お前達は少し勘違いをしていたみたいだがな…。
私は何も面白がったり、ロマリアの侵略の為だけに
キメラ研究をしていたわけではない。
人々にこの、より強く、より美しい姿を与える
神の仕事を代行していたのだ…
概要
フルネームはガルアーノ・ボリス・クライチェック。
仏頂面の壮年の男性であり、表向きは東の経済大国アルディアの政治家として活動しており、市民からも国内屈指の大物政治家と認知されているが、裏では世界支配を進める超大国ロマリアから派遣されてきた人物で、アルディア一帯のマフィア達を束ねている。さらにその正体はロマリア王を傀儡にし、同国の実権を担うロマリア四将軍の一人であり、ロマリア軍のモンスター研究・人工製造を司るキメラ研究機関の統括者。世界中に建設したキメラ研究所でモンスターを製造と生まれながらの特殊能力者を集めて、能力強化後にモンスターと合成する高度な『キメラ』の製造を行っている。
ロマリア四将軍内での役割分担は「ロマリアの戦力強化」となる。
2の主人公のエルクとは深い因縁がある。エルクは幼少期にロマリア軍に出身部族の村を襲撃され、その際に炎を扱う特殊能力を持つエルクに興味を持ったロマリアの研究員にキメラ研究所へ拉致された過去があり、ガルアーノもエルクを優秀なサンプルとして記憶していた。後にエルクは「白い家(キメラ製造施設)」に幽閉されるも脱出し、それ以降ガルアーノを打倒することに燃えている。ストーリー前半は彼を倒すことが当面の目的となる。
ロマリア四将軍の中では特に汚い手を使う人物らしく、元キメラ研究所の職員であったヴィルマーがその事に言及している。事実エルクの幼馴染であるジーンやミリル、他にも幼い子供達をキメラ化して嗾けたり、ロマリア本部では幻影モンスター(主人公達のコピーモンスター)を利用して同士討ちを誘発させようとしてくる。
また、本人自身も用心深く、少なくともヤゴス島帰還後にマフィアの指揮を執っていたガルアーノは影武者で、本人は既に「白い家」に移っていた。エルクやシュウもこれには完全に騙されてしまっていた。
「白い家」崩壊後はエルク達はアークの一味と合流することになり、ロマリアに対抗する道を選ぶことになる。
エルクとアークという厄介な敵を巡り合わせる事になってしまったため、闇黒の支配者はガルアーノに対してかなり立腹しており、後述の理由からガルアーノの権力低下には歯止めが掛からない状況に陥りつつあった。
遂にロマリア以外の全てのキメラ研究所が破壊され、エルクやアーク達はロマリア城壁内にあるキメラ研究所本部に乗り込んでくる事態となる。「幻影モンスター」や「機械モンスター」といった最新のキメラ兵器を差し向けるも尽く撃退され、遂にはロマリア本部最深の実験室にて自らを巨大なキメラと化して挑むも倒された。
キメラ化したガルアーノは大型のモンスターであり、プレイヤーに威圧感を与えてくるが、そこまで強力な攻撃はしてこない。ただし複数の部位を持ち本体まで到達して倒すには一苦労。前衛と後衛で役割分担しつつ回復しながら戦えば苦戦はしないはず。
アニメ版
ロマリアからアルディアに派遣された政治家という立場は同じだが、こちらではアルディア首都プロディアスの市長という役職になっている。また、アルディア軍の指揮権も有している様で、女神像の式典では大規模なアルディア軍を周辺に展開させている。
アニメ前半は原作の「白い家」編の流れに沿っているため、大まかな展開は変わらないが、「名も無き十字軍」と呼ばれる国際慈善団体を有する慈善家という側面も持つが、この組織は負傷者たちにキメラの胚を植え付けるために行動している。
最終的には白い家でキメラ化を果たすが、それは本編のような強大なキメラ化ではなく、猿に似た下級モンスター程度の力しかなく、白い家の脱出路で自身の側近であったクライブから「最強のキメラを生み出す計画の次の素体やデータは揃っているため、ガルアーノの役目は終わった」と告げられて激高。襲い掛かったが、そのままクライブに射殺された。
漫画版
西川秀明氏が執筆する漫画版炎のエルクでは、ゲームとは大きく筋書きが変わっており、作中で最大の悪役として登場。
ゲームよりさらに狡猾・残忍・非道な人物であり、幼い子供を次々とキメラ化させ、他人の愛情や悲しみを踏みにじって嘲笑し、巧みな謀略でエルクとアークを何度も嵌めている。
人間の姿でありながら自身もキメラ化しており、並外れた身体能力をはじめ、瞬間移動や重量操作、さらに魔法のサンダーストームやダイヤモンドダストを使用することができる。
最終的にはモンスターの姿となったが、ゲームとは姿が大きく異なる。圧倒的な力を振るい、アークとククルを死に追い込んだ。
しかしアークの意思と力を受け継いだエルクによって滅ぼされる。
余談
ロマリア四将軍の中でも1番格下の扱いを受けており、所謂「奴は四天王の中でも最弱」的な立ち位置。最新のキメラ化技術を使用し、『最も強く、美しい究極のキメラ』を自称した巨大モンスターの力ですらアンデルからは「ガルアーノは弱すぎた。奴の力など我等(アンデルとヤグン)の足元にも及ばん」と見下されており、四将軍の中では戦闘力最弱だったのは間違いない。
そもそも、彼が統括するキメラ研究機関はロマリア軍の戦力強化が役割であり、同時にそれはロマリアの本命計画である「高層建造物に取り付けた洗脳装置で人々を操作する」事を目的とした『殉教者計画』を世界規模で実行するための支配領域拡大の侵略の兵力、洗脳装置を取り付ける殉教者の塔と呼ばれる高層建造物の建造を護衛するモンスターの製造が目的となる。
ガルアーノとキメラ研究所本部で対峙した際には既に殉教者の塔の大部分は建造を完了しており、既にキメラ研究所で戦力強化を図る必要性は薄れていた。更にキメラ研究所アルディア支部「白い家」を放棄した時点で「8つの塔を護衛するためのモンスターとして、選りすぐりを量産中」であったため、エルク達を改造して強力なキメラを作り出す計画すらガルアーノが拘っているだけでロマリアにとっては無用な事に過ぎず、アンデルからは呆れられている。
ガルアーノ自身も戦闘前に「研究所などもうどうでもいいのだよ」と発言しており、キメラ研究所が既にロマリアでの役割を終えていることは認識していた。しかし、同時に他の四将軍からは最近軽んじられている事を感づいていたらしく、『殉教者計画』の主導権をアンデルから奪うべく、手柄取りに焦っていた節がある。
アークからは「お前はロマリアにとって、もう用済みの捨て駒」と指摘され、ガルアーノは自分がいたからこそロマリアは最強の力を得たと反論するも、続けて「だから用済みになった。お前などロマリアにとって便利な使い捨ての道具に過ぎなかった」と指摘されて、激昂する場面もあった。
ただし、ロマリアが世界一の技術力と国力を持つ超大国だったとはいえ、キメラ研究機関の貢献により世界の半分を裏から支配する至った事も明言されており、ガルアーノ無しではロマリアは『殉教者計画』の準備を終える事はできなかったと思われるため、決してガルアーノの功績は低くはない。
彼は『無能だったから切り捨てられた』のではなく、『有能だが期待されていた役目を見事にやり遂げたからこそ、もういらなくなった』から切り捨てられたという事であろう。事実アーク達はキメラ研究機関への攻撃を目的にロマリア城壁内部へ侵入を果たしたが、軍部を統括するザルバドはアーク達の対応をガルアーノのキメラ研究機関に丸投げした挙句、闇黒の支配者への報告でも「アーク達の目的はガルアーノへの仇討ち程度」と軽く見られていた。
没イベントのため、正史には含まれないが、ロマリア軍将校がザルバドにガルアーノ討死を伝える場面のデータが存在する。ザルバドは闇黒の支配者に「ガルアーノの代わりなどいくらでもおります」と話しており、明確に軽視されている。一応、闇黒の支配者はガルアーノを倒すまでに強くなったアークを警戒しているため、四将軍達よりガルアーノを軽視してはいなかったと思われる。