pixivのタグとしては「里樹妃」とされる事も多いので、検索に注意。
また単に「里樹」としてしまうと「氷里樹」のように別作品のキャラがヒットしてしまう事がある。
そのためタグの付与や検索には工夫が必要になる場合もありうる。
概要
ライトノベル「薬屋のひとりごと」に登場する上級四妃の一人である。
里樹妃と呼ばれることが多い。魚介アレルギー。
物語開始時点のプロフィール
位 | 徳妃 |
---|---|
住居 | 金剛宮 |
年齢 | 数え年14歳 |
イメージカラー | 白 |
出身地 | まだ明確な描写は無い |
氏族 | 「卯」の一族の直系。亡母が本家、父が分家。 |
CV | 木野日菜 |
人物
経歴
いわゆる劇中でいうところの「名持ちの一族」である卯の一族の、劇中で唯一生存している直系(本作では十二支にまつわる苗字を持つ氏族は特別な名家ということになっている)。だが、時代は先帝の頃に実権を握っていた先皇太后(通称女帝)によって家柄主義から実力主義に移行しつつあり、一族自体は落ちぶれつつあった。
こういった背景からか、重度のロリコンだった先帝に数え年9歳で嫁がされ、わずか数年で未亡人として尼寺に出家する羽目となる。南の太守をしているエロじじいに妾扱いで政略結婚寸前だったところ、それを哀れに思った阿多妃と現帝が再び上級妃とする形で引き取り、冒頭の立ち位置となっている。
だが、二度目の後宮も里樹にとっては苦痛なものとなる。まだ幼く世間知らずな上に、あまつさえ「亡き夫の息子に嫁ぐ」という節操の無い入内を果たし、上級妃にもかかわらず本来の後宮の役目である「帝のお通り」が無いことから、自分の侍女にすら蔑まれナメられ虐められている。
政略結婚で数え9歳から振り回された挙句、その後も登場する度に概ね酷い目に遭うため、猫猫をして「不幸体質」「薄幸の姫君」「不憫過ぎて助けずにいられない」と評されている。
なお、里樹妃の亡き母は現帝・阿多妃の幼馴染である。そのため現帝とは互いに親子のような関係と認識しており、上級妃のひとりでありながら「帝のお通り」がなく、現帝も里樹に手を出す気は全くない。
幼少の頃は当時まだ東宮だった帝の膝に乗って「ひげのおじちゃん」と呼んで懐いていた。
容姿
カールした栗毛が特徴的な美少女。白を基調とした中華風ロリータ風の衣装を纏っている。
猫猫曰く「ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私よりつるぺた(注:意訳です)」とのこと。一応まだ成長期だが、実は貧乳を気にして育てようとした経緯もあるらしい(そしてそれも空回った)。
初登場時は濃い桃色をベースにしており、赤を基調とする玉葉妃と被っていた。「空気の読めない子」にみられたが、これも侍女達の嫌がらせ。本来五行に従うなら「白(金徳)」だった筈のところ、幼い本人は気付かなかった。その後は、ちゃんと白を基調とした服装をするようになる。
性格など
基本的に気が小さく、大人しい少女。頑張って気丈にふるまっているものの、小動物のようにビクビク萎縮している場面が多い。
上級妃と言う立場が自分には過ぎたものと思い、他の上級妃に劣っていると捉えている。他の上級妃たちが揃って優秀であるため、対象がおかしいのだが、こういったことも里樹の自信の無さに拍車をかけている。幼い頃に亡くした母が恋しい数え14歳。
初登場の園遊会でこそ(侍女たちの唆しにより)居丈高で強気を装っていたが、空回り。また、後宮という伏魔殿の上級妃なのに赤くなったり青くなったり顔面が忙しく、隠し事もできない。猫猫すら心配しているが、見方によっては可愛いキャラで、読者視点からは所々で殺伐としがちなストーリーでの清涼剤かもしれない。作中では、母の形見を胸に人目憚らず涙でくしゃくしゃになるシーンもある。
経歴の関係からも判るが、生娘である。そればかりか、後宮に入内していながら色事に全く耐性が無い。
猫猫講師の上級妃向け「花街流、保健体育の授業」を受けた時は魂が抜けており、講義終了後は「ぜぇったいむり」と涙目で柱に頭をゴンゴンぶつけていた。…が、その時の「教科書」はちゃんと持ち帰った。
関係者
侍女頭
劇中にて里樹妃へのいじめが外部に発覚し、最初は毒味役だった侍女の「河南」に代わっている。
河南
最初は里樹妃をいじめており、嫌いなものを食べさせる嫌がらせのつもりで里樹妃に「食べられないもの(アレルゲン)」を与えた。それを猫猫に見抜かれ、危険性を教えられると共に二度と食べさせないように強く言われて以降、里樹妃に味方するようになった。今では猫猫からも信頼できる侍女と評価されている。
侍女
