20020形とは、富山地方鉄道が保有・運行している鉄道線用の車両。
2022年2月現在、3両1編成が活躍する。
キャニオンエキスプレスの愛称を持つ。
概要
西武鉄道10000系(ニューレッドアロー)を譲り受け改造したもの。
2020年2~3月に廃車になった車両のうち、10102編成の1号車(クハ10102)と、10106編成の1~3号車(クハ10106、モハ10206、モハ10306)の4両を購入した。
なお、クハ10102については、西武秩父線横瀬駅の車両基地にて方向転換を行い、背中合わせに連結している。
2020年10月11日~12日に、富山県の魚津駅まで甲種輸送された。
輸送されるまでは、長期間横瀬車両基地に留置され、小手指車両基地にて整備を受け、秋津よりJR線へ搬出された。
牽引した機関車は、新秋津~高崎間がEH200-13、高崎~南長岡間がEH200-14、南長岡~魚津間がEF510-18。
2020年10月12日に、ニュースにて『富山地方鉄道が、西武鉄道の特急車両を1編成購入し、2021年度の運用開始を目指している。』と報道された。(※COVID-19の影響で当初予定より遅れているとも発表された。)
その後、長期間に渡る改造を行った後、2022年1月7日より試運転を開始している。
2022年2月19日より運用開始。
2023年9月16日~10月9日、列車の愛称を募集。
11月3日、愛称が「キャニオンエキスプレス」に決定したと発表された。(参照)
地鉄仕様への改造
西武時代は7両編成だったが、富山地方鉄道で運用するにあたり、3両編成に短縮されている。
主な改造内容
- ワンマン化改造(各車両への整理券発行機の取り付け、乗務員室仕切りへの窓の設置、精算機の設置、運転席への車内監視モニターの設置など
- モハ車のパンタグラフ変更(シングルアーム→菱形パンタ)
- 元クハ10102の電動車化(モハ10306を部品取りにし、クハ→モハへ改造。パンタグラフは未設置のまま。)
- 元クハ10102のトイレ設備撤去(トイレや洗面所を全て撤去し、余剰になっていたリクライニングシートをロングシート状に設置。またつり革も取り付け、優先席とした。この区画に窓はない。)
その他
- デッキはそのままだが、扉が全開のまま固定されている。
- 元クハ10106のトイレはそのまま使用可能とした。また、自販機も残っており、地鉄グッズを販売している。
- 塗装は西武鉄道時代のまま変更なしで、NRAマークもそのままだが、西武鉄道ロゴマークが地鉄のものに変えられており、前面に「TOYAMA REGIONAL RAILWAY」の英字と車番が貼り付けられた。
車番
1号車 | 2号車 | 3号車(元1号車) | |
---|---|---|---|
地鉄 | クハ221 | モハ20022 | モハ20021 |
西武 | クハ10106 | モハ10206 | クハ10102 |
※モハ10306は部品取り車
運用
2022年2月19日より運行開始。
28日までは固定ダイヤが組まれ、平日は普通列車として2往復、土休日は3往復で、5本は普通列車、宇奈月温泉駅→電鉄富山駅の片道1本は特急うなづき2号として運行された。
それ以降は、通常の列車として運行されている。
その他
富山地方鉄道では先代レッドアローの西武5000系が16010系として活躍しており、富山の地で新旧レッドアローが25年ぶりに揃うことになる。
また、西武10000系の足回りは西武5000系からの流用であるため「生き分かれていた足回りと車体が25年ぶりに再会した」とも言える。(16010系の足回りは485系などから流用したキメラ状態。)