概要
オラリオの都市運営、迷宮の管理を行う行政機関『ギルド』の主神にして『都市の創設神』。
神時代が始まる千年前に地上に降りてきて来た神の一柱で、『ギルド』を設立してから現在に至るまで「君臨すれども統治せず」を貫き、自身はギルドの地下で迷宮(ダンジョン)に『祈祷』を捧げ続け、モンスターの地上進出を防いでいる。
神物像
2Mを超える、常に無表情な長身の老神。
ダンジョンとファミリアに中立性を示すため、ギルド構成員には恩恵を与えていない。過去には、ダイダロス(バベルや『ダイダロス通り』、『人造迷宮クノッソス』の創設者)という眷族もいた。
謎多き迷宮について熟知している様子で、『祈祷』を捧げ続けているためか、ダンジョン内で起きる異変もすぐに察知することができ、異端児(ゼノス)や『ジャガーノート』といったイレギュラーの存在も認知している。特に異端児については、彼らが人類と共存出来るよう全面的に保護しており、異端児事件で深く関わりを持つようになった【ヘスティア・ファミリア】の面々には大きな希望を抱いている。
また、彼を恨んでいるある神曰く、かつて何らかの密約を結んだらしく、それが他でもない新時代到来に繋がった事が推察出来るが...。
表立って動くことが出来ないため、現在は右腕であるフェルズを始め、【ガネーシャ・ファミリア】(主神含む一部)や【ヘルメス・ファミリア】(異端児関連については非協力的)に協力を要請している。
異端児が地上に出た騒動の際も、ヘルメスから「ウラノス、貴方は都市の柱だ!たとえ後ろめたい事を企てていたとしても貴方だけは安寧の象徴であり続けなければならない」と正論を言われ、異端児達に懸賞金を賭けるなど、何かしらの事態収拾への方策を打ち出さざるを得なかった(だが懸賞金を賭け、冒険者達を競わせる事で派閥同士の結束や情報の伝達を妨ぐなど、苦肉だが有効な策ではあったが…)。
かつては【ゼウス・ファミリア】【ヘラ・ファミリア】という巨大な戦力を確保していたが、現最強の【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】でも彼らの領域には達していないと判断しており、協力関係を打診することはあきらめている。
大神としての神格により、フレイヤの『魅了』を無効化できる稀有な存在(但し、完全に無効化できる可能性は低い)。
同郷の善神であるヘスティアの事を信頼している。
因みに、ヘルメスから事件の際にベル・クラネルがゼウスの置き土産だという事を聞かされており、彼があの大神の義孫だと知っている数少ない存在である。もっとも、この時ばかりは流石の彼も、驚愕を隠せなかった。
フレイヤがオラリオ中に『魅了』を施した時は、『魅了』を免れた数少ない存在で、フレイヤも彼を無理矢理魅了して『祈祷』に支障が出ると不味いので、手を出さなかった。フレイヤと対面した際、彼女から『【フレイヤ・ファミリア】の総力を挙げて迷宮攻略に乗り出す』ことを条件に「邪魔しないで」と約束させられた(実際、認識を変えられただけでオラリオの損失自体は無く、迷宮攻略に本腰を入れてもらえるなら不利益は全く無いため、利害的にも呑まざるえなかった)。
すでにロイマンやフェルズも魅了されたため、手出し出来ない状態となり、後に訪れたヘスティアに協力出来ないと拒むが、ヘスティアが『魅了』を解除するための準備を密かに進めており、ヘルメスが『魅了』に気付いて行動を始めることを信じて、冬に備えた薪の配布の依頼を【ガネーシャ・ファミリア】から【ヘルメス・ファミリア】に変更するようにフェルズに指示(認識改定(リセット)を逆手に取って、疑問を抱かせることなく任せた)した。そして、ヘスティアによってオラリオ中の『魅了』の解除が成功すると、笑みを浮かべた(八百年生きているフェルズでさえ初めて見るほど、非常に珍しい事態だった)。
本編18巻の小冊子の書き下ろし短編では、フェルズがありったけの魔道具をリリルカ・アーデに要求されて提供させられたという報告を聞いた後、『派閥大戦』に【ロキ・ファミリア】が参戦できないという決定は【ヘスティア・ファミリア】に対してあまりに不公平だというフェルズの抗議に対して、正攻法で【フレイヤ・ファミリア】に勝利するのが王道だとフェルズに答えている。
『派閥大戦』後、ロイマンが推奨するダンジョンに大規模な移動用の通路を作る『立坑(シャフト)計画』に対し、それを認める神意を下すというウラノスらしくない危うい決断をしたことにフェルズから危惧されるが、「起こりうる障害より、待ち受ける『試練』を見据え、備えることとした」というむしろ必ず何かが起こると断定した上で計画を行わせ、それを見越して対処出来るように万全に備えることを決めた。