機体データ
概要
ZGMF-X09A ジャスティス、ZGMF-X10A フリーダムに採用予定だった各種火器の評価試験を目的に建造された実験機。C.E.71年2月中〜下旬頃に完成した(ちなみに同時期に初の核動力機ドレッドノートがロールアウトしている)。
ジャスティスやフリーダムとほぼ同種の装備を搭載している他、背部にはジャスティスに装備されたリフター「ファトゥム-00」のプロトタイプを背部に装備している。さらに、ザフトでは初めてフェイズシフト装甲を採用している。なお、ジャスティスとフリーダムの全火器の中で、ジャスティスの「RQM51 バッセル・ビームブーメラン」とフリーダムの「M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲」は搭載していない。前者はジャスティスの開発後期に開発・製造されたため時期が合わず、後者については普通に搭載してしまうとリフターと干渉してしまうためか、同名の別構成機体を用いて試験を行ったようである(つまり、本機にはリフター仕様とバラエーナ仕様の2種類存在する可能性が高い)。また、あくまで「火器運用試験」が目的のためか、防御兵装であるシールドも搭載していない。
ニュートロンジャマーキャンセラーの実用化前(当時のプラントでは反核感情により核の兵器利用が忌避されており、同時期のドレッドノートもあくまでデータ収集用で処分予定な上、そのドレッドノートで核動力の運用テストを行っている状態だった)に建造されているため、動力源は核エンジンでは無く従来のバッテリーを搭載、各種の新型火器の使用やフェイズシフト装甲によって稼働時間は極端に短く、その稼働時間は最長でも5分に満たない。そこで、リフター内部に補助パワーパックが増設されたが、それでも稼働時間は10分に延長するのがやっとである等、火器の運用試験を目的としていたこともあって実戦向けの機体であるとは言えなかった。
ただし、ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてはヤキン・ドゥーエ基地に直結されたエネルギーケーブルを機体に接続し、固定砲台として運用された例が存在する。
機体構成
その名の通り背部とサイドスカートを除いてゲイツそのままであり、そこに装備を搭載した形である。
スラスター
メインスラスターはジャスティス同様に背中に接続しているリフターとなっているが、フリーダムのメインスラスターに近い形を持つ噴射ノズルを2基備えている。しかし、噴射ノズルに関しては、リフターとの干渉を避けるため、リフター側に噴射ノズルを抑えるための凹凸が存在し、リフターを外さなければ使用できないようになっている。
武装
MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲
頭部に内蔵されているバルカン砲。
鹵獲した第1期GAT-Xシリーズのイーゲルシュテルンを参考にした固定式火器である。
MA-M20ルプス ビームライフル
ゲイツ改の主武装となるビームライフル。
GAT-Xシリーズ等のビームライフルを凌駕する威力を持つ。
形状はストライクの57mm高エネルギービームライフルに酷似しており、そこからカバーを被せたような見た目。
MA-M01ラケルタ ビームサーベル
高威力で刃渡りが長いビーム刃を形成出来る。
こちらもビームライフルと同様に、バッテリーからのエネルギー供給の為か長時間の形成に関しては困難である。
仕様上、2本のビームサーベルの柄同士を連結させた「アンビデクストラス・ハルバード」形態をとることも可能とされる。
非使用時は両腰のクスィフィアス上部のラックにマウントされる。
MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
両サイドスカートに設置された、折り畳み式の砲身とスラスターを併置したレールガン兼AMBAC(姿勢制御)ユニット兼サーベルラック。
ザフトにおいて後期主力携行装備として開発されていたシヴァの技術をスピンオフした装備で、小口径の弾丸を高速で電磁射出する事が可能なほか、プラズマを発射可能な汎用性を持つ。
実弾の投射はビーム兵装ではないためPS装甲には無力化されてしまうが、水中での使用やラミネート装甲、ゲシュマイディッヒパンツァーに対しても効果を発揮する。
実弾兵器であるため、ビーム兵器よりもエネルギーは消耗されないと思われがちだが、電磁投射器は電磁力の砲身を形成するため、物凄くエネルギーを消耗する兵器である。
他の装備の消耗も踏まえると、この装備も連続での使用は困難となる。
後に、巡り巡ってこの装備の改良型が系列機のゲイツRに搭載される事になる。
リフター
ジャスティスのファトゥム-00の原型タイプ。
本体であるゲイツ改と同様にフェイズシフト装甲が施されている。
ファトゥム-00と比較すると、両側にエンジンブロックがその上部に搭載された「M9M9ケルフス 旋回砲塔機関砲」諸共存在せず、中央部に縦に二連結したスラスターを搭載している。そのため、中央部が肥大化している。また、そのエンジンブロックの代わりに補助パワーパック(追加のバッテリー)を搭載している。バックパックにバッテリーを追加で搭載して稼働時間を延長する方法は地球連合軍のフォビドゥンでも採用されている。
マウント部(本体との接続部)はジャスティスとは異なり凸型のものとなっており、ハンガーのように機体に引っ掛ける構造となっている。そのため、リフター形態(ハイマットモード)を取ることはできず、リフターに搭載された火器を前方に向けるにはリフターを外す必要がある。
また、リフターの中央裏には本体に搭載されている2基の噴射ノズルを収めるための凹凸が存在する。
MA-4Bフォルティス ビーム砲
リフターの前部に2門搭載されている、高出力かつ速射型ビームキャノン。
ジン等のバルルス改特化重粒子砲やバスターの超高インパルス砲の技術が転用されている。
GAU5フォルクリス 機関砲
翼からフォルティス砲身間に内蔵された機関砲。
必要に応じて弾種を炸裂弾や徹甲弾に変更することができる。
その他
M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
計二門装備された高出力プラズマビーム砲。
一門でもランチャーストライカーのアグニに匹敵する出力を誇るという絶大な威力は立証済みでありながらも、2発の発射で本機が機能停止するほどの電力消費量が問題となり、事実上失敗作の烙印を押された。
フリーダムの設定にて本機にて発射試験を行ったという記述はあるが、その砲身の大きさから無理なく装備しようとするとバックパックのように背負う形となるためか、本記事にて紹介しているリフターを搭載したモデルには搭載されておらず、本装備専用の別モデルが存在した可能性が高い。
関連機体・バリエーション
ZGMF-600 ゲイツ
改修前の素体。
ZGMF-X09A ジャスティス
新型火器を制式採用した機体その1。
本機の装備から、ピクウス、ルプス、ラケルタ、リフター(搭載の際に改修されファトゥム-00となる)を採用している。
ZGMF-X10A フリーダム
新型火器を制式採用した機体その2。
本機の装備から、ピクウス、ルプス、ラケルタ、クスィフィアスを採用している。