エア(ACVI)
えあ
あなたには…私の「交信」が届いているのですね
CV:ファイルーズあい
概要
ARMORED CORE VIの登場人物。ルビコニアン(=ルビコン3土着の人々)を自称している。
あるミッションでの出来事をきっかけにレイヴンことC4-621と「交信」を果たし、直後襲撃してきた特務機体バルテウスとの戦闘をサポート。
以降は2人目のオペレーターとして621のミッションを支援する。
交信は621の脳内に存在するコーラルを介して脳波と同調する事で行われており、その声は基本的に他人に届かず、ハンドラー・ウォルターには「旧世代強化人間にありがちな幻聴」と判断されている。
621が旧世代強化人間であることまでは認識できているが、個人としては拾ったライセンスの名義である「レイヴン」として認識しており、ウォルターが何故レイヴンを621と呼ぶのかを理解できておらず、本来の持ち主の話が出た際には「誰のことを言っているのか?」と困惑することも。
やたらと距離感が近く、とあるミッションではミサイルの爆発を綺麗な花火と評したりなど感性は独特(ただしこの場面はカーラが花火会場という言葉を用いているので、単にカーラのジョークを真に受けてしまったか、あるいはそのジョークに乗っかっているだけの可能性もある) ミッション時やガレージ時を問わず、事務的報告以外にも私見や感想を述べる場面が多々あり、621との交信を楽しんでいる節もある。ウォルター抜きになったミッションでは「目標は逃げないのでゆっくり探してくださいレイヴン」なんて言ってみたりする。
先入観や常識に縛られがちな側面も見受けられ、AC世界ではよくある敵味方の立場の変化を受け入れるのに時間がかかったり、エキセントリックな敵機の言動に混乱し撹乱工作の一貫であると深読みしてしまう場面もある。
情緒的な割に、特に序盤は621の扱いが結構荒く、ウォルターから休養を命じられている621のところに勝手に任務を持ってきて戦場に叩き込んだりする。
余談
- 作中のエアは赤い点か視界に赤いスクリーンがかかった状態でしか話さないため、明確な人物像がなく、それぞれの作者が思い思いに擬人化しているが、髪も服も肌も真っ白かつ目だけが真紅の長髪の少女という姿で描かれる傾向にある。
- 所謂オペ子枠ではあるがその不確かな有り様から『イマジナリーオペ子』という愛称も発生。しかし微妙に長いためかプレイヤーからの愛称は「エアちゃん」などが多く見られる。
- 演者の名前とゲームタイトルをもじった「ファイルーズオブルビコン」なるあだ名も生まれた。
- バルテウスに敗北した際、ため息と共に「残念です レイヴン」という台詞を放つ。バルテウスはかなりの強敵であるため何度も聞く羽目になるプレイヤーは数多い。この台詞を聞きたいが為にわざと負ける者もいるとか。
- アイスワーム討伐時にスタンニードルランチャーを忘れると呆れ100%の大きなため息をつかれる。図らずもこの時にはミシガンとのコラボが実現されてしまう。
関連イラスト
イメージイラストだが、上述の通り赤と白を取り入れた少女の姿のイラストが多い。
関連タグ
【警告】これより先閲覧に注意されたし
彼女の正体は「Cパルス変異波形」。コーラルの中に発生した人格のような現象であり、彼女曰く「実体のないルビコニアン」。
コーラルを「同胞たち」と呼び、企業やその他勢力がコーラルを巡り争う現状、そしてその争いで同胞たちが失われていくことを憂いている。
なお、肉眼では勿論、その「声」も通常のセンサー類では知覚できない存在であるため、「交信」という言い方も相まってエア自身はどこか別の場所にいるような印象を受けるのだが、「『コーラルの声』が視える」ようになった人々の言を総合すると、実際には621の傍にぴったり寄り添うようにして一緒にコックピット内にいる模様。
