※本記事は本作の重大なネタバレが含まれます。
概要
2年生編時点における作中の内閣総理大臣。60代の男性。若手議員時代から教育政策に力を入れており、文部科学大臣時代に本作の舞台となる「高度育成高等学校」設立を推進した張本人。
主人公・綾小路清隆の父親である綾小路篤臣の最大の政敵であり、鬼島の方も篤臣のホワイトルームプロジェクトを関知していることから一定の警戒心を抱ている節があるなど、両者は敵対関係にある。
また、篤臣が師事していた直江仁之助を味方に引き込んだことで、清隆は高度育成高校に入学する機会を得ることになったといっても過言ではないので、本作の根幹に関わる人物の一人といえる。
人物
直江を始めとして権力のために政治家をやる者が多い中で、変わることなく本気で政治を行っている稀有な存在である。クリーンな政策を重要視していて、それを自身で体現するかのように女性や金にまつわるスキャンダルを何一つ持たない。そのため、鬼島が総理になってからは支持率も常に高水準を保っている。
若手議員の頃から市民党を代表する人物であり、次期総理候補として世間の注目を浴びてきた実力者。それは長らく政界のフィクサーとして君臨してきた直江をして「最大の敵」だと言わしめる程である。しかし、月城常成曰く、直江とは理念が大きく異なるものの共通点も多く、鬼島は高度育成高等学校に続く第二の政策としてホワイトルームプロジェクトに酷似した計画を水面下で進めている。
その才覚と人間性は各方面から高く評価されており、自身こそが最高の政治家と自負していた直江も後に鬼島に政治家の資質で敗れたことを悟り、かつて会ったことのある鬼龍院楓花は尊敬する人物として名を挙げたり、月城は「あの平凡な見た目に騙される者も多いが紛れもなく本物」、高円寺社長は「世界と渡り合えるリーダー」と称賛を惜しまない。
後に対面した篤臣も軽く捻り潰せるのでないかという危うい感覚を覚えるが、政治家としては底が見えないと認めるほどである。
略歴(ネタバレ注意)
0巻
本編開始の約20年前、4年目の議員として直江の下で活動していた篤臣は、高級料亭で直江と他の政治家の会合が終わるときを待っていた。途中、篤臣は鬼島の後ろ姿を一瞬見かけ、篤臣は鬼島が直江の会合に参加していたことを悟る。
それから10年以上の時が経ち、直江から託されたホワイトルームプロジェクトのお披露目が近付いた頃、篤臣は直江から突然の計画の中止を言い渡された。実は、次の総裁選で直江の敗北予測が確実となったことで、直江は次期総理の座を鬼島に譲ることでしか政界で生き残れなくなっていたことが判明する。
また、ホワイトルームを運営する過程で財界人や反社会的勢力との関係も強めた篤臣は鬼島にとって邪魔な存在となっており、膨張する野心から優秀な政治家に成長した篤臣は直江にとっても将来の脅威となっていた。鬼島に迎合することを決めた直江に使い捨てられる形になった篤臣は直江と鬼島を潰して国のトップに立つことを決意、派閥の長である直江に反旗を翻す。
本編
初登場は2年生編8巻。
修学旅行中、綾小路が旅館の部屋でテレビを観ていたところ、速報が入る。それは都内の病院で闘病中であった市民党幹事長の直江が死去したとのニュースだった。官邸からの中継に切り替わり、厳つい表情をした男がコメントする。
『人には添うてみよ、馬には乗ってみよ。私が直江先生に出会って間もないころ、贈っていただいた言葉です』
現内閣総理大臣の鬼島のコメントであった。
11巻
交流合宿中に鬼龍院楓花は、朝比奈なずなに対してかつて政治家を目指すことも考えたことを明かし、その理由が鬼島への尊敬からによるものだと語っている。
12.5巻
実は、12巻で行われた綾小路ら2年生の学年末特別試験をお忍びで視察しており、急遽、鬼島による視察が決まったため、試験内容も鬼島を刺激しないよう退学リスクの少ないものに事前に変更されていた。視察の目的は、懇意にしている高円寺社長の息子である高円寺六助を見ることであったらしいが、高円寺は試験の参加者ではなく、鬼島が見ていたのは清隆であった。
4月1日、この日の三者面談出席のため、数年ぶりに高円寺が帰国しており、鬼島も旧友であり、市民党の最大の後援者の一人である高円寺との会談を予定していた。両者が会談するとの情報を得ていた篤臣は高円寺の知遇を得るため、両者の会談の場に乱入。困惑する坂柳成守を尻目に鬼島はハプニングにも余裕の態度を崩さず、綾小路の飛び込みを快く受け入れる。篤臣を揺さぶろうとする鬼島に対して、篤臣も慇懃無礼な態度で応じ、両者は火花を散らせるが、高円寺は篤臣へ興味を示さなかった。しかし話が互いの息子になると一転、どちらの息子が優秀かという話題に移り、篤臣の挑発を高円寺が受ける形で『どちらの息子がAクラスで卒業出来るか』の賭けが行われることになり、鬼島がその証人となることを応じる。
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余談
「クリーン三木」と呼ばれた昭和の政治家・三木武夫が鬼島の元ネタとなっている可能性が高い。三木は政治家として理想主義者と評価されている。