はじめに
この記事では、言いたいことはなんとなく伝わるけど「Pixivでなければ分かりづらい表現」「まわりくどい言い回し」「人によってはドン引きする書き方」「ちょっと長い余談」などが多いです。
これは、時間の経過によるロリィタファッションの変化や、記述された内容が間違いであったと判明した場合に、百科事典内での改訂・修正は容易だとしても、コピペをされた他のサイトでは古かったり、間違った情報がそのまま残ってしまう可能性があり、それを未然に防ぐために安易な転載を躊躇わせるのが目的です。
あらかじめご了承ください。※現在はかつての流行時ほどはこのようなアフィリエイトサイトへの転載が危惧されていないため、冗長化を修正すべきという声がコメント欄に上がっています。
この記事では、その情報が編集者の憶測や偏見だけで主観的に書かれたものではないことを示すために、参考として他のサイトからの引用が複数箇所ある。しかし、その部分に関してこの記事で説明していることと、引用元で言わんとしていたこととの間に若干のズレが生じている可能性も無い事、他のサイトでも編集者の勘違いに基づいて誤った説明がされている事も多い(実際にとあるキュレーションサイトでは、盗作やトラブルの多さで悪名高い通販ショップのMilanooが普通に紹介されてしまったケースもあった)。
そのため、ロリィタファッションについてより詳しく知りたい場合は、この記事や他のサイトのいずれか一箇所の内容だけを鵜呑みにせず、引用元を含めた複数の関連サイトを巡ることを推奨する。
とはいえ、普通に検索しても、通販サイトやキュレーションサイト、さらにはそれを丸写したものなどがネット上に溢れており、有益な資料を探し出すのも一苦労なため、以下のサイトを参考例に提示する。
1. 文献に基づいた、ロリィタファッションの概要を理解したい場合 → Wikipedia「ロリータ・ファッション」
2. ロリィタとゴシックとゴシックロリィタの違いを詳しく知りたい。あるいは、ロリィタファッションを成す細かい部分を詳しく知りたい場合 → ゴシックロリータ@Wiki
3. ロリィタファッションのイラストを描くための素材(アイデア)が欲しい。あるいはロリィタファッションに関して国内外でどのような動きがあるのか知りたい場合 → 本記事。または本記事の「関連サイト」の項で紹介しているサイト
タグについて
ロリィタファッションのイラストを投稿した際、和ロリやミリタリーロリィタといった明確なコンセプトがなく、どんなタグをつければよいか分からない場合は、主流である「ロリィタ」を、ダークなイメージや猟奇性を含ませている場合は同じ理由で「ゴスロリ」をつけることを推奨する。
概要
基本的な説明
ロリィタファッション(LolitaFashion)とは、少女らしさを強調するようなファッション様式の1つである。
少女らしさを強調するようなするようなデザインのファッションであり、レース、リボン、フリルをあしらったり、レーシング(編み上げ)やパニエ、ヘッドドレスを取り入れたりなど、主に前近代のヨーロッパのファッションデザインをイメージしたものとなっている。現在では、様々な派生も存在する。
前身としては「ロリータルック」や「ナゴム系」があり、クラブファッションから派生している為、同じふりひら系ファッションのピンクハウス系等とはまた一線を画す。
「ロリィタ」と「ロリータ」
ロリィタファッションでの「ロリィタ」が少女性愛を意味してよく使われている「ロリータ」と混同されてしまうケースは以前からあり、こうした甚だしい勘違いを避けるために、文章やネット上では「ロリ-タ」ではなく「ロリィタ」と表記されるケースも増えた。
この「ィ」表記が始まったのには
1. 前述のとおり、単純に「ロリータコンプレックス」と混同したイメージを嫌った結果。
2. やはりGoogleなどの検索エンジンで「ロリータ」で検索すると、アダルトサイトが多く目につく結果となるので、それを避けるために自然と「ロリィタ」表記が増えた。
3. 元々、「ロリィタ」の方が先に存在していた表記で、「ロリータ」は後から使われ始めた。
4. 一部のV系ミューシャンやアーティストが自分たちの歌詞に旧字体を使っていて、彼らのファンがこれを真似て、ネット上で「イ」を「ィ」とか「ヰ」と書きはじめ、それが残ったもの。
5. ロリィタブランド「メタモルフォーゼ」の販売員が使い始め、これが広まった。
など、諸説ある。
実際にどちらが正しいかというと、どちらとも正しい。雑誌KERAや「ゴシック&ロリータバイブル」、Wikipediaの「ロリータ・ファッション」の項目、「日本ロリータ協会」の公式サイトのように、それが明らかに「ロリィタファッション」だと分かる環境でなら「ロリータ」でも良いし、先にも書いたGooGle検索などのような男性向けのコンテンツなどと混同しやすい状況なら「ロリィタ」が無難である。
「ロリータ」という厄介な言葉
そもそも、「ロリータ」という言葉には、
0. ウラミジール・ナボコフが書いた小説。詳しくはPixiv百科事典「ロリータ(小説)」を参照のこと。
1. 0から派生して、少女を指す言葉。詳しくはPixiv百科事典「ロリータ」を参照のこと。
2. 1から派生して、変態紳士の性対象としての小さな女の子だけを指す言葉。詳しくはPixiv百科事典「ロリコン」を参照のこと。
3. 1から派生して、少女が着ていそうなデザインの、大人の女性が着るための服。この記事で説明。
4. 0から派生して、小説のヒロインであるドロレス・ヘイズのようなの気性のこと。
5. 4から派生して、「小悪魔的」「魅惑的」など、ドロレス・ヘイズのようなの気性をイメージして表現されるもの。
と、似て非なる複数の意味合いを内包している。ロリィタファッションが指すのは3のことだが、中には「種類とその分類」の項で紹介するロリィタパンクのように5の意味合いで「ロリータ」と呼ぶケースもあり、確かに判りづらい。
2での「小さな女の子」にしてもPixiv百科事典の「ロリコン」でも指摘しているように、ロリコンブームの始まった1980年頃には、劇場アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)に登場するクラリス(設定年齢16歳。死に行く人を抱きよせる胸の持ち主と同い年である)がロリータと呼ばれていたのだから余計に判りづらい。
その後、宮崎勤事件の影響か、「ロリ」と呼ばれるのは幼児から小学生、あるいは外見がそのくらいに見える女性に限定されるようになった。
原宿系ファッションについて
ロリィタファッションは、俗に「原宿系」とか「青文字系」と呼ばれるファッションに分類されている。
「原宿系(または青文字系)」とは、「他から見てどうか」ということよりも「私はこういうのが好きだ」「私はこんな奴だ」という風に個性を表に出すことを主とし、その中にはKERAで扱っているようなロリィタファッションやBOKUガール(男装)の他、雑誌「FRUiTS」が掲載するようにエッジの利いたスタイル、さらには雑誌「Zipper」で取り上げているような普通にカジュアルなものも含まれ、判らない人にとっては、「なるほど、わからん」という感想になるのが当たり前の環境となっている。
本記事ではKERAで扱っているスタイルだけを指して「原宿系ファッション」と書くことにする。
種類とその分類
一言にロリィタファッションといっても、その種類はいくつかあり、分類の仕方も人によってまちまちである。例えば、ゴシックロリィタの歴史に詳しいサイト「ゴシックロリータ@Wiki」では甘ロリ、クラシカルロリィタ、ゴシックロリィタの三つに大きく分け、黒ロリや白ロリは甘ロリに含めた方が良いとしているが、雑誌「ゴシックアンドロリータバイブル」でも初期の頃は黒ロリか白ロリしか紹介されていなかったという証言がある。(雑誌が創刊されたのは2000年。ちなみに『下妻物語』が映画化されて甘ロリが広く知られるようになったのが2004年である)
2014年6月27日に放送されたTV番組「バナナマンの決断までのカウントダウン」においては、神田沙也加の買い物に同行取材した映像の中で、ロリィタファッションは大きく分けて五種類ある(甘ロリ、姫ロリ、クラシカル、和ロリ、ゴスロリ)と紹介している。
ただし、ここで紹介するスタイルにはロリィタファッション愛好家が普段着で着ているスタイルもあれば、日本の振袖と同様にそれを着る「時(Time)」と「場所(Place)」と「場合(Occasion)」が限られているもの、さらには固有の名称やステレオタイプとなる基本的なコーディネートはあっても実際にはコスプレ撮影かイラスト創作でしか使われていなかったり、すでに過去の産物となって有名無実化しているものまである。
このように、具体的に調べるとあまりにも種類が細分化されていて混乱しやすい状況なので、基本的には甘ロリ、クラシカルロリィタ、ゴシックロリィタの3つだけ知っていればよい。
何故かといえば、たとえ華ロリやミリタリーロリータのようにネットで話題を呼んだスタイルであっても、「いつ着るのか?(Time)」「どこで着るのか?(Place)」「なぜ着るのか?(Occasion)」が明確であるのとないのとでの違いは大きく、代表的なスタイルの場合、甘ロリとクラシカルロリィタならお茶会や交流会、ゴシックロリィタならALI Projectや妖精帝國、あるいはヴィジュアル系バンドのライヴなど、ロリィタファッションをするための条件が全て揃っており、それぞれに楽しんでいる人が現実に存在しているからである。
付け加えて、本人たちの宗教的な信条から登場するに至った、ムスリマロリィタへの理解があればなお良い。
源流
ロリィタファッションの元となるファッションスタイル、あるいは確立したばかりで細分化する以前のロリィタファッション
ロリータルック
ロリィタファッションの前身となるファッションスタイル。「ロリータ」という言葉を「少女のようなあどけなさが残る女性」というざっくりとしたイメージで捉え、デザインされた服装。
電通の広告景気年表を見ると1987年のファッションのところに「キャリアルックからロリータルックへ-ミニ丈のフレア,女学生風の白い衿,フリルやリボンなどのディテールが流行る。」とあり、その翌年の1988年に楠木まきの「KISSxxxx」が連載開始。
当時、ヒロインの蟹かめのに憧れてMILKやJaneMarpleなどの服を着る読者も多く、ロリィタファッションの歴史を辿る際、この時の流行を「第一次ロリィタブーム」とする人もいる。(ちなみに第二次は後述する1990年代半ばのロリィタパンクで、1998年~2002年頃までのゴスロリブームが第三次。第四次が下妻となる。)
Old School Lolita(オールド・スクール・ロリィタ)
いわゆる「90年代後半から2000年代初め頃まで着られていたロリィタスタイル」で、プリントが少ない、もしくはプリントされていない服や、前髪を水平に切り揃える「前髪ぱっつん」と呼ばれる髪型などを特徴とする。
日本国内でこのスタイルを指す名称はなく、上記の太文字のような説明で指したり、個人で「90年代ロリィタ」「懐古ロリィタ」と表現したりしているに留まっている。一方海外では「Old School Lolita」と呼ばれている(「Old School」は直訳すると「出身校」だが、転じて「古典的」「懐かしい」などといった意味がある)。
最近になり、再評価する動きも出始めている。
黒ロリ
全身を黒一色で統一したコーディネート。海外でも「Kuro-Lolita」と表記されている。
白ロリと共に、現在では甘ロリの一つという認識で定着されている(というよりも、色で種類を分けるとサックスや赤やピンク…など、無駄に数が増えて面倒になる)が、実際にはそうとは限らず、黒一色のクラシカルロリィタも存在し、そうでなくとも、この「黒ロリ」の場合は他のスタイルと比べてもかなり特殊な歴史を持つ。
というのもゴシックロリィタやヴィジュアル系との関係で、1990年代にV系バンドが流行すると、ロリィタ服を着てライブに足を運ぶファンが現れるようになったのだが、
「ゴスロリの語源については本来はV系バンドのライブに黒づくめのロリータファッションで来る人々を 『ゴスロリ』と呼んでいた、という。黒尽くめがゴシックの様な着こなしであったためそう呼ばれたのではないかと考えられる」
(ゴシックロリータ@Wiki「ゴスロリの解説」より抜粋)
「従来のヴィジュアル系界では、そもそも、黒づくめのロリータをゴスロリと呼んできたのだが。近年のメディアの取り扱いはなんだかおかしい」
(とあるヴィジュアル系ファンサイトの「ビジュアル系用語の基礎知識」より抜粋。個人様が運営していらっしゃるサイトであることに加え、2010年をもってサイトを放置すると宣言されているため、リンクは貼りません)
とあるように、かつてのゴシックロリィタもただ単に黒いだけのロリィタファッションだった。
実際に、今ではゴシックロリィタの有名ブランドの一つに数えられているatelier-pierrotのオーナー・大橋敬子が「ゴシックロリィタの母」と呼ばれているのも、自身の店で扱っていたアイテムを黒で作らないかと制作者に要望したことがきっかけである。
それがどのタイミングか不明だが、一方はよりゴシックであることに努めてゴシックロリィタとなり、一方はそうなることを拒否して「黒ロリ」となった。
しかし、何を以って「ゴシックロリィタ」であり、どこをどう見れば「黒ロリ」なのかは、今でも人によって異なっており、その理由は「ゴシック」というのがかなりめんどくさい言葉だから。としか言いようがない。
甘ロリ系
少女らしい可愛さを主としてデザインされる系統
甘ロリ
甘いイメージを使ったコーディネート。色合い的にはピンクを始めとしてパステルカラーが用いられ、お菓子やハートがプリントされた服も好まれる。海外では「Sweet-Lolita」と、逆に何故か英語。コテロリは、この甘ロリを頭の天辺からつま先まで徹底したスタイルを指す言葉。
姫ロリ
使う色からしてよく甘ロリと混同されるが、こちらはマリー・アントワネットに憧れ「お姫様」を標榜し、ティアラやクラウンなどをアイコンとしている。英語版Wikipediaでは「Princess Lolita」で紹介されている。一説によると、以前はロリィタファッションの中で本当に少女らしいものを「少女系」、お姫様風のものを「お姫様系」と分けて呼んでいて、その名残りだとされている。
デコロリ(※4)
項目も参照。
デコラティヴロリィタの略。デコラティブとは「過剰装飾」という意味で、パステル系やマカロンカラーなど「フェアリー系」と呼ばれるファッションスタイルに似た色使いをし、甘ロリや姫ロリのようなフリルを多く使ったロリィタ服を主に着る。ロリィタブランドのAngelicPrettyが範となるコーディネートを提唱するまでは、かなり酷い有様だった様子。
海外では「過度の」や「突飛な」という意味で使われる「over the top」の頭文字を取り、「OTT Sweet」と呼ばれる場合もある。(海外サイト「Hello Lace」では「Deco Lolita」で紹介している)
Muslim Lolita(ムスリマロリィタ)
英語では「Hijabi Lolita」または「Hijab Lolita」とも。
「肌を露出してはいけない」「髪を隠さなければならない」というイスラムのルールを守りながらロリィタファッションを楽しもうとした結果、確立したファッションスタイル。
