「室内も、廊下も、自分自身に与えられた部屋も、何もかもが真っ白な世界」
概要
綾小路篤臣が運営する教育機関。彼の息子である清隆の出身地でもある。
約20年間稼働しており、清隆はその4期生にあたる。
学問学術のみならず武術や護身術、処世術など様々な科目が存在している。
外部と隔離し、乳幼児の段階から徹底した英才教育を施す施設であり、世代ごとで子供を教育・競争させサンプルとすることで天才を作り出す教育システムを確立することを目的としている。
略歴(ネタバレ注意)
元々は篤臣が政治家時代に師事していた直江仁之助が検討していた極秘のプロジェクト・政府直属の人材育成機関の設立を篤臣に提示したことが始まりである。
プロジェクトの責任者に任名された篤臣は設立した施設を「ホワイトルーム」と名付ける。同じくプロジェクトを任された鴨川や出資者の坂柳成守ら協力のもと人材育成計画「ホワイトルー厶プロジェクト」を本格的に始動。
さらに篤臣は財界の関係者に説得力を持たせる為に4期生に息子の清隆を施設に参加させる。
プロジェクト発足から約十数年後、着実に成果を出し始めた折、政界の事情が変わり、篤臣を邪魔な存在となりつつある直江からプロジェクトの中止を言い渡されてしまう。
政界から追放された後も篤臣は多くの財界人を取り込み、ホワイトルー厶を運営していたが、直江からの圧力により施設の稼働を凍結させられてしまう。
詳細は不明だが、稼働が停止した約1年後、少なくとも本編の7巻時点では再稼働している模様。
魔の4期生
4期生のカリキュラムを唯一クリアした綾小路清隆を指す言葉。
4期生のみに関しては、運営者である篤臣が直接指導している。
ホワイトルーム史上最高難易度のカリキュラムが課されており、清隆以外の全員が脱落している。
問題点
天才を育成する施設と言えば聞こえは良いが、法の目を掻い潜った数々の問題点が洗い出される。
まず生まれた瞬間から外の世界に隔離されており、娯楽も一切存在しない小さな世界で毎日のように厳しい訓練や試験を耐えなければならない点は完全に人権そのものを無視しており、少し見学した程度の坂柳有栖が「人道的な問題で多方面から叩かれそう」と発言しているレベルである。
実際その通りであり、ホワイトルームで脱落した子供の詳細は未だに明らかになってない。しかし、2年生編2巻の「ホワイトルーム生の独白」では、脱落しても外に出られる訳ではなく生涯サンプルを取られるだけの人生と言及されている。
またホワイトルームで育った子供たちの大半は心に問題を抱えているケースが多く、社会に出たとしても使い物にならないとの事。
関連人物
ホワイトルームで飛び抜けた成績を収めたことから「ホワイトルームの最高傑作」と謳われる存在。
1年間だけホワイトルームを稼働していなかった時期があり、その隙に執事の松雄の手引きで高度育成高等学校に逃げ込んだ。
ホワイトルームの運営責任者。施設が稼働していなかった隙に高度育成高等学校に逃げ込んだ息子の清隆をホワイトルームに連れ戻す為に数々の刺客を放っている。
人材育成プロジェクトを提示した張本人。
ホワイトルー厶設立の協力者。彼の計画に賛同していたらしく、今でも尊敬していると語っているが、内心では将来の子供たちの為にホワイトルームのことは素直に応援出来ないと思っている。
篤臣の協力者。ホワイトルームの内情にも詳しい。ホワイトルームに関してはあまりに壮大で馬鹿げていて──そして恐ろしいモノと表現している。
- 鈴懸鍛治
ホワイトルームの主任研究員。東大主席卒業の英才で、ホワイトルームで採用されているカリキュラムの作成を担当する。
- 石田
- 宗谷
- 田淵
ホワイトルームの研究員。石田・宗谷は優秀だが、脛に疵持つ人物で鈴懸と共にカリキュラムの作成に携わる。田淵は3人の意見が割れた時の調整役を担っている。
2年生編2巻の「ホワイトルーム生の独白」でその存在が言及された。綾小路を神格化しており、彼に対する歪な愛情と執着を持って高度育成高等学校に入学する。
そして、ついに2年生編4巻で正体を現した。
2年生編2巻の「ホワイトルームの独白」を語っている張本人である。
綾小路を退学にすべく送り込まれた真の刺客であり、2年生編の主題である「綾小路を狙うホワイトルーム生は誰だ」という言葉に当てはまる人物でもある。
最近では綾小路の近くにいる人物たちにも手を出し始めており、いよいよ歯止めが利かなくなってきている。
ホワイトルーム側の人間ではないが一応記載。幼い頃に父親に連れてこられたことがある。そこで初めてガラス越しに清隆の横顔を見ており、彼の実力に心奪われるようになる。
余談
ある意味「ようこそ実力至上主義の教室へ」というタイトルを具現化している施設でもあり、ここに存在する試験の過酷さから、ホワイトルームという施設は本物の実力社会の縮図であるとも言える。
清隆自身は自分を機械のように作り替えた父親をある意味否定したいと考えているので、自ら葬られる事を悲願としている。(父親はこれを一時の反抗期と呼んでいる)
その為か最近では、ホワイトルームとは違ったやり方で将来的に自分を倒せる可能性のある生徒たちを探している節も見られる。
関連タグ
類似した施設が出てくる作品。
雷鳴のザジ・・・車田正美が「ライフワーク」というこの作品に登場する「白い墓」(ホワイトツーム)は世界中から子供達を誘拐し、過酷な訓練と肉体改造を施し人間兵器に育て上げるという非人道的機関。
主人公のザジは「流氷に乗って日本にきた」と発言している事、ザジに倒されたB級ソルジャーが「北の最果て」と評してる事から、場所は北極の奥底と推測されている。
アークザラッド2・・・主人公サイドと敵対する国家であるロマリアの研究施設として「白い家」が登場する。世界中から異能を持つ子供を拉致し記憶を消去。能力強化後にモンスターと合成して高度な『キメラ』へと変貌させる非人道的施設。内装も子供たちが身につける衣装も白基調。詳しくは施設の管理者であるガルアーノと、主人公であるエルクコワラピュールの項目参照。
約束のネバーランド・・・この作品に登場する「ハウス」は知能に優れた子供たちを食用として生み出ことを目的としている。隔絶された場所で天才の子供を育てるという部分で似通っている。
Nの部屋・・・幼少期から外界と隔絶されて、異常かつ特別な環境で育てられたという点では似通った部分がある。
残響のテロル・・・アテネ計画という人為的に天才児を作り出すという似たような計画があった。
こちらは投薬等を行い副作用によりほとんどの子供達が死に、生き残れたとしても寿命が大幅に縮むなど人権どころか命すら軽視されている傾向が強い(実際、施設から脱走した2人を除き生き残れたのはたった一人だけだった)。
戯言シリーズ・・・ER3といわれる研究機関の一部門であるMS‐2で人工的に人類の完成形を研究していた。
DEATHNOTE・・・英才教育を施す孤児院ワイミーズハウスが登場。尤も初めから高い素質を持つ孤児を集めているのでやや趣旨が異なるが、出身者に世界最高峰の頭脳の持ち主が複数いるあたり、かなりレベルが高い。
狂四郎2030・・・遺伝子異常と診断された子供は強制的に厚生病院に収容され、過酷な訓練によって少年兵として養成される。当然命を落とす者もおり、生き残ったとしても閉鎖的かつ全く安らぎの無い環境で育った彼らはどこか人間性が欠落してしまう。