概要
初出は「てれびくん」1980年2月号。てんとう虫コミックス第20巻ならびに藤子・F・不二雄大全集「ドラえもん」第19巻に収録。
あらすじ
SLに乗ってきたスネ夫の自慢話から帰宅したのび太は、ドラえもんに強請るものの却下されてしまうが、その直後、ドラえもんが仕舞い忘れた、天の川鉄道乗車券を見つける。
のび太はドラえもんにさりげなく、天の川鉄道のことを訊ね、天の川鉄道はSL型宇宙列車であり、乗車券にハサミを入れれば、時空を超えて現れ、乗車できることを知った。
のび太は、しずかとジャイアンとスネ夫にも天の川鉄道のことを教え、その夜、しずかたちも同伴し、裏山へ行くが、来る気配がない。ジャイアンが「やっぱり嘘だったな!!」と激怒した途端、宇宙SLが現れた。
乗車券が1枚しかないことから、のび太だけしか乗れないと思われたが、車掌は「これが最後だから」と特別にしずかたちの乗車も許可する。
運行中、車掌はしきりに「あれが発明されてからSLはすっかり寂れてしまった」と零していたが、「あれ」が何なのかは語らなかった。
一方のドラえもんは、四次元ポケットの中に乗車券がないことにやっと気づいていた。
そして、のび太がなぜか天の川鉄道のことを尋ねてきたのは、自分が落としたそれを拾ったからだということに思い至って大パニック。
「キップがない。落としたんだ。さては……記念のつもりで買ったキップを使ったな! なんてことするんだ! よりによってあんな列車に乗るなんて!!」
4人を乗せた宇宙SLは、宇宙の果てのハテノ星雲に向けて飛び立ち、ハテノ星雲のはじっこの星に到着するが、その星は駅以外は何もない星であった。
最後の仕事を終えた車掌もSLも何処かに姿を消してしまい、帰る手段を失ったのび太たちだが……。
ドラえもん「どこでもドアが発明されたから、不便なSLは廃止されたんだ。大事な記念のキップを使っちゃって!」
宇宙SLが廃止された要因であるどこでもドアでドラえもんが助けに来てくれたので事なきを得る。
あのキップは、SLが廃止されることを知ったドラえもんが最後の記念にと購入したものだったのだ。
余談
- 後ののび太と銀河超特急の原型となった話であり、そちらでは、観光用としては運行していることが描かれた。
- サブタイトルは宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」をもじっているが、内容的には松本零士の漫画「銀河鉄道999」へのオマージュが多い。作中に登場する車掌は999の車掌に似ているほか、999の終点「アンドロメダ星雲」を思わせる「オンボロメダ」なる駅が天の川鉄道の起点として言及される。
- 水田わさび版の2009年3月6日放送のテレビスペシャルにおいては、大幅なアレンジが施された。
- 車掌がゴンスケに変更
- のび太たちが乗ったSLにサブローの愛称が与えられる
- ハテノ星雲のはしっこの星に到着する前にドラえもんが現れる
- 小惑星爆発による隕石事故に遭った、リゾート列車の救助に向かう
- 最後の仕事を終えた、サブローの形見のネジをのび太が受け取り、サブローは博物館に展示される事となった。