華ロリ
はなろり
「中華風」をコンセプトに、チャイナドレスをロリィタファッションに、あるいはロリィタファッションをチャイナドレス風にアレンジした服のこと。
コンセプト自体はだいぶ前からあったのだが、ロリィタファッションの中ではかなりマイナーで、日本国内では「中華風ロリィタ」「チャイナ風ロリィタ」「チャイナドレス風ロリィタ」など、呼ばれ方がバラバラで認知されづらかった上に、甘ロリやゴシックロリィタの高い認知度の影に隠れてしまい、仮に人の目に留まったとしてもコスプレ衣装としか見られていなかった。
しかしながら、海外では「Qi-Lolita(チーロリィタ)」と呼ばれ、れっきとしたロリィタファッションのひとつとして扱われており、2014年11月にNAVERまとめにおいて、
「『和ロリ』に続くは中華ロリ!チャイナドレスイメージのロリィタファッション『Qi Lolita』」
と題された記事が掲載されると、これがTwitterで話題となり、Pixivでもその服を着た女の子のイラストが投稿されるようになった。
上記で説明したように、従来、このスタイルの名称は日本では定まっておらず、半ば海外から逆輸入する形で話題となったため、「Qi-Lolita(チーロリィタ)」のままでも良いだろうと思われがちだが、先のNAVERまとめの記事の中で、
「少なくとも『チーロリ』『チロリ』はおすすめしない。Qi-Loriのqiは『チーパオ(qi-pao)』のqiだが、日本ではチーパオは一般に『チャイナドレス』『チャイナ服』と呼ばれているので、『チーロリ』と聞いても『チーパオのチー』と連想しにくい。」
「また、『チロリ』は『釣りえさ用のうじょうじょした虫』を指すので、もし『チロリ』で定着してしまうと検索が地獄絵図と化す。
チャイニーズロリィタ、中華ロリ、様々な呼び方が考えうるが、ひとまずここでは『和ロリ』『和ゴス』との対比を考慮し、『華ロリ』『華ゴス』と呼ぶことにする。」
(NAVERまとめより抜粋)
という編集者の考えから便宜上「華ロリ」という呼称がつけられ、それがそのまま定着する結果となった。
ちなみにNAVERまとめの説明にあるとおり、「チャイナドレス」は中国語で「旗袍:Qi-Pao」というのだが、中国では華ロリのことを「中華風蘿莉塔」、「中华风Lolita」、「中國風蘿莉塔」などと呼んでおり、チャイナドレスとの関連性は逆に感じられない。
そのため、海外での「Qi-Lolita」という名前が、いつ、どこで、どういう経緯でつけられたのか、今のところ不明となっている。
ややこしい事に「元々は漢民族の服ではなく満州族の民族衣装やそれが元になったチャイナドレスや旗袍をイメージしたもの」も「清朝以前の漢民族の伝統的な民族衣装である漢服をイメージしたもの」のどちらもこの名称が使われているので注意が必要となる。
NAVERまとめの記事を読み、「華ロリを着たい」と思った人も多かった。が、そこに掲載されている画像が中国のショッピングサイト「淘宝商城(タオバオ)」のものだったため、品質に対する不安や、それ以前にネット詐欺を警戒する声が出た。
(タオバオも偽造品対策に力を入れ、ブランドの所有権や販売権を厳しく審査し、悪質な売店だと判り次第、強制処置するなど行っているが、やはり追いついていないのが実態のようだ)
それとは別に、台湾出身のデザイナーが製作し、日本の販売店に納品するなどの活動を行っている。
ケーキとスコーン、それとサンドイッチが乗ったケーキスタンド。というのが定番のお茶会(アフタヌーンティー)だが、かつてイギリスの植民地であった香港やシンガポールのホテルでは餃子や焼売といった点心が出ることも多い。
一見して違和感のある組み合わせだが、紅茶に含まれているタンニンが肉などの油脂分を分解して口の中をさっぱりさせ、加えてカフェインが脂肪燃焼を促進してくれるので、実は理に適っている。
考えてみれば、イギリスに「フィッシュ・アンド・チップス」という非常に油っこい料理が存在しているわけで、同じ理屈から天ぷらやあじフライ、さらにはハンバーガーも楽しめ、なにもケーキやスコーンやサンドイッチに拘る必要はない(「それじゃロリィタな雰囲気にならない!」と言わないのであれば、だが)。
ただし、紅茶に砂糖やミルクを入れてしまうと意味がないので、ストレートで飲むこと。
- チャイナ服のエッセンス。華ロリのイラスト特集 - pixivision(2022年8月30日)