多くの侍女たちが、登場して間も無く里樹妃への忠誠心が無いことを猫猫に見抜かれている。
実家の親族
- 卯柳:父親。元は卯の一族の分家筋だが商売を成功させていた手腕を評価され、本家へと婿養子として入った。だが婿入り以前から妾を囲い、二児をもうけていた上、本妻が亡くなると妾を後妻に迎え、本妻との子である里樹を冷遇し、妾との子を甘やかしている。そして、自身の周囲は自分に逆らわない者達で固め、当主としての権限を揮っている。
- 異母姉:卯柳と妾の第二子。幼い頃に本家へ連れて来られた事に加え、父親に甘やかされ、周囲のお付きも父親に従順な者達ばかりであった事で増長し里樹を虐めている。
- 卯純:卯柳と妾の第一子。異母兄。都で文官として出仕している。当人曰く、自分はとても弱い生き物との事。父や妹と異なり、里樹を嫌う事も虐める事は無かったが、父に逆らえないという理由で助ける事も無かった。驕慢な強者や思い上がった弱者を嫌悪軽蔑している。当然、父と同母妹も嫌悪軽蔑している。
その他
実質的な保護者。里樹が最も信頼し慕っている人物。
阿多妃も子を亡くした上に、子を産めない身体になっている点などから猫猫は「いびつな共依存」と推察している。尤も里樹の母親とは親友だったので、亡き友への友情といった部分もあろう。ちなみに、現帝も実の娘のように思っている節がある。
憧れの人。美しい容姿からだけではなく、気弱な自分自身を気遣ってくれた人物であり、ずっと慕っていた様子。しかし、ある時彼の「天女」ではない砕けた笑みを見て、「自分は特別ではない」と気付いてしまう。後に妃候補の一人に選ばれるが、「自分にはもったいない」とさりげなく辞退する。
- 馬閃
亡き母の幼馴染である高順の息子。ある事件の際に馬閃に助けられており、嘘偽りのない真っ直ぐな人柄と、いつも身を挺して助けてくれる事から彼に好意を抱くようになる。馬閃もまた彼女が上級妃だと理解しながらも好意を抱いており、彼女の悪口を言う輩には喧嘩を売ってしまうこともしばしば。
- 猫猫
園遊会の件で、アレルギーついて指摘されて気を付けるよう忠告。以降もどうしてもほっておけないようで、度々気を使うようになる。何度か助けられたにもかかわらずオドオドした態度しか取らないので、猫猫としては地味に傷ついていたらしい。ただし、物語が進むと意外と猫猫を信頼していることが判る場面が出てくる。
ちなみに、(色々思うところあって)壬氏に「妃にしてはどうか」と勧めた事があったが…壬氏は直後に激怒。以降は口に出さず、素直に馬閃との仲を応援するようになる。
里樹の不遇エピソード(ネタバレあり)
- 幼少期に蜂蜜を食べボツリヌス症になり死にかける。本人はしっかりトラウマになっている。
- その経験を、ある人物に善意で伝えたら逆恨みされて狙われる羽目に。
- 幼くして母が没する。
- 父から冷遇される。
- 異母姉からいじめを受ける。
- 数え9歳(満年齢7~8歳)でロリコンの先帝と政略結婚させられる。
- 後宮でもいじめに遭う。しかも普段は「味方」のふりをしている侍女たちからであり、当初は気付いていなかった。
- 園遊会で恥をかくよう仕向けられる(先述の衣の件)。
- 園遊会で食べ物を残すわけにはいかない空気を利用され、アレルゲンが抜かれた料理とそうでない料理をすり替えられアレルゲンを食わされる(先述)。数分後かゆみを伴う蕁麻疹が出る。
- 上記とは別件で、園遊会の食事に毒を盛られる。料理のすり替えのおかげで結果的に命拾いする。
- 元侍女頭に「下賜」と称して、簪を奪われる。この件に関しては物的証拠があった為、壬氏がその場で(物凄い笑みで)釘を刺していた。
- 大切にしていた鏡(母の形見)を奪われそうになる。
- 乳糖不耐症(多分)。
- 盗賊をけしかけられる。
- 怪しげな薬を嗅がされる。
- ライオンに殺されかける。
- 不貞を疑われ、幽閉される。しかもその証拠を突きつけてくるのが元侍女頭。おまけに幽閉された所が謀略の主犯格の隣あわせ(もちろん里樹はそんな事は知らないし気付きもしない)。
- 信じていた筈の猫猫に手をワキワキさせ生娘か否か「直接」確認される。
- 謀略の主犯格から、とても親身に話を聞いて貰った結果警戒心を溶かされ精神を掌握されたあげくイロイロと話してしまい、さらに頃合いを狙って効果的に自尊心を削られて悪意を吹き込まれ、自己肯定感を剥奪されての心神耗弱から躁鬱病(併発のため精神のジェットコースター状態)に陥り、結果母もいるであろう自分を受け入れてくれる世界を目指して「アイ・キャン・フラーイ」を決行(違和感に気づいた猫猫と間一髪で間に合った馬閃のおかげで未遂に終わり一命を取り留めたが)。