ガイア
がいあ
ギリシャの女神ガイア
ウラヌスとの決別
ウラヌスとの間には、タイタン神族、キュクロプス(サイクロプス)、ヘカトンケイルが生まれた。
タイタン神族は美しい神々で、キュクロプスは単眼の巨人、ヘカトンケイルは百の腕と五十の頭を持つ巨人である。
そしてウラヌスが最初の神々の王となった。
ウラヌスはキュクロプスとヘカトンケイルが醜い怪物であったため喜ばず、
これを大地の底(ガイアの胎内、あるいはタルタロスとも)に押し込めてしまった。
ガイアは自らの子を姿のみで罰した夫を許せず、我が子のタイタン神族から夫を討つ者を募る。
どの子らも父ウラヌスを恐れ断ったが、農耕神クロノスのみが応じた。
ガイアは喜んで大鎌を与える。クロノスは何も知らないウラヌスに隙をついて襲いかかった。
襲撃は成功し、ウラヌスは男根を切り落とされて王位を捨てて逃れ去った。
海に落ちたウラヌスの男根は泡を放ち、ここから美の女神アフロディーテが生まれる。
クロノスの時代
以上の功績と優れた統率力を認められて、クロノスが二代目の王となった。
しかしクロノスはキュクロプスとヘカトンケイルを解放しなかった。
このためガイアはクロノスを疎んじ、後にゼウスがクロノスに反乱を起こすとこれを支援する。
ゼウスとの死闘
ゼウスはクロノスたちティタン神族をタルタロスに幽閉し、三代目の王となった。
キュクロプスとヘカトンケイルとは地の底で彼らを見張る役目を与えられた。
これはガイアにとって許しがたいことであった。
結局のところ、彼女の子供たちは大部分が地の底に追いやられたことになるからだ。
しかもゼウスがこれほど強力な権力を手にすると、ウラヌスやクロノス以上の暴君になりかねない。
そこでガイアは我が子のギガンテスという巨人たち(ウラヌスとの子とも、単独で生んだともいう)
に、ゼウス一党を襲わせる(ギガンテスは複数形、単数形はギガス)。
そして力を増す薬草を育ててギガンテスに与えようとするが、これはゼウスが先手を打って摘んでしまう。
ゼウスはあらゆる軍勢を集めた。天の神々、海の神々、そしてハデス率いる冥界の神々、
さらには人間の英雄ヘラクレスまで招集する。
神々と英雄それぞれの活躍によりギガンテスは敗れ去った。
そこで最後にガイアはギリシャ最強の怪物と恐れられるテュポーンを生み出す。
一時はゼウスすら敗れて暗い洞窟に封印されるほどの苦戦であったが、何とか倒して封じた。
この後は、ガイアは反乱への支援をしなくなったようだ。
大地そのものとしての神
ガイアはその後レア、デメテルと続く大地の神の最初の一人である。
このため大地そのもの、あるいは地球そのものの異称もガイアと呼ぶ。
以下余談。神々の王権争いに関与して反乱者を支援し、
時には自ら怪物を生み出して王権争いに介入しているガイアであるが、
どうやら現代でも若者の上昇志向を煽っているらしい。
ファッションについて囁いたのをきっかけにこの世界の人間にいろいろ囁いているとか。