概要
アニメ版での声は肝付兼太。
(999他各作品共通・氏の逝去後は999のCV付新作はつくられていない)
『銀河鉄道999』等の松本零士作品に登場。銀河鉄道株式会社職員で同社が運行する「999」号の車掌を務めている。『銀河鉄道999』においては主人公の星野鉄郎やメーテルとともにレギュラーとして登場し、各停車駅到着前に駅名と停車時間の肉声案内(乗客のいる車内に来て直接伝える)が漫画やTVアニメにおいては毎回の定番となっていた。
漫画版では最初は無個性だったものの、「好奇心」の星で鉄郎に命を救われて以来、鉄郎と交流ができ、以来打ち解けている。銀河鉄道株式会社の規則を破ってまでメーテルと鉄郎を救おうとしたこともあり、惑星マカロニグラタンで2人が死んだと思った際は本気で悲しんでいた。
と、同時に最初は割りと中肉中背の姿だったのがいつの間にかダブルボタンの肥満体になっていった。
一方で銀河鉄道の社内規範に厳格であり、列車往来妨害行為を働いたものを宇宙空間に放り出すこともある(そのような者がいると乗客・乗員全員の生死に関わるため。なおこのシーンはアニメではカットされている)。ただし機関車が自己保身のために無理矢理ダイヤに戻そうとして鉄郎とメーテルを置いていきかけた時には、2度ほど機関車と喧嘩をしている(『心優しき花の都』と『ヤーヤボールの小さな世界』)。
銀河鉄道で最も速い999に乗務していることを誇りに思っており、劇場版第2作で幽霊列車(原作にも機械超特急として取り入れられる)に追い抜かれた時には嘆く機関車の声に号泣していた(実は設定上も幽霊列車と999は最高速度では差がなく、このときは999は黄色信号で減速していたところを無理矢理退かされた)。
乗客の安全を守る立場から武器を取ることもあり、ハッキリ言って射撃の腕は鉄郎より上なんじゃないかと思われる(流石にハーロックやエメラルダスには及ばないだろうが……)。『ざんげの国』では1発で戦闘ホバーを撃墜し、アニメ版最終回ではコスモドラグーンで鉄郎にかけられた手錠を撃ち抜いている。
原作ではそれほどではないが、TV版を始めとする映像化された作品およびその派生作品では、事ある毎にいちいち大騒ぎするコメディリリーフキャラとして描かれてしまっている。エターナル編で新登場したカノンが冷静沈着で対照的であることから、カノンにジト目で見られてしまうこともしばしばある。
実は透明人間。ガス体であり実体がない。機械の体になるかならないかを迷いに迷った挙げ句に保留にした結果で、本人はそのことを死ぬほど恥じている。裸を見られるのを極度に嫌がるのはそのため。
ちなみに、TVアニメ版銀河鉄道999ではガス体であるが故にピンチを切り抜けたことがある。
この車掌さんの正体とその理由はTV版最終話で語られるはずだったが、尺が足りなくなりカットされた。このため並行して製作中だった劇場版第2作に押し込まれることになった。
劇場版第1作ではキャラクター性そのものは変わらないものの、あまり鉄郎たちと会話しなかった車掌さんが、続編では突然親しくなっているのはその都合。
劇場版第2作のラストでは、鉄郎に自分の正体を明かした上で元の自分の体に戻ることを宣言したが、その後を描く原作エターナル編、およびアルティメットジャーニーではガス体のままとなっている。
銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星~にて
銀河鉄道999と世界観を共有する銀河鉄道物語のOVA「忘れられた時の惑星」では、彼が銀河鉄道物語のキリアン・ブラックの養父だったことが明かされる。
時間操作のテクノロジーを持っていた実の両親はキリアンが幼くして死んでしまうことを知り、モデストの恋人だったエメと運命交換を行い、キリアンが長く生きられるようにした。しかしこれによってヒーライズは時の津波の洗礼を受けることとなり、もし巻き込まれればキリアンも消えてしまう。そこで両親は999号に1歳のキリアン1人だけを乗せ、それを車掌が発見。そのまま車掌が育てることとなった。
その後キリアンは順調に成長していくのだが、ある乗客が管理局へ「999号の乗務員が密航者を匿っている」と通報してしまい、999号停車駅の一つ、メネリアカ太陽系第4惑星リュークの孤児院へと預けられた。
声優について
リメイク以前(2005年以前)のアニメ『ドラえもん』(第1期)「銀河鉄道切符」(原作は単行本第20巻「天の川鉄道の夜」)の回にて、銀河鉄道の車掌の声を「銀河鉄道999」と同じ肝付兼太氏が担当したことがある(ちなみに肝付兼太氏は当時のスネ夫役でレギュラーだった)。
(※リメイク版(2005年以降/第2期)でも「天の川鉄道の夜」のタイトルで大幅に加筆されたものが2009年3月6日に放送された。こちらでは車掌はゴンスケで声は龍田直樹)
また、アニメ『生徒会の一存』で寝台特急「北斗星」が登場したときは、彼にちなんで車掌役に肝付兼太氏が抜擢された(本来単価の安い深夜アニメに肝付氏のようなベテランが登板することはまれ)。