CV:石田彰
概要
アニメ第2期「永遠への分岐点」OVA「忘れられた時の惑星」にて登場したシリウス小隊の新キャラで、学とルイの後輩。
惑星リュークの孤児院出身の幹部候補生の新人隊員。本来の両親とはまだキリアンに物心付く前に生き別れ孤児院に預けられた様子。コンピュータ関連の能力に長け、訓練学校生時代には管理局のサブコンピュータへハッキングを仕掛けたこともある。美男子で女性職員からの人気が高いが、整理整頓が全く出来ず、部屋はいつも散らかり放題とのこと。なお、本人も結構ナンパな性格で、女性職員を気軽に口説いたり手を振ったりすることもある。ルイにちょっかいかけて学に睨みつけられることもしばしば。
来歴
シリウス小隊へは研修で配属され、学が教育係となる。プライドが高く、効率最優先でデジタル最上主義なケがあることから、熱血かつ情に厚い学とは劇中でも口論になることも多い。だが、学のことをきちんと「有紀さん」と敬った呼び方をしているし、土壇場では抜群のコンビネーションを見せるなど、きちんと信頼関係は築けている。ディビッド曰く「コインの表と裏」。土壇場では抜群のコンビネーションを見せる。なお、熱血漢な学に対してクールな優等生かと思いきや、結構ドジを踏むことも多く、複雑な爆弾の解体に失敗し、列車を1両空間軌道で吹き飛ばしてしまったことも。
とはいうものの、彼は正規の隊員ではなくあくまで幹部候補生であるため、シリウス小隊への所属は「研修」という形の一時的なものでしかなく、アニメ2期中盤で一度シリウス小隊を離れ、本来の役職へ戻った。
しかし、その後もシリウス小隊との交流は続いており、ヘッケラー社から新型SPG戦闘車両が盗み出された一件ではバルジ隊長からの要請でヘッケラー社周辺のお金の流れを極秘裏に調査しており、その際もバルジのことを「隊長!」と呼んでいたことからも、シリウス小隊の面々には格別な思い入れがあることを窺わせる。
シリウス小隊全員が時間断層に飲み込まれ消失した際には、彼らの生存を信じなんとか救出できないかと独自にプランを練っており、とある情報筋からもたらされた中止された銀河鉄道の極秘計画の存在を知り、SDF総司令の藤堂に直訴しシリウス小隊救出計画を立案。途中、銀河鉄道上層部の妨害により重傷を負うも、傷をおして現場に復帰し最終決戦およびシリウス小隊救出作戦では陣頭指揮をとった。
なお、この一件でスピカ小隊の末浦愛となんかいい感じになっている。また、DVDボックスのカバーイラストではシリウス小隊一同が勢揃いしているなかキリアンが不自然に画面外によろめいているのだが、他の二つのボックスカバーのイラストと合わせると愛に左腕を抱きしめられた勢いでよろめいているキリアンという構図ができる。
テレビ未放映の幻の最終回「我が心のシリウス小隊」ではシリウス小隊救出作戦の一件で藤堂司令の信頼を勝ち得、彼の実質的な副官のような立ち位置に収まっている。また、上層部の腐敗への対策として、自分と同じく「幹部候補生全員の実地研修の義務化」を藤堂司令に提言しており、緊急事態ゆえ即時採用とはならなかったものの、藤堂司令の主導で実施される予定であり、「信じてまて」との彼の言葉にキリアンも「はい!」と力強く返事をしていた。
関連タグ
- 有紀学:自分の教育担当の先輩。気質的に水と油ではあるが、彼のことを尊敬しており、重傷による昏睡状態から回復した際の第一声も「ゆうき...さん...」だった。ただ、時々くる無茶振りには頭を抱えている。
- ルイ・フォート・ドレイク:先輩。身近にいる異性なのでやっぱりちょっかいをかける対象になっている。一方で、やっぱり先輩としての迫力や学同様の無茶振りには若干退いている。また、ルイ自身も父親に複雑な感情を抱いていることから、後述の養父との関係に悶々とするキリアンにアドバイスすることも。
- ???:OVA「忘れられた時の惑星」で明らかになったキリアンの養父。詳しくは後述。
ここから先OVA「忘れられた時の惑星」のネタバレ注意
公式設定では「惑星リュークの孤児院出身」とされていたが、「忘れられた〜」にて彼の生い立ちが明かされた。
彼の本当の出身地は「忘れられた時の惑星」である惑星ヒーライズ。
彼の本当の両親であるローナンとリオナはヒーライズでも指折りの科学者であり、その明晰な頭脳を用いて時空を観測する装置を開発する。その装置を使って、二人は好奇心から愛する息子が未来ではどのような姿をしているか調べるが、その結果息子は交通事故で幼くして死んでしまうことを知ってしまう。その未来をなんとか変えようと二人は手を尽くし、交通事故を起こす運転手である女性・エメの命と引き換えに息子が生き延びる未来を作り出すことに成功した。だが、個人の思惑で時間軸をいじった代償としてヒーライズ全体が「時の津波」という現象に飲み込まれ、惑星の文明ごと存在が抹消されることが避けられなくなったことから、二人はたまたまヒーライズの駅に停車していた銀河超特急999号にキリアンを託した。
その後、キリアンは車掌さんに育てられ、彼を「おとうさん」と呼び慕うなど良好な関係を関係を築いていた。また、幼少期に999号からSDFの列車を見つけた際には、「おおきくなったらSDFに入っておとうさんの列車を守るんだ!」と語っていた。だが、ある乗客が「999号の乗務員が許可なく子供を乗せている」と上層部に通報したことにより、車掌は999停車駅の惑星の孤児院に預け、それ以来二人は顔を合わせていない。この際、泣き縋るキリアンを振り払うため、自分は本当の親でないこと、キリアンは捨て子だったことを強い口調で明かしてしまい、そのことがキリアンのトラウマとなってしまっている。なお、車掌さんもこの別れは本意ではなく、別れの直後は車内で泣き崩れており、その後も幼少期のキリアンが描いた絵を大事に車掌室に飾っている。
そして、彼が銀河鉄道に入り、シリウス小隊で研修中に999号がヒーライズ付近で消息を断つという事件が起き、彼は因縁の惑星へと赴くこととなる。
関連人物(ネタバレ)
- 車掌さん:キリアンの養父。彼への愛情は本物だったのだが、銀河鉄道職員として規則には反することはできず、泣く泣く彼を孤児院に預けた(おそらくバレたらキリアン自身にも銀河鉄道から重い処分が課されることから、危害が及ぶのを防ぎたい一心だったのだろう)。「忘れられた〜」本編で十数年ぶりの再会を果たす。
- モデスト・イシュト:ヒーライズに居城を構える謎めいた男で、キリアンと引き換えに死んだ女性・エメの婚約者。999号を襲うなど、「忘れられた〜」本編におけるメインヴィランではあるのだが、その根本には「本来死ぬ運命になかった最愛の女性・エメの死の理不尽さに対する怒り」と「もう一度エメと会いたいという悲痛な願い」があるため、純粋な悪役とは言い難い。「時の津波」が襲い掛かった当時のヒーライズの生存者としてメーテル、車掌さんとともにキリアンも狙う。