戦いが佳境に入る中、オーバーシアーの『コーラルを焼き払い宇宙に広がる汚染を未然に防ぐ』計画を知ったエアは「人とコーラルの可能性を守りたい」という願いを打ち明け、621に企業とオーバーシアー双方の計画を阻止して欲しいと頼む。
それは621からすれば、在庫処分を待つばかりだった自分に意味を与えてくれたウォルター、氷原への到達や技研都市からの脱出を助けてくれたカーラを裏切ることに他ならない。
エアもそれを理解しており、頼みを聞き入れると621に深く感謝し、支え続けてくれる。
621単機での達成は難しいと考えたエアは、ルビコン中に「灼けた空の上でレイヴンが戦っている」という檄文を発し、ルビコン解放戦線やV.Ⅳラスティとの共闘を実現した。
アーキバスに洗脳されたと思われるウォルターとの決戦では、彼が自分の存在を知覚できるようになったことを感じたのか、「レイヴン! ウォルター! もう時間が……!」と621だけでなくウォルターにも呼びかけている。
そしてルビコンの解放が成し遂げられた後、エアはこれからも621と共に歩んでいくことを約束する。
ウォルターたちの危惧していた、コーラルによる宇宙の破滅……それを回避する方法も、二人でなら見つけられるはずだと。
だが彼女の願いを拒絶し、オーバーシアーの計画を完遂する「レイヴンの火」ルートでは、エアは震える声で「残念です」と言い残し、621との交信を打ち切る。
そして……
レイヴン
あなたは私が止めます
この惑星を焼かせはしない
彼女が最後の壁として立ちはだかる。
掌握した封鎖衛星へ621を呼び出し、アイビスシリーズの一機IB-07:SOL644を駆り、コーラル焼滅計画を防ぐために、ルビコニアンの戦士として戦いを挑んでくる。
パルス防壁、超高速移動、高威力のブレード攻撃、多彩なレーザーなど、これまでに戦ってきたボス達を一つにしたような非常に厄介な特性を持つ難敵。
APが50%以下になるとパルス防壁を展開しなくなる代わりに、攻撃が激化。
二つの幻影と共にブレード攻撃、五機程に分裂してそれぞれ特攻をかける突進技や極太レーザーといった高威力の攻撃が追加される。燃え残った全てに火をつける為、全力を出し切ろう。
レイヴン…それでも…私は…
人と…コーラル…の…
戦闘中には同胞たちやルビコンを守る意志と、彼女が621に託していた願いが語られる。
彼女は621との交流を通じ、人とコーラルの共存の可能性を見出していた。621となら、ともに歩めると。
しかし621は同じ可能性を信じられなかったか、あるいはウォルターへの忠義か、コーラルを焼き尽くすことを選ぶ。
彼女は絶望の末、ルビコンの為、そして同胞たちの為に、大切な人と戦う事を選んだ。後半戦で撃破されたときの台詞からも、彼女が如何に621を大切に想っていたかが分かる。
しかし、それでもなおコーラルを、ルビコンを焼き払う事を諦めない621に、彼女は621こそが「ルビコンの戦火(ファイアーオブルビコン)」と認識する。(失望してみたり説得を試みたりヒステリックに非難したりとこの時の彼女はかなり情緒不安定になっている)
621に討たれるその瞬間まで、人とコーラルの共存への希望を抱き続け621に手を伸ばしたエア。あまりにも悲しい戦いであった。
(撃破されるところをよく見ると手を伸ばしているように見える)
異なる未来のエア
「賽は投げられた」ルートでの活躍
621とエアは、任務中にオールマインドからの介入を幾度か受け、やがては仕事を依頼されるようになる。不可解な出来事が続く中、エアはオールマインドの運営する戦闘検証プログラム「アリーナ」のインテグレーション・プログラムの中に、暗号化された不審なデータの数々を発見する。
