そのセリフは、この聖柩の力で強化された、
この私を倒してから言ってもらおうか!
お前の自慢する勇者の力と、
この聖柩に蓄えられた負のエネルギーと、
どちらが上か証明して見せようぞ!!
【CV】アニメ:宝亀克寿
概要
フルネームはアンデル・ヴィト・スキア。
ロマリア大陸のほぼ全土を領有し、世界の過半を裏から支配する超大国「ロマリア」の四将軍の一人。ハルシオン大陸東部に位置する島国「精霊の国スメリア」へ派遣されており、同国では筆頭大臣としてスメリア王マローヌに仕えていた。
老獪な初老の男性で、既に物語開始時期にはスメリアの国政を左右する程の影響力を持つ。
主人公アークにとっては最大の宿敵であり、ロマリアの手先として世界を滅亡へ誘う倒すべき敵にして、叔父の仇でもある。
ゲーム版
アークザラッド
彼が主人公アークとヒロインのククルが住むトウヴィル村の村長を買収して、ククルにシオン山の封印の炎を消させた事により物語が始まった。
アーク達がスメリア王と謁見した際には能力を信用せず、アークの父がスメリア王兄ヨシュアであることが判明すると、スメリア王マローヌに対して「乗っ取りを企てているのでは?」と進言するなど、非友好的な態度を取る。
また、スメリア首都パレンシアを軍の許可なく住民を自由に出入りできなくする「パレンシア改造計画」を発案・実行しており、ダウンタウン等の強制立ち退きで不利益を被る住民からは猛反発されている。しかし、パレンシア城内のスメリア正規軍の中に彼が手引きしたと思われる「人間に化けたモンスター」が多数入り込んでおり、反対者を裁判なしで投獄・処刑する事で強引に計画を推し進めている。
精霊に関する報告を行う際に、王が不在の場合は彼に報告を行うこともある。
物語終盤になると、アーク達がパレンシア城地下に火の精霊がいることを知り、忍び込んできたアーク達により生命エネルギーを研究する「バイオ研究所」の存在を突き止められ、所長やモンスター達を倒されてしまう。
所長が死に間際に城もろとも研究所を吹き飛ばす程の自爆装置を作動させた混乱を利用して、スメリア王マローヌを暗殺。アーク達7名が王暗殺の主犯であると手配し、スメリア首都パレンシア海上に建設中の超高層建造物「パレンシアタワー」に臨時安全委員会を設立。自身が委員長に就任し、スメリアの国政を完全に牛耳る。
その後、サルバシオの滝で勇者の力と聖母の力を手にしたアーク達の前にスメリア軍を率いて現れ、聖櫃を強奪。アーク達も捕えようとするが、逃げられてしまう。
アークザラッド2
全編に渡って登場。ロマリアの世界支配の要である世界中の高層建造物に洗脳装置を取り付けて人々を意のままに操る「殉教者計画」の総指揮を取る。
基本的にはスメリアに駐在しているが、アルディアの「プロディアスの女神像」の計画に関わり、アルディア・ロマリア・ミルマーナ等の各国を行き来し、かなり精力的に活動している。
殉教者の塔建造を護衛するためのモンスターをキメラ研究機関を統括するガルアーノに製造させていたが、キメラ研究所を重視しないアンデルの態度もあり、両者の仲はすこぶる悪く、ガルアーノの死後は「ガルアーノは弱すぎた。奴の力は我らの足元にも及ばん」と嘲笑っている。
キメラ研究所・スメリア編では前作で人質にしたトウヴィルの住民をパレンシアタワーの地下エリアに投獄していたが、ポコとエルク、ヂークベックにより救出されてしまう。しかし、この時に村人達の一部にキメラ研究所で生み出した「人工キメラ」を紛れ込ませている。
グレイシーヌ侵攻計画にも関わっており、ヤグンの海底油田建設もアンデルの指示によるものだが、アンデルはヤグンもガルアーノ同様の捨て駒程度にしか見ておらず、敗北して瀕死の重傷を負っていたヤグンに「四将軍の面汚し」と罵り、引導を渡す。
殉教者計画・スメリア編ではトッシュの養父であるモンジを側近のネクロマンサーにゾンビとして蘇らせて、アーク達をパレンシアタワーに誘導。アーク達が最上階の100階に到達した時点で階段とエレベーターを破壊した上でタワーを自爆させる事で排除を目論む。更に前述の「人工キメラ」を起動させ、トウヴィルのククル暗殺も企てるが、失敗。アークの生母ポルタもこの時に助け出されてしまう。
その後はスメリアには戻らず、北極の「殉教者の塔」に移動。北極・南極の殉教者の塔を稼働し、「真の殉教者計画」を開始。
アークと対峙し、聖櫃に蓄えられた負の力を使用して自身の力を大幅に強化し、巨大な頭部を持つ人間とも悪魔とも思える魔物に姿を変え、襲い掛かってくるが、敗北。
瀕死の重傷を負いながらも、「もう手遅れだ」と告げ、かつて闇黒の支配者を封印した聖櫃を最後の力を振り絞って破壊。「これで王の復活を止めるものはなくなった。これで世界は我々のものだ……」と言い残して死亡した。
ロマリア四将軍はザルバドを残すのみとなり、アンデルの死亡を知ったロマリア王ガイデルは非常に怯え、この恐怖が物語最後の展開へと繋がっていく。
戦闘面では三番目に戦う四将軍で、Lv97で攻撃力と防御力は低いが回復魔法と体力吸収に特化したガルアーノとは別の意味での長期戦スタイルだが、適正レベルまで育成の上で物理攻撃が高いキャラに集中攻撃させれば、あっという間に倒すことは可能。
この辺はヤグンに通じるものがあるが、ディバイド、キュアで定期的に回復され、マインドバスターでMPを喪失し、デスで仲間を一撃で葬られる可能性もある。特にレベル上げを無視して突き進むとMPを大量に奪われたり、デスで回復役を喪失すると逆にこちらが戦線崩壊するので注意。
また、周囲のモンスターがインビシブルという1ターン自身を無敵化する魔法を連発してくるため、アンデル本体より周囲のモンスターのせいで長期戦になりやすい。特にアンデル周辺に展開され、無敵と回復を繰り返されると鬱陶しい状況に陥ってしまう。
幸いにもアンデルからは初期配置が左右に離れているため、短期決戦を心がけると良い。
ただし、アンデル戦はパレンシアタワー攻略戦と同じで、戦力を2分して「北極の塔」と「南極の塔」を同時攻略する展開となるため、主力メンバーの数が少ないと苦戦しやすい。パレンシアタワーが開始されると、世界中の移動が一時的にできなくなるため、それ以前に主力を7、8人は育成しておくと良い。
アニメ版
こちらではガルアーノの死後に登場。アニメオリジナル要素が強いが、原作同様にスメリアに駐在し、アーク達とは強く敵対する。最終的にはロマリアで相対するが、作中では途中で姿を晦まし、その最後は描かれなかった。
漫画版
西川が手掛けた「炎のエルク」では物語終盤に登場。なんとラスボスとなる。
ガルアーノと組んでロマリア王や他の四将軍を粛清し、ロマリア空中城を起動。「全ての滅びを見る」と空中城から世界中を無差別攻撃するが、エルクのエクスプロージョンで城を破壊され、そのまま運命を共にした。
こちらではオッサンではなく、何故かイケメンになっている。何故若返ったのかは不明だが、主人公アークの宿敵だからだろうか? 服装だけはかろうじて面影はあるが、外見も性格もゲームとは別物である。しかもラスボスに格上げされている。
余談
裏設定集では40年前にスメリアの寒村に住んでいた青年「アンデル・ヴィド・スキア」に憑り付いたとの説明があるが、本編では一切明かされない。ただ、モンスター形態の彼は常に浮いているという状態であるため、霊魂系のモンスターで戦闘時こそがアンデルの真の姿との解釈も可能かもしれないが、本体は人によっては見える姿が異なるとのことなので、詳細は不明。
ロマリア四将軍の中では主である「闇黒の支配者」に対して最大の忠誠心を持っている人物で、撃破後のセリフでも「既に準備は整っている。私の役目も終わる」と発言しており、自らの命を投げ打ってまで主復活のために精力的に奔走していたことが分かる。作中ではかなりの卑劣漢なのだが、こういった視点から彼を見ると、またイメージが変わるかもしれない。
アルディア大陸の過半を統治する経済大国アルディアに派遣されたガルアーノ、反ロマリア筆頭グレイシーヌと隣接する要所である軍事国家ミルマーナに派遣されているヤグンと比べて、アンデルはグレイシーヌと海を挟んだ島国スメリアに派遣されている。上記2名と比べると重要度が低い印象があるが、これはスメリアのパレンシア侯軍に紛れ込んだモンスター達によると「スメリアは大王(闇黒の支配者)がもっとも恐れていた国」との発言がある。かつての七勇者の末裔が残るスメリアの事を闇黒の支配者が非常に警戒していたため、アンデルを派遣して国力を削ごうとしていたと思われる。この観点が正しければアンデルが闇黒の支配者から強い信任を受けていたと思われる。
アークザラッド2でのアークが「回復勇者」と揶揄される事が多い為か、アンデルは専ら「回復大臣」とファンから呼ばれることも多い。実際にアークと一騎打ちで戦わせると双方決定打を欠くため、泥仕合になりやすい。
作中では冷酷な悪役だが、キメラ研究所・スメリア編ではパレンシアタワー地下エリアに忍び込んできたポコを捕えた際に、近くにいた兵士に「今度あんなネズミに侵入されたらお前の命はないと思え」と脅迫(兵士は心の中で「な、なぜ俺なのぉ~」と絶叫)。そのまま進もうとした際にどう見てもオモチャにしか見えないヂークベックと遭遇して絶句(ポコと一緒に潜入していたが、ポコが先行していた)。「このタワーの警備は一体どうなっているんだ!?」と内心でツッコミを入れるというコミカルなシーンが存在する。