直江仁之助
なおえじんのすけ
政権与党・市民党の幹事長で派閥「直江派」トップ。綾小路清隆の父である綾小路篤臣が国会議員時代に師事していた政界のフィクサー。
後に、側近の篤臣に人材育成プロジェクト(後のホワイトルームプロジェクト)を提示した張本人。
0巻
本編開始の約20年以上前、初の国政選挙で後ろ盾もなく落選した篤臣の野心を気に入って自身の派閥に加え、篤臣は直江の懐刀として頭角を現していく。そして20年前に将来の市民党総裁選を睨み、高度育成高等学校を設立した実績を持つ若手有望株の鬼島に対抗するべく、篤臣に「人材育成プロジェクト」を提示し、その責任者に命じる。設立したその教育機関を篤臣は「ホワイトルーム」と名付ける。
プロジェクト発足から10年以上の月日が経ったある日、篤臣と鴨川は直江に呼ばれ、突如、ホワイトルームの中止を命じられる。間近に迫った次期総裁選で直江は鬼島に得票率で及ばないことが判明し、総裁選で敗れれば党内での直江の権威は失墜することから、鬼島支持に回って、今の地位を維持することを確約されたのであった。また自身こそが最高の政治家と自負していた直江も、政治家の資質でも鬼島に敗れたことを悟っていた。
手打ちの条件の一つが、ホワイトルームの中止であり、鬼島も高育に続く第二の教育政策として新たな人材育成計画を水面下で進めており、篤臣のホワイトルームが邪魔なものとなっていた。そして何より直江自身が、幾多もの修羅場を乗り越えてきた篤臣の卓越した手腕を脅威に感じ始めており、いずれ後を継ぐ息子の地位を脅かすようになることを予感していた。
市民党の重鎮である両名に睨まれることになった篤臣は、他の者達と同様に自身も直江に切り捨てられたことを悟り、手塩に掛けたホワイトルームを放棄すれば、国会議員こそ続けられるものの、日本のトップに立つという野望は潰えることから、そこで直江から離反する。
直江と決別したことで篤臣は市民党での居場所を失って辞職、下野して引き続きホワイトルームの運営者として再起の日まで力を蓄えることになり、自身に楯突いた篤臣のホワイトルームを潰すべく、直江は関係各所に圧力をかけ続け、以後、二人の暗闘が繰り広げられることになる。
本編開始の1年前、鴨川の情報によれば、高齢から体調を崩しがちになっている。