この中でルビコン解放戦線の「帥父」サム・ドルマヤンの口から、「セリア」という名のエアとは別のCパルス変異波形の存在が示唆されている。
彼もまたコーラルとの「交信」を行い、人間とコーラルの可能性について苦心し続けていたのだった。
極秘開発の新型機体や、秘匿されていた機体といったデータ。それらを利用し621が検証を行った後、エアは「付き合って欲しい事がある」と称し、ある機体のデータを使い自ら621と戦闘を行う。どうやらコーラル技術を用いたACで、待機中であればハッキングして操作できる様である。
やがてオールマインドが企む、コーラルを宇宙中に解放する「コーラルリリース」計画が明らかになると、人とコーラルの可能性を模索するエアは計画に興味を示し、621もまた協力していく。
そして計画の最終盤。オールマインドは621を用済みとし、計画のトリガーとしてエアを取り込むべく、アリーナでの検証及び全陣営の機体情報の統合によって生み出されたAC「マインドγ」と取り巻きのマインドα、βを駆り襲い来る。
戦闘中、マインドγがG5イグアスの声で語りかける。621を倒す為、オールマインドの一部となったと言うのだ。
戦闘中オールマインドと会話をするイグアス。しかし反目し合うその様は、まるでエアと621の鏡写しのようでもあった。
621に押されてマインドγの限界を悟り、新たに強力な機体とシースパイダー二機を召喚するオールマインド。その時エアは……
…お待たせしました レイヴン
ようやく…あなたと並んで戦える
アリーナで使用した機体「エコー」を駆り、なんと助太刀にやって来る。
ここまでサポートしてくれたエアがついに僚機として共に戦ってくれるという、非常に熱いシチュエーションが楽しめる。
「テメェら…まとめて消えろ!!!」
イグアスのAPを半分まで減らすと、「折角の621との殺し合いに邪魔なエアと取り巻きのシースパイダー」「耳元でグチグチ御託を並べて五月蝿いオールマインド」に痺れを切らしたイグアスの干渉波により機体との同調が失われてしまい、エアは離脱してしまう。
が、イグアスもまたオールマインドの支援を失い、完全なタイマンとなる。勝利まではあと一歩。気を抜かず戦い続け、因縁に決着を付けよう。
ちなみに取り巻きをガン無視してイグアスにのみ注力するのが最も簡単で最も早い。むしろ取り巻きに気を取られているとジリ貧なので、望み通りオールマインドの刺客であるマインドα、β、シースパイダーは無視してイグアスとのガチンコに集中しよう。
死闘の末オールマインドを撃破すると、エアと621は自分たちの意志でコーラルを解放する。
…コーラルリリースが始まります
美しいと…思いませんか?
コーラルが解放された事で放たれる禍々しい真っ赤な光を「美しい」と形容するエア。
その高エネルギーに巻き込まれ、意識を失う621。
621が目覚めた時、既に621とエアの意識を乗せたコーラルは星々に伝播していた。コーラルは廃棄されたACに宿ることで身体を得て、次々と立ち上がってゆく。
宇宙中に拡散したコーラル達。その行く先は破滅か、それとも新たなる時代か。
私たちはもう…
いつでも どこにでもいる
レイヴン
ともに 新たな時代を…
アセンブル
彼女の乗機「エコー」(ECHO)は、有機的なデザインをした白色の軽量二脚機。
かつて技研が開発した無人AC「エフェメラ」(EPHEMERA)のフレームをベースに、コーラルを用いたエネルギーライフル・ブレード・ミサイル・シールドとコーラル兵器のオンパレード。……C兵器に心を痛めているはずの彼女なのだが、これはセーフなのだろうか?
