに「タコス」とわけのわからない悲鳴を上げて倒される事態に……
世紀末ドラマ撮影伝の場合
公式スピンオフ『世紀末ドラマ撮影伝』でもこのエピソードが取り扱われている。
こちらは脚本の段階では “普通に悪漢達が老女を脅し、ケンシロウ一行に毒を飲ませる” 手筈だったが、撮影スタッフの1人から「隣のスタジオで撮っているサスペンスドラマと全く同じ展開になっている」との危惧を指摘され、急遽変更する展開になる。
「普通ではない世紀末ならでは展開」に苦慮するスタッフ並びキャスト一同だったが、脅される老女役の女優から「悪漢自身が老女に変装すれば良い(要約)」と提案、悪漢役の俳優も「『北斗の拳』で爪痕が残せる」として喜んで受け入れて女装した結果、この名(迷)シーンが誕生した。
逆の使用例
これまで書いた通り、本来はどう見てもババアではない男の変装に対してツッコミを入れる台詞なのだが、(容姿や運動能力などが)どう考えても「ババア」と酷評する程ではないのに、ネタ的にババア扱いされてしまう人物を女性として扱ってあげるor驚愕して突っ込みを入れる際のセリフとしても使える。
関連タグ
- 大筒木カグヤ:ジャンプフォースにて、掛け合いでケンシロウがこのセリフを発する。
- つる(ONEPIECE):身長が2m越え設定の存在するでかいババア
- シャーロット・リンリン:身長が8m越え設定の怪物ババア
- オーゼンとてつもないパワーを持つおばあちゃん
派生タグ
「おまえのような○○がいるか」シリーズ
- お前のようなジジイがいるか
- お前のような病人がいるか
- おまえのような1ボスがいるか
- おまえのような魔法少女がいるか
- お前のような駆逐艦がいるか
- お前のような潜水艦がいるか
- お前のような中学生がいるか
- お前のような劣等生がいるか
- お前のようなヒーローがいるか
- お前のような短刀がいるか
- お前のような錬金術師がいるか
- お前のような量産機がいるか