こ、この役立たずが!
子供一人始末出来んで何が四将軍だ!!
ザルバド!何としてもキサマが始末をつけろ。
アークの首をこの私の前に持って来い!
概要
アークザラッド2の登場人物。
世界の過半を裏から支配する超大国「ロマリア」の王。作中では単に「ロマリア王」と呼ばれる事も多い。
ロマリアによる世界征服を望み、世界の全てを我が手にするという欲望に憑りつかれている俗物。ロマリア行政や軍部の実権は配下であるロマリア四将軍に握られており、本人は何の実権も持たなかった。そして彼らが真の主を定めている「闇黒の支配者」を復活させるために必要な「欲望に溺れた人間」として利用されている。
ゲーム版
アークザラッド2
物語もいよいよ終盤に差し掛かった最終章の「ロマリア攻略編」より登場。
ロマリア四将軍の三人目であったアンデルが死亡し、最後の四将軍であるザルバドがアンデルの死亡報告をロマリア城・謁見の間で行う場面で初登場する。
ザルバドのアンデル死亡の報に驚き、更にアーク達がロマリアに向かって来ていると言われて恐怖。ザルバドを怒鳴りつけて、闇黒の支配者に「アーク達ではロマリア城に辿り着くことは不可能。もし、辿り着けても世界を滅ぼす程の最終兵器がガイデル様にはある」と宥められると、すぐさま上機嫌になるという小物っぷりを早々に披露する。
アークとザルバドのロマリア本国攻防戦の最中、ザルバドを呼び出して文句を言い、闇黒の支配者に宥められるという行為を数回も繰り返す。しかし、彼自身は闇黒の支配者と四将軍ザルバドからは内心では愚かな人間の代表格として蔑まれており、本人はその事に気づいてはいなかった。
ザルバトは主復活のために本国防衛線で敢えて抜け道のある杜撰な防衛戦闘を実施。首都圏屈指の防衛線であるロマリアトンネルとロマリア城壁も突破され、首都市街地の防衛も失敗。遂にはロマリア城前で最強部隊のロイヤルガードも敗れると、ガイデルはロマリア空中城を起動。ロマリア城ごと空中に逃れる。この際はアーク達から逃れられると思っていたのか、かなり気を良くしており、闇黒の支配者の「これで全ての準備が整った」との言葉も耳には入っていなかった。
しかし、アーク達が飛行船シルバーノアを空中城に直接体当たりさせる事で内部侵入を果たし、数々の仕掛けやモンスター達も突破され、四将軍のザルバドも敗れてしまい、アーク達が目の前に現れる恐慌。
アークは説得を試みようとするが、闇黒の支配者の「騙されてはいけません。この者達はあなた様を殺し、この世界の王になるつもりなのです。空中城は浮いており、被害は及ばない。世界を一度きれいにし、失ったものは全て私が再生しましょう」とガイデルを扇動。
ガイデル自身は世界を滅ぼしてしまう程の被害を出すことには躊躇しているが、これまでロマリアの計画を次々に叩き潰し、その指揮官達であった将軍達のほぼ全員を葬り去ってきたアーク達を信用することもできず、戸惑う。
しかし、闇黒の支配者から「何をしている。このままでは奴らに殺されるぞ」と最後の一押しの言葉が決め手となり、アーク達の言葉に耳を傾けることはなった。
「わしじゃない。お前達が悪いのだ。わしをここまで追い詰めなければ、こんな事にはならなかった」と世界を滅ぼしてしまう事の罪悪と結果を全てアーク達へ責任転嫁し、助かりたいという一心で闇黒の支配者を3000年前の封印から解放。
その復活の余波で全世界の国々や大都市は、火災、津波、地震と言った壊滅的な被害を受ける『大災害』(アークザラッドRでは『大破壊』)が発生。
描写される限りとはいえこれまで巡ってきた街やそこに住む人々が次々に死亡していく様はショッキングどころの話ではないだろう。
その後、アーク達から非難されるが、闇黒の支配者が自分に従っている存在と思い込んでおり、先程のまでの怯えた態度とは取って代わって尊大な態度に出る。ガイデルは引き起こしたことの重大性を全く理解しておらず、「わしは世界最高の力を手にした」と言い放つ。しかし、その直後に闇黒の支配者から「神の作った愚かな人間の世界の終焉」を宣言され、意味に気付かずに自身が力を手にしたと反論した瞬間に「貴様の役目は終わった」として闇黒の支配者が封印されていた鏡からの赤い光に飲み込まれて消滅した。
アークザラッド3
前作で死亡し、ロマリアも壊滅しているため、登場しない。
巨大な湖と化した旧ロマリア首都に眠る超エネルギーを利用して強引な世界の復興を進めようとする組織「アカデミー」総帥を務める「教授ルートヴィヒ・K・カーロフ」により度々「ロマリア王」として言及される。
彼自身はガイデルを超エネルギーを制御しきれずに世界の崩壊を引き起こした愚か者として軽蔑している様子であるが、生前に面識があったのかは不明。
皮肉なことにガイデルは教授が考えている以上の愚者であり、教授本人は超エネルギーを大災害以前にロマリアで研究されていた次世代の巨大エネルギーとしか認識しておらず、その正体が「闇黒の支配者」であることは知らなかった。
結局は自身の独善で闇黒の支配者を世に解き放つというロマリア王と同じ愚行を繰り返すことになった。
アニメ版
ロマリアが西の果てにある謎に包まれた軍事国家として登場するが、君主制国家とは言及されない。そのため、一切登場しない。
余談
本作は欲望のままに行動する人間の愚かさや問題点が度々クローズアップされているが、ガイデルはそうした人間の醜さを集大成した様な人物となっており、世界支配の欲望のままに闇黒の支配者やロマリア四将軍に利用され、全世界に多くの悲劇を巻き起こし、そして世界までも滅亡へと追いやってしまう。そうした人間性はザルバドから見破られており、彼からは「自ら滅びの道を進む愚かな生き物」と称されている。
(作中時点のロマリアは完全に闇黒の支配者の傀儡国家に成り果てており、ガイデルの愚行はお前達四将軍が暗躍したせいだろうと言いたくもなるが)
これまでロマリア四将軍を始めとする多くの敵対イベントを見てきたプレイヤーからはその大国ロマリアの元凶ともいうべき人物がとんでもないレベルの小物だったため、逆に「これが敵の親玉の一人?」と困惑させる事となった。もっともガイデルがロマリアの軍事行動をどこまで把握していたのかは不明だが、各地に建設したキメラ研究機関と殉教者の塔は全て破壊され、派遣した将軍達の軍も壊滅。ロマリア四将軍もザルバドを残すのみとなり、それらを成したアーク達がロマリアに向かっているという状況なので、怯えるのは仕方がないかもしれない。
過去編のラマダ寺に現れたデスウィザードは「ロマリア王ガイデル様にラマダを滅ぼせと命じられている」とのセリフがあったため、全くロマリア国内で権限を持っていない訳ではない模様ではある。ただし、権限は一国の王と考えると著しく制限されている可能性が高い。
裏設定集では43歳。先王の急逝により僅か15歳でロマリア王に即位。弱輩ながら太平の世を尊ぶ理想に燃え、民主的な議会を開設するなど開明的な政策を実行してきたという、有能な君主だった。しかし、徐々に世界一の大国の王としての重責と生来の虚弱体質もあって精神的な余裕を失い、猜疑心を強めていき、そこを闇黒の支配者に付け込まれて、闇黒の力から世界統一も可能と盲信。闇黒の支配者とロマリア四将軍の傀儡にされてしまったとされる。
元々は病弱で健康面に問題を抱えながらも、超大国ロマリアの王として相応しい人物になろうと、彼なりの理想を持ち、努力を実践してきた人物だったと思われる。