なお、パーツはすべて技研製なのだが、その説明文では「フレーム・内装パーツはいずれも人間が操作することを前提としていないもの」「武装パーツはコーラルの群知能にEN干渉して兵器として使うもの」というぶっ飛んだ記述がなされている。
頭 | IA-C01H:EPHEMERA | 人間の視力を前提としたモニターにはなっていないという頭部。実弾防御に目をつぶればバランスよくまとまった優秀なパーツ。 |
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コア | IA-C01C:EPHEMERA | 人間の搭乗を前提としたコアボックスにはなっていないというコア。軽量かつジェネレータ出力補正に優れるが、防御面と安定性に難あり。 |
腕 | IA-C01A:EPHEMERA | 人間の神経を前提とした運動伝達にはなっていないという腕部。軽量さの割に反動制御・射撃適性・近接適性いずれも高水準。 |
脚 | IA-C01L:EPHEMERA | 人間の神経を前提とした運動伝達にはなっていないという脚部。軽量二脚の中でも積載量が少し多めで、もう少しだけ重めの武器を積みたい、という需要にこたえてくれる。 |
ブースター | IA-C01B:GILLS | 人間の耐G限界を全く考慮に入れていないというブースター。クイックブーストのリロード時間が最短であり連発できるようになるが、アサルトブーストが苦手。 |
FCS | IA-01F:OCELLUS | 人間の処理限界を全く考慮に入れてないというFCS。ベイラムの「FC-006 ABBOT」以上に近距離適性に振り切ったピーキーな逸品。 |
ジェネレータ | IB-C03G:NGI 000 | コーラルを用いた内燃型ジェネレータ。容量・出力とも優秀、チャージングからの復帰容量も破格だがEN回復が初期ジェネレータ以上に遅いという特性を持つ。EN回復のタイミングが戦闘のカギとなる。 |
コア拡張 | パルスプロテクション | 一か所に留まる設置型のパルスアーマーを展開する。普通のパルスアーマーに比べ、耐久力・持続時間に優れる。 |
右腕武器 | IA-C01W6:NB-REDSHIFT | コーラルライフル。技研製のプラズマライフル「IA-C01W1:NEBULA」のコーラル版で、通常火力の高さと連射性能を両立している。が、どうもEN兵器をコーラル化する試みの試作版であるらしく、性能を見比べると見かけ上の火力は高いがチャージ時の折角の爆発範囲が狭まっていたり連射速度が落ちていたりと強みが死んでしまっており、「コーラル製である」一点以外ほぼNEBULAの下位互換である |
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左腕武器 | IA-CO1W7:ML-REDSHIFT | コーラルオシレーター(発振器)。光波ブレード「IA-CO1W2:MOONLIGHT」のコーラル版で、刀身を持たず遠くから光波の斬撃を撃ち出す。チャージ攻撃はスキャンでターゲットさえすれば壁越しにでも敵を切り刻める |
右肩武器 | IB-C03W3:NGI 006 | コーラルミサイル。ミサイルと付くが実態はホーミングレーザーキャノンとでも言うべきもの。誘導性は低いが命中時の火力は目を見張るものがある。 |
左肩武器 | IB-C03W4:NGI 028 | コーラルシールド。機体全体をすっぽりと覆う球体型のシールドを展開する、いわばコーラル版プライマルアーマー。EN負荷はぶっちぎりの重さだが、その分展開中でも左手武器が使え、防御性能も優秀と至れり尽くせり。 |
なお、コーラル兵装はすべて「衝撃値=衝撃残留」、つまり与えた衝撃値が減衰せず一定時間まるまる残るという特性を持つ。
フレーム・内装・武装ともミッション中の隠しパーツ、もしくは報酬パーツである。取得条件に関してはネタバレになるため、ここでの言及は避ける。
ちなみに名前の意味は英語でそれぞれ以下の通り。
- EPHEMERA(エフェメラ):「短命なもの」、「(虫の)カゲロウ」
- GILLS(ギルス):「魚のえら」
- OCELLUS(オセルス):「単眼」(昆虫が持つ目のタイプのひとつで、明暗しか分からない代わりに情報の伝達速度が極めて速い)
- REDSHIFT(レッドシフト):「赤方偏移」(光が起こすドップラー効果により、遠くの天体の光の波長が赤外線側に偏ること。宇宙が膨張している証拠とされる)...だが、おそらく武器に使うエネルギーを赤いコーラルにシフト(変更)した、ぐらいの意味だと思われる。
- ECHO(エコー):「反響」、「山彦」を意味する言葉だが、その元ネタとなったギリシャ神話に登場するニュンペーのエーコーは紆余曲折あって肉体を失い、声だけの存在となったという。また、恋心を抱いたものの拒絶されたナルキッソスとの悲恋の話はあまりにも有名である。