概要
西武鉄道が所有する車両である。今までの西武のイメージを一新するデザインである。3ドア車であるN101系・301系を置き換える為に登場した。2008年に新宿線においてデビューした。現在は西武新宿線と西武池袋線の運用についている。
開発時、新生西武鉄道を象徴した車両をめざしプロジェクトチームが発足されたものの、男性中心のメンバーでは旧来の常識に凝り固まった画一的な案ばかりが提示されたたため、女性を中心としたチームが組まれ、女性ならではの視点から多くの要素が車内設備に取り入れられた。JRをはじめ、乗り入れ先の車両を参考にしており、特に内装は、開放感のある天井や、枕木方向に設置された空調、連結部のガラス扉など多くの要素が東京メトロ10000系を参考に取り入れられた。このように多くの要素が参考車種と類似した物であるが、細かく見ていくとオリジナル要素も多く盛り込まれている。まず、車体そのものが西武通勤車初の裾絞り(特急車では初代5000系レッドアローからほどこされている)となっている点、カラーコードが参考車種とは異なり明るい色調に、座席の袖仕切りは本形式のイメージに合わせた卵形のものとされ、特に手すりは指紋が付きづらい加工が施されたほか、参考車種で導入されているA-Train特有のピラー部分を折り曲げ加工し、側扉部分の手すりとした物とは形状が異なるなど、手すり自体の形状がつかみやすい構造になっている点で参考車種と見分けが着く。もっとも、西武20000系の頃から手すりはA-train共通のものではない点は注目したい。
登場当時は戸閉音がかなり大きく、発車時「爆弾ドア」と揶揄されるほど不快な騒音と振動を発していたが、近年は調整されて比較的気にならなくなっている(それでも古い2000系くらいの騒音は発生する)
当初は6両編成も投入する予定だったが、現在は予定にはない10両編成と8両編成、2両編成しか存在しない。2015年までに10両編成6本、8両編成17本、2両編成6本が製造され、以降は西武40000系の製造に移行した。
編成
編成の場合、下2桁は編成数を表し、下から3桁目は号車数、4桁目は編成、5桁目は形式である3が付与される。
例えば、30501なら10両編成の第1編成の5号車を意味する。
4桁目の両数は2両編成は2,8両編成は8,10両編成は0が付与される。
10両編成
←新宿・飯能 本川越・拝島・池袋→
クハ30100-モハ30200-モハ30300-サハ30400-モハ30500-サハ30600-サハ30700-モハ30800-モハ30900-クハ30000
8両編成
←新宿・飯能 本川越・拝島・池袋→
クハ38100-モハ38200-モハ38300-サハ38400-サハ38500-モハ38600-モハ38700-クハ38800
2両編成(池袋線のみ)
←飯能 池袋→
クモハ32100-クハ32200
10両編成は単独、8両編成は8連単独または2両編成をつないで10連の運用。また、2両編成を2本つないだ4連による西武狭山線の運用実績がある。
所属
池袋線
- 10両編成3本30両(30101・30103・30104編成)
- 8両編成8本64両(38103・38104・38105・38107・38109・38110・38112・38116編成)
- 2両編成6本12両(32101 - 32106編成)
新宿線
- 10両編成3本30両(30102・30105・30106編成)
- 8両編成9本72両(38101・38102・38106・38108・38111・38113・38114・38115・38117編成)
ラッピング車両
ワタナベナオミトレイン
30101編成にラッピング。2016年10月11日~31日まで運行。「SEIBU HALLOWEEN 2016」のイベントとして、ハロウィンのコスプレをした渡辺直美のラッピングが施された。
ぐでたまスマイルトレイン
38105編成にラッピング。2018年3月5日~12月23日まで運行。30000系デビュー10周年とぐでたま誕生5周年を記念したコラボイベント。車体を2000系などをイメージしたイエローにラッピング。
コウペンちゃんはなまるトレイン
38113編成にラッピング。2020年3月23日から2021年2月末まで運行。コウペンちゃんコラボ2年目のラッピング車両(1年目は40000系にラッピング)で、ぐでたまと同様に車体を薄いグリーンにラッピングした。
DORAEMON-GO!
38101Fにラッピング。2020年10月8日より運行中。ドラえもんをイメージしたブルーの車体に、顔をイメージした装飾が、1両に2箇所のドアに施されている。
余談
- 上述の通り、かつて駅の外まで聞こえる程の爆音で扉が閉まる頃があった。改良されたのか近年はだいぶマシになってきている。なお、一部の編成は後継のはずの西武40000系並みに静かだったりする。
- 先頭車正面はヘッドライトが目・下部連結周りが口角を上げた口、というようにどこか笑っているように見える(メイン画像参照)ことから、スマイルトレインの俗称を付けられた。このおかげか、西武の新たな顔として広く認知されることになる。
- 斜めのテールライトが発光している後尾車は逆に怒っているようにも見える……かもしれない。
関連イラスト
関連タグ
西武鉄道 30000系 スマイルトレイン 西武20000系 西武40000系 東武50000系 東武60000系 阪急9000系 東京メトロ10000系