曖昧さ回避
- 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブによる同名の楽曲
概要
作詞・作曲:飛鳥涼
編曲:澤近泰輔
CHAGE&ASKAの35thシングルで、1994年8月3日にポニーキャニオンよりリリース。
同じく35thシングルの収録曲とされた「HEART」「NATURAL」も含めた、チャゲアスの15周年記念三部作のトリを飾る曲としても位置づけられており、シングルリリース直後の同年9月にはこれに関連して、インタビュー映像を交えつつこれまでのライブの模様を収録した映像ソフト「15th ANNIVERSARY On Your Mark」も発売。本曲もPV映像(後述のジブリ作品とは別個のもの)と併せて収録されている。
また、元来が「アメリカン・フェスティバル'94」のテーマソングとして作られたことから、リリース当時に発行されたファンクラブ会報においては、その歌詞や曲についてもアメリカのカッコよさ、その大地の雄大さを表現したものと説明されている。
前出の「アメリカン・フェスティバル'94」の他にも複数のメディアでの使用例があり、比較的最近のケースでは2023年放送の「Iwataniスペシャル 鳥人間コンテスト2023」のエンディングテーマとしても使用されている。
PV映像
本曲のリリースの翌年、1995年7月に映画『耳をすませば』との併映で発表されたジブリ作品。近未来の地下都市で警官二人(chageとaskaに似る)が、羽の生えた少女を見つけ、空へ帰そうと奮闘するという内容である。
台詞の一切ない、映像と音楽・効果音のみで構成された作品であり、尺もわずか7分弱の短編であるが、宮崎駿が『天空の城ラピュタ』以来に手掛けた本格SFアクションであるのに加え、ジブリとしては始めてCG技術を導入していたりと、ジブリ作品の中でも様々に重要な位置にある一編でもあり、その映像作品としての完成度の高さも含めて、今なお根強い支持を得ていることでも知られる。
制作にあたってのインタヴューにおいて、インタヴュアーは
と言っている。その際宮崎は
- 「押井くんが天使出さないから こっちでやっちゃったよ」
と言いながら、その少女について
- 「ただ羽の生えた人かもしれない」
とも言っている。
以上のとおり、本作はチャゲアスの曲のプロモーションビデオとして造られた物であるが、ソフト化したものは「チャゲアスの曲がBGMになっている」上ジブリのお家芸化している「銃声や、弾丸が物にあたる音等」が偏執狂的に入ったヴァージョンが収録されている。
作成当時ジブリと宮崎駿は、「『美女と野獣』を翻案したアニメ」の制作に行き詰っており、たまたま来たこの依頼を受け、作ったところ、そちらの方も何とかなってしまったという逸話が残されている。
備考
宮崎アニメとしては珍しい近未来SFで、世界観はサイバーパンクとアトムパンクの中間と言ったところ。第一印象は作成当時すでに有名なAKIRAを思わせる地下都市。
地上の背景にはコッペリオンを先駆けた汚染された世界で、封印された核施設や廃棄された町などが見える。
さらに建築物にはルパン三世(第2期・最終回)に登場したロボット工場が確認される。
2014年発売の『宮崎駿監督作品集』に収録予定であったが、ASKAこと飛鳥涼が覚醒剤で逮捕されてしまったために取りやめとされている。本作はこれ以前にも『ジブリがいっぱいSpecialショートショート』にも収録されていたが、事件の余波で出荷停止され、なかば封印作品になってしまった。
ただし、『~作品集』に同梱されていた購入証明書を送れば、本作を収録したDVD/ブルーレイが配布されるという救済措置が採られた。
道楽と趣味で、第二次大戦までの兵器と人の姿を描く不定期連載漫画『宮崎駿の雑想ノート』を掲載している雑誌「モデルグラフィックス」の編集長、梅村弘氏に語ったところによれば、製作者は、第二次大戦時ドイツで製作した、新兵訓練用教育映画、邦題『対戦車戦』を戦闘シーンの参考にしたと言っている。(「モデルグラフィックス」の大日本絵画社から「戦後50年」の1995年前後にビデオで発売されている)
関連タグ
風の谷のナウシカ:本作は『ナウシカ』の前日談と言われる。また、本作の終盤で羽の生えた少女が天高く飛び上がり小さく映るシーンと、アニメ版風の谷のナウシカにてナウシカが最初に画面に映るシーン(メーヴェで飛んでいるナウシカが小さく映っているカット)が非常に近似したものとされている