概要
アニメ『シムーン』 は、スタジオディーン制作で2006年4月から同年9月まで放送された。全26話。
漫画『Simoun』は、「コミック百合姫」Vol.3から速瀬羽柴作画により連載された。全1巻。
ストーリー
大空陸という名の世界では、人類は全て女性として生まれ、17歳になった時、自らの意思で性別を選んで成人する。宗教国家のシムラークルム宮国には、人々の信仰の対象である神テンプスパティウムに使える巫女達は聖なる遺物ヘリカル・モートリスを搭載した飛行艇シムーンを操る。その力を手中に収めようと、隣国が攻め入ってきた。巫女達は国を護るため戦士となり、終わりなき戦いは続いていた。
登場人物
「人間は全て少女として生まれる異世界」が舞台なので、男性キャラクターの声も女性声優が演じた。
コール・テンペスト
その他
主題歌
オープニングテーマ
「美しければそれでいい」
作詞・作曲・歌 - 石川智晶 / 編曲 - 西田マサラ
エンディングテーマ
「祈りの詩」
作詞 - ああ / 作曲 - takumi / 編曲 - 鈴木Daichi秀行 / 歌 - savage genius
用語
異世界が舞台である事を強調するためか、独自の用語が大変多い。
シムラークルム宮国(きゅうこく)
テンプスパティウム
宮国で信仰されている神。
テンプス神とパティウム神の二柱であり、片方が時間を、片方が空間を司るといわれる。
シムーン
二人乗りの小型飛行艇。
シムーン・シヴュラ(巫女)が二人一組で乗り込み、空にアクロバット飛行で様々な紋章を描く。この模様を描く行為自体がテンプスパティウム神への祈りとなっている。
すなわち本来は神事に使うものだが、戦争のために搭乗者である巫女達と共に戦場へと送り出される。
シムーンを動かせるのは以下の条件をそろえた人物だけである。
- 性別決定前の人間であること
- 何かしらの先天的資質(詳細は不明)を生まれつき持っていること。
作製にはオリジナルのヘリカル・モートリスが必要など謎が多い。
シヴュラ
テンプスパティウムに仕える巫女。シムーンに乗って神事を行なう巫女を特にシムーン・シヴュラと呼ぶ。
本来はそれなりの家柄の娘でないと巫女になれない。
だが戦況が悪化するとそうもいってられず、アーエルやマミーナの様に「巫女になれない家柄の出身でも、シムーンを動かせる先天的資質を持っている」者が抜擢される様になった。
パル
シムーンに乗り込む巫女二人のペアの事。シムーンは同じ機体でも、乗り込む巫女同士の相性によって性能が違ってくる。相性が合う組み合わせは固定のペアを組む。
コール・テンペスト
コールとは飛行中隊の意味。つまりテンペスト飛行中隊。本作の主人公達が所属する。名実ともに宮国最強の部隊。
ヘリカル・モートリス
シムーンにも使われている動力源。ただし原理は不明。いわゆるロストテクノロジー。オリジナルはシムラークルム宮国の領土内の遺跡からしか出土しない。宮国ではレプリカを作製し様々な物に利用しているが、シムーンはレプリカのヘリカル・モートリスでは動かず、オリジナルを使う必要がある。シムーンの飛行描写などから、慣性や重力をコントロール出来るのではと思われる。
リ・マージョン
シムーンのアクロバット飛行によって空に描かれる紋章。テンプスパティウム神に対する祈りであり、シムーン・シヴュラの行なう神事。ただしリ・マージョンの中には魔法の様な現象を起こす物もあり、兵器として戦場へと駆り出される事となった。紋章を描いている途中で敵の攻撃などで航路が乱れると効果は発揮されず、最初からやり直しになる。
翠玉のリ・マージョン
「描ききった者は別の世界へ行ける」とも伝えられる究極のリ・マージョン。ただし本来はどういう効果があるのか分かっていない。成功失敗に関係なく事後に重大な影響を及ぼす事が多い。
アルゲントゥム礁国
宮国に侵攻した隣国。宮国とは違って科学を発展させた工業国家。後に嶺国と同盟を結ぶ。
プルンブム嶺国
宮国に侵攻した隣国。冬は凍死者が出る極寒の地。アニムス神を信仰する宗教国家で、宮国に似ている所が多い。アニムス神はテンプスパティウムと同一神であるという説が作中世界で有力。
性別の決定方法
各国において異なる。
宮国
17歳を過ぎると神殿が管理する泉へ行って水に浸かり、男性となるか女性となるかを心の中で思う。泉には管理者(物語開始時点ではオナシア)がいて儀式を司る。
男性を選んだ場合、男性としての新しい名前をあたえられる。(名前の最後に「フ」がつけられる。語呂が悪い場合は語尾を少し変えてから「フ」をつける。)
肉体は個人差があるが数年で男性に変わっていく。
どちらの性を選ぶか自分で決められない場合は「テンプスパティウムのお告げ」によって本人の意思と関係なく決められてしまう。
また、泉へ行って性別を決定する事は、成人の儀式でもある。
シムーン・シヴュラは性別を決定するとシムーンを動かせなくなる。
戦時中という事もあり、本作の主要登場人物であるシムーン・シヴュラ達は17歳を過ぎた者でも泉へ行っていない。
礁国
生まれた時に国家が将来の性別を決めてしまい、その場で手術と薬品によって体を作りかえる。