概要
オラリオの都市運営、迷宮(ダンジョン)の管理を行う管理機関『ギルド』の主神。
神時代が始まる千年前、下界に降臨した最初の神の一柱。人類に初めて『神の恩恵』を授け、オラリオを創設した最初の神で『都市の創設神』と呼ばれる。
千年前、神々が降臨した際に当時のギルドを再編成して作り直す。以降は「君臨すれども統治せず」を貫き、自身はギルド本部の地下の祭壇の『祈祷の間』で祈祷を捧げ続け、大神としての圧倒的な神威でモンスターの大移動や地上への進出を抑え込んでいる。
神物
2Mを超える、常に無表情な長身の老神。
ファミリアに中立性を示すため、ギルド構成員には恩恵を与えていない。過去には、ダイダロス(『バベル』や『ダイダロス通り』、『人造迷宮クノッソス』の創設者)という眷族もいた。
神々の降臨から15年前までの千年間に渡り君臨した【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】が失脚した後、私兵として動かすことができる戦力はフェルズだけである。
大神としての神格に加え、『地下祭壇』に守られている為、フレイヤの『魅了』に抗える数少ない存在(ただし祭壇内で『魅了』を使われれば抗えない)。
ヘルメスから『異端児(ゼノス)』の事件の際にベル・クラネルがゼウスの置き土産だという事を聞かされており、ベルがゼウスの義孫であることを知る数少ない存在。もっとも、この時ばかりは流石の彼も、驚愕を隠せなかった。
祈祷を捧げている立場故当時ジャガーノートと言ったイレギュラーの存在にもいち早く気づいた神物でもある。
また、彼を恨む神によるとなんらかの密約を結んだらしくそれが新時代の到来に至ったと推察できる。
動向
本編開始の15年ほど前に知った異端児との共生を望み、秘密裏に異端児を庇護すると共にダンジョンの問題に当たらせていた。
『女神際』でフレイヤがオラリオ中に魅了を施した時は、魅了を免れた数少ない存在で、フレイヤも彼を無理矢理魅了して『祈祷』に支障が出ると不味いので、手を出さなかった。フレイヤから「【フレイヤ・ファミリア】の総力を挙げて迷宮攻略に乗り出す」ことを条件に彼女の邪魔しないように約束させられた(実際、オラリオの市民の認識を変えられただけで都市の損失自体は無く、迷宮攻略に本腰を入れてもらえるなら不利益は全く無いため、利害的にも呑まざるえなかった)。
部下のギルド長ロイマンやフェルズも魅了されたため、手出しが出来ない状態となり、後に訪れたヘスティアに協力出来ないと拒むが、ヘスティアが魅了を解除するための準備を密かに進めており、ヘルメスが魅了に気付いて行動を始めることを信じて、冬に備えた薪の配布の依頼を【ガネーシャ・ファミリア】から【ヘルメス・ファミリア】に変更するようにフェルズに指示(『認識改定(リセット)』を逆手に取って、疑問を抱かせることなく任せた)した。最終的にヘスティアの権能で『魅了』の解除が成功すると、笑みを浮かべた(八百年生きているフェルズでさえ初めて見るほど、非常に珍しい事態だった)。
『派閥大戦』後、ロイマンが推奨するダンジョンに大規模な移動用の通路を作る『立坑(シャフト)計画』に対し、それを認める神意を下すというウラノスらしくない危うい決断をしたことにフェルズから危惧されるが、「起こりうる障害より、待ち受ける『試練』を見据え、備えることとした」というむしろ必ず何かが起こると見据えて計画を行わせることにした。そして、その予想通りロイマンが神意を盾に『学区』に対し「最硬金属(オリハルコン)の強制徴収」をする横暴を犯した結果、生徒達が激怒して『学生闘争』が勃発してしまう。フェルズにこの責任をどう取るつもりかと問い質されるも、他人事のようにロイマンに任せることにしたためフェルズに「鬼畜の所業」と呆れられる。
その後、オラリオと学区による代表戦『都市競技祭典(オラリオピアード)』が開催され、最終的に引き分けとなる。その後の『学区』との交渉で「オリハルコンの強制徴収」は撤廃されたが、代わりに『立坑計画』の参加を要求されてこれを受け入れる。ウラノスの目的はむしろこちらだったのではとフェルズは予想し、結果はウラノスの一人勝ちだったと零していた。