2015年7月に、ロリィタファッションを着るイギリス在住のムスリマを取り上げた中国語の記事がTwitterで紹介され、これが話題となって日本でも認知されることとなった。
「ムスリマ」とはイスラム教信者を意味する「ムスリム」の女性形だが、欧米では男女区別することなく「Muslim」と呼ぶため、本記事ではアルファベット表記を「Muslim Lolita」、カタカナ表記を「ムスリマロリィタ」とした。
最大の特徴はヒジャブ(Hijab)という頭を覆う布で、このヒジャブをした女性のことを「Hijabi」といい、カリフォルニアでムスリマロリィタをしている女性は、自身のブログでこのスタイルを「Hijabi Lolita」と名付けている。
一見するとロリィタファッションと民族衣装とを組み合わせたスタイルだが、「ムスリマとしての生活を守り」ながらロリィタファッションを楽しむことを目的としており、デザインのために伝統的な要素を取り入れた和ロリ、華ロリとは根本的に意義が異なっている。そのため、本記事では甘ロリの系統に分類した。
Lolita Wedding Dress(ロリィタウェディングドレス)
ブライダル用のロリィタ服。Baby the Stars Shine Brightが海外のファッションショーで発表したこともあり、時折、完全受注生産での販売も行っている。また、2016年4月には専門的にロリィタウェディングドレスを制作するブランドも登場した。
が、実際にこれを着て式を挙げる結婚式プランなどは見当たらない………ロリィタ愛好家もお茶会でよく利用しているレストランが、ちょうど原宿にあるはずなのだが…………やればいいのに。
ちなみに海外ではゴシック仕様の結婚式が普通に挙げられている。(ウェディングケーキなどはなかなか凝ったものが多いので、気になった人は検索を)
クラシカル/ナチュラル系
清楚さや落ち着いた雰囲気が求められた系統
クラシカルロリィタ
「クラシカル系」あるいは「クラシックロリィタ」とも呼ばれる。甘ロリや姫ロリのような派手さを抑え、優雅さを求めたもので、具体的にはフリルやレースを多用せず、スカートは膝下のものが多く、短くても膝丈のもの。色はブラック、ブラウン、ボルドーなど落ち着いたものだが、逆に他のロリィタスタイルと違って派手な色でなければ「この色でないとだめっ!」という不文律がない。
カントリーロリィタ
アメリカの田舎町を連想させるような色使いや柄を使ったロリィタファッション。
一般的な認知度が低く、コンセプトが近いピンクハウス系や森ガールと混同されるケースも多いため、このスタイルに憧れるもコーディネートや服の入手に悩むロリィタ愛好家も少なくない。
ゴシックロリィタ系
得体の知れない巨大サブカルチャーである「ゴシック」と組み合わさって生まれた系統
ゴスロリ(ゴシックロリィタ)
詳しくはゴシックロリィタを参照のこと。名前だけは、ロリィタファッション全般よりも社会的に認知されているが、人によって「ロリィタファッションじゃない」「ゴシックファッションじゃない」という主張があって実は中吊り状態にある一方で、一般人からは黒ロリや海外のゴシックファッション(ロック系のスタイルを基礎にした服装)、終いには甘ロリですら「ゴスロリ」と認識され、違いを説明しようとしても「オタクだねえ」などと苦笑されて話を聞いてくれなかったりと、相当めんどくさいことになっている。
これには一つ、黒ロリの説明でも触れたが、「ゴシック」という言葉が持つ厄介な性格も関係している。
18世紀半ばにイギリスの貴族・ホレス・ウォルポールが小説を書くなり別荘を改装するなりして以来、多くの人々はゴシックっぽいものを見つけたらそれを「ゴシック」と呼んできた。
しかも、「ゴシック」と名づけられる文化は文学、映画、音楽、ファッションと多岐に渡るが、個別に「○○ゴシック」というわけでもなく、すべてがただ単に「ゴシック」であって、何を以ってゴシックであるのかという定義もされないまま、今となっては明確な定義づけをしようとすれば逆に混乱を招くだけの状態にまで達している。
そのため、誰もが「群盲象を評す」の諺を地で行くように、ゴシックの一部分だけを雄弁に語ることはできても、「ゴシック」というサブカルチャー全体を総括して説明することができずに、結果として「私がゴシックだと感じたらゴシックで、私が違うと言ったらゴシックではない」という無茶苦茶な道理を許してしまっている。
せめてもの救いは、変態紳士たちの萌え属性論争よろしく、「退廃こそ至高!」「耽美こそ究極のゴス!」「いいや、憂鬱こそが王道だ!」などと、ネタであっても言い争っていないことくらいだろうか。
そんな「ゴシック」と同様に、主観だけで頻繁に使われ、改めてその意味や定義を聞かれると答えに詰まるのが、ロリィタファッションを始めとして様々な場面に出てくる「かわいい」という言葉で、Pixiv百科事典「かわいい」や、その同系列である「なにこれかわいい」の頁の関連タグの多さを見れば、この言葉の異常さがわかるだろう。
とどのつまりは「考えるな、感じろ」でしかない。
この、主観を絶対とし、状況によっては客観性を完全に無視する二つの言葉が、一つに混在して「ゴシックロリィタ」というファッションスタイルを形作っているわけだから、ヴィジュアル系のライブ会場で、かつての黒ロリがただ黒いというだけで「ゴスロリ」と呼ばれるようになったのも、アニメやゲームの登場人物の服装がそれっぽいからといって「ゴスロリ」と呼ばれてしまうのも当然なのかも知れない。(※1)
ついでに書くと、ロリィタファッションのコーディネートの中には、
・ゴシックロリィタと黒ロリ = Trad-Goth。すべてのゴシックファッションの大元で、ゴシックロックバンドの格好をそのファン達が真似たもの。音楽文化としてのゴシックロリィタにとっては、それこそ父親か祖父にあたる。
・和ロリ = 和ゴス
・エロロリ = Fetish-GothならびにCabaret/Burlesque-Goth。エロロリの説明は後ほどするが、海外では特に後者のキャバレー/バーレスクゴスと、エロロリとゴシックロリィタとがごっちゃになったような受け取られ方というのもある。
・スチームパンクロリィタ = スチームパンク。ゴシックが「蒸気機関技術の発達による時代の急激な変化についていけず、時には反発して、居心地の良さを過去に求める」嗜好であるのに対して、スチームパンクは「もし蒸気機関技術がさらに発達し、ヴィクトリア朝時代がそのまま繁栄し続けたなら?という架空の未来を求める」志向であり、その性格は闇と光のようにまったくの真逆のはずだが………“Which do you think it was?”
・Military Lolita = Military Goth
と、このように、ゴシックファッションで散々既出となっているものがいくつかある。
故に、今後ロリィタファッションがガスマスクに手を伸ばしたり(※2)、Bubble-Goth↓(どちらかといえば、エストニア出身のアーティストkerliの音楽性や世界観を表現した言葉だが)に影響を受けても不思議ではない。
Kerli - Tea Party
Kerli - Walking On Air
そうでなくても、少なくともヴィクトリア朝時代を意識する以上はその「影」には付き纏われるだろう。
ちなみにゴシックロリィタは、ゴシックファッション側ではJ-Gothと呼ばれている。
(※1 「ゴシック」と「かわいい」が組み合わさったファッションには、ゴシックロリィタの他にもSNSのTumblrを中心に発展した「パステルゴス」がある。大雑把に説明すると、髪の色をパステルカラーにして、服は黒を基調としたコーディネート、そこに逆十字などのゴシック的なアイコンを加えたファッションスタイルなのだが、ロリィタファッションやフェアリー系でも好んで使われているパステルカラーは「膨張色」と呼ばれる色で、実際より物が膨らんで見える効果があり、例えば淡いピンクやサックスなどを基調としたロリィタ服を着た時に、ふとましい人はよりふとましく、そうでない方はそれなりに見えて、「無理すんな」と声が上がることになる。一方で逆に「収縮色」とされる黒は、全体のイメージを引き締め、膨張色による目の錯覚を抑える性質も持つので、パステルゴスの配色は実に理に適っている。「黒は女性を美しく見せる」とはよく言ったものだが………ゴスロリではない。まあ……これは先の黒ロリやゴシックの説明でも書いたお約束なので、生ぬるい目で見守るのが礼儀だろう。しかしながら………「フェアリーゴス」という別称もない。「Fairy Goth」はすでにダークファンタジーな妖精をイメージしたイラストやコスプレ、ゴスファッションなどにつけられている名称で、中にはアン・ストークスやエイミー・ブラウンといった有名イラストレーターの作品もある上に、コルセットやドレスを取り扱う「FairyGothMothor」というロンドンのブランドとも混同しやすくなるので、そう呼ぶのはやめとけ。とはいえ、ゴシックロリィタとパステルゴスのいいトコ取りをした好例も探せば実際にある)
(※2 これはゴシックファッションでのサイバーゴスに相当する、サイバーロリィタが出てくるかも知れない。という意味で書いたものだが、後日、すでにあったことがわかった。……やっぱりあったか。CyberLolitaの説明は後述する。)
グロロリ
血糊や包帯など、医療系のアイコンを加えたコーディネート。
リストカットや精神疾患(俗にメンヘラと呼ばれる類)などに魅力を感じて、それをカタチにしたものだが、このスタイルをする人はさすがに少なく、他のロリィタスタイルの愛好家からはコスプレ扱いされ、差別の対象となっていた。
元々はロリィタファッション側から見たゴシックロリィタのそのものに対する蔑称だったという説や、ゴシックロリィタだからといって濃すぎるメイクをした人を指す言葉だったという話、あるいは同じゴシックロリィタ愛好家たちの間で、リストカット依存症の愛好家に対してそう呼ぶ蔑称だったという話もある。
早い話が、自身が抱えている精神的な苦痛を人の目に見えるよう表面化させたスタイルだったわけだが、今となってはハロウィンなどでの仮装でこの格好をする人がいるかどうかである。
ただ、2014年になって、今度は可愛らしさの中に病的な恐ろしさを忍ばせた「病みかわいい」という言葉が生まれるあたり、少女たちの抱える心の「ヤミ(闇? or 病み?)」は簡単に消えるものではないらしい。
海外では「Horror Lolita」と呼ばれる派生スタイルがあり、単なるグロロリの別称というだけに留まるか、あるいはスプラッター映画に登場する殺人鬼やゾンビ、さらにはその被害者をイメージした、完全なハロウィン仕様に発展している。
スチームパンクロリィタ
スチームパンク風にデザイン、アレンジされたロリィタファッション。
2010年代になってからスチームパンク自体が密かに注目され始め、「ネオ・ヴィクトリアン」とも呼ばれているこのジャンル(※5)は同じく19世紀ヴィクトリア時代の服装を基とすることのあるロリィタ服ととにかく相性がよい。
ネット上で確認できるもっとも古い情報は、2012年にあるスチームパンク愛好家が自身のブログの中での、
「昨年スチームパンク界に衝撃を与えたスチームパンクロリィタの写真で着用されているのがこちらのショップのミルフールドレスです。コルセットは上にも挙げた海外のClockwork coutureさんのもの。」
という、MaryMagdaleneを紹介したものであり、これが最初のスチームパンクロリィタだとすると、このスタイルは2011年に登場したことになる。(情報元のブログは個人のものである上、2015年に更新が止まっているのでリンクを貼りません。また、話題になったというスチームパンクロリィタも、現在は画像自体がなんらかの事情でネット上から無くなっていて確認できなくなっています)
すゴシックブランドのh.Naotoが2013年から新カテゴリー「H.naoto Steam」を立ち上げており、またKERAや「ゴシックアンドロリータバイブル」のストリートスナップでも、このスタイルをした人の姿を目にすることが多い。
(※5 「ネオ・ヴィクトリアン」という言葉は「ヴィクトリア朝時代がそのまま繁栄し続けていたら」という仮想の概念であり、決してスチームパンクだけがそう呼ばれているわけではない)
Pirates Lolita(パイレーツロリィタ)
海賊風のロリィタ。ということで、こちらは有名ブランド「Baby the Stars Shine Bright」の系列である「Alice & the Pirates」のコンセプトがそのまま一つのスタイルとして紹介されている。英語版WikipediaではSailorLolitaの一つ、ということになっている。
Cyber Lolita(サイバーロリィタ)
サイバーファッション/サイバーゴスとミックスしたスタイル。
調べてみたらあった。ゴシックロリィタがあるのだから、その発想はやはりあった。
基本的にはサイバーファッション特有のビニール製のチューブ(ヘアチューブ)を使った髪形と厚底の靴。そして、ロリィタ服。その他の、ゴーグル、ファーレッグ、ガスマスクなどはお好みである。
サイバーゴスでは「科学の進歩に警鐘を鳴らす」というテーマがあるのか、放射能標識や国際感染性物質ラベルなどが好まれてゴーグルやガスマスクに描かれることが多いが、これがCyberLolitaの場合だとハローキティや、ハートマークだったりすることもある。
とはいえ、日本ではサイバーファッション/サイバーゴス自体がかなり少数派なので、認知されることすらハードルが高いと言える。
(おまけ: ハローキティのガスマスクとゴーグルはサイバーバーンという海外のブランドが制作したもの。2011年頃には日本の通販サイトでも扱っていたようだが、現在は入手可能かどうか不明)
民族衣装/制服系
着物などの伝統文化や、仕事で着用される制服などからデザインが取り入れられた系統
和ロリ
詳しくは和ロリを参照……と思ったら、向こうがこちらに丸投げしてやがった。
着物ドレスを主軸にして、ロリィタファッションに和風のアレンジを加えた(もしくは逆に和装にロリィタ要素を加えた)コーディネート。
一応、着物ドレスを用いたゴシックロリィタという定義もされている「和ゴス」という言葉もあるにはあるが、これと和ロリとの実質的な区別ははっきりとされておらず、ゴシックロリィタと他のロリィタがまとめて「ゴスロリ」と呼ばれているのと同様に、ゴシックっぽい要素がまったく見当たらない「和ロリ」が「和ゴス」と呼ばれている場合がある。
実際にPixiv内において、どう見ても可愛らしい和ロリなのに「和ゴス」というタグがついているイラスト作品があるが、もし見かけても投稿者に指摘するようなことはせず、遠くから暖かい目で見守ってほしい。
また、そうでなくても、「和ゴス」には「和風のゴシックファッション」という定義の仕方も存在し、人によって内容にブレがある。
QI-Lolita(華ロリ)
詳しくは華ロリを参照。
和ロリと同様に、こちらはロリィタファッションにチャイナドレスの要素を加えた。もしくは逆にチャイナドレスをロリィタ服風にアレンジしたコーディネート。ロリィタ服にしろコスプレ衣装にしろ、以前からその発想はあったのだが、これまで日本国内でこのスタイルを示す一般的な名称はなく、むしろ海外では、チャイナドレスを中国語でQI PAO(旗袍:チーパオ)と呼ぶことから「QI-Loli(チーロリ)」と名づけられ、海外のロリィタ情報サイトなどでも紹介されており、2006年にはすでに海外の投稿サイトDeviantArtにQI-Lolitaの作品が投稿されているのが確認できる。(※3)
それが、2014年11月になって、「華ロリ」の仮称とともにこのスタイルを紹介したNaverまとめの記事がTwitterで話題となり、日本国内でもにわかに注目を浴びる。
2014年11月21日現在、Pixivでもこの「華ロリ」のタグがつけられた作品が投稿されているが、どれだけ認知度が上がって定着するかは今後の動向次第と言える。
(※3 あくまで推測の域をでないが、「QI-Lolita」の名称がつくまで認知度のある海外での様子と、2014年になるまで日本では知られずにいたこととの温度差が驚くほど違う理由には、いくつか仮説を立てることができる。海外で「QI-Lolita」という名称が生まれた2000年代、日本国内では映画「下妻物語」の影響が強く、主人公がしているスタイルだったり、彼女の矜持こそが絶対だとする観念に囚われすぎて他のロリィタスタイルには見向きもしない人が多かったため、中華風にアレンジするというアイデアは早い段階で捨て去られたのだろうというのが一つ。
もう一つ考えられるのは、ロリィタ文化の発信地は日本だという強い自負心から、海を渡った後に各地で独自に発展したロリィタ文化を逆輸入しようという考えになかなか行き着かないことによるもの。メディアが「日本発のカワイイが海外で大人気!」などと浮かれては、ロリィタ服を着たフランス人の映像に大喜びするだけに止まっている現状からすると、後者の方が深刻な問題になり得る。数年後、ガラパゴスロリィタとか鎖国ロリィタなんていう言葉ができなければ良いのだが……)
(おまけ:「QI-Lolita」そのものの発生もそうだが、その名前をいつ、どこで、誰がつけたのかも今のところサーチ不足。というのも、Qi-Lolitaは中国語では主に「中華風蘿莉塔」とか「中华风Lolita」と表記され、中国語版Wikipedia先生ですら「中國風蘿莉塔」と紹介し、チャイナドレス=QI-PAOとの関連性はどことなく薄い。また、2007年に書かれた海外の人のブログで、原宿でのロリータファッションの一つとしてQI-Lolitaを紹介している記事があるのだが、日本人がつけるのなら単純に「チャイナ風」か「中華風」あたりで、わざわざ中国語でチャイナドレスのことを何というのかを調べ、さらにそれを略すとは考えにくい。あり得るとして、欧米諸国のどっかのチャイナタウンから出てきた…のだろうか。まあ、「QI」が「クーアイ」=「可愛」だとして日本から中国に伝わったことにしている、日本人が書いた意味不明なブログがあるのだが……。調べると、日本では音読みで「キ」と読む漢字を中国語では「QI:チー」と発音するケースがあり、「旗袍:チーパオ」の「旗」以外にも、見えない力の流れを指す「気」も「QI:チー」であって、こちらはスマートフォンなどでのワイヤレス給電規格の名称として使われており、映画「トランスポーター」などに出演した台湾出身の女優スー・チーの名前も、漢字で書くと「舒 淇:Shu Qi」である)
Sailor Lolita(セーラーロリィタ)
広い襟を特徴とするセーラー服風のデザインのもの。有名ブランドのメタモルフォーゼがセーラーシリーズと銘打った商品を定期的に発売したりしていて、それがスタイルの一つだということになっている。言うまでもなく、日本の女の子が着ていた学校の制服が元で、実際に学生服を製作している本物のメーカーであるRISA + THE STARLIGHT(リサ アンド ザ スターライト)がそれまで培ってきたノウハウを活かし、学生服風のロリィタ服を発売する動きもある。が……なにせ「Sailor(船乗り)」であり、中国語でも「水手風蘿莉塔」と表記されており、海外では本当に船乗り風のスタイルということになっている節がある。
まあ、あながちそれも間違っておらず、世界的に見れば学生服としてセーラー服を採用している学校は一般的ではないのは言うまでもなく、加えて、ファッションの中には水兵の服装に倣ったマリンルックというスタイルがあり、セーラーロリィタはそれとロリィタファッションを組み合わせたスタイルと捉えられやすい。
さらにルーツを辿れば、ヴィクトリア時代にかのヴィクトリア女王が水兵の制服を気に入って息子のアルバート王子(のちのエドワード7世)に着せ、1846年にその姿を描いた「セイラー服を着るアルバート王子」が発表されると、イギリス王室を生活の手本と見ていた中産階級やブルジョワの間で自分たちの子供にも同じ服を着せることが流行した。
また、そのアルバート王子の格好こそ「子供服の発祥」とも言われており(それ以前は単に大人の着る服を小さくしただけで、改めて子供のためにデザインするという発想がなかった)、ひょっとしたら、後述する王子系ファッションの元祖……なのかも知れないが、そのように扱われることはない。
少なくとも、セーラーロリィタを着た女性(あるいは女装)と、マリンルックを着た男性(あるいは男装)とのペアというのは普通にアリだろう。
Military Lolita(ミリタリーロリィタ)
詳しくはミリタリーロリータを参照。
軍服風。DeviantArtを見れば分かるが、QI-Lolitaと同様にかなり前からその発想はあり、2014年11月にQI-Lolitaが注目されると、それに付随するようにTwitter上で取り上げられて、やはり話題となる。
Pixivでも「ミリタリーロリータ」のタグで数点ほどイラストが投稿されているが、おそらくは「女の子が着る可愛い軍服」それ自体がアニメやゲームなどの中ですでにデザインされているため、違和感なく受け入れられたのかも知れない。(詳しくはPixiv百科事典「萌えミリ」を参照のこと)
実際にメタモルフォーゼやh.naoto、EXCENTRIQUEなどで発売されている。
でも、いいか?……格好つけてナチスの真似だけはすんなよ?(※6)
(※6 日本ではタクシーを呼び止めたり、飲食店でウエイトレスを呼ぶときにやる、サッと手を挙げる仕草が、ドイツではナチス式敬礼に似ていることからタブーとなっており、場合によっては民衆扇動罪などで逮捕されることになる。また、かつてTBS系列で放送されていたバラエティ番組「ここがヘンだよ日本人」で、軍服マニアの男がナチスの軍服を着た上にナチス式敬礼をしたため、出演者のフランス人が激怒し、一時騒然となったこともあった。「格好つけたかっただけ」「知りませんでした」「昔の話だからいいじゃん」では済まされない)
Nun Lolita(修道女風ロリィタ)
有名ブランドがたまに発売している、修道女風の服を用いたスタイル。黒、もしくは濃い青系の色を基調とし、十字架などのキリスト教を示すシンボルを用いるのが特徴。
カトリックの修道女がしている黒のベールとその下に被るコイフ(Coif:白頭巾のこと)は、ロリィタファッションで真似てしまうとコスプレみたくなるので逆に避けられ、代わりにウェディングドレスなどで見られるマリアベールのような、透けた素材を使ったものが用いられるか、あるいは何も被らないかのどちらかである。
このため、本記事では日本語表記を修道女「風」としている。
ギャルロリ系
渋谷系など、別のファッションスタイルがロリィタファッションを取り入れて生まれた系統
ギャルロリ(※4)
渋谷のギャル系ファッションにロリィタ要素を取り込んだコーディネート。90年代からギャル系とはそれこそ敵対していたはずだが、2000年代になってロリィタファッションが注目され始めた頃からこのスタイルが登場し始め、「格好はロリィタだが、言動がギャル」「ロリィタファッションとして中途半端」「パニエもドロワーズも履かないとか、風俗嬢?」「以前はロリィタのことをボロクソ言っていたくせに、いまさら何?」などと、元来のロリィタファッション愛好家の一部からは散々な言われ方をされている(念のために書くが、容認するロリィタ愛好家も多い)。また、元来の姫系ファッションを取り入れたギャルファッション=「姫ギャル」と混同されるためか、主流で紹介した「姫ロリ」がとばっちりを食らうケースがよくある。
発祥は雑誌「小悪魔ageha」であるモデルがロリィタブランドを着たことからだが、名称は「Vanilla Girl」という別の雑誌が使い始めた(共にすでに休刊)。
エロロリ(※4)
「ゴシックロリータ@Wiki」によると、「エロティック、コケティッシュ風に着こなしたロリィタスタイル」であり、「グラビアタレントのほしのあきがTVで衣装として着用していたものの(素肌にアンジェリックプリティのJSK)着こなし等がエロロリに入る。」とされ、「(エロロリは)近年ではギャルロリや姫ロリ等のロリィタのジャンルに吸収されてしまった感があり、この単語自体あまり使われなくなった。」(同サイトより抜粋)というように、前述のギャルロリスタイルの一例となっており、主流からは「痛ロリ」と呼ばれて嫌われている。
そうでなくとも、カタカナ表記での「エロロリ」をキーワードに検索すれば、アダルトコンテンツが鬱陶しいほど出てくるのだから、それだけでも早々に死語となるのも当然と言えるだろう。
しかし、海外では状況が異なり、ウェディングドレスでもセクシーなデザインのものが求められたり、ディアンドルのように可愛らしい民族衣装もオクトーバーフェストのような酒が出る場所では胸を大きく開いたものが存在していたり、「キャバレー/バーレスクゴス」のようなエレガントさとセクシーさとを兼ね備えたゴスファッションがすでに確立していたり、かなりの偏見を以って「フランス風」と名づけられたフレンチメイドがあったりと、元々の土壌が日本と異なっていたため、すんなり受け入れられた感がある。
また、日本国内では愛好家が必死に否定していたアニメキャラやコスプレなどでの「ゴスロリ」が、れっきとした「GothLoli」として勘違いされたまま海外に輸出され、それが「EroLoli」となった可能性は高く、乱暴な書き方が許されるならば、例えば以前発売された美少女フィギュアの「涼宮ハルヒ -ゴスロリver.」の格好がそっくりそのままErololiである。
画像検索すると黒を基調としているものがほとんどで、コルセットやガーターベルト、網タイツなど、一部のゴシックファッションやフェティッシュファッションで使われるアイテムを用いている点も、海外でのこのスタイルが、ゴシックロリィタから派生したものとして発展していることの表れだろう。
ただ海外のサイトでもセクシーさを強調しすぎて、単に"Ita"いだけだったり、ただのゴシックファッションと化したりしないように。とは、説明の中で念を押している。(参考サイト:Lolita Fashion Wiki)
その他
ロリィタファッションから派生した別のスタイル。または「ロリータ」と名前はつくが実際にはロリィタファッションとは無関係のスタイル
カジュロリ
カジュアルロリィタ。ロリィタファッションを着崩(カジュアルダウン)して、ラフな外見にしたものだが、よく「カジュアルな格好にロリータ要素を付け足したもの」と勘違いされている。実際には、パニエを穿かない、あるいは代わりにペチコートなどを使うなどしてスカートの膨らみをなくし、頭もシュシュなど控えめなものにするなど、「ロリィタファッションからロリィタファッションらしさを適度に削ぎ落としたコーディネート」と言った方が近い。
また、キュレーションサイトでは低コストで楽しめる方法として、ノーブランドの服やロリィタファッションとしては売られていない服をロリィタファッションのように着ることを「カジュアルロリィタ」として紹介しているケースがあるが、これも間違い。
それは「Off-Brand Lolita」と呼ばれ、値段が高い、遠い日本で売られている品物を購入する手段がない。などの事情で、有名ブランドの服を購入することが難しい海外の愛好家たちが考えた着こなし術である。
NeoLolita(ネオロリィタ)
「ロリィタファッション」というカタチで完成している「ロリィタ」を、別のカタチに再構築しようとする試み。また、それによって表れたコーディネート。
東京を拠点として活動しているアメリカ出身のファッションジャーナリスト、ミーシャ・ジャネットが自身のブログに書いた記事(※7)がきっかけで認知されるようになった言葉で、雑誌「KERA」などのモデルもしている、台湾系アメリカ人のブログガー・RinRinDollは自身のファッションについて触れ、
「ネオロリータというジャンルはまだ存在しないけれど、私は既に無意識にネオロリータになっているかもしれない。原宿系とかを取り入れたミックススタイルを楽しんでいるし、 ロリータ的なルールを緩めた生活を送っている。ただの”可愛い系”とどう区別するかというと、少しデコラティブなアイメイク、ヘアの姫カット(前髪必須)、そしてコーデがどう見えても自分の中で「私はロリータです」という意思。こんな風に、国内外でもっとかっこいいネオロリータが生まれてくれるといいね。」
(上記のミーシャ・ジャネットの記事より抜粋)
と話している。
ミーシャ・ジャネットの記事では、日本では従来のロリィタファッションがすでに下火で、その固定観念から抜け出す新しい動きだとしており、2015年になってからは雑誌「KERA」でも「ネオロリ系」と称していくつかコーディネート例を紹介している。
と、これは蛇足だが、ネット上で「ネオロリ」という略称を使うのはお勧めしない。というのも、そんなタイトルのAVが数年前にすでに発売され、いやでも検索に引っかかる現状である。実は「ロリかわ」も同様だったりしている。
(※7 この記事が書かれたのが2014年11月19日。Naverまとめの記事によってQi-Lolitaが話題になってから一ヶ月経ってない時のことだから、既存のロリィタファッションがいかに行き詰っているかを窺い知ることができる。まあ、「原宿でロリィタの数が減った」云々の部分は、秋葉原でなくても家電が安く買え、メイドカフェでコーヒーが飲めるようになったのと同様に、原宿でなくてもロリィタ服が買える時代となり、ロリィタファッション愛好家が原宿に集中しなくなっただけ。という見方もできる。また、平気で無断撮影してその画像をSNSに載せる礼儀知らずが増殖した時代となり、それを嫌ってお茶会などの機会がなければロリィタファッションを着ないという愛好家も多い)
ロリィタパンク
「パンクファッションの要素を取り入れたロリィタファッション」、あるいは「女の子(ロリータ)が着る、キュートさを持つパンクファッション」と思われる何か。
「何か」という曖昧な説明になってしまうのには理由があり、元を辿れば、1995年か96年頃に、イギリスのガールズユニット「シャンプー」が登場したことに始まるのだが、
「それまでは、パンクとロリータは別物だったのだ。
ロリータはお人形だったし、パンクはあくまでもパンク。セクシーでもキュートでも、ただ『パンク』としか言われて無かったのに、いつの間にか、メディアは『ロリータパンク』というジャンルを確立してしまっていた。
あたしが目指していた『ウェンディ・ジェームズ』は、先出なのに、後からこちらに分類され、影響を受けていたあたしも『ロリータパンク』の分類に入ることになった。
それに気付いたのは、随分経ってから。本人は一向にロリータパンクである、という意識がなかったので、指摘されて『あら?そう?』っていう感じ。
パンクテイストで、キュートなら『ロリータパンク』って分類されるような気がした。」
(2002年当時に、ある方が自身のホームページで過去を振り返りながら綴ったロリィタ論より抜粋。個人サイトなので直接リンクは貼りません)
この「シャンプー」。別にロリィタファッションを着ていたわけではなく、ここでいう「ロリータ」もファッションスタイルという姿形を指した言葉ではなく、どちらかと言えばナボコフの小説「ロリータ」のヒロインである、ドロレス・ヘイズに似た気性の方を指した言葉だと認識した方が正しい。
そのため、ゴシックロリィタと同様に、このロリィタパンクもまず名前ありきで、その名にふさわしいコーディネートは後追いで考えられたものと思われる。
また、ネット上では「ロリィタパンク」「パンクロリィタ」「ロリパン」「パンロリ」と様々な呼ばれ方がされており、人によっては別個にそういう名称のスタイルがあると思われている上、略称の方は「女の子(ロリータ)が穿くぱんつ」とか「獣の証が生えていない女の子」などといった、性的な意味合いで使われることも多いので余計に紛らわしくなっている。
王子系
貴族階級の男の子が着ていたような服装をイメージしたスタイルで、いわゆる黒執事のシエル・ファントムハイヴの服である(駒鳥じゃない方)。
この記事の概要の項で説明している「ロリィタファッション」からするとまったく別物で、KERAでもロリィタファッションとは別のカテゴリーで紹介しているものの、半ば姫ロリと対をなしているためか、英語版Wikipediaでは「Ōji Lolita (Boystyle)」と紹介していたり、また、別のサイトでは日本語の「コドモ」と「オトナ」を掛け合わせた「KODONA」という呼び名で説明している。
Brolita(女装ロリィタ)
ロリィタファッションをする男性、あるいはその逆だが、王子系と対を成しているスタイル(というよりスタンスだろうか?)とは言い難い。
というのも、わざわざ男性がロリィタファッションをする理由が人それぞれで、性同一性障害やクロスドレッサーといったセクシャルマイノリティであったり、日常から離れたいがための変身願望、イベントなどでの単なるネタという人、ただ純粋に可愛いから着たいと思って着ている人もいる。
さまざまな理由での異性装の文化は古くからあり、ヨーロッパでは昔、乳幼児期の死亡率が女児よりも男児の方が高く、これが悪魔の仕業だと考えられていたため、小さい頃は魔除けとして女装させて育てる習慣があった。
この歴史は19世紀後半まで続き、例えばルノアールが1878年に描いた「シャルパンティエ夫人とその子供たち」でも、母親の隣に座っているのは男の子である。
地域活性化
2010年代に入ってからロリィタファッションを地域振興のために活用する動きが、各地で見られるようになった。
カワイイ北海道
2012年に第1回ビジネスアイディア・コンテスト「北海道×マーケティング」で最優秀賞に選ばれたSAPPORP LOLITA CLUBの案を元に、2013年より札幌市ならびに小樽市が観光事業推進のために「ロリカワ観光ツーリズム事業」として開始し、2014年になって名称を「カワイイ北海道」に変更。「小樽kawaiiティーパーティー」などのイベントを開催している。
加賀ロリプロジェクト
加賀友禅や金沢和傘などといった石川県の伝統工芸とロリィタファッションを融合させて、新しいファッションを発信しようという試み。13代加賀藩主・前田斉泰の正室・溶姫をモデルにした「溶ちゃま」をイメージキャラクターに、石川テレビなど5つの企業・団体が共同で企画、運営している。
活動の様子はTwitterやfacebookに載せており、2014年にはフランスで開催された「JapanExpo2014」にも参加した。
京ロリプロジェクト
立命館大学と京都リサーチパークが中心となり、京都らしいロリィタスタイルを発信していき、京都の衣料業界や観光などの活性化を図ろうという産学公連携のプロジェクト。
2010年に立命館大学の学生が立案されたものだが、2015年にはその活動が京都新聞で紹介されるほどになっている。
ロリータの聖地下妻プロジェクト委員会-The world's grandest party of Lolita
2004年に映画「下妻物語」が公開されたのがきっかけで、物語の舞台となった茨城県下妻市に足を運ぶロリィタ愛好家が増えた。このことを受けて2011年に発足。毎年10月に開催される「砂沼フレンドリーフェスティバル」の中でファッションショーや体験コーナーなどを企画していた。
ただし…
発想が安易すぎたのかどうしたことなのか。企画された当初は各メディアなどに取り上げられて盛り上がるものの、その後、ネット上ですら継続して活動しているのかどうかが分かりづらいというケースが目立つ。(公式サイトが一年以上も更新されていなかったり、Twitterやfacebookでのつぶやきもしたりしなかったりする。など)
International Lolita Day(国際ロリィタデー)
「Happy International Lolita Day!!」
毎年6月と12月の第1土曜日は「International Lolita Day」となっている。
これは世界各地でお茶会を同時開催するというもので、2004年にアメリカで始まり、今では欧米やアジア諸国だけではなく、メキシコやブラジルなど、南米にも規模が拡大している。
2015年6月のニューヨークでの様子
2015年6月のロサンゼルスでの様子
2014年6月のモスクワでの様子
精神について
“Il doit vivre et dormir devant un miroir”
2000年代は、先にも触れた作家・嶽本野ばらの影響で、「乙女の精神」と呼ばれる精神論が重要視され、ロリィタファッションの愛好家なら必須条件とまで言われていたが、10年代に入るか否かくらいの頃から変わり始め、今では精神論を重視する愛好家は「精神ロリ」と呼ばれて、叩かれるか、ネタにされるようになっている。
挙げられる要因としては、
1.実践していたが、常にその「精神」を維持し続けるのに限界を感じたため
2.嶽本氏の影響を最も受けた世代がその「精神」を他人にも求めすぎたあまり、次の世代が辟易したため
3.当の嶽本氏が薬物の使用により逮捕される、SNS上で問題を起こすなどしたため幻滅した
4.ロリィタファッションに身を包んだときだけ精神や言動が「ロリィタ」になる者に対する、コスプレと大して変わらないのではないかという疑問
5.自分の理想と違うスタイルのロリィタを非難する愛好家への嫌悪感
6.その場にいた誰かが精神論を持ち出したことによる諍いの発生にドン引きしたため
など。
というのも愛好家たちは「ロココの精神」と呼ばれる18世紀のフランス貴族の精神性に倣おうとしていたが、むしろその本質が、
1.社会の風潮には流されない生き方を、服装によって体現する。
2.本物志向でまがい物を嫌う。
3.世俗的なもの、家庭的なものを軽蔑する。
4.貴族であろうとする。
5.人工的な「楽園」を求める。
6.「やせ我慢」の美学を追及する。
など、いわゆるダンディズムの概念に近いことに起因している。
一般的な「お洒落な伊達男」という意味合いの「ダンディ」だが、ダンディズムというのは自分自身が常に自らの崇拝する崇高な存在でなければならないというある種の宗教的な価値観であり、現代の一般常識と相容れることは難しい。
現に「下妻物語」の影響からロリィタを着始めた愛好者の中でも、嶽本野ばらの提唱する価値観や「下妻物語」の世界観に執着し、他にもそれを押し付けてる者は「下妻ロリ」と呼ばれ、当時から他の愛好者たちにはよく思われていなかった。
また、「ゴシックロリータ@Wiki」内の、精神について考察しているページで冒頭に、
「2009年位まではゴシックロリータの精神論というものが愛好家の間で大いに議論された。
この服装は奇抜な目で見られるがゆえに着る理由をはっきりと持たなくてはならず、それが一人一人違う形を持ったの精神論という形で現れた。(とも言われている)
そのためファスト・ファッションの店で目に触れる程ゴシックロリータがパブリック化した2011年現在では精神論という単語自体殆ど聞かれなくなるのも当然と言える。」
と書かれているように、2009年頃から一般的なファッションスタイルのアクセントとして、ゴシックロリィタの要素を取り入れた「ちょいゴスロリ」というスタイルが現れてメディアにも取り上げられたり、青木美沙子が外務省のポップカルチャー発信使に任命されるなど、言ってしまえば、
「精神なんて最初からどうでもいい」
という一般の人々が、ゴシックロリィタやロリィタファッションに関わるようになり、こうしたことがいくつも絡み合った結果、精神の重要性は次第に消えていった。
現在はお茶会や展示即売会など、以前と比べてもさまざまなイベントが催されるようになったこともあり、他の愛好家と一緒にいる時にしか着ない。という人の方が増えてきている。
※4についての説明、ならびにロリィタ業界の諸問題
Pixivでの創作投稿や閲覧には関係ないものの、現実世界・人間社会の中において、ロリィタファッションを取り巻く環境は明るいことばかりではない。
ここでは、ロリィタファッションの周辺で起きている諸問題に少しだけ触れる。
「自分は着ないから関係ない」という人も、とりあえず一読したほうが良いかも知れない。
自分には関係なくとも、もし友人や家族の中にロリィタファッションを着ている。もしくは着たいと言っている人がいたのなら、その人がトラブルに会わないように、または会ってしまった時に備え、知っておいて損はない。(特に、後述するネット上での取引に関しては)
マナー守って楽しいロリィタ
愛好家同士のマナーについて
ギャルロリやデコロリなど、「正統派」と呼ばれる愛好家たちから煙たがられるスタイルというのもあるにはある。が、「正統派を自認する人が絶対正しいわけではない」。
例えば「素肌にJSK(ジャンパースカート)は下品だ」とよく言われているものの、ロリィタファッションのカリスマと呼ばれる、青木美沙子は「ラテン系の方で素肌にジャンパースカートだけのアクティブなロリータファッションの方もいらっしゃいます。」と話している。
しかしながら、前項目で記述があった「精神ロリ」と呼ばれる者の中に「正統派」スタイル以外の着こなしや盗作疑惑のあるブランドの商品を身に着けた人々を「痛ロリ」と呼んでネットなどで叩いたり、それどころか、街中でその人を指差して友人と一緒にゲラゲラ笑うような、マナーが悪い…というよりも、むしろ品のない者がいることは、紛れもない事実である。
また、自分のコーディネートがいくらお金をかけたものなのかを自慢し、相手を着ている服の金額次第で見下す半可通もいる。
(ロリィタ服は一着の値段が高く、例えば正規ブランドのJSKだと一着だけで3万5000円くらいするものもあり、その調子で頭からつま先まで揃えればだいたい8万円~9万円。小中学生は当然ながら、高校生でも容易に出せる金額ではない)
自分の価値基準で勝手に人を測って非難し、得意げに持論を披露して、逆に自身の間違いを指摘されると「私は他とは違うから」などと言い逃れをする者もいるが、まあ、そういう奴はいつどこの街角で殴られても文句は言えない。
一方でブランド側に目を向けると、一部のショップ店員がまともに社員教育が行われていないのか、それとも「私は非正規雇用だからいいんだもん」くらいにしか考えてないのか、
1.他の客を無視して、仲の良い常連客との会話に夢中になっている。
2.ある店員が客の悪口をブログに書いて炎上騒ぎとなる。結果、会社側は該当スタッフを懲戒解雇とし、公式サイトに謝罪文を掲載するに至った。
3.来店した外国人女性に対し、「うちのロリィタ服は日本人にしか似合わないから」といった差別発言。
などのような事例がネット上ではちょこちょこと挙がっている(特に3の情報源は、被害を受けた方の個人ブログの為、直接リンクは貼りません)。
このように「誇り(プライド)」と「わがまま(エゴ)」とをはき違えた野暮天が、結果としてロリィタファッションに対する世間からのイメージを低下させている。
社会のルールと相手へのマナー、そして自分の品格すら守れないスノッブは、自分の欲望を満たすために子供たちを傷つける変質者とまったく変わらない。ということを、しっかりと心にとどめておくべきだろう。
まあ……結局は、ヴィクトリア朝時代の腐ったリスペクタビリティを模倣して、
「着ている服は素敵ですけど、着ているあなたは最低ですね」
と、面と向かって言われてしまうような人間にならなければよい。というだけの話である。
BodyLineについて
その一方、盗作問題も起きており、BodyLineやMilanooといった企業が、他ブランドの商品に酷似した、材料も仕立ても粗末なものを作って安く販売し、度々非難を浴びているのは有名な話であり、2010年にはドン・キホーテが大々的に展開しようとしていたオリジナルコスチュームブランド「COSU MODE POWER(コスモードパワー)」の中に盗作と疑われる商品が複数あり、販売中止となっている。
先に名前の出たBodyLine(ネットスラングでは「体線」と書かれている)は、ロリィタファッションにおいては盗作問題の代名詞とも呼べるブランドで、2000年代にいかに酷かったかは「ゴスロリ服デザイン盗作疑惑検証サイト」を覗けば分かる通り。
最近では盗作した商品もだいぶ少なくなった(あるいは「なくなった」か)というが、かつての悪名がそれで払拭されるわけでも、その悪行が忘れ去られるわけでもなく、
1.盗作しまくっているブランドだから嫌。
2.生地も仕立ても粗末過ぎて、すぐに駄目になるから嫌。
3.アダルトビデオの撮影にロリィタ服を提供しているブランドだから嫌。
4.結局はコスプレ衣装だから嫌。
5.生理的にムリ。
といった理由で、未だに厳しい目が向けられている。
その一方で、例えば人の目には映らない部分だったり、消耗の激しいアイテムなどはBodyLineで安く済ませては?という意見なども出ている。
このように、BodyLineについては賛否が分かれているのだが、少なくとも目の前にいる人がBodyLineの服を着ているからといってあからさまに蔑んだ態度を示したり、その人を指差して笑ったりする者は、顔面をその醜い心に相応しい形にされても文句は言えない。
また、BodyLineがどういうブランドなのかが、どれだけ日本語圏の外に伝えられているのかは不明だが、2000年代半ば、日本の正規ブランドが海外向けに力を入れていなかった故に、海外ではロリィタファッションをしたいと思っても服を入手することが難しく、結果として中国製の商品を購入するようになったという経緯に加え、「毎日ブランドを着るのは勿体無い」という考えの人も多く、BodyLineの服と他のブランドのアイテムとを上手く組み合わせたコーディネートをブログに載せ、評価されるケースも見られる。
KERAにBodyLineのロリィタ服を着たアメリカ人の写真が掲載され、読者たちを困惑させたことがあったが、それも時として自嘲気味に語られることもある日本人のブランド志向と、海外でのこうした価値観や事情の違いによるものなのかも知れない。
キュレーションサイトについて
キュレーションサイト(バイラルメディア)と呼ばれている類のサイトが、2014年頃から急激に増えた。
これは例えばロリィタファッションについて知りたい場合、今までなら各人が様々なサイトを見て回って調べなければならなかったものを、編集者が代わりに情報を収集して一つの記事にまとめるもので、華ロリの認知度が上がったきっかけもキュレーションサイトの一つ、NAVERまとめであり、読み手からすると利便性はかなり高い。
が、問題もある。
大きく非難されたのは、アフィリエイトで収入を得ている人が書いた文章や記事を平然と無断転載した上に、読者も奪ってしまうというもの。
これについては、2015年春頃にある程度、落ち着いたこともあるのでここでは詳しく説明しない。詳細を知りたい人は、Wikipedia先生の「まとめサイト」の頁を読んでみると良い。
それよりもロリィタファッションに関して問題なのが、古かったり、間違った情報を平然と流していることである。
編集者というとその業界の専門家だと思われがちだが、実際に記事を書いているのは素人である。
原宿系ファッション専門のキュレーションサイトの場合、確かにファッションは好きだがロリィタファッションは専門外という人間が、ただ単に「原宿のファッション=ロリィタ」という安直な発想から、小一時間ほどネットで調べたことを書いただけという記事が多い。
例えば、
1. 商品の盗作やトラブルの際の不誠実な対応などで評判の悪い通販ショップMilanooを「安くロリィタ服が買えるブランド」として薦めてしまう。
2. 「パステルゴス」を「フェアリーゴス」と紹介するように、すでに固有の呼び名があるスタイルに別のネーミングをしてしまう。キュレーションサイトではなくても、例えば、ネット上では「あなる系」(あるいは「ふわふわあなる系」)と、お世辞にも品がいいとは言えない呼ば方をされているファッションスタイルがあるのだが、これが実は森ガールのこと。mixiの森ガールをテーマにしたコミュニティの管理人がハンドルネームの最後に「*(アスタリスク)」をつけていたことに加え、やはり森ガールを扱ったファッション誌に「Papier*」(2012年5月号を最後に休刊)があったため、蔑称としてこの名称が生まれたのだが、さも新しいファッションスタイルの名前であるかのように広まった。まあ……そういうネーミングをして喜ぶような人たちの頭の悪さをここで書いてもしょうがないが、このように、ネットでは一つのファッションスタイルに複数の名称がついて紛らわしくなることが多々ある。
3. もう15年以上も前から存在する「エレガントゴシックロリィタ」を、ゴシックロリィタの新ジャンルとして紹介してしまう。「エレガントゴシックロリィタ」は1998年、MALICEMIZERのギターとして活動していたManaが自身のスタイルを言い表した言葉であるのと同時に、彼が立ち上げたゴシックロリィタのブランド=Moi-meme-Moitieのブランドコンセプトである。2000年代も、海外でゴシックロリィタとエレガントゴシックロリィタとを混同した捉えられ方がされていたのだが、まさか2010年代になって国内でこれとは……。
など。
今はそんなでもないが、以前は別のキュレーションサイトの記事を見出しもそのままに丸写ししているものも目立っていた。
ただ、このようなことはキュレーションサイトに限ったことではなく、あのWikipedia先生ですらオタク文化の中でメイドカフェが登場するまでに至った経緯をまったく知らないまま、それを同時期にMALICEMIZERで活動していたManaの影響によるものだと強引に関連付けた記述がされており、本記事もそういった勘違いによる間違った説明をどこかの箇所でしている可能性は否定できない。
この記事の最初の方で「っーか、ググれ。」と書いたのはこのためである。
男女間の問題について
SNSやお茶会など、同じくロリィタファッションを好む仲間と知り合う機会というのは増えており、ロリィタ服を着るのが好きだという男性=女装している人もいることは「Brolita(女装ロリィタ)」の項で説明したとおり。
繰り返しになるが、中には性同一性障害やクロスドレッサーなど、自分がセクシャルマイノリティであることに悩んでいる人もいるから、全員を否定することは失礼以外の何でもないが、その人達とは違い、限りなく犯罪に近い行為に及ぶことを目的として参加する男性も実際に存在しており、女子トイレでの覗きや、会場で知り合った女の子へのストーカー行為といったトラブルも起きている。
そのため、女装での参加や、男性の参加自体を固く断っているイベントも少なくない。
中にはロリィタを装うこともなく、今度はアメリカで毎年開催されているAnime Matsuriの主催者が、ロリィタファッション愛好家に対して不適切な言動を繰り返したという批判が2015年6月下旬に起こり、地元メディアにも取り上げられるほどの騒ぎとなった。
(一応、問題の人物はこの件について謝罪。日本ロリータ協会から任命されていたカワイイ大使も、2015年6月24日に辞任している。)
海外では、例えばJapan Expoに伴ってお茶会が開かれるように、日本のサブカルチャーをテーマとした大規模なコンベンションに合わせてロリィタファッションのファッションショーやお茶会が企画されることも多く、今後も同様の事件が起きる可能性は否定できない。
そのため、ロリィタファッション愛好家同士あるいはイベント主催者同士での、国を超えた交流や情報の共有が求められている。
(念のため書きますが、Japan Expoの運営の中に不届き者がいるわけではありません。また同時期に開催されているお茶会は有名ブランドのAngelicPrettyが主催するものであり、Japan Expoは関係ありません)
hey John,“Be true to your Dick. Do not let other fellows touch you.”
年齢の壁
ロリィタファッションは時として「大人の子供服」と形容される。にもかかわらず、話が年齢のこととなると途端に器の小ささが露呈する。というよりも、その道を極めたダンディではあるまいし、着ている当の本人たちが、自分たちの年齢に対して自虐的になり過ぎて、ロリィタファッションを着るのに相応しい適齢期を異常なほどまで下げてしまった。
具体的で極端な例を挙げれば、一部の愛好家が「25歳になったらロリィタは卒業する」と自らネット上で発言したり、20代後半の愛好家を「高齢ロリ」と呼んでいるが、先にも述べたようにロリィタ服は値段が高く、初期投資で一式購入するにも安くて8万円。学生の頃にそれを出すのは難しく、「働き始めて、十分な収入を得られるようになってから…」と考えても、そうなった時には25歳などすぐ目の前で、傍からすれば誰もが「初めから着るなよ」と言いたくなるほど馬鹿げた話である。
参考までに2024年4月現在。読者モデルの深澤翠は39歳、ロリィタのカリスマと呼ばれる青木美沙子が40歳、ゴシックロリィタを牽引してきたALIPROJECTの宝野アリカとMoi-dix-moisのManaが…………お察しください。
と、何歳であろうとロリィタファッション業界を牽引している人々が、こうして実際にいるのを見れば判るように努力次第でどうとでもなり、事実、そうしている愛好家も多い。
購入時の注意点
ついでに、これはロリィタファッションのみならず、どのようなファッションスタイルであっても気をつけなければならないことだが、ネット上での詐欺被害が頻発している。
ネットオークションやフリーマーケット、SNSなどを活用した個人間での取引においてトラブルに逢ってしまうケースは以前からあったが、最近ではネット通販での被害も増えており、特に夕方のニュースなどで特集が組まれるほど、中国系悪徳業者のネット詐欺による被害は深刻で、その場合だと国境を越えた問題であるために解決することはまず不可能。
いずれのケースにおいても共通しているのが、「先に指定の銀行口座に代金を振り込んだが、商品が届かない」という点。
一番望ましいのは実際にお店や展示即売会へ足を運ぶことだが、それも人によっては酷なことなので、次善の策としては、
1.正規ブランドの公式サイトにある通販コーナーか、金額をなるべく抑えたいというのなら雑誌「ゴシックアンドロリータバイブル」に以前から広告を出しているような古着屋のオンラインショップを活用するという手段もある。(古着屋でも悪徳業者による詐欺通販サイトが現れており、被害にあってYahoo!知恵袋に相談する人も出てきたので注意!)
2.怪しい話が出ている人物や企業を前もって調べておくこと。残念ながら被害に逢ってしまった人が、Yahoo!知恵袋やmixiの関連コミュニティなどで相談していることがあるので、こまめにリサーチして、そこで名前の挙がっているところは避ける。
3.身近なところに同好の士がいるのであれば、日頃の情報交換・情報の共有を怠らない、できる限り事実確認もすること。TwitterやLINEが登場した影響で、デマの広まるスピードが尋常ではなくなっている為、デマに踊らされるだけでなく、自分自身がデマの発信源になる可能性もある。
4.オンラインショップの場合も「日本語が変」「会社の所在地や電話番号が日本国内ではない。または、サイトのどこにも書いていない」「支払い方法が銀行振込みによる先払いしかない」など、不信な点があるサイトは避ける。
5.もし被害にあった場合はどうすればよいのか前もって調べておく。
6.「自分は大丈夫」とは絶対に思わない。
など。(時間が経つにつれて手口が巧妙化し、上記の対策では防げなくなる場合もあるので、その時はどなたでも良いので編集・更新をお願いします。)
具体的には、後述の関連サイトを参照すること。
関連タグ
Pixivでの創作活動
イラスト
作画資料 講座 メイキング
イラストを描く上でのコツなどを、わかり易く説明してくれている投稿イラストにつけられているタグ。
ロリィタファッションの説明がされている資料はここ↓に載せておく。
以下↓はフリル、レースの描き方を説明してくれている。
で、こうなる↓
ハンドメイド
イラストだけではなく、ごく少数ながらアイテムを自作し、その写真を投稿している人もいる。
擬人化
元は人でないモノを人にすること。と、これだけならまったく関係ないが、食べ物擬人化、特にお菓子擬人化のようにロリィタファッションとイメージが合いやすいモノの場合、描かれた人物がロリィタファッションに似たような服を着ているケースも多く、デザインの参考になる。逆に、服をデザインする上で、同じようにお菓子をモチーフにするという手は確かにある。
東方Project(または東方)
詳しくは東方Projectを参照のこと。
一連の作品群とロリィタファッションとの間では直接的な関係はないが、フリルやレースをふんだんにあしらった服を着ているキャラクターが多く登場し、ロリィタファッション関連のタグがつくイラストを描いているユーザーが、同時に東方Project関連の作品を投稿していることも少なくない。
また、東方ゴスロリという、東方Projectのキャラクターにゴシックロリィタ的な服装をさせたイラストにつけるタグも存在している。↓
ただし、服の表現の仕方など手本になる部分が多い反面、R-18な作品も多いので注意。
企画
ゴシック&ロリィタお洋服店(2009~2011?)
2009年から始まった企画。発起人が退会したためか、その内容を説明する企画目録はなくなってしまったものの、「ゴシック&ロリィタお洋服店」で検索すると、企画に参加して投稿された作品は今でも閲覧可能である。
東方ゴスロリ化(2010~)
カフェ企画(2011~)
スタイル・コーディネート
ロリータファッション ロリィタ ロリータ ロリィタ服 ロリ服
ロリィタファッションの表記ブレ。これらの中で主流となっているのは「ロリィタ」。↓
「ロリータ」は、確かにロリィタ服を着た女の子のイラストにつけられているケースもあり、ゴシックロリィタを描いた作品に「ゴシック ロリータ」と2つのタグを併用してつけている人もいるのだが、ハンバート・ハンバートがこよなく愛でる方との混同が著しいのであまりオススメできない。
ゴシックロリィタ ゴシックロリータ ゴスロリ
ゴシックロリィタの表記ブレ。海外ユーザーの作品だと「GothicLolita」↓
のほか、「Gothic(あるいはGoth)と「Lolita」が併用してつけられることも多い。↓
「ゴスロリ」は言うまでもなく「Gothic&Lolita」の略称だが、実は誰に気づかれることもなく「GothicLolita&LoliitaFashion」の略称として機能しており、実際に女の子の服装がどう見てもただのロリィタファッションであっても「ゴスロリ」のタグがつけられる他、黒を基調としてフリルをふんだんにあしらった服ならばゴスロリだとする風潮は……お約束である。
その他の指定タグ
甘ロリ 黒ロリ 白ロリ 和ロリ クラシカルロリィタ クラロリ エレガントロリィタ パンクロリィタ グロロリ
黒ロリと白ロリはPixiv百科事典内には記事が作成されていないものの、タグとしてはある程度の数の作品につけられている。
……「エレガントロリィタ」?と思うだろうが、これはクラシカルロリィタの別称で、ネット上で使う人がたまにいるくらいのマイナーな言葉。Pixivでもこのタグがつけられた作品は1つもない(2014年8月現在)のだが、何故かこの関連タグの項に以前から書いてある。
服飾関係
フリル レース
ロリィタ服の特徴・装飾を示すタグだが、ロリィタ服を着た女の子のイラストで、特にフリルを描き始めるとフリル地獄からやがてはフリル天国と呼ばれる、悟りの境地へと続く道を歩むことになる。
ジャンパースカート
身頃のついたスカートのことで、ロリィタ云々という要素を抜きにすれば、女子校生の制服として見かけたことのある人も多いだろう。
ネット上では略称の「JSK」で呼ばれることが多い。
ワンピース
言わずもがな。ネット上での略され方は「OP」。「ひとつ繋ぎの大秘宝」ではない。
スカート
さらに言わずもがな。こちらは「SK」と略されている。
ボンネット
古くからヨーロッパにある帽子のひとつ。Pixiv的には、漫画「ローゼンメイデン」の真紅が頭に被っている奴と言えば解る人も多いだろう。後頭部をすっぽりと覆うタイプの他に、後頭部を覆う部分がない「ハーフボンネット」がある。
ヘッドドレス
ボンネットも含めた、頭や髪の毛を飾るアクセサリーの総称。代表的なものはフリルやレースを付けた帯状の土台に、あご紐となるリボンを付けたタイプで、他にも小さな帽子を頭に乗せたミニハットタイプも多い。
ブルマ ドロワーズ
下着の一種で、いわゆる見せパン。ロリィタファッションでは盗撮防止を目的とした「生パン撲滅運動」の象徴的アイテムでもある。ブルマの方はかつて日本全国の学校で穿かれていたあのブルマの親戚で、丈が股下までしかなく、早い話がかぼちゃパンツで、エロロリのようなスカート丈の短い服装向き。一方のドロワーズは丈が長く、スカートよりも少し裾が飛び出すくらいのものを選ぶのが良いと言われている。
パニエ
スカートを膨らませるために使用される、下着の一種。基本は数枚重ねて穿いて膨らませるが、クラシカル系ロリィタだったり、TPOによっては膨らみを抑えるために枚数を減らす場合もある。
「ロリィタは装甲」という言葉があるが、その装甲の、装甲(物理)たる所以がこれであり(?)、とある愛好家が不運にも痴漢に遭ってしまうが、結果、
「ふふふふ、ロリィタで武装された私の臀部を触ろうだなんて無謀にも程がある!貴様が撫で回しておるのはバッスルパニエだ!更にその下にはオーガンジーパニエ、その下にはチュールパニエ、その下にはアンダースカートでその下にドロワーズも装備されておる!貴様如きがこの布地獄を突破出来るものか!」
(プライバシー保護のため、一次ソースへの直接リンクは貼りません)
と、Twitterにつぶやく程度で難を逃れたという話もある。
上記のつぶやきに出てくるパニエの種類に、頭の中が「?」で埋め尽くされた人はゴシックロリータ@Wikiのパニエのページを参照してもらいたい。
メーカーによって膨らみ方がまったく違い、少ない枚数で十分足りるものもあれば、鬼のように重ねなければならないものもあり、それは他の人と情報交換しながら見つけなければならない。
和装ブラ
着物の着付けで使用される補正下着。まさか「品乳はステータス」とまでは言わないだろうが、少女らしさを標榜しているロリィタファッションでは、豊か過ぎる胸はそれだけで成熟した女性のイメージが付き纏ってしまうので似合わないと言われており、そうでなくても、ジャンパースカートの中には胸の部分が空いているため、より膨らみが強調されてしまうデザインのものがあったり、自分のバストサイズに合う服が見つけられないという人がいたりもする。実は和装でもシルエットを綺麗に見せるために胸の膨らみを抑える必要があり、そこで活躍しているのがこの下着で、当然、ロリィタファッションにも使える。また、性同一性障害に悩む生物学上女性(FtM:肉体は女性だが、性自認は男性である人)のために作られた「ナベシャツ」や、主に男装する際に使用する「Bホルダー」というのもあるが、これは膨らみを抑えるのではなく、男性的な胸板を演出することが目的なので、着用する人や製品によっては胸が圧迫されてかなり苦しくなり、どちらかと言えばロリィタファッション向きではない。結局は、映画「下妻物語」で深田恭子が着用していたかどうかは不明だとして、自分の胸を気にするかどうかは結局のところ本人次第である。…と、ここまで書いておいて何だが、このキーワード…タグじゃなかった。
着物ドレス
「和ドレス」ともいい、和装である着物を西洋のドレスのようにデザインしたもの。「和ロリ」や「和ゴス」の服というイメージが強いが、実際にはそれらはあくまで着物ドレスの中の一種に過ぎず、着物業界では着られる機会が少なくなった着物の需要を増やそうと、古い着物をリメイクし、ウェディングドレスなども作られている。和ロリにはそうした伝統文化を保存する手段としての一面があり、「地域活性化」の項で紹介した加賀ロリプロジェクトもそんな試みの一つである。また、QI-Lolita(華ロリ)も同様の役割を持っており、台湾ではすでに作れる人が一人しかいなかった「花ボタン」の技術を同じ台湾出身のデザイナーが受け継いでいる。
エプロンドレス
ワンピースとエプロンが一つになったもので、「不思議の国のアリス」でアリスが着ている子供服やメイド服はこれの一種。なのだが、ロリィタファッションの愛好家は前者のイメージに憧れ、後者のイメージを敬遠し、一般人は区別するという発想そのものがない。イギリス英語では「ピナフォア」といい……ドラマ版「電車男」の撮影場所にも使われた、秋葉原のメイドカフェのことではない。
その他の予備知識
メイド
愛好家が全力で否定するイメージ。今日まで、ロリィタファッションとはまったく違う経緯を辿ってきたことはいうまでもないが、予備知識までに説明しておくと……。
1990年代の前半~半ばにかけて「禁断の血族」(1993年 シーズウェア)、「河原崎家の一族」(1993年 シルキーズ)、「GLO・RI・A~禁断の血族~」(1996年 シーズウェア。「禁断の血族」の続編)など、洋館を舞台にした成人男性向けのPCゲームが販売されていたが、そこまではメイドはメインヒロインではなく、あくまでも家族に仕えるサブヒロイン……いわゆる添え物に過ぎなかった。
そこに、登場するメインヒロインが全員メイドである「殻の中の小鳥」(1996年 BLACKPACKAGE)、「雛鳥の囀」(1997年 STUDiO B-ROOM。ブランド名は違うが「殻の中の小鳥」の続編)が登場し、ヒットしたことによって、オタク文化の中でメイドが1つのジャンルとして確立される。(ただし、両作品のメイドは厳密にはメイドの姿を借りた娼婦。揶揄等ではなく実際に舞台は高級娼館である)
すると今度は「まほろまてぃっく」や「花右京メイド隊」など、一般向けでもメイドをメインヒロインにしたコンテンツが世に出るようになった。
この時点で西暦は2000年頃となるのだが、1990年代にはもう一つ興味深い動きがあった。
それというのは「アンナミラーズ」や「馬車道」といった、飲食店の個性的な制服が注目されていたことで、同人誌即売会でもウェイトレスのコスプレをする者がいたし、名古屋の大須では店員が巫女姿で給仕する店が話題になり、ウェイトレス同士が戦う成人男性向け格闘ゲーム「V.G.-ヴァリアブル・ジオ-」(1993年 戯画)やファミリーレストランを舞台にした成人男性向け恋愛SLG「Piaキャロットへようこそ!!(1996年 カクテルソフト)」も当然のように発売された。
この「Piaキャロットへようこそ!!」が、続編の「Piaキャロットへようこそ!!2(1997年 カクテルソフト)」もヒットし、その人気から1999年には秋葉原にあったゲーマーズスクエア店の6階にて、同作品をモデルとした「Piaキャロットレストラン」が期間限定でオープンする。
……後に、メイドカフェの元祖と呼ばれる「CURE MAID CAFE」の原型がこれである。
「CURE MAID CAFE」がオープンしたのは2001年。この年は前述の「花右京メイド隊」「まほろまてぃっく」が続けてテレビアニメ化した年であり、当時、いかにメイドが人気だったかが窺えるし、逆に、オタクが集まる秋葉原で飲食店をやるのに、メイド服を制服として採用するのはあまりに自然な発想だったと言える(※8)。
その後、パソコン専門店のT-ZONEが新しい事業をと考えて「Cafe Mai:lish」が2002年に、コスプレ姿の店員が働く「Cos-Cha」が2003年に秋葉原にオープンすると、類似の飲食店が次々と現れ、十把一絡げに「メイドカフェ」と呼ばれるようになった(※9)ものの、2004年には「Cafe Mai:lish吉祥寺店」がわずか1年ほどで閉店し、それ以外の店もいくつか閉店したため、この流行もここで終わりだと誰もが一度は感じた。
が、そこでリア充登場(原作となる2Chへの書き込みは2004年の3月~5月)によるアキバブーム(2005年~)が起こり、後はご覧の有様である。
と……このように、ロリィタファッションとはまったく関係なく、ここまで書いても「原宿」「MALICEMIZER」「エレガント」「ゴシック」「ロリータ」といった単語は一切出てこない。
精神が云々という以前に別物なのである。(※10)
……が、なにせWikipedia先生の「ロリータ・ファッション」の中ですら2000年代におけるロリィタファッションの流行とメイドの流行とを一緒くたにした説明があり、それが「ゴシック・アンド・ロリータ」の場合になると、出典自体が「MALICEMIZERのManaの影響によって、メイド服は発展した」という間違った前提を元にして話を進めているのだから、さらに性質が悪くなっていた(※11)。
こうしたことに対しては、同じくWikipedia先生の「メイド服」でも本記事とは別の切り口で言及しているので参考にすると良いだろう。
ちなみに、Pixiv内では「カチューシャ『解せぬ』」でお馴染みのホワイトブリムだが、本当はこれでなくても構わない。というのも、森薫の漫画「エマ」を見れば判るように、ヴィクトリア朝時代には一般的に室内帽(キャップ、現代ではメイド帽とも)をしていた。これが、室内帽が姿を消すも帽子のつばだけがメイドの記号として残るようになったのはヴィクトリア朝時代末期の1890年代からエドワード朝時代(1901~1910)の間と考えられ、海外ドラマ「ダウントンアビー」で描かれる時代(1912年~)にはすっかりホワイトブリム……というより、ロリィタファッションのコーディネートで使われているヘッドドレスに近い形状のものに変わっている。
なので、もしタワーブリッジが建設途中の頃(1886年に着工、完成は1894年)にフリルつきのカチューシャをしたメイドが登場したなら、メイドに詳しい人から生温い視線を注がれることになるだろう。
(※8 「CURE MAID CAFE」をオープンさせるにあたって、「秋葉原にはゆっくりできて、ちゃんとした食事をできるところがないよね」という話が出て、お店のコンセプトを「癒し」にした点もメイド服が制服となった理由のひとつかもしれない。事実、現在と違って当時の秋葉原は飲食店自体が本当に少なかった。懐具合の厳しい人たちの間では、「牛丼が美味しくないことで知られる牛丼屋・サンボの生卵に中らなかったら一人前の秋葉人」などという皮肉が話されていたくらい、足を運ぶお店の選択肢がなかった)
(※9 「いらっしゃいませ、ご主人さま」というお決まりの台詞は2004年にオープンした「JAM AKIHABARA」が最初。実際には「お帰りなさいませ、ご主人様」だが。例えば「CURE MAID CAFE」の場合、実際には新作アニメ・ゲームのPRを兼ねたコラボ企画がたまにある以外は「制服がメイド服ってだけの普通の喫茶店」であり、完璧にクラシカルな空間を期待して行って空調の配管が剥き出しの黒い天井にがっかりしたり、自分がご主人様として扱われるものと勝手に勘違いした結果、不満をネット上に書き込む者も多かった。逆に、当時のそういったメイドカフェに対する勘違いや不満や要望が、後発の店にとっては他店との差別化を図る重要なコンセプトとなり、「@ほぉ~むカフェ」のようにメイドとのコミュニケーションを売りにする店や、池袋にある「Wonder Parlour Cafe」のような本格的にクラシカルな雰囲気が漂う店を登場させることにも繋がった。)
(※10 強いて共通点を挙げれば、メイドカフェの客がメイドを従え、彼女らに奉仕してもらえる「ご主人様」に、ロリィタファッション愛好家が誰に従う必要もなく、世の中に振り回されることのない「お嬢様」に、一般社会では人に雇われる立場ではなく雇う側……つまりは「勝ち組」になることを夢見て、他の誰よりも優遇されたいと願っているところだろうか。それ故、逆に他人の迷惑を顧みず、当たり前のように自己中心的な言動を繰り返している者がいるなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す必要がある)
(※11 現在はWikipedia先生の問題の記述はすでに削除されている。ついでに説明すれば、アダルトゲームで「メイドもの」が確立したのが1997年で、「ゴスロリ」なる格好をした女の子たちを原宿の街でよく目にするようになったとされるのが1998年。秋葉原を中心としてメイドカフェの数が増えたのが2003年なら、映画「下妻物語」の影響でロリィタファッションの知名度が上がったのが2004年。と、この両者が一年前後の誤差でだいたい同じ時期に節目を迎えている点と、共にヴィクトリア朝時代を連想しやすい文化である点も、突飛な珍説の飛び出しやすい要因にはなっている。また、いわゆる「オタク文化」の中での連動した出来事だったとはいえ、1990年代後半のアニメやゲーム、マンガ界におけるメイドブームと、2000年代前半のメイドカフェブーム。それと2000年代後半の一般社会におけるアキバブームを、別個に捉えないと混乱を招くことになる。というか、実際に招いている)
コスプレ
愛好家が全力で否定するイメージ、パート2。Pixiv内でこのタグがどう使われているかの詳細は、Pixiv百科事典「コスプレ」を参照のこと。
実際にトラブルや問題が起きているという点では、こちらとの混同の方が厄介である。
有名な話では2005年11月に発覚した「鳩山御殿問題」という出来事があり、これは雑誌「ゴシック・ロリータ&パンク ブランドBOOK秋冬号」に、ロリィタファッションが映える場所として鳩山会館が推奨されていたのがきっかけで、そこで撮影会をする人たちが増え、
「実は最近、ゴスロリを特集した雑誌に、鳩山会館で『記念撮影をしよう』と紹介されたのです。
そういう服装の方々とは以前、色々とトラブルがありまして…。
それで大挙してこられても困るので、今月10日から敷地内での撮影や入館をお断りする掲示を出しました」
。(「ZAKZAK - 鳩山御殿ゴスロリ禁止令、カメラ小僧とトイレ着替え…困り果て昨年春から入館規制も」より、当時の会館事務局長・大竹範氏の言葉。元の記事があるページがすでに無くなっているのでリンク不可能。また、2009年に書かれた同様の記事も参考のこと)
ということになった。
ここまで書くと、ロリィタファッションの愛好家が問題を起こしたかのように受け取れるが、実際にはコスプレイヤーが会館内のトイレでコスプレ衣装としてのロリィタ服に着替えて化粧もし、周囲に迷惑をかけていたというものだった。(無論、コスプレイヤーとしてもマナー違反とされる行為)
また、普段着かコスプレかの区別を最初からするつもりがない人間によるトラブルも多く、イベント会場で入場時には何も言われなかったが、会場を出るときにコスプレと思われて着替えるようにスタッフに言われた。という話も出ている(※12)。
これは、ロリィタファッションの外見ではなく、特質にも理由がある。
ロリィタファッションが生まれる要因の一つにヴィジュアル系バンドとの関わりがあり、その歴史を遡るとXJAPANにまで行き着く(※13)。そのファンがライブなどに行く際にXJAPANのメンバーと同じ格好をしていたのは有名で、当時、電車の中でその姿を見ても、彼女らが何者で、どこへ行こうとしているのかが一目見て分かった。
やがてXJAPANからヴィジュアル系へと音楽が受け継がれると、同時にファンの間でもその習慣が継承され、その裏づけにゴシックロリィタの母とも呼ばれるatelier-pierrotのオーナー・大橋敬子を紹介する記事で、1990年代の光景として、
「同時にアトリエピエロは、彼らのファン、いわゆるバンギャが集う店でもあった。メンバーのスタイルをそっくり真似するファッションが流行っていた。中でも、のちに自らゴスロリブランドMoi-meme-Moitie(モワ・メーム・モワティエ)のプロデュースをする、MALICE MIZERのギタリストManaは絶大な人気を誇っていた。」(「栗田亮のクールジャパン新展開」より抜粋)
と書かれている。
後に黒ロリとかゴシックロリィタと呼ばれることのなる服装は、好きなバンドや彼らが紡ぎ出す曲の世界観に自ら溶け込んでいくための仮装……つまりは劇場型のファッションとして機能する側面があり、それは今も変わらず、KERAや「ゴシックアンドロリータバイブル」の街角スナップのページでは、「お人形」とか「魔法少女」など、自身で考えた役柄をテーマにしたコーディネートを見ることができる。
ロリィタファッションをよく知らない人にとって、コスプレとの区別がつきづらいというのは、そういうところに縁(よ)る部分もある。と、再度確認しておいた方が良いかもしれない。
ちなみに同人誌即売会などのイベントに行く際には、クラシカルロリィタが良いとされている。落ち着いた色使いにしてもフリルやレースが少ない(むしろ無い)点にしても、さすがにそれとアニメやゲームのキャラクターの格好とを一緒にするのはおかしい。というのが一点と、パニエを少なめにしてスカートの広がりを抑えているという特徴から、狭い通路でどこかにスカートを引っ掛けることもなく、大事な服を傷つけてしまうことも、人様の邪魔や迷惑になることも避けられるという利点もある。
(※12 ちなみに、コスプレでの入場禁止は日本固有のルールで、海外ではよほど露出度の高い格好でなければ自宅や宿泊先からコスプレした姿で会場入りするのが一般的であり、イベントによっては更衣室がない。というよりも基本的にない。2013年4月22日に放送されたテレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」の中で、アメリカから来たコスプレイヤーが劇場版「ドラゴンボールZ」の登場人物の格好でイベント会場に向かい、一時、入場を断られる場面があったのはこの為。連続幼女誘拐殺人事件から続くオタク文化への偏見にやられすぎて「オタクに対して悪いイメージを持たれないように」と不必要なほど神経質になったり、逆にそれで卑屈になって問題を起こす輩も多いという現状があるにはあるが、今の日本の環境や考え方では、イベント運営側が参加者の服装に制約を強いて無自覚のままトラブルの種を蒔く一方で、今までコスプレなどしたことがない一般人が急にハロウィンなどで仮装をし始め、惨い結果を招く温床にしかなっていない。)
(※13 「ゴシックロリータ@Wiki」内にあるゴスロリ年表や、福岡県が立ち上げたポップカルチャー発信サイト「asianbeat」のロリータファッションの歴史を参考のこと。XJAPANよりも以前の、ゴシック・ロックやそれを日本に輸入したAUTO-MOD、それに加えてゴシック・ファッションの歴史まで紐解くとかなりめんどいことになるので、当然のごとく省略)
東京ディズニーリゾート
誰もが知ってる夢の国。
ディズニーランドにロリィタ服を着て行ってよいかどうかという悩みや相談をネット上で見かけるが、それは可能。
実際にロリィタ服を着て入園した時の写真をブログに上げている人もいる一方で、ディズニー公式ショップであるディズニーストアも、「不思議の国のアリス」をモチーフにしたゴシックロリィタのアイテムを始め、ロリィタブランドのAngelicPrettyやBABY,THE STARS SHINE BRIGHTとのコラボ企画によるロリィタ服を販売している(すでに在庫切れや販売を終了した商品もある)。
ただし、場所が場所なだけに空間と服装とが合いすぎてしまうので、キャストと間違われるかもしれないコーディネート(例えばアリスにそっくりなロリィタコーデなど)は念のため避けたほうが無難だろう。
特に、ハロウィンにはフル仮装をして園内を歩ける日が期間限定であるのだが(2014年の場合だと9月8日~14日と10月25日~31日)、「ディズニー作品以外のキャラクターの仮装は駄目」「キャラクターのイメージを損なうような仮装は駄目(公式サイトではティンカーベルのフル仮装でお腹を露出していたり、肩ひもがないなど、小さなお子様が目覚めそうな格好を例に挙げている)」「仮装していいのはディズニーランドだけで、その格好のままディズニーシーに行っちゃ駄目」など、細かくルールが決まっている。(毎年、ルールが変わるため、必ず公式サイトで確認すること)
不思議の国のアリス
詳細はPixiv百科事典「不思議の国のアリス」または「アリス」を参照のこと。
言わずと知れた、ルイス・キャロル作の児童文学。この作品をモチーフにした作品は数知れず、「○○の国のアリス」というタイトルだけに絞っても枚挙に暇がなく、普通にメルヘンチックなファンタジーもあれば、ゲーム「アリス:マッドネスリターンズ」のようにゴシック的にアレンジされたものもあり、Pixiv内でも投稿者が各々のイメージで描いて投稿した創作アリスやアリスコスを見ることができる。↓
ロリィタファッションのモチーフとしても好まれており、ALICE and the PIRATES(ブランド)とか、アリスとふるるん(古着屋)とか、アリスエイジ(通販サイト)とか、フリル付きアリストランププリントアンブレラ(傘)とか、アリスのお菓子の国の不思議なお茶会ジャンパースカート(服)など、名称からデザインに至るまで枚挙にいとまがない。
ヴィクトリア朝時代の子供服がロリィタ服のデザインの元だとする説があるが、逆にジョン・テニエルが描いた挿絵のアリスの服装が、当時の子供服のデザインに大きな影響を及ぼしたとも言われている。
ちなみに、1890年に五歳以下の子供のために出版された「子供部屋のアリス」の挿絵でアリスが黄色い服を着ているため、「不思議の国のアリス」でのアリスの服も黄色だったのではないかと言われているが、テニエルが亡くなる3年前の1911年に「不思議の国~」と「鏡の国~」を合わせた合本が出版された際、ハリー・G・シーカーがテニエルの挿絵の服を薄いブルーに、エプロンを白に彩色して、これを後にディズニーが「ふしぎの国のアリス」の手本にしたため、アリスというと水色と白というイメージが一般的に定着することになった。
また、市販のコスプレ衣装や二次創作のイラストの靴下が縞模様であることが多いが、これは「鏡の国のアリス」の方でアリスが縞模様のストッキングを穿いていたことに起因しており、「不思議の国のアリス」の方は無地の白である。
ロリータ
ロリィタファッションの語源となった、小説の方の「ロリータ」。
詳細はPixiv百科事典「ロリータ(小説)」を参照のこと。
タグとしては先に書いたとおりのロリィタファッションの表記ブレだったり、変態紳士向けの投稿作品がほとんどで、それらに埋もれる形にはなるのだが、小説のヒロイン、ドロレス・ヘイズ(通称ロリータ)を描いたイラストも実際に数点だけある。
物語は紳士的な中年男性・ハンバートがロリータと出会って一目惚れしてから、自滅するまでの経緯を手記という形で独白するというもので、そう書いてしまえばロリィタファッション側から敬遠されるし露骨な性描写も実際にあるものの、若くして運命の女(ファム・ファタール)の資質を持ち、一人の男の人生を狂わせたロリータの姿にだけスポットを当ててみると、ロリィタから見ても理想的な、一つの完成形として読むことができる。(もっとも、小説「カルメン」を物語の土台にしているためか、ハンバートのみならず、ロリータも最終的には不運な結末を迎えるのだが…)
50's Fashion(フィフティーズファッション)
オードリー・ヘプバーンが映画「ローマの休日」で一躍脚光を浴び(1953年)、ナボコフが小説「ロリータ」を出版した(1855年)、主に1950年代から1960年代の始め頃まで、アメリカのティーンズなどがしていた服装の総称である。
その中で、フレアスカートやワンピースのスカートをパニエやペチコートなどでふわっと膨らませる着こなしが……と書けば分かるだろう、基本的なシルエットがロリィタファッションとほぼ同じで、「素肌にジャンパースカート」という着こなしが正統派から拒絶されながらも存在していたのは、50's Fashionで見る、肩を露出させたワンピース姿を無意識のうちに継承していたからだろう。
ただ、50's Fashionもかのクリスチャン ディオールが1947年に発表した「ニュールック」というシルエットが原型となっているのだが、これもまたファッション専門サイトが指摘しているように、16世紀以降の女性服を現代風にリバイバルしたものに過ぎない。(ちなみにロリィタファッションではおなじみのAラインは、同じくクリスチャン ディオールが1955年に発表したシルエット)
着こなしについてそんなに煩く言われなくなった2015年現在では、KERAの12月号でLilyが「ロリポップスタイル」と称し、ジャンパースカートを50's Fashion風に着るようにもなった。(アクションゲーム「ロリポップチェーンソー」でも使われている歌「Lollipop」が発表されたのは、1958年のことだった)
興味のある人は映画「ヘアスプレー」。または、同時代のフランスを舞台にした映画「タイピスト!」なども、これに近いファッションが登場しているので鑑賞してみるといい。
童貞を殺す服
「コルセットスカート」、「ハイウエストスカート」、サスペンダーが付いているタイプは「サスペンダー付きコルセットスカート」もしくは「コルセットジャンパースカート」など、発売しているブランドによって様々な名前がついている、胸が強調されるようなデザインの服のことで、2015年7月にネット上で話題になると、その中でクラシカルロリィタを主に扱っているあるブランドが取り上げられた。
が、そこに大きな間違いがある。
というのも、「和装ブラ」の項でも説明したように、ロリィタファッションでは少女らしさを標榜しているため、大きな胸で否応なく「成熟した女性」に見えてしまわないよう、和装ブラなどで膨らみを抑えてから着るのが基本となっている。
それ故、アンナミラーズの制服のように世の男性達が誘惑されるようなことは、ロリィタファッションではあり得ない。たとえ、巨乳に「サスペンダー付きコルセットなんたらかんたら」という組み合わせが好物だったとしても、諦めろ、これが現実だ。
もっとも、パニエとドロワーズから成る戦艦大和並の装甲によって武装されたスカートの内部構造など、いざ、そういうシチュエーションになったとしても、経験の浅い男性ではどうしたらいいか分からずに混乱するような仕様にもなっているのだが。
なので、もう一度書く。……諦めろ、これが現実だ。
……願わくば件のブランドで働いている人たちが、この話題をまったく知らないままでいることを祈る。
関連サイト
参考サイト
ゴシックロリータ@Wiki ロリィタファッションの詳しい歴史と深い考察が読むことのできるサイト。その他にもショップリストや関連サイトへのリンク、初心者向けのQ&Aに用語辞典など、かなり充実している。
Wikipedia「ロリータ・ファッション」 説明するまでもなくWikipedia先生。ただ、作家・嶽本野ばらの意見を参考にしている箇所が目立ち、ともすると嶽本の考え、価値基準に合わせるのが正しいかのように錯覚してしまうので注意(よく読んでいくと、そうではないこともしっかりと明記してある)。
Wikipedia「ゴスロリブランド一覧」 Wikipedia先生によるロリィタファッション、ゴシックロリィタのブランド一覧。
Wikipedia「Lolita fashion」 英語版Wikipedia先生。
维基百科「萝莉塔风尚」 中国語版Wikipedia先生。
Lolita Fashion Wiki 海外のロリィタファッション専門サイト。更新は2012年で止まっているらしいが、海外でのロリィタファッションを知るには参考になる。特に"Lolita Styles"のページは、英文だが各スタイルを写真つきで説明しており、痛ロリまで紹介しているので面白い。
Hello Lace こちらも海外のロリィタファッション専門サイト。ただし、2016年頃にサイト閉鎖。
武庫川女子大学リポジトリ「ロリィタファッションに関する研究―着用者の視点から― 」 兵庫県にある武庫川女子大学において作成された論文。
(※愛好家の個人サイト・ブログもいくつか参考にしていますが、プライバシー保護のため、紹介やリンクは控えさせていただきます。)
Pixivision
「フリルにリボン!甘可愛い♡ロリィタファッションのイラスト特集」
「闇を纏いて可憐に咲く♡ゴスロリ少女のイラスト特集」 ゴシックロリィタ特集第2段
「レトロなお嬢様♡クラシカルロリータのイラスト特集」 クラシカルロリィタ特集。……と言っても、「女の子の着ている服のデザインが」というより、「イラストの雰囲気が」クラシカルである作品も紹介されているので、参考程度に止めておくくらいが丁度よいかも知れない。(実際に「クラロリ」「クラシカルロリィタ」といったタグがつけられていない)
「【和洋ロリのミックスアレンジ♡】和風ロリィタファッション特集」
「【髪を華やかに飾る】ヘッドドレス特集【ボンネット・ミニハット】」 ロリィタファッションには欠かせない、ボンネット、ミニハットなどのヘッドドレス特集
「描いても描いても終わらない…。「フリル地獄」のイラスト特集」 昇るか堕ちるかはあなた次第。
「【メルヘンかわいい!】ディアンドル特集 【ドイツの民族衣装】」 一部のロリィタファッションやメイド服とは似て異なる、ヨーロッパの民族衣装「ディアンドル」の特集。一般にはドイツのお祭り「オクトーバーフェスト」で見られるような、胸元を露わにしたタイプが知られているが、本来はそんなことのない、いたって普通のデザインである。
「和装に白いエプロン。女給さんを描いたイラスト特集」 和ドレスとは似て異なる(?)女給さんの特集。
「輝く星空を身に着けて♡星空ドレスを描いたイラスト特集」 ロリィタ服でも好まれる、星空をテーマとした服の特集。
「【童話】不思議の国のアリス特集【惹きこまれちゃう】」 お約束の創作アリス。そのままメルヘンだったり、ダークファンタジーにしたりとアレンジのされ方も幅広い。
「【タグシリーズ】黒は女性を美しく見せる」 ゴシック及びゴシックロリィタ関係の投稿作品ではおなじみのタグ。
「エレガントにスマートに♡『黒は女性を美しく見せる』イラスト特集」 「黒は女性を美しく見せる」タグ特集第二弾。
「あなたを引き立たせる色。『黒は女性を美しく見せる』イラスト特集」 「黒は女性を美しく見せる」タグ特集第三弾。
「極限のふわふわ感!フリル地獄のイラスト特集」 「フリル地獄」と呼ばれる、過剰にフリルの描きこみが酷い(褒め言葉)イラストの特集
「【異国情緒あふれる美しき世界】ヨーロピアンな街並み特集」 ロリィタファッションとマッチする背景の参考に。
「糸で絡め取られた人形。マリオネットを描いたイラスト特集」 意中の人をそうしたいのか?自分自身がそうなりたいのか?マリオネットの特集。
「無機質な透明感が美しい。球体関節人形のイラスト特集」 意中の人をそうした……以下略。澁澤乙女な人やそうでないゴスにもおなじみの球体関節人形。
「【秘密を閉じこめて】鍵(カギ)特集」 ゴシックロリィタで扱われることも多いモチーフ = 鍵の特集。鍵に込められた意味は人それぞれで、例えばバチカンの場合、初代法王ペトロが天国の鍵をイエスから渡されたという言い伝えから国章に描いており、タロットカードの「教皇」でも描かれていることが多いが、逆に「天国の門を開けるのは教皇だけ」という権力の象徴として捉えることも出来る。
「【運命を示す選ばれた星々】12星座特集」 星座占いで馴染みの深い、黄道十二星座の特集。余談だが、自分の生まれた月に因んだ宝石を身に着けると加護をもたらしてくれると言われる「誕生石」は確かに起源は古い(旧約聖書「出エジプト記」28章17~21節、あるいは新約聖書「ヨハネの黙示録」21章19~20節)ものの、実はどの誕生月にどの宝石が割り当てられているのかは国によって異なり、また、現代日本で知られているのは、1952年にアメリカ宝石小売商組合などが定めたものを基としている。一方で、自分の星座によって定められる「星座石」というものがあり、西洋ではこちらの方がポピュラーだという。それぞれの誕生月に一種類しかない誕生石と違い、守護してくれる星座石はそれぞれに三種類。ジュエリーの購入を考えたなら、自分の星座を守護している宝石と、その石が意味している石言葉で選んでみてはいかがだろうか。
「【運命を占える?】タロットカード風特集」 ゴシックロリィタに絡んで興味を持たれる機会の多い、タロットカードの特集。ちなみに自分の生年月日の数字を足していき、合計の数字が22以下ならそのまま、23以上なら22を引いた数字に相当するカードが、自身の属性を示すパーソナルカードなのだそうだ。(例えば1999年7月1日生まれなら、1+9+9+9+7+3=16=塔といった具合。ただし、合計が0というのはありえないので、正義が8、力が11、そして愚者には番号が振られていないマルセイユ版のタロットで判断すること。この際、愚者は22番目のカードとして扱う)
「【妖艶なくちづけ】吸血鬼特集」 本当に危険な人物から、ニンニクたっぷりのラーメンが好きな自称ヴァンパイアまで幅広い、吸血鬼の特集。
「【蒸気機関の不思議なアイテム】スチームパンクな道具特集」 独特な世界観でファンも多いスチームパンクの、投稿者のセンスが光る道具の特集。
「【ちょっぴり贅沢気分】紅茶特集」 ロリィタな生活には欠かせない、紅茶の特集。
「ふんわりあま〜い♪パンケーキ特集」 ロリィタファッション関係というより、ただの飯テロである。しかも余談だが、パンケーキとホットケーキの違いは………ない。実際、英語版Wikipedia先生の「Pancake」の記事でも「(アメリカ・カナダでは)ホットケーキとも呼んでいる」と書かれており、マクドナルドでもブレックファスト(朝マック)のメニューであるホットケーキが地域によってHotcakesだったりPancakesだったりしている。
「【いつでもどこでも食べたい!】クレープ特集」 飯テロその2でクレープ特集。
「甘く可愛く美しく♡ケーキを擬人化したイラスト特集」 飯テロではないケーキ特集。
「真っ赤でかわいい小粒の実♡苺(いちご)を描いたイラスト特集」 「一期一会のトゥルットゥー!」でおなじみの苺特集。
その他の情報サイト
(ただし、掲載されている記事は玉石混淆のため、ご注意ください)
KERA MAGAZINE 1998年に創刊された原宿系ファッション誌。2017年春に紙媒体での出版を終了し、デジタル媒体での配信に移行した。
NAVERまとめ キュレーターたちによってネット上に散乱した情報をテーマごとに収集して記事にまとめる、キュレーションサービスの代表的なサイト。2014年11月には、このサイトの記事がきっかけとなってQi-Lolita(華ロリ)が話題となった。現在はサービス終了している為、閲覧不可。
KawaiiPlanets 原宿系ファッションを中心とした情報を配信するキュレーションサイト。
LucuLucu.Press 原宿で展開されるサブカルチャーを取り上げるWebサイト。
この記事で名前を挙げたブランド
Baby the Stars Shine Bright 甘ロリの代表格。映画「下妻物語」で衣装協力をした……というよりも、作中で主人公の竜ヶ崎桃子が心酔しているのが、このブランド。「下妻物語」以外にも数多くの映画・ドラマに衣装を提供し、日本国内だけでなく、パリ、ニューヨーク、サンフランシスコにも店がある。「Pirates Lolita」の項で名前を出した「ALICE and the PIRATES」は「もしアリスが海賊と出会ったら…」をコンセプトにしたBabyの姉妹ブランドである。
AngelicPretty 「夢見る心を忘れずに、いつまでも可愛くありたい女の子達のためのブランド」をコンセプトとするブランド。甘ロリを語る時、必ずといってよいほどBabyとまるで対を成すかのように名前が出てくるが、デコラティブロリィタでも外すことができないブランドである。
Metamorphose temps de fille 「ジャンルにとらわれない、自分なりのロリィタファッションを求めるロリィタちゃんのためのロリィタファッションブランド」(公式サイトの紹介文より)。本文では「メタモルフォーゼ」と書いてしまっているが、フランス語を基にした「天使降臨。変身・変化・少女の時」という意味の造語である「manifesteange metamorphose temps de fille (マニフェステアンジェ メタモルフォーゼ タン ドゥ フィーユ)」が正式なブランド名。紹介分の通りジャンルにとらわれず、「種類とその分類」で挙げたMilitary Lolitaの他にも執事喫茶「Swallowtail」とのコラボ商品でメイド服風の服も発売したりと、ロリィタという固定観念にすら囚われてないところがある。そして、接客対応の評判がいい(他のブランドの接客が悪いと言っているわけではない)。
h.NAOTO 公式サイトの紹介文を読むと「h.NAOTOは世界的なムーブメントを巻き起こした、ゴスロリ系ファッションブランド。」となっているが、ゴスロリというよりもむしろアンダーグラウンド全般を扱ったブランドであり、ゴシックファッションや、パンクファッション、日本のアニメからインスピレーションを得た服を発売し、XJAPANやGACKTなどへの衣装提供も行っている。ロリィタファッションはその中で「h.NAOTO FRILL」と銘打ったカテゴリー(公式サイトでは「コレクション」と呼んでいる)に入るが、「種類とその分類」の項で名前を出したように、最近ではスチームパンクをコンセプトにした「h.NAOTO STEAM」に力を注いだり、ミリタリーロリィタの服も出している。
Atelier-Pierrot ラフォーレ原宿に本店を置く、ゴシックロリィタの歴史を紐解くには欠かすことのできないブランドで、その功績はWikipedia先生の「ゴスロリブランド一覧」を参照のこと。オーナーの大橋敬子はVISIBLEの他にもMARBLEやATELIER BOZにも黒い服を作るように勧めている。先述のh.NAOTOもそうだが、Atelier-Pierrotも含め、いずれもゴシックロリィタのブランドとして知られているものの、ほとんどがゴシックファッション寄りの服を発売している。
古着屋
closet child 新宿、原宿、横浜などで店頭販売も行っているが、お店によって扱ってる服の種類が異なるので、詳細はサイトで確認すること。
Maiden Clothing 店頭での販売も行っており、東京なら新宿に1店舗、大阪なら心斎橋に2店舗ある。
イベント
(国内外を問わず、アニメ・漫画コンテンツがメインのイベントは紹介しません。また、ホームページを作らず、開催の告知などはブログやSNSでのみ行っているイベントも紹介しません。予めご了承ください。)
Alamode Market 4月と10月の年2回、神奈川県川崎市にある川崎市産業振興会館で開催される展示即売会。
PrincessDream こちらも同じく、川崎市産業振興会館で開催される展示即売会。
Romantic A La Mode 大阪市中央公会堂で不定期で開催され、イベント中は展示即売会以外にもお茶会やファッションショーなどさまざまな企画も行われている。
daydream 大阪市梅田の梅田アクトスリーホールで開催される展示即売会。「アンダーグラウンド系創作展示即売会」と銘打っており、ゴシックっぽいイラストやアクセサリーを出展販売するグループもある。
ARTiSM MARKET 2003年より関東を中心にクラブ・ライブハウスの運営やイベント企画・制作などを行ってきたARTiSMが、自ら「史上最大」と自負して開催しているアンダーグラウンド系の展示即売会。どんなサークル、ブランドが参加して、どんなアイテムが出品されているのかはTwitterでのハッシュタグ「#アーティズムマーケット」で知ることができる。(例えば、2015年12月に行われた第6回の様子はTwitter専門のまとめサイトを参考に)
BrilliantStar☆デコレーションズ ロリィタファッションや貴族趣味といった嗜好のファッションイベント。ファッションショーやファッションコンテストなどのプログラムが組まれ、ファッションショーに出展したブランドや協賛会社による物販などもある。
Hellocon フィンランドはヘルシンキで開催されていた、ロリィタファッションのイベント。ファッションショーやお茶会などさまざまな企画を行っており、2014年には約300人が集まった。ただし、諸事情により今後はイベントを行わないことが2016年11月に発表された。本記事では同イベントに携わったすべてのスタッフに敬意を表し、ロリィタファッションが好きだという人々がフィンランドにもいるということの証しとして、このまま紹介させていただくこととする。(なお、この運営団体は2017年2月に別のイベント「Looking for Alice」を開催している。)
Rufflecon アメリカコネティカット州のスタンフォードで開催されるアンダーグラウンド系のファッションイベント。
各方面での動き
(SNSのアカウントだけを取得し、ホームページを開設していない団体や愛好家サークルは、荒らしなどの迷惑行為を防止する目的から紹介を控えさせていただきます。また、小規模なお茶会やイベントを定期的に開催しているサークルも、冷やかし、嘘の参加申し込みなどの迷惑行為を防止するため、紹介を控えさせていただきます。予めご了承ください。)
日本ロリータ協会 ロリィタファッションのさらなる発展を目指し、福岡の大村美容ファッション専門学校内に事務所を構える協会。会長はモデルで元外務省ポップカルチャー発信使の青木美沙子。多くのメディアが2013年に設立したと取り上げていたが、実際に発足したのは2011年6月。2012年に東京にあった旧ロリータ協会(仮名)が閉鎖され、それを引き継ぐ形で福岡に拠点を置いたのが、今の日本ロリータ協会である。
SAPPORP LOLITA CLUB カワイイ北海道のきっかけとなった、第1回ビジネスアイディア・コンテスト「北海道×マーケティング」での大賞受賞チーム。2013年には「合同会社 北ロリ」として法人化し、2014年にはオフィス兼ショールーム・ショップをオープンさせた。
Ailize 璃月愛(広報・出演担当)、宇賀神裕太郎(企画・戦略担当)、山本愛佑子(デザイン・制作担当)の三人によって2015年の秋に結成されたロリィタファッション企画集団。海外向けに、ロリィタ文化を英語で紹介するYouTubeチャンネルなどを運営している。
Maison de Julietta ロリィタ体験サロン。元々は2013年3月に原宿にある美容室で行われた期間限定の企画だったが、好評だったために期間を延長し、同年9月からはラフォーレ原宿の常設店舗としてオープンした。
Tokyo Inventors Society 東京発明者協会 スチームパンクのクリエイター集団で、日本最大のスチームパンクイベント「スチームガーデン」を主催している。
The Tea Party Club 2007年から活動している、イギリスのサークル。
情報サイト及びコラムサイトでのロリィタファッション関連記事
ダ・ヴィンチニュース「嶽本野ばらロングインタビュー」 2002年6月1日の記事。
Excite Bit「『下妻物語』、深キョンロリータの世界を求めて」 2004年5月28日の記事。
REUTERS「カワイイ大使、世界にポップカルチャー発信」 2009年3月12日の記事。
PRESIDENT Online「『カワイイ外交』が、日本を救う!?」 2009年4月27日の記事。
お客様を海外から呼ぼう!テンカイジャパン「お疲れ様でした『カワイイ大使』」 2010年3月31日の記事。
ニコニコニュース「下妻市がロリータで町おこし "男の娘"も参戦」 2011年10月24日の記事。
朝日新聞デジタル「和製ロリータ、英国に里帰り ロンドンの美術館で特集展」 2012年6月22日の記事。
ねとらば「伝統工芸×ロリィタ 異色のコラボプロジェクト『加賀ロリ』」 2012年10月29日
天神経済新聞「福岡に『日本ロリータ協会』-会長に『ロリータ界のカリスマ』青木美沙子さん」 2013年5月13日の記事(ただし、協会自体は一度2011年に発足していて、2012年に閉鎖。福岡に拠点を移して再出発したのが、2013年3月1日のことである)
マイナビニュース「北海道小樽・札幌の魅力にロリィタ文化を! 『ロリカワ観光ツーリズム事業』」 2013年7月1日の記事
iRONNA「死語になったクールジャパン もう『ゴスロリ』しか残っていない」 掲載された年月日は不明。
VICE(英語サイト)「Meet the Hijabi Lolita」 2015年6月28日。ムスリマロリィタを最初に紹介した記事。
Fashionsnap.com「ロリータ女子がパリで増加『アンジェリック プリティ』が5つ星ホテルでお茶会とショー開催」 2015年7月5日の記事。
NIKKEI STYLE「『カワイイ』ロリータ世界が装う 米国現地から報告」 2015年10月31日の記事。
withnews「クールジャパンの盲点? ロリータファッション、海外でブーム」 2015年12月1日の記事。
Fashionsnap.com「原宿・新宿から消えた?ロリータは今どこにいるのか」 2016年12月29日の記事
withnews「ロリータ好き過ぎて留学決意、中国人女子が見た現実『聖地なのに…』」 2017年9月6日の記事。
ねとらぼ「『昔の美しい洋服の情熱と、現代カルチャーの熱狂のはざま』フランスのロリータファッション事情」 2017年11月18日の記事。
NHK NEWS WEB「ニッポンのカワイイはどこへゆく」 2017年11月27日の記事。
Fashionsnap.com「KERAとゴスロリバイブルの休刊から1年、新ロリータ系ファッション誌が続々と登場」 2018年6月14日の記事
キュレーションサイトのロリィタファッション関連記事
(盗作問題に関する記事は「盗作問題」の項にリンクを張っています。)
イラストレーター
三原ミツカズ 雑誌「ゴシックアンドロリータバイブル」の表紙なども手がけている漫画家。ゴシックロリィタが好きで自身の作風にも取り入れており、代表作に「死化粧師(祥伝社 Feelコミックス)」や「毒姫(朝日ソノラマ社 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)」がある。
PEACH-PIT 漫画「ローゼンメイデン」の原作者で、えばら渋子と千道万里による漫画家ユニット。「ローゼンメイデン」以外では「しゅごキャラ!」や「ZOMBIE-LOAN」などジャンルを問わない。
ロリィタスポット
ロリィタスポット一覧を参照。
盗作問題
ゴスロリ服デザイン盗作疑惑検証サイト 盗作の疑いがある商品を検証するサイト。今はまったく機能していないが、2000年代の惨状を十分に知ることができる。
NAVERまとめ「ロリィタ服が悪質通販業者にコピーされている問題」 2014年8月現在での、中国系企業による盗作の現状が詳しく書いてある。
NAVERまとめ 「ロリィタ服も無断パクリ、中国系ネット通販サイト」 「ロリィタ服が悪質通販業者にコピーされている問題」の第2弾。今回はアリババグループが運営している中国のショッピングサイト「淘宝商城(タオバオ)」を調べた結果をまとめている。「淘宝(タオバオ)」自体は偽造品対策に力を入れ、ブランドの所有権や販売権を厳しく審査し、悪質な売店だと判り次第、強制処置するなど行っているが、やはり追いついていないのが実態のようだ。
NAVERまとめ 「ゴスロリ始めるならここの服だけは買うな!危険ブランドリスト【ゴシック&ロリータ/ロリィタ】」 BodyLineやMilanooといった、悪質な盗作ブランドの一覧。
ネット詐欺被害防止
はじめての内容証明 ~内容証明郵便の書き方から文例まで~ 個人間の取引でトラブルに逢った時、重要になるのが内容証明。このサイトではその書き方を教えてくれている。
日本司法支援センター「法テラス」 内容証明の書き方や手続きの仕方で分からないことがあれば、無料の法律相談を利用するのももちろんアリ。(ただし、アドバイスをしてくれるだけなので勘違いしないように)
オロビアンコ正規取扱店 ディーコレ 中国系のネット通販詐欺への注意喚起として、チェックするべきポイントを説明してくれている。
コスプレイヤーズアーカイブ やはり、コスプレ衣装のフリマでも同じ事例があり、リンク先の下の方に被害にあった時の対応が親切に書いてある。(リンク先で取引をしてトラブルになった際の対応策として書かれているが、警察署に被害届を出す時に必要なものなどは、他のSNSでのトラブルであっても